不倫の慰謝料に確定申告は必要?税金がかかるケースと対策を解説
不倫の慰謝料を受け取っても、原則として確定申告は必要ありません。
慰謝料は「心身の損害への賠償」にあたり、税金がかからないお金だからです。
ただし、金額や受け取り方によっては、例外的に贈与税がかかって申告が必要になるケースもあります。
本記事では、慰謝料に税金がかかる4つの例外と、余計な課税を避けるための対策をわかりやすく解説します。
支払った側の慰謝料の扱いについても紹介するので、あわせて参考にしてください。
不倫慰謝料は非課税のため確定申告は原則不要
不倫の慰謝料は、精神的苦痛に対する損害賠償金にあたるため、原則として非課税です。
所得税法施行令第30条でも、心身に加えられた損害に対して支払われる慰謝料などは非課税と定められています。
そのため、不倫の慰謝料を受け取っても、確定申告をおこなう必要はありません。
ただし、慰謝料として受け取った金額や支払いの内容によっては、例外的に贈与税の対象となるなど、申告が必要になるケースもあります。
不倫慰謝料を受け取ったあとに申告・納税が必要なケース
不倫慰謝料は原則として非課税のため、受け取ったとしても確定申告をおこなう必要はありません。
一方、以下のようなケースでは、慰謝料として非課税と認められず、贈与税の課税対象となる可能性があります。
- 相場を大きく超える高額な慰謝料を受け取った場合
- 不貞の慰謝料であると証明できない場合
- 不動産など金銭以外で受け取った場合
- 支払い義務者本人以外の第三者から受け取った場合
それぞれの場合について、詳しく見ていきましょう。
相場を大きく超える高額な慰謝料を受け取った場合
不倫の慰謝料が社会通念上相当と認められる金額を大きく超える場合は、超過部分が贈与とみなされ、贈与税の課税対象となる可能性があります。
この場合は、一定の要件を満たすと贈与税の申告・納税が必要です。
ただし、課税の有無は金額だけで決まるものではなく、不貞行為の内容や慰謝料の算定根拠など、個別の事情を踏まえて判断されます。
不安がある場合は、税理士や弁護士へ相談すると安心です。
【関連記事】離婚における精神的苦痛の慰謝料相場は?請求できるケースや手順、必要な証拠を解説
不貞の慰謝料であると証明できない場合
受け取ったお金が不貞行為に対する慰謝料であることを証明できない場合は、贈与と判断され、贈与税の課税対象となる可能性があります。
例えば、示談書や合意書が作成されていない、支払いの目的が明確でないといったケースでは、税務上、慰謝料ではなく贈与とみなされ、申告・納税が必要になるケースもあります。
こうしたリスクを避けるためにも、示談書や合意書には「不貞行為に対する慰謝料」であることや、金額・支払方法などを明記し、証拠として保管しておきましょう。
不動産など金銭以外で受け取った場合
慰謝料を不動産などの現物で受け取る場合は、慰謝料自体は非課税であっても、不動産取得税や登録免許税などの税負担が発生することがあります。
この場合、不動産を譲渡した側には、譲渡所得税が課される点にも注意が必要です。
不要な税負担や手続きを避けるためにも、慰謝料は金銭で受け取る方法が一般的です。
支払い義務者本人以外の第三者から受け取った場合
慰謝料を支払う義務がある本人ではなく、親族などの第三者から受け取った場合は、慰謝料ではなく贈与と判断され、贈与税の課税対象となる可能性があります。
例えば、不貞をした本人に代わって親が直接慰謝料を支払ったケースでは、お金の流れや契約内容によって税務上の扱いが異なります。
そのため、一定の要件に該当すると贈与税の申告・納税が必要になる場合があるのです。
トラブルを避けるためにも、慰謝料は原則として支払い義務者本人から受け取り、振込記録や示談書など、支払者を確認できる資料を残しておくことが大切です。
受け取った不倫慰謝料のうち贈与税の対象となる範囲
不倫慰謝料に贈与税がかかる場合、課税対象となるのは、受け取った金額から年間110万円の基礎控除額を差し引いた金額です。
仮に、1,000万円の不倫慰謝料を受け取り、課税対象となった場合は、基礎控除額である110万円を差し引いた890万円が課税対象となります。
なお、贈与税の税率については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
【関連記事】離婚の慰謝料に贈与税がかかるケースと計算例|課税されないための方法
贈与税の課税対象となった場合の申告方法・期限
不倫の慰謝料は原則として非課税のため、通常は申告や納税は必要ありません。
ただし、慰謝料の一部または全部が贈与税の課税対象と判断された場合は、贈与税の申告・納税が必要です。
申告・納付の概要は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課税対象 | 贈与財産の合計額のうち、年間110万円の基礎控除を超える部分 |
| 申告・納付期限 | 財産を受け取った翌年2月1日~3月15日 |
| 提出先 | 住所地を管轄する税務署 |
| 期限を過ぎた場合 | 無申告加算税や延滞税が課される場合がある |
贈与税の対象となるかどうかは、慰謝料の金額や支払いの経緯などを踏まえて個別に判断されます。
判断に迷う場合は、税理士や税務署へ相談し、必要に応じて期限内に申告をおこないましょう。
不倫慰謝料と確定申告に関するよくある質問
最後に、不倫慰謝料と確定申告について、よくある質問にお答えします。
慰謝料を支払った場合は経費や所得控除の対象になりますか?
いいえ。
不倫の慰謝料を支払っても、必要経費や所得控除の対象にはなりません。
慰謝料は事業とは関係のない私的な支出であるため、必要経費として計上することはできません。
また、医療費控除や雑損控除などの所得控除の対象にもならず、税負担を軽減することもできません。
なお、慰謝料を不動産などの現物で支払った場合は、譲渡所得税が課されるケースがあります。
財産分与や養育費を受け取った場合も確定申告は必要ですか?
原則として、財産分与や養育費を受け取っても確定申告は不要です。
財産分与は、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を公平に分けるためのものであり、贈与にはあたりません。
また、養育費は子どもの生活や教育のために支払われる費用であることから、いずれも原則として非課税です。
ただし、財産分与が社会通念上著しく高額な場合や、不動産などの現物で財産分与を受けた場合には、税金が課されることがあります。
状況によって税務上の取り扱いが異なるため、不明な点がある場合は税理士や税務署へ相談すると安心です。
まとめ|不倫の慰謝料で迷ったら弁護士に相談
不倫の慰謝料は原則非課税で、確定申告は不要です。
例外的に課税される場合のみ、贈与税の申告が必要になります。
とはいえ、「自分の金額は相場の範囲内なのか」「この受け取り方で課税されないか」は、個人で判断するのが難しいところです。
こうした不安は、弁護士に相談することで解消できます。
相場を踏まえた金額の交渉から、課税リスクの低い示談書の作成まで任せられるのが、弁護士に依頼するメリットです。
弁護士を探す際は、離婚問題にくわしい弁護士を地域や相談内容から検索できる「ベンナビ離婚」の利用もおすすめです。
無料相談やオンライン相談に対応する事務所も多くあります。
慰謝料や税金で少しでも不安があれば、早めに相談してみてください。
