離婚前の別居の引っ越し費用相場は?費用が足りないときの対処法も解説
- 「別居したいけど、ひとりでやっていけるか不安…」
- 「相手の同意なく家を出ても大丈夫?」
別居を前に、同じような不安を抱える人は多いはずです。
離婚を考えた別居は、進め方を誤るとあとになって損をする可能性があります。
お金の見通しを立てずに動くのも、生活が苦しくなる原因です。
別居を始めるなら、メリットとデメリットを理解したうえで、計画的に準備を進めましょう。
本記事では、別居・引っ越しのメリットとデメリット、引っ越しの手順や費用の相場、費用が足りないときの対処法までを解説します。
あわせて、別居の際に住民票を移すメリットとデメリットも解説するので、安心して別居を進めるための参考にしてください。
【関連記事】離婚する前にしておくべき準備とは?後悔しないため何をするべき?
離婚前の別居・引っ越しのメリット3つ
まずは、離婚前に別居・引っ越しをするメリットを3つ確認しましょう。
長期の別居は離婚の理由になる
別居の期間が長くなるほど、裁判で離婚請求が認められる可能性は高まります。
離婚裁判では、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるかどうかが判断されます(民法770条1項5号)。
婚姻を継続し難い重大な事由とは、夫婦関係が修復できないほど破綻している状態です。
別居しただけでは、夫婦関係が破綻しているとはみなされません。
しかし、別居が長期化し、関係の修復が難しくなれば、破綻が認められる可能性があります。
夫婦関係が破綻していると認められやすい別居期間は、3年〜5年程度です。
ただし、相手に不貞行為やDVがある場合は、より短い期間でも認められることがあります。
別居期間を証明するためにも、別居を始めた日は忘れずに記録しておきましょう。
【関連記事】別居何年で離婚できる?統計や早期に離婚を成立させるためのポイントも解説
相手と直接関わらず離婚を話し合える
離婚前に別居すれば、相手と冷静に離婚について話し合いができます。
同居していると、顔を合わせるたびに感情的になりがちです。
一旦相手と距離を置けば、気持ちを落ち着けて離婚の話し合いができるでしょう。
どうしても相手と顔を合わせたくない場合、弁護士に交渉を依頼したり、調停を申し立てたりすれば、相手と直接関わらずに離婚を進められます。
落ち着いて向き合ううちに、夫婦が復縁や関係の再構築に向かう可能性もあるでしょう。
子どもを落ち着いた環境で養育できる
別居して引っ越すと、子どもを落ち着いた環境で養育できます。
夫婦のけんかが絶えない家庭では、子どもが強い不安を抱えてしまいます。
両親の言い争いは、子どもの心に深い負担を残すかもしれません。
また、夫婦喧嘩がエスカレートして子どもの前で怒鳴ったり物を壊したりすると、「面前DV」に該当します。
面前DVは心理的虐待とみなされるため(児童虐待の防止等に関する法律第2条4号)、状況によっては子どもが児童相談所などに一時的に保護されます。
その結果、子どもに会えなくなるかもしれません。
別居して争いの少ない環境で暮らせば、子どもの精神が安定するだけでなく、子どもと会えなくなるリスクを減らせます。
【参考記事】子どもの前での夫婦げんか(面前DV)は、子どもへの心理的虐待にあたります | 目黒区
離婚前の別居・引っ越しのデメリット3つ
別居にはメリットがある一方で、知っておきたいデメリットもあります。
両者を踏まえた上で、離婚前に別居すべきか判断しましょう。
ここでは、主なデメリットを3つ紹介します。
引っ越し費用と生活費の負担が増える
別居を始めると、引っ越し費用と毎月の生活費の負担が増えます。
新居の契約と引っ越しには、まとまったお金が必要です。
新居の初期費用や引っ越しにかかる費用だけで、数十万円かかるケースもあります。
また、今まで1世帯分で済んでいた出費が2世帯分に増えるため、家賃や光熱費が二重に発生します。
費用の負担が増えても暮らしていけるよう、別居の前に資金計画を立てておきましょう。
たとえば、相手に生活費を払ってもらう、専業主婦(専業主夫)なら働いて収入を得る、といった方法があります。
同居義務違反になる可能性がある
相手の同意がない別居は、同居義務違反になる可能性があるので注意が必要です。
夫婦は、同居・協力・扶助の義務を負っています(民法752条)。
長期間にわたって別居を続けると、同居義務違反とみなされるかもしれません。
正当な理由なく同居義務を果たさない状態は、「悪意の遺棄」に該当するおそれがあります。
悪意の遺棄は裁判で離婚が認められる事由にあたるだけでなく(民法770条1項2号)、相手から慰謝料を請求される理由になります。
可能であれば、別居の前に相手の同意を得ておきましょう。
ただし、DVや虐待からの避難など、正当な理由があれば同居義務違反になりません。
同意が得られない場合は、別居に正当な理由があると説明できるよう準備してください。
子どもの連れ去りとみなされる場合がある
子どもを無断で連れて家を出ると、連れ去りとみなされる場合もあるでしょう。
親権は夫婦の話し合いで決めますが、合意できないと最終的に離婚裁判に進みます。
裁判では、子どもの福祉・利益を最優先に、これまでの子どもの世話をした監護実績や子を育てる監護能力の有無が考慮されます。
そのため、正当な理由なく一方的に子どもを連れ出すと、監護能力がないと判断される可能性が高いです。
可能であれば、子どもの引っ越しについても事前に同意を得ておきましょう。
ただし、DVや虐待から避難する場合は、連れ去りとは区別されます。
判断に迷うときは、連れて出る前に弁護士へ相談しましょう。
【関連記事】親権とは?離婚時の決め方・親権の判断基準・親権獲得のポイントを解説
別居・引っ越し費用の相場
別居にはまとまったお金がかかるため、まずは必要な費用を前もって準備してください。
必要な費用は、新居の初期費用、引っ越し業者への料金、生活用品の購入費の3つに大きく分けられます。
3つの費用と総額の目安は、以下のとおりです。
| 費用の種類 | 金額の目安(単身の場合) |
|---|---|
| 新居の初期費用 | 家賃の4ヵ月〜6ヵ月分 |
| 引っ越し業者への料金 | 3万円〜6万円程度 |
| 生活用品の購入費 | 10万円〜20万円 |
| 合計の目安 | 40万円〜70万円程度 |
ここでは、それぞれの内訳を詳しく解説します。
新居の初期費用
新居の初期費用は、家賃の4ヵ月〜6ヵ月分が目安です。
賃貸物件の契約では、家賃だけでなく、敷金・礼金や仲介手数料などの費用がかかります。
内訳の目安は、以下のとおりです。
| 費用の種類 | 金額の目安 |
|---|---|
| 敷金 | 家賃1ヵ月〜2ヵ月分 |
| 礼金 | 家賃1ヵ月〜2ヵ月分 |
| 仲介手数料 | 家賃0.5ヵ月〜1ヵ月分 |
| 前家賃 | 家賃1ヵ月分 |
| 保証会社利用料 | 家賃0.5ヵ月〜1ヵ月分 |
| 火災保険料・鍵の交換費など | 数千円〜2万円程度 |
たとえば家賃が8万円なら、初期費用は32万〜48万円程度になるでしょう。
引っ越し業者への依頼費用
引っ越し業者の料金は、荷物の量と移動距離で変わります。
単身の引っ越しなら、同じ市区町村内で、通常期は3万円〜5万円前後が相場です。
同じ県内ほどの距離になると、通常期で3万5,000円〜6万円程度です。
なお、3月から4月は引っ越しが集中する繁忙期のため、料金が上がります。
転勤の多い9月ごろも、やや高くなる場合があります。
生活用品の購入費用
生活用品の購入費も見落とせません。
家具・家電・日用品を最低限そろえるだけでも、数万円〜数十万円かかります。
冷蔵庫や洗濯機などの家電は、1点で数万円するケースも珍しくありません
引っ越し費用や生活費は請求できる?
別居でかかる費用には、相手に請求できるものと、自己負担になるものがあります。
相手に費用をどこまで負担してもらえるか、理解しておきましょう。
引っ越し費用は原則として請求できない
引っ越し費用の負担を相手に求める法律上の決まりがないため、引っ越し費用は原則として相手に請求できません。
離婚後はもちろん、離婚前の別居でも、引っ越しする側が引っ越し費用を負担するのが基本です。
ただし、話し合いで相手が了承すれば、支払ってもらえる場合もあります。
費用を出してほしいときは、事前に相手へ相談しましょう。
引っ越し後の生活費は婚姻費用として請求できる
離婚前の別居なら、引っ越し後の生活費を婚姻費用として請求できます。
婚姻費用とは、夫婦と子どもが生活するために必要なお金です。
夫婦には、婚姻にかかる費用を分担する義務があります(民法760条)。
別居していても離婚が成立するまでは法律上の夫婦のため、収入の多い相手へ生活費を請求できます。
金額の目安は、裁判所が公表する算定表に、夫婦の収入と子どもの人数をあてはめると確認できます。
たとえば、以下のようなケースをもとに考えてみましょう。
- 支払う側:会社員で年収500万円
- 受け取る側:無収入
- 子ども:1人(14歳以下)
この場合、算定表にあてはめると、婚姻費用の目安は月10万円〜12万円になります。
なお、婚姻費用は相手に請求した月の分から受け取れるのが基本です。
請求する前の期間はもらえないため、別居を始めたら早めに動きましょう。
【関連記事】離婚前提の別居でも生活費はもらえる?婚姻費用の条件と請求する際のポイントを紹介
別居の引っ越し費用が足りないときの対処法
別居の引っ越し費用が足りないときでも、対処法はあります。
ここでは、主な対処法を3つ紹介します。
費用が理由で別居をあきらめる前に、検討してみてください。
引っ越し費用を安く抑える
まずは、引っ越し費用を安く抑える工夫をしましょう。
引っ越し日は、引っ越し費用が高くなりやすい繁忙期の3月・4月・9月を避けるのが賢明です。
引っ越し日を平日にしたり、引っ越しの時間帯を業者に任せる「フリー便」を選ぶのもおすすめです。
複数の業者から相見積もりを取り、料金の安いところに依頼しましょう。
また、費用を安く抑えるなら、引っ越しの荷物自体を減らすのも有効です。
自分で運んだり、家族や友人に手伝ってもらったりすれば、業者を使わずに済むかもしれません。
不要な家具や家電は、別居の前にリサイクルショップやフリマアプリで手放しましょう。
家賃や初期費用が安い物件を選ぶ
家賃や初期費用の安い物件を選ぶと、別居後の金銭的負担が軽くなります。
初期費用や家賃を抑えられる物件には、次のようなものがあります。
- UR賃貸住宅(礼金・仲介手数料・保証人が不要)
- ゼロゼロ物件(敷金・礼金が0円)
- 仲介手数料の安い物件
- 家具家電付きの物件
- フリーレント(入居後の一定期間、家賃が無料になる物件)
無理のない家賃の物件を選び、別居後の生活を安定させましょう。
初期費用を分割払いにする
新居の初期費用は、分割払いにできる場合があります。
不動産会社や保証会社によっては、敷金・礼金・仲介手数料の分割払いに対応しています。
分割払いであれば、手元にまとまったお金がなくても無理なく入居できるでしょう。
契約する前に、分割払いが可能かどうかを確認してください。
別居・引っ越し手順5ステップ
別居のための引っ越しは、5つの手順で進めるとスムーズです。
全体の流れを先に把握しておけば、迷わず別居の準備を進められます。
それでは、5つの手順を順に確認していきましょう。
1.別居の意思を相手に伝え、話し合う
まずは、別居の意思を相手に伝え、話し合いましょう。
一方的に家を出るとトラブルの原因になるため、別居の理由を説明し、同意を得ておくと安心です。
また、別居の話はなるべく早めに切り出してください。
直前に伝えると、相手が感情的に反発し、話し合いがこじれる場合があります。
ただし、DVやモラハラで身の危険を感じる場合は、同意を得る必要はありません。
安全を最優先にし、行政の窓口へ相談してから動きましょう。
2.引っ越し先と住まいを決める
次に、引っ越す地域や住まいを決めましょう。
引っ越し先を選ぶ際は、家賃に加えて、通勤や買い物の利便性、子どもの通学時間なども考慮してください。
別居後の手続きや話し合いを考えると、今の住まいから気軽に行き来できる範囲内に住むのも一案です。
あわせて、別居する期間に応じて住まいを選びましょう。
短い別居なら仮住まい、長い別居なら長く住める家が向いています。
費用を抑えて、かつ子育てのサポートも受けたいのであれば、実家に身を寄せる方法もあります。
3.持ち出す荷物を仕分けする
引っ越すまでに、持ち出す荷物を整理しておきましょう。
持ち出す物を書き出したうえで、新居で何が必要になるかを考えるのがおすすめです。
なお、結婚後に購入した家具や家電は財産分与の対象になります。
詳しくは後述しますが、勝手に持ち出すとトラブルを招く可能性があるので注意してください。
判断に迷う場合は、自分の私物を中心に持ち出してください。
衣類や仕事の道具、思い出の品などの持ち出しであれば、相手の同意は不要です。
4.引っ越す
荷物を仕分けしたら、次は引っ越しに向けて動き出しましょう。
荷造りは、ひとり分または子どもひとり分であれば1日〜2日が目安です。
早めに始めれば、当日にあわてずにすみます。
荷物の量が少なければ車や電車でまかなえますが、多い場合は業者へ依頼し、相見積もりで料金を比べましょう。
また、荷物の破損や運び忘れをすぐに確認できるため、引っ越し当日は搬出と搬入に立ち会いましょう。
電気・水道・ガスの開通も、引っ越し当日から使えるよう事前に手続きを進めてください。
なお、相手の不在中に引っ越し作業をするなら、業者と日程を前もって調整しておくと安心です。
5.住民票の異動と郵便物の転送手続きをおこなう
新居が決まったあとに、必要があれば住民票の異動(住所変更)と郵便物の転送を済ませましょう。
郵便局へ転居届を出せば、郵便物は新居へ届くようになります。
住民票を移すと、別居の証明や手当の受け取りに役立ちます。
一方で、住所を相手に知られる、国民健康保険料の負担が増えるなどの注意点もあります。
メリットとデメリットの両方があるため、あとで紹介する内容を踏まえて判断してください。
別居・引っ越しのポイント3つ
別居のために引っ越す際に、押さえておきたいポイントが3つあります。
手順を確認したら、損をしないための注意点もおさえておきましょう。
3つのポイントを、順に確認しましょう。
共有財産にあたる荷物はなるべく持ち出さない
共有財産にあたる荷物を、なるべく持ち出さないようにしましょう。
共有財産とは、結婚後に夫婦で協力して築いた財産のことで、離婚時に財産分与の対象になります(民法768条1項)。
結婚後に買った家具や家電などが当てはまります。
荷物の持ち出し自体は違法ではありませんが、突然持ち出すと相手から責められる可能性があるため、荷物について事前に相手と話し合うのが安心です。
一方、結婚前から持っている財産や、相続・贈与により一方が取得した物(特有財産)は、共有財産になりません。
自分の私物として、自由に持ち出せます。
【関連記事】離婚の財産分与とは?対象になる財産・財産分与の割合・手続きの流れを解説
別居後の生活のめどを立てておく
引っ越す前に、別居後の生活とお金のめどを立てておきましょう。
別居中の生活費は、婚姻費用として相手に請求できます。
ただし、婚姻費用だけで足りるとは限らないため、ひとりで生活できる収入の見込みも立てておくと安心です。
家計が苦しいときは、使える公的支援がないか自治体の窓口に相談してみましょう。
また、子どもがいる場合は、転校・転園の手続きも必要です。
安心して通える学校や保育園も、早めに確保しておきましょう。
別居後の子との生活が親権に影響する
別居後にどちらが子どもの世話をするかは、親権の判断に影響します。
親権は夫婦の話し合いで決めますが、合意できないと最終的に離婚裁判で決まる流れです。
裁判では、子どもの福祉・利益を最優先に、監護実績や監護能力が考慮されます。
そのため、別居後に子どもと暮らし、世話を続けた監護実績があるほうが、親権で有利になりやすいです。
ただし、子どもを待ち伏せして連れ去るような強引な別居は、違法性が問われて不利になります。
子どもを連れて別居するかどうかも、できるだけ話し合っておきましょう。
別居・離婚時に住民票を移すメリット4つ
別居・離婚時に住民票を移すかどうかで迷う人も多いはずです。
ここでは、別居・離婚時に住民票を移すメリットを4つ紹介します。
別居状態であることを証明できる
住民票の異動履歴に新しい住所へ移った日が記録されるため、住民票を移せばと別居している事実を証明できます。
別居が長く続いているほど、婚姻関係が破綻していると判断される可能性が高まります。
婚姻関係の破綻は法律上の離婚事由なので(民法770条1項5号)、別居期間を客観的に示せる住民票は離婚調停や裁判で証拠として使えます。
転送不要の郵便物も確実に受け取れる
住民票を移すと、転送不要の郵便物も確実に受け取れます。
郵便局の転送サービスを使っても、「転送不要」と書かれた郵便物は新住所に届きません。
古い住所に戻され、差出人へ返送されます。
役所からの通知や本人確認が必要な書類は転送不要で送られる場合が多く、返送されると再発行に手間がかかります。
住民票を新住所に移せば、転送不要の郵便物も手元に届きます。
転入先で手当を受け取れる
住民票を移すと、児童手当を自分名義で受け取れます。
児童手当は、原則として父母のうち所得の高い親に支給されます。
そのため、別居後に住民票を移さないと、相手が受給者のままになりがちです。
しかし離婚を前提に別居し、子どもと一緒に住民票を移せば、受給者を自分に変更できます。
支給要件や手続きの進め方は、市区町村の窓口で確認しましょう。
子どもの転校・転園の手続きがスムーズに進む
住民票を移すと、子どもの転校・転園の手続きがスムーズに進みます。
保育園は、基本的に住んでいる地域に住民票をおく人に限り受け入れる運用です。
公立の小中学校も学区が定められ、住んでいる場所で通う学校が決まるのが原則です。
住民票を異動すれば、新しい住所地の自治体が受け入れ先になるため、転校先・転園先の手続きを確実に進められます。
別居・離婚時に住民票を移すデメリット4つ
住民票を移すメリットがある一方で、デメリットも存在します。
ここでは、4つのデメリットを対策とあわせて紹介します。
メリットと比べたうえで、住民票を移すかどうかを慎重に決めましょう。
子どもを転校・転園させなければならない
公立校や保育園は住所地によって通う先が決まるため、住民票を移して学区が変わると、子どもを転校・転園させなければなりません。
転校や転園は、子どもにとって友だちや環境が変わる負担になります。
転校が避けられないときは、子どもと話す時間を早めにつくりましょう。
ただし、同じ学区内に引っ越す場合は、転校せずにすむ場合もあります。
子どもの負担を減らすには、学区を変えずに住める物件を探すのもよいでしょう。
相手に新しい住所を知られる場合がある
婚姻中は夫婦が同じ戸籍に入っているため、相手が住民票や戸籍の附票を取り寄せれば新しい住所を知られる可能性があります。
ただし、DVやストーカーの被害があるなら、DV等支援措置を利用できます。
支援措置が認められると、相手からの住民票や戸籍の附票の請求を制限できるため、別居先を知られずにすみます。
まずは警察署や配偶者暴力相談支援センターなどに相談して、市区町村に支援措置を申し出てください。
【参考記事】住民票の写し等の交付制限(DV等支援措置)|総務省
国民健康保険料を自分で支払わなければならない
別居で配偶者の扶養から外れると、国民健康保険を自分で納めます。
健康保険の扶養に入るには、配偶者の収入で生計を維持されていることが条件です。
別居して生計がわかれると、扶養から外れ、自分で国民健康保険料を納めなければならない場合があります。
ただし、所得が低い世帯は、国民健康保険料の軽減制度の対象です。
保険料が不安なら、市区町村の窓口で確認しましょう。
【参考記事】国民健康保険の保険料・保険税について|厚生労働省
住宅ローンの契約違反になる可能性がある
住宅ローンは、契約者本人が住み続けることを条件に組まれているため、住民票を移すと契約違反になる場合があります。
住民票を移した事実が金融機関に知られると、一括返済を求められる可能性があります。
住宅ローン控除も受けられなくなるかもしれません。
ただし、事情を説明すれば、返済を続けながら別居を認めてもらえる場合もあります。
自己判断で住民票を移す前に、まず金融機関に確認しましょう。
別居・離婚の不安は「ベンナビ離婚」で弁護士に相談
自己判断で別居をすると、不利に働く可能性があります。
早めに弁護士へ相談すれば、自分の状況に合った進め方がわかります。
また、以下のような悩みもまとめて相談できます。
- 離婚に向けて、別居をいつ始めるべきか
- 別居中の生活費(婚姻費用)をいくら請求できるか
- 住民票を移すべきか
別居や離婚で迷ったら、「ベンナビ離婚」を利用して弁護士に相談しましょう。
ベンナビ離婚は、離婚を得意とする弁護士を探せるサービスです。
地域や相談内容から、自分に合う弁護士を絞り込め、事務所ごとの得意分野や費用を相談前に確認できます。
初回相談が無料の事務所も多く、費用を気にせず始められます。
まずは無料相談で、今の状況の見通しを立てるところから始めましょう。
別居・引っ越しに関するよくある質問
ここでは、離婚前の別居・引っ越しに関するよくある質問とその回答をまとめました。
Q.単身赴任は別居扱いになる?
単身赴任は、原則として離婚に向けた別居とは扱われません。
仕事の都合による一時的な別居で、夫婦関係の破綻とはみなされないためです。
ただし、単身赴任がきっかけで夫婦関係が破綻したと認められれば、別居期間として考慮されます。
別居と認められるかは、事情によって判断が分かれます。
迷うときは、弁護士へ相談しましょう。
Q.引っ越しで車も移す場合、車庫証明は必要?
普通自動車を引っ越し後も使うなら、住民票を移すかどうかに関わらず、原則として車庫証明の住所変更が必要です。
ただし、以下のケースでは手続きが不要です。
- 車の使用者の住所と保管場所が変わらない
- 引っ越し先が届出のいらない地域(適用除外地域)にある
手続きを怠ると、10万円以下の罰金が科される場合があります(自動車の保管場所の確保等に関する法律第17条3項)。
判断に迷うときは、駐車場を管轄する警察署で確認しましょう。
Q.別居して賃貸物件の審査は通る?
基本的には、別居や離婚を理由に賃貸の審査が不利になることはありません。
離婚や別居の事実は、審査の対象にならないためです。
ただし審査では、家賃を払える収入があるか、保証会社の基準を満たすかが見られます。
支払い能力が足りないと判断されると、審査に通らないケースがあります。
収入に不安があるなら、家賃の安い物件を選ぶとよいでしょう。
保証人を頼める人がいれば、立てておくと審査で有利になります。
UR賃貸住宅のような保証人も保証会社も不要な物件を選ぶのもおすすめです。
まとめ|別居・引っ越しは弁護士に相談を
別居・引っ越しには、メリットとデメリットの両面があります。
それぞれ正しく理解して、自分に合ったタイミングで進めましょう。
また、引っ越し費用は原則として相手に請求できないため、別居後にひとりで生活できるお金があるかを事前に確認してください。
とくに子どもがいる場合は、転校や生活の変化にも早めに備えましょう。
別居や引っ越しで迷ったときは、ひとりで抱え込まず、弁護士に相談してください。
別居の時期や費用、親権について、何に気をつけるべきかが明確になるでしょう。
「ベンナビ離婚」なら、離婚を得意とする弁護士を地域や相談内容から探せます。
少しでも不安があるなら、弁護士に相談してから別居を始めましょう。
