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5chの投稿者を開示請求で特定する方法|手続きの流れや費用を解説

弁護士監修記事
ITトラブル
2023年04月17日
2024年04月22日
5chの投稿者を開示請求で特定する方法|手続きの流れや費用を解説
この記事を監修した弁護士
阿部 由羅弁護士 (ゆら総合法律事務所)
ゆら総合法律事務所の代表弁護士。不動産・金融・中小企業向けをはじめとした契約法務を得意としている。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。

5ch(5ちゃんねる)上では、誹謗中傷やプライバシー権侵害に当たる投稿が蔓延しています。

もし5ch上での投稿によって権利侵害を受けた場合には、投稿者に対する損害賠償を請求しましょう。

5chの投稿は匿名でおこなわれますが、「発信者情報開示請求」をおこなえば投稿者を特定できる可能性があります。

今回は、発信者情報開示請求の手続きや費用などを解説します。

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5chの匿名投稿者を特定するには「発信者情報開示請求」

5ch上で誹謗中傷やプライバシー侵害の投稿を発見した場合、投稿者に対する損害賠償(慰謝料など)を検討しましょう。

5chの投稿者は匿名ですが、「発信者情報開示請求」を行えば特定できることがあります。

発信者情報開示請求について詳しくは発信者情報開示請求とは|投稿者特定の手続き・注意点・弁護士費用などを解説をご覧ください。

5chの投稿について発信者情報開示請求ができるケース

5chの投稿について発信者情報開示請求ができるのは、その投稿によって自分の権利を侵害された場合です。

たとえば、以下の内容を含む投稿については発信者情報開示請求ができます。

  1. 誹謗中傷|名誉毀損・侮辱
  2. 個人情報の「晒し」投稿|プライバシー権侵害

誹謗中傷|名誉毀損・侮辱

5ch上に横行する誹謗中傷の投稿は、被害者に対して違法に精神的ダメージを与える「不法行為」に該当します(民法709条)。

さらに誹謗中傷の投稿者には、名誉毀損罪(刑法230条1項)や侮辱罪(刑法231条)が成立する可能性があります。 5ch上の誹謗中傷によって権利を侵害された被害者は、投稿者の発信者情報の開示を請求できます。

5ch上の誹謗中傷によって権利を侵害された被害者は、投稿者の発信者情報の開示を請求できます。

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個人情報の「晒し」投稿|プライバシー権侵害

住所や家族・交友関係などに関する「晒し」投稿は、対象者のプライバシー権を侵害するものといえます。

プライバシー権侵害を受けた被害者は、投稿者の発信者情報の開示を請求可能です。

発信者情報開示請求も万能ではない|投稿者を特定できない場合の例

発信者情報開示請求を行うと、投稿に用いられた端末に紐づいている投稿者の情報を得ることができます。

ただし発信者情報開示請求も万能ではなく、以下のいずれかに該当する場合には、投稿者の特定に至らない可能性があるので注意が必要です。

  1. 発信者情報がすでに削除されている場合
  2. 自分のものではない端末を投稿に用いた場合

発信者情報がすでに削除されている場合

5chの運営会社は、投稿に用いられた端末のIPアドレスなどを保存しています。保存期間中に発信者情報開示請求が認められれば、IPアドレスなどの開示を受けることができるでしょう。

しかし、IPアドレスなどは永久に保存されているわけではなく、一定期間が経過すると削除されてしまうのが通常です。

開示を請求したIPアドレスなどがすでに削除されている場合、発信者情報開示請求は空振りに終わってしまいます。

自分のものではない端末を投稿に用いた場合

他人の端末を借りて投稿した場合、インターネットカフェの端末や公衆無線LANを利用した場合などには、投稿時に用いられたインターネット回線の契約者が、投稿者とは別人の可能性があります。

この場合も、発信者情報開示請求だけでは投稿者の特定に至りません。

ただし開示された発信者情報と、店舗の利用履歴や防犯カメラ映像などを合わせて検証すれば、投稿者の特定が可能となることがあります。

5chの投稿者を特定する発信者情報開示請求の手続き

5chの匿名投稿者を特定するための発信者情報開示請求は、地方裁判所に対する「発信者情報開示命令」などの申立てによって行います。

発信者情報開示命令等の申立先

発信者情報開示命令事件は、原則として相手方の住所または居所がある地を管轄する地方裁判所に申し立てます(プロバイダ責任制限法10条1項)。

ただし、以下の裁判所にも発信者情報開示命令の申立てを行うことが可能です(同条3項)。

(a)東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所、札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所が管轄権を有する場合

→東京地方裁判所

(b)大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所、高松高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所が管轄権を有する場合

→大阪地方裁判所

発信者情報開示請求について、裁判所に行うべき申立ての種類

発信者情報開示命令事件において、裁判所に対して行うべき申立ては以下のとおりです。

①コンテンツ・プロバイダに対する発信者情報開示命令の申立て

5chの運営会社を相手方として、発信者情報開示命令を申し立てます(同法8条)。

②提供命令の申立て

5chの運営会社を相手方として、アクセス・プロバイダ(インターネット接続業者)に関する情報の提供を求める「提供命令」を申し立てます(同法15条1項1号)。

③アクセス・プロバイダに対する発信者情報開示命令の申立て

5chの運営会社からアクセス・プロバイダに関する情報が開示された後、アクセス・プロバイダに対して発信者情報開示命令を申し立てます(同法8条)。

④消去禁止命令の申立て

コンテンツ・プロバイダまたはアクセス・プロバイダによるログの消去が懸念される場合には、発信者情報開示命令と併せて消去禁止命令を申し立てることも考えられます(同法16条1項)。

裁判所に対する申立て後の手続き

裁判所に対する各種の申立てを行った後、発信者情報開示命令事件の手続きは以下の流れで進行します。

①コンテンツ・プロバイダのアクセス・プロバイダに対する情報提供

アクセス・プロバイダを相手方として発信者情報開示命令を申し立てた旨(上記2-2③)を5chの運営会社に通知すると、5chの運営会社からアクセス・プロバイダに対して、問題の投稿のIPアドレスなどが提供されます(プロバイダ責任制限法15条1項2号)。

5chの運営会社がアクセス・プロバイダにIPアドレスなどを提供した事実は、5chの運営会社から裁判所に通知されます。裁判所は5chの運営会社とアクセス・プロバイダのそれぞれに対する発信者情報開示命令事件を併合し、1つの手続きで審理します。

②アクセス・プロバイダによる意見照会

発信者情報開示命令の申立てを受けたアクセス・プロバイダは、投稿者本人に対して、発信者情報を開示してもよいか否かにつき意見を聴取します(同法6条1項)。

③裁判所による当事者の陳述の聴取

裁判所が発信者情報開示命令の可否を判断するに当たり、申立人・5chの運営会社およびアクセス・プロバイダの三者から意見を聴取します(同法11条3項)。

④発信者情報開示命令

発信者情報開示請求の要件(同法5条)を満たしていると判断した場合、裁判所は5chの運営会社またはアクセス・プロバイダに対して、発信者情報を開示すべき旨の命令を行います。

5chの発信者情報開示請求を弁護士に相談・依頼するメリット

5chの匿名投稿者を特定するために発信者情報開示請求を行う際には、弁護士へのご相談をおすすめします。

発信者情報開示請求について、弁護士に相談・依頼することの主なメリットは以下のとおりです。

  1. 手間のかかる書類作成や手続きを一任できる
  2. 損害賠償請求や刑事告訴など、開示請求後の手続きも依頼できる

手間のかかる書類作成や手続きを一任できる

発信者情報開示命令の制度は、コンテンツ・プロバイダ(5chの運営会社などサイト管理者)とアクセス・プロバイダ(インターネット接続業者)に対する各請求が複雑に絡み合うため、申立人にとってわかりやすいものとはいえません。

申立書など多くの書類を揃えなければならない点も、申立人にとって大きな負担となります。

弁護士に依頼すれば、発信者情報開示命令の申立てに必要な書類や、裁判所における手続きの対応を一任できます。

複雑な発信者情報開示命令の申立てをスムーズかつ適切に行うためには、弁護士へのご依頼がおすすめです。

損害賠償請求や刑事告訴など、開示請求後の手続きも依頼できる

発信者情報開示請求によって投稿者を特定できても、それで終わりではありません。

続いて投稿者に対する損害賠償請求や、投稿者の刑事告訴を行うことになります。

弁護士には、損害賠償請求や刑事告訴など、発信者情報が開示された後の対応も依頼できます。

誹謗中傷やプライバシー権侵害の被害回復につき、最初から最後までワンストップで任せられる点が、弁護士に依頼することの大きなメリットです。

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発信者情報開示請求を依頼する弁護士を探すなら「ベンナビIT」

5ch上での誹謗中傷やプライバシー権侵害について、発信者情報開示請求を行う際には弁護士に依頼するのが安心です。

しかし、発信者情報開示請求を依頼できる弁護士に心当たりがない方もいらっしゃるかと思います。

発信者情報開示請求を依頼する弁護士を探す際には、「ベンナビIT」を活用するのが便利です。

相談内容や地域に応じて、ITに関する法律問題を得意とする弁護士を検索できます。 無料相談を実施している弁護士も多数掲載されており、自宅に居ながら複数の弁護士を比較することが可能です。

発信者情報開示請求を依頼するため、信頼できる弁護士をスムーズに探したい方は、「ベンナビIT」をご活用ください。

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編集部
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  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
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