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労働基準監督署にメール相談は効果的?|相談方法について解説

弁護士監修記事
労働問題
2023年04月27日
2023年04月27日
労働基準監督署にメール相談は効果的?|相談方法について解説
この記事を監修した弁護士
原 千広弁護士 (日暮里中央法律会計事務所)
東京大学法科大学院修了。東京弁護士会所属。離婚・相続等の家族案件から労働・国際案件まで幅広く携わり、Yahoo!ニュース等の記事監修も手がける。(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)
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労働基準監督署に相談したいけれど、忙しくて直接行くことができない場合は、メールでの相談もできます。

この記事では、一般的に優先度が低いとされるメール相談でも、労働基準監督署を動かすための効果的な相談の仕方を解説します。

また、労働基準監督署が対応できる管轄業務や、実働を伴う対処をしてもらうための効果的な立ち回りについて紹介しています。

労働基準監督署に相談を検討している方は、参考にしてください。

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目次

労働基準監督署への相談窓口と対応優先度

労働基準監督署は、企業の法律違反から労働者を守る役目を果たしており、労働者からの相談を受けつけています。

相談は、窓口・電話・メールの3つの方法があります。それぞれの優先度について解説していきます。

窓口:優先度高

事態が深刻で1日でも早い解決を望む場合は、労働基準監督署に直接おもむき、窓口で相談することをおすすめします。窓口での相談が、他の方法よりも早く対応してもらえる傾向があります。

電話相談:優先度中

差し迫って深刻ではないが、疑問に思うことがあり「一度相談してみたい」という場合は、電話相談が適しています。気軽に相談できますが、対応してもらえる優先度は窓口ほど高くありません。

メール相談:優先度低

緊急性がない相談をする場合には、手軽にできるメール相談がおすすめです。時間を問わず、労働基準監督署の相談員と直接会話する必要がないため、気軽に相談できるのが利点です。

ただし、氏名の記入が必須でないなど匿名性が高く、信憑性の低い相談が寄せられることもあり得るため、窓口や電話相談よりも優先度は低いでしょう。

労働基準監督署のメールでの相談方法

厚生労働省のホームページでは、労働基準法などに違反していないかどうか、相談をメールで受け付けています。

受付対象となる法律は以下のとおりです。ご自身が相談する内容が含まれているか確認してください。

  • 労働基準法
  • 最低賃金法
  • 労働安全衛生法
  • 作業環境測定法
  • じん肺法
  • 賃金の支払の確保等に関する法律
  • 家内労働法

「労働基準関係情報メール窓口」送信フォームからリクエスト

以下の「労働基準関係情報メール窓口」では、入力項目ごとに丁寧な説明があります。必要事項を入力するだけで相談ができます。

労基問題でお悩みの方は、まずはこちらから相談することをおすすめします。

メール相談の場合は具体的に状況を記載

メール相談の場合は匿名性が高いため、すぐに対応してもらえないのが一般的です。しかし、メール相談であっても対応してもらえるような効果的な方法があります。

それは投稿に具体的な状況を記載することです。そのためには、以下の情報を具体的に記載するのがポイントとなります。

会社の情報を明記する

投稿フォームには、会社の情報を記載する欄がありますが、必須項目以外も記載しておくことで情報の信憑性を高まります。必ず入力しましょう。

労働基準監督署がどの会社かを特定できるようにするために、会社の住所は番地やビル名まで細かく入力します。

自分の情報を明かす

「あなたの氏名・電話番号」の欄には、自分の情報を入力しましょう。

「メールなら自分の素性を明かさずに相談できるのでは?」と思うかもしれませんが、自分の情報を記載しておくことで、後日詳細確認のための連絡を受ける可能性が高まります。

必須項目ではありませんが、労働基準監督署に実際に対応してほしい場合は、氏名や携帯の電話番号などの連絡先を明記しましょう。

「情報開示の有無」と「情報提供内容」

フォームの下部には「情報開示の有無」と「情報提供内容」の入力があります。 注目すべき項目は「情報提供があったことを事業場に通知することの可否」「情報提供内容」の2つです。

引用:「労働基準関係情報メール窓口」送信フォーム

実際に対応を望む場合は、最も効果が期待できる(1)匿名だが、情報提供内容(メールの内容)を明らかにしてよい、を選びましょう。

メール・電話の場合は匿名で通報可能

労働基準監督署には守秘義務があるので、誰が通報したかは基本的にバレません。注意すべきは、労働基準監督署には「相談・通報」と「申告」の2つのアプローチがあるという点です。

相談・通報は、一般的な解決方法のアドバイスを求めるにとどまるため、匿名での通報が可能です。

一方、「申告」は労働基準法に違反する事実を通知し、監督機関の行政上の権限の発動を促すことを意味します(労働基準法第104条第1項)。

労働基準法違反の申告を文書で行う場合、申告者の氏名と住所を申告用紙に記入する必要があるため、匿名での申告はできません。

ただし、ここで匿名での申告ができないというのは、労働基準監督署に対して氏名等を明らかにする必要があるというに過ぎず、職場に対して明らかにしなければならないということではありません。

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そもそも労働基準監督署のできること・できないこと

労働基準監督署は、特定の労働関連法を遵守しているか監督する機関です。そのため相談できるのは特定の労働関連法に関する内容にとどまります。具体的には以下の相談が可能です。

<労働基準監督署が対応できること>

  • 賃金未払
  • 残業代未払
  • 違法な長時間労働
  • 有給休暇取得の拒否

一方で、労働問題であっても、特定の労働関連法に抵触しない内容には法的な対応ができないケースが多くあります。こういった問題は、労働基準監督署以外へ相談することになります。

<労働基準監督署が対応できないこと>

  • 各種ハラスメント
  • 能力不足による解雇
  • 配置転換、異動に関するトラブル
  • 懲戒処分に関する内容 など

特定の労働関連法に抵触する賃金や労働時間では対応範囲内

労働基準監督署は、賃金や労働時間に関する労働関連法の遵守を監督・指導します。

たとえば、未払の賃金がある場合や、法定労働時間を超え働かされている場合などは、労働基準監督署が対応できる範囲内です。

違反が認められた場合には、事業主に是正勧告や命令を出し、法令遵守を促します。 また、労働者からの相談や助言も受け付けており、労働者の権利を守るためにサポートしています。

このような問題を抱えている場合には、上記で紹介した相談窓口へ連絡してください。

特定の労働関連法に抵触しないハラスメントは対応範囲外

ハラスメントについては、原則として労働基準監督署の対応範囲外となり法的な対応が難しくなります。

たとえば、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントなど、労働基準法や労働安全衛生法に明確に規定されていない問題には対応できないケースが多くなります。

このようなトラブルは、企業内での相談窓口やハラスメント対策窓口に相談しましょう。

適切な窓口や対策が整備されていない場合は、総合労働相談コーナーや労働問題を専門にしている弁護士への相談をおすすめします。

なお、ハラスメントにより賃金が支払われない、違法な長時間残業を強いられるなどの場合は、ハラスメントそのものの問題というよりは、賃金未払、労働時間規制などの理由で、労働基準監督署が対応してくれることもあります。

労働基準監督署を効果的に動かすためのポイント

労働基準監督署を効果的に動かすためには、いくつかのポイントを押さえて相談を持ちかけることが重要です。愚痴や不満だけでは労働基準監督署は動きません。確かな証拠をそろえて相談に臨んでください。

明確な証拠や具体的証拠がある状態で相談を持ちかける

労働基準監督署を動かすためには、明確な証拠や具体的な証拠を用意して相談に臨むことが重要です。証拠が不十分だと、労働基準監督署も適切な対応が難しくなります。 具体的な証拠としては

  • 労働契約書
  • 給与明細
  • 勤怠記録
  • メールやチャットのやり取り

などが含まれます。 これらの証拠を整理して提出することで、労働基準監督署は問題を認識し具体的な行動を起こしてくれる確率が高まります。

被害の発生期間とその影響度について整理して相談を持ちかける

被害を受けている場合には、発生期間とその影響度について整理して労働基準監督署に相談を持ちかけることがポイントです。

具体的な被害の期間や頻度を明らかにすることで、労働基準監督署は問題の深刻度合いを把握しやすくなります。

被害によって受けた、精神的苦痛、身体的な不調、経済的損失などを具体的に伝えることで、適切な対策を講じるための情報を与えることができます。

告発はメールでも電話でもなく直接窓口で相談を持ちかける

労働基準監督署を効果的に動かすためには、匿名性が高い告発はメールや電話ではなく、直接窓口で相談を持ちかけることをおすすめします。

直接訪問して、証拠書類を示しながら相談することで、労働基準監督署の担当者に自分の状況や問題に対する緊急性をより伝えることができます。

労働基準監督署の窓口での相談には会社を休む必要も

効果的な手段として、直接窓口を訪ねることを推奨しました。しかし、相談窓口へは平日の8:30~17:15の間に訪問しなければなりません。

日中に仕事をしている人にとっては、窓口へ相談に行くために会社を休む必要も出てきます。

会社を休むことに抵抗はあっても、そのままでいては問題の解決は望めません。時間を確保して窓口で相談してください。

労働基準監督署の窓口で実際に相談・申告する際の流れ

労働基準監督署への相談や申告を行う際の流れは以下のようになります。

近くの労働基準監督署に相談

「地域 労働基準監督署」と検索し、お近くの労働基準監督署のホームページで、窓口相談の予約先を確認します。電話または申込フォームから日時を予約しましょう。

労働基準監督署の窓口相談は混雑している場合が多いため、早めに予約をしましょう。また、窓口相談の予約が取れなかった場合は、再度試みるか、前段階として電話相談も検討してください。

参考:全国労働基準監督署の所在案内|厚生労働省

無料相談で法律に基づいたアドバイスが受けられる

労働基準監督署は公的な機関のため、無料相談ができます。 しかし、労働基準監督署は必ずしも労働者の味方になってくれるわけではないことも念頭に置いておきましょう。

相談に行ったものの、期待した回答が得られない場合も多々あります。

また、対処できる問題の範囲も限られているため「違法なのではないか?」「今後どうすればいいのか?」などの具体的なアドバイスを求める場合は、労働問題が得意な弁護士に相談してください。

悪質な場合には企業への立入調査・是正勧告に

長時間労働など、特定の労働関連法に関する申告を受けた場合、労働基準監督署はその真偽を確かめるため、企業への立入調査を行うことがあります。

そこで違反が認められた場合には、事業主に是正勧告や命令を出し、法令遵守を促します。

万一是正勧告に企業が従わない場合には刑事事件として処理される場合も

実は、労働基準監督署の是正勧告は行政指導であり、強制力はありません。ただし、深刻な違反が続いている場合、刑事事件として処理される可能性があります。

法的な制裁が行われた場合、信用を著しく損なうため、是正勧告を受けた企業は労働環境の改善に真剣に取り組むことになります。

労働基準監督がすぐに動いてくれるとは限らないことも視野に入れる

労働基準監督署は、労働者が労働条件や待遇に関するトラブルを抱えている場合に無料で相談できる機関ですが、労働基準監督署に相談したとしても、すぐに動いてくれるとは限りません。

労働基準監督署の扱える代表的な法律は、労働基準法(労基法)と労働安全衛生法(安衛法)であり、パワハラやセクハラなどのトラブルには基本的に対応できません。

また、近年では労働トラブルの件数が増加し社会問題化しています。そのため、労働基準監督署が多忙であり、軽微な違法や緊急性がない問題は、優先度が下げられ、後回しになりがちです。

当事者にとっては、深刻な問題であっても対応が遅れることがあります。労働基準監督署に相談しても、期待した対応がしてもらえない場合には、他の手段を講じることも検討してください。

労働基準監督署が動かなそうな場合には早期に弁護士に相談

お伝えしてきたように、労働基準監督署は、特定の労働関連法令の遵守を監督する機関であり、個人的な労働問題に対応できることは限定されています。

そのため、個人が労働基準監督署に相談しても解決できない問題が数多くあります。 問題の早期解決を望む場合は、労働問題専門の弁護士に相談することも検討してください。

弁護士は労働問題に関する専門知識を持っており、適切なアドバイスや対策を提案することが可能です。

弁護士と共に労働基準監督署に相談することで、問題解決に向けた適切なアドバイスや法的手続きを受けられます。

労働基準監督署に相談しても、解決策が見いだせない場合には、労働問題専門の弁護士への相談をおすすめします。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
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