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職場いじめの具体例7つ | いじめられやすい人・環境の特徴、相談窓口を紹介

弁護士監修記事
労働問題
2026年07月24日
職場いじめの具体例7つ | いじめられやすい人・環境の特徴、相談窓口を紹介
この記事を監修した弁護士
磯田 直也弁護士 (ルーセント法律事務所(労働分野))
ご相談にいただければ、皆様のお困りごとにしっかりと耳を傾け、丁寧に対応いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

「これはいじめなのか」「証拠がない場合はどうすればいいのか」「どこに相談すればいいのか」など、職場でのいじめや嫌がらせに悩んでいる方は少なくありません。

職場いじめは、適切な対処法を知らないまま我慢し続けることで、心身へのダメージが蓄積していきます。

この記事では、職場いじめの定義やハラスメントとの違い、具体例まで解説します。証拠の集め方や相談窓口・法的手段など、職場いじめの乗り越え方も幅広く紹介していますので、今すぐ取れる行動を確認してみてください。

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目次

職場いじめとは?定義とハラスメントとの違い

職場いじめとは、職場内で継続的におこなわれる嫌がらせや、精神的・身体的な攻撃のこと。

いじめは法律用語ではありませんが、実態としてはパワハラやモラハラに該当するケースがほとんどです。厚生労働省は、パワーハラスメントを以下のとおりに定義しています。

①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
②業務の適正な範囲を超えて行われること
③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
引用元:厚生労働省「パワーハラスメントの定義について

パワハラは上司から部下に対してなど地位の強さを背景にした行為に対し、職場いじめは立場の上下関係がなくても成立する行為です。

職場いじめに対する会社の対応義務

2020年(中小企業は2022年)に施行された労働施策総合推進法(パワハラ防止法)により、全ての事業主にパワハラ防止措置が義務づけられました。

さらに、労働契約法5条に基づく安全配慮義務により、会社は従業員が安全に働ける環境を整える責任を負っています。

(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
引用元:労働契約法 | e-Gov 法令検索

いじめを放置した場合、会社側も法的責任を問われる可能性があります。いじめの相談を受けた際、会社が取るべき対応の流れは以下のとおりです。

会社が取るべき対応の流れ

対応を怠った場合、損害賠償請求や行政指導のリスクが生じます。悪質なケースでは、厚生労働大臣の勧告に従わなかった場合に企業名が公表されることもあります。

「会社が動いてくれない」と感じている場合は、社内窓口だけでなく、外部の相談機関への連絡も検討してみてください。

職場いじめの実態

職場でのいじめ・嫌がらせの相談件数は、13年連続で労働トラブルの中でも相談件数が多い分野です。厚生労働省の令和6年度データでは54,987件(前年度比8.5%減)に上り、依然として深刻な状況が続いています。

職場いじめの実態

令和5年度の職場のハラスメントに関する実態調査によると、過去3年間にパワハラを経験した労働者の割合は19.3%です。受けた内容としては「精神的な攻撃(暴言・人格否定など)」が48.5%で最も多く、「過大な要求」が38.8%で続いています。

また、ハラスメントを受けた後に「何もしなかった」と回答した割合は、パワハラで36.9%、セクハラで51.7%にのぼります。被害を抱えたまま声を上げられない実態が、数字からも見えてきます。

「自分だけが我慢している」と感じている方も多いと思いますが、同じ状況で苦しんでいる人は決して少なくありません。

【参考元】
「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します|厚生労働省
令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書|厚生労働省

職場いじめの具体例7つ

職場いじめを経験する人の中には、いじめなのか自分の気にしすぎなのか迷っている方は少なくありません。職場いじめは、暴力や暴言のような目に見えるものだけではなく、陰湿な形でおこなわれるケースも多くあります。

まずは具体的な事例と照らし合わせて、自分の状況を客観的に確認してみてください。

暴力や暴言

身体的な攻撃だけでなく、暴力や暴言などの言葉による人格否定も精神的な攻撃として、パワハラにも該当します。

具体的には、以下のような行為が当てはまります。

  • 胸ぐらをつかむ・ものを投げつけるなどの身体的暴力
  • 「バカ」「使えない」「辞めてしまえ」など人格を否定する発言
  • 大勢の前での激しい叱責・吊るし上げ
  • メールや書面での侮辱的な言葉 など

一度きりの行為であっても、内容が極めて悪質な場合は問題になることがあります。繰り返しおこなわれている場合は、パワハラと判断されやすいです。

「これくらいは普通だ」と言われても、被害を受けた側が傷ついている場合は、立派な被害です。言葉や行為の記録を残しておくことをおすすめします。

陰口を言われる・無視される

挨拶しても返事がなかったり、自分だけ会話に入れてもらえなかったりする行為も、職場いじめのひとつです。

継続的におこなわれる場合はパワハラに該当し、法的な問題になりえます。

具体的には、以下のような行為が当てはまります。

  • 特定の人だけ挨拶を無視する・返事をしない
  • 仕事上の情報を意図的に共有しない
  • 業務上必要な打ち合わせや連絡から意図的に外す
  • 陰で悪口を言いふらす・グループLINEから外す など

陰口は証拠が残りにくいのが特徴です。被害の状況を日記やメモに記録しておくことで、のちの相談時に役立てられます。我慢し続けると、精神的なダメージが蓄積していくため、違和感を覚えたら、早めに相談窓口に相談してみてください。

過大な量の仕事を課される

能力や立場に見合わない量の業務を押しつけられる行為も、職場いじめの典型例です。具体的には、以下のようなケースが当てはまります。

  • 一人では到底こなせない量の業務を毎日課される
  • 断れない状況をつくり、過度な残業・休日出勤を強いられる
  • 締め切りが非現実的に短い仕事を繰り返し割り当てられる
  • ミスを誘発させるために過剰な業務を与えられる

「仕事量が多いだけ」と見過ごされがちですが、意図的に特定の人だけに集中している場合は問題です。

心身への負担が大きく、うつ病などの精神疾患につながるリスクもあります。限界を感じているなら、まず社内の相談窓口や人事部に状況を伝えてみてください。心身に不調が出ている場合は、心療内科や産業医への相談も検討するべきです。

仕事がない・理由もなく担当から外される

仕事をまったく与えられない状況も過小な要求として、職場いじめにあたります。具体的には、以下のような行為が当てはまります。

  • 業務をほとんど割り当てられず、一日中何もすることがない
  • 理由を告げられないまま、担当業務から外される
  • 明らかに能力を下回る単純作業だけを繰り返させられる
  • 会議や重要な連絡から意図的に除外される など

仕事を割り振らないことで意図的に孤立させ、精神的に追い詰める目的でおこなわれている場合は、ハラスメントといえます。業務の内容や量の変化も、記録しておくことがおすすめです。

プライベートに干渉される・身体的接触

業務と関係のないプライベートへの過度な干渉も、職場いじめ・ハラスメントの一形態です。パワハラやセクハラに該当するケースもあります。

具体的には、以下のような行為が当てはまります。

  • 交際相手・家族・生活費など私生活への執拗な質問
  • SNSを監視・スクリーンショットして職場で拡散する
  • 肩や腰など身体への不必要な接触
  • 「なぜ結婚しないのか」「子どもはいないのか」といった繰り返しの発言 など

干渉や身体的接触が親しみから来る行動だと本人は思っていても、受け手が不快に感じ、就業環境が害される場合は問題です。

身体的接触については、その場で「やめてください」と伝えましょう。難しい場合は、状況を記録したうえで相談窓口に報告してみてください。

容姿や年齢に関する嫌がらせ

身体的な特徴や年齢を嘲笑する行為は、精神的攻撃としてパワハラに該当します。女性が受けやすい職場いじめのひとつです。

具体的には、以下のような発言・行為が当てはまります。

  • 「おばさん」「ババア」など年齢・性別を侮辱する呼び方
  • 「太った」「老けた」など容姿に関する繰り返しのコメント
  • 年齢を理由に「もう若くないから無理でしょ」と能力を低く見る発言
  • 外見を笑いのネタにして周囲を巻き込む行為 など

身体的特徴への言及が性的な意味合いを持つ場合は、セクシャルハラスメントに該当するケースもあります。

「冗談のつもりだった」と言い訳されることも多いですが、傷ついた事実は変わりません。発言の日時・内容・状況をメモに残しておくと、後の相談や手続きで役立ちます。

幼稚な嫌がらせ・陰湿な妨害行為

書類を隠す・私物を移動させるなど、一見「子どもっぽい」行為も、繰り返されれば職場いじめに該当します。証拠が残りにくく、被害者が訴えにくいのが特徴です。

具体的には、以下のような行為が当てはまります。

  • 必要な書類や備品をこっそり隠す・捨てる
  • デスクや私物を無断で移動させる・汚す
  • 業務に必要な情報を意図的に伝えない
  • パソコンのデータを削除・改ざんする など

被害に気づいたら、その都度スマートフォンで写真を撮るなど、状況を記録に残しておくことをおすすめします。証拠がなくても相談できる窓口もあるので、一人で抱え込まず早めに相談をしましょう。

職場でいじめの対象になりやすい人の特徴

職場いじめは、被害者に原因があるわけではありません。ただ、加害者が標的にしやすいと感じる傾向が高い場合があります。

自分の状況を客観的に把握するための参考として、以下の特徴を確認してみてください。

社交的でない

職場内で孤立しやすい人は、いじめの標的になりやすいと言われています。周囲との関係が薄いと、被害を訴えてくれる味方が少なく、加害者にとって「いじめやすい相手」と映る可能性が高いです。

具体的には、以下のような場合で対象になりやすいです。

  • 休憩中や雑談の場に参加しない・できない
  • 飲み会や社内イベントをほぼ断っている
  • 困ったときに頼れる同僚がいない など

内向的な性格や、仕事に集中したいという姿勢は、決して悪いことではありません。ただ、最低限の挨拶や短い会話を心がけることで、孤立のリスクを下げられることがあります。

「もっと社交的にならなければ」と無理をする必要はありませんが、信頼できる人を一人でも作っておくことが、いざというときの支えになります。

過去のいざこざ

以前のトラブルやもめごとが、いじめのきっかけになるケースもあります。一度でも問題のある人というレッテルを貼られると、その後の言動が悪意を持って解釈されやすいです。

たとえば、以下のような経緯が引き金になることがあります。

  • 過去に上司や同僚と意見がぶつかった
  • ミスやトラブルで職場に迷惑をかけたことがある
  • 人間関係のこじれが解決されないまま残っている など

大切なのは、過去のいざこざをいつまでも引きずらせないことです。可能であれば早めに謝罪や関係修復を試みることで、状況が改善するケースもあります。

ただし、自分に非がないにもかかわらず責められている場合は、関係修復より先に第三者への相談を検討してみてください。

自己主張が弱い

自己主張が弱く、断れない性格の人は、不当な扱いを受けても反論しにくく、加害者に繰り返し狙われやすい傾向があると言われています。真面目で我慢強い性格は長所ですが、職場では「何をしても大丈夫な人」と誤解されてしまうリスクもあります。

具体的には、以下のような状況が職場いじめに発展しやすいです。

  • 理不尽な要求をされても、断れずに引き受ける
  • 傷ついても「気にしないふりをしなければ」と思う
  • 自分の意見を伝えることに強い不安を感じる など

「NO」と伝えることは、相手を攻撃することではありません。いじめの責任は加害者にありますが、自分を守る手段として、穏やかに意思表示する練習を少しずつ積み重ねることも選択肢のひとつです。

難しいと感じる場合は、産業カウンセラーや社外の相談窓口でアドバイスをもらうのも、いじめの解決手段として有効です。

仕事のパフォーマンスが低い

業務上のミスが多かったり、習得に時間がかかったりする人も、標的になりやすい傾向があります。足を引っ張っていると思われることで、一部の同僚から不満や攻撃の矛先が向けられやすいです。

ただし、仕事が遅いことやミスがあること自体は、いじめを正当化する理由にはなりません。注意や指導の範囲を超えた言動は、パワハラに該当します。

業務上の課題がある場合は、上司への相談や業務の見直しを通じて改善を図ることも選択肢のひとつです。一方で、指導という名目で繰り返し叱責・罵倒される場合は、ハラスメントとして記録を残しておくことをおすすめします。

異なる特徴を持つ

職場の雰囲気や多数派と異なる個性・背景を持つ人も、いじめの標的になりやすいことがあります。みんなと違うという理由だけで、排除しようとする心理が働く場合があるためです。

具体的には、以下のような違いが引き金になるケースがあります。

  • 国籍・文化・価値観が周囲と大きく異なる
  • 年齢・キャリア・学歴などの背景が目立つ
  • 障害や持病があり、業務上の配慮が必要 など

特定の人を集団で排除・攻撃する行為は、パワハラやモラハラとして法的に問題になりえます。また、国籍・障害などを理由とした排除は、障害者雇用促進法・労働施策総合推進法などに抵触する可能性が高いです。

自分だけ浮いていると感じている場合でも、一人で悩まず、社内の相談窓口や外部機関に話してみてください。

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いじめが起きやすい職場の特徴4つ

職場でいじめが起きる背景には、職場環境そのものに問題があるケースが少なくありません。

いじめは個人の性格や相性だけで起きるわけではなく、組織の体質や文化が、いじめを生み出す土壌になっていることが多いです。自分の職場が当てはまるか、確認してみてください。

いじめを見て見ぬふりする風土がある

いじめが長期化する職場の多くに共通している点として、見て見ぬふりが常態化していることが挙げられます。誰かが被害を受けていても、周囲が黙認・容認することで、加害行為がエスカレートしやすいです。

傍観者が動かない背景には、主に2つの理由があります。

  • 「自分も標的になるかもしれない」という報復への恐怖
  • 「関わっても何も変わらない」という無力感・無関心 など

周囲が沈黙を続ける環境では、加害行為が抑止されにくく、いじめがより深刻な状況に発展することがあります。

管理職が問題を把握しながら介入しない場合、状況はさらに長期化します。上司に相談しても動いてもらえないと感じたら、社内の別の相談窓口や外部機関への連絡を検討してみてください。

人事評価制度が不透明で不公平感が強い

評価基準が曖昧な職場では、社員の間に不満や嫉妬が生まれやすく、いじめの引き金になることがあります。「なぜあの人が評価されるのか」という不満が、特定の人への攻撃に向かうケースも少なくありません。

評価制度の不透明さとして、以下のような例が挙げられます。

  • 昇給・昇格の基準が明文化されていない
  • 上司の主観や「好き嫌い」で評価が左右される
  • 同じ成果でも人によって扱いが異なる など

閉塞感が積み重なる環境では、職場内の人間関係が悪化し、いじめが生まれやすい土壌になることがあります。

評価基準の不公平さを感じている場合、まず人事部門や上長への確認が有効です。改善が見込めないと判断した場合は、転職も含めた環境の見直しを検討するのもひとつの選択肢です。

コミュニケーションが少なく閉鎖的

部署間の風通しが悪い職場では、いじめが表面化しにくく、問題が長期間放置されがちです。外部の目が入りにくい環境が、加害者にとってはいじめやすい場所になってしまいます。

閉鎖的な職場の具体的な特徴としては、以下が挙げられます。

  • 部署をまたいだ交流や異動がほとんどない
  • 上司と部下の面談の機会がない
  • 問題が起きても内輪で解決すべきという雰囲気がある など

テレワーク環境でも、チャットでの既読無視・会議への招待除外・業務連絡の遅延などのハラスメントも問題になっています。

転職活動の際は、社員同士の交流機会や、相談窓口の有無を確認しておくと、閉鎖的な職場を避ける判断材料になります。

長時間労働やストレスが常態化している

過度なストレス環境に置かれると、人は攻撃的になりやすくなります。長時間労働や慢性的な人手不足が続く職場では、いじめが発生するリスクが高まります。

人手不足によるストレスは、いじめを誘発する典型的なパターンのひとつです。業務量が一部の人に集中する→不満やイライラが蓄積する→発散の矛先が特定の人に向かう、という流れが生じます。

業種別では、建設業や医療・福祉・教育など、ストレスが蓄積しやすい職場でいじめの相談が多い傾向があります。職場環境そのものに問題があるケースが多く、個人の努力だけでは解決が難しい可能性が高いです。

職場の雰囲気が常に張り詰める、従業員に余裕がないと感じた場合は、心身への影響が出る前に、早めに相談窓口や専門家へ話してみることをおすすめします。

職場いじめの対処法5つ

職場いじめに悩んでいる場合、状況によって適切な対処法は異なりますが、まず大切なのは一人で抱え込まないことです。証拠を集め、相談窓口を活用し、必要であれば法的手段も視野に入れることができます。

職場いじめを受けたときの対処法を5つ解説しますので、自分に合った方法を確認してみてください。

加害者と距離を取り接触を減らす

加害者との接触をできる限り減らし、関わりが少なくなるだけで、精神的な負担が軽くなるケースは多いです。

物理的な距離を取る方法としては、以下が考えられます。

  • 上司や人事部門に席替え・部署異動を申し出る
  • 業務の連絡をメールやチャットに切り替え、直接対話を減らす
  • 二人きりになる場面を避け、第三者が同席する状況をつくる など

二人きりにならないことは、新たなトラブルを防ぐうえでも有効です。会議や打ち合わせには同僚を同席させる、記録が残るメールでやり取りするなど、具体的な工夫を取り入れてみてください。

心理的な距離の取り方も重要です。相手の言動に感情的に反応することで、加害者がさらにエスカレートしやすくなる場合があります。「この人の言葉は気にしない」と意識的に線引きすることが、自分を守ることにつながります。

いじめの証拠を集める

職場いじめを会社や外部機関に訴える場合、客観的な証拠が不可欠です。記録がなければ言った・言わないの水掛け論になりやすく、主張が認められないケースも少なくありません。

集めるべき証拠の種類は、以下のとおりです。

  • メール・チャットのスクリーンショット(日時が確認できるもの)
  • 被害の状況を記録した日記(日時・場所・発言内容・周囲の反応)
  • 加害行為の録音データ
  • 目撃者の証言(可能であれば書面で)など

自分が会話に参加している場合は、相手の同意なく録音しても違法にはなりません。ただし、録音データの取り扱いには注意が必要なため、使用方法については弁護士に相談することをおすすめします。

在職中にしか取得できない証拠もあります。退職後では入手が難しくなるものも多いため、被害を受けた日から記録を始めるようにしてください。

【関連記事】パワハラで訴える証拠がない場合はどうする?有効な証拠や集め方を解説

退職・転職で環境を変える

いじめが深刻で、職場環境の改善が見込めない場合、退職・転職も有効な手段となります。逃げるのではなく、自分を守るための判断です。

環境を変えることで状況が大きく改善するケースは多くあります。「もう少し頑張れば変わるかもしれない」という期待が、回復を遅らせてしまう可能性も否定できません。

退職を検討する際のポイントは以下のとおりです。

  • 有給休暇を使って心身を休めてから判断する
  • 在職中に転職活動を始め、次の職場を確保してから退職する など

退職を自分で伝えにくい場合は、退職代行サービスの利用も選択肢のひとつです。弁護士が運営するサービスであれば、未払い賃金などの交渉にも対応してもらえます。心身の限界を感じている場合は、医療機関や相談窓口への相談も検討してみてください。

上司や社内外の窓口に相談する

職場いじめを受けたときは、一人で抱え込まず早めに相談することが状況改善への第一歩です。

社内での相談先としては、まず直属の上司(加害者でない場合)に話してみるのがおすすめです。相談しにくい場合は、人事部や社内のハラスメント相談窓口を利用してみてください。

相談した日時・内容・相手の反応は、必ずメモに残しておきましょう。あとから「相談したのに対応してもらえなかった」という事実が、外部機関への申告時に役立ちます。

社内で解決が難しい場合や、報復が心配な場合は、社外の相談窓口や弁護士などの専門家への相談も選択肢に入れてみてください。

いじめがひどい場合は法的措置を検討する

社内での解決が難しい場合、法的手段を取ることも選択肢に入ります。適切な証拠と手続きがあれば、加害者・会社に対して責任を問えるケースがあります。

法的措置として取りうる手段は、主に以下のとおりです。

手段 概要
民事訴訟・損害賠償請求 加害者個人や会社に対して慰謝料を請求する
労働審判 裁判より短期間で解決を目指す手続き(概ね2〜3ヵ月が目安)
労働局のあっせん 費用がかからず、比較的手軽に利用できる調整手続き

証拠が十分にある場合、弁護士に依頼することで、慰謝料や未払い賃金の回収が見込めるケースもあります。法的手段を取るべきか悩んでいる場合は、早い段階での自分に合った専門家への相談がおすすめです。

【関連記事】パワハラの加害者を訴える流れ|必要な証拠や慰謝料相場なども解説

職場いじめの相談窓口一覧

「誰に相談すればいいかわからない」という方のために、職場いじめで使える相談窓口をまとめました。

社内での解決が難しい場合でも、外部機関を通じて対応できるケースは多くあります。無料で利用できる窓口も多いため、まずは気軽に問い合わせてみてください。

労働基準監督署(労基署)

労働基準監督署は、労働基準法違反に関する申告・相談を受け付ける国の機関です。違法な長時間労働や、業務上の指示を装ったハラスメントなど、法律に違反する行為について相談できます。

相談は匿名で受け付けてもらえるため、気軽に利用可能です。ただし、正式な申告の場合は氏名が必要になるケースもあります。

労基署が対応できるのは労働基準法違反に該当する行為に限られます。精神的ないじめや人間関係など、トラブルの内容によっては対応範囲外になるケースもあるため、ほかの窓口との併用が有効です。

全国の労働基準監督署はインターネットで検索でき、電話相談にも対応しています。自分のケースが対象になるかを聞いてみるだけでも構わないため、相談を検討してみてください。

【関連記事】労働基準監督署にパワハラ相談したらどうなる?どこに相談すべきかや解決の流れを解説

【参考元】都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧|厚生労働省

総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーは、厚生労働省が全国の労働局・労働基準監督署内に設置している無料の相談窓口です。予約不要で利用でき、相談しやすい環境が整っています。

職場いじめや嫌がらせはもちろん、解雇・労働条件など職場に関するトラブル全般を受け付けています。専門の相談員が対応してくれるため、「まず状況を整理したい」という段階から気軽に利用できます。

相談の結果、解決が難しいと判断された場合は、都道府県労働局の「あっせん制度」への橋渡しをしてもらえます。あっせんは、労使間の話し合いを第三者が仲介する手続きで、費用はかかりません。

まずは最寄りの労働局または厚生労働省のWebサイトで、お近くの窓口を確認してみてください。

【参考元】総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

みんなの人権110番

みんなの人権110番は、法務局が運営する人権相談の電話窓口です。職場でのいじめや差別など、人権侵害に関する相談を受け付けています。

電話番号は0570-003-110(全国共通)で、平日を中心に電話相談に対応しています。電話が難しい方は、インターネットからの相談(SOS-eメール)も可能です。

相談内容をもとに法務局が調査をおこない、必要に応じて関係機関への働きかけや、当事者への助言・説明といった救済手続を取ってもらえます。強制力はないものの、公的機関が介入することで状況が改善するケースもあります。

【参考元】常設相談所(法務局・地方法務局・支局内)|法務省

労働組合・ユニオン

職場に労働組合がある場合は、まず組合の担当者に相談してみてください。会社との交渉を代わりにおこなってくれるため、一人で抱え込まずに済みます。

労働組合がない場合でも、個人で加入できるユニオン(合同労組)を通じて、会社と団体交渉することが可能です。ユニオンに加入することで、会社に対して団体交渉を申し入れられます。

会社は正当な理由なく団体交渉を拒否できないため、個人では交渉が難しい場面でも動いてもらいやすいです。団体交渉では、いじめの改善要求や謝罪、異動・職場環境の改善など、幅広い事項を会社側に求めることが可能です。

加入時には組合費がかかるのが一般的です。費用はユニオンによって異なるため、加入前に確認しておくことをおすすめします。

【参考元】労働相談|日本労働組合総連合会

弁護士の法律事務所

証拠が揃い、法的な対応を本格的に検討する段階では、労働問題に詳しい弁護士への相談が有効です。

弁護士に依頼することで、以下のような対応を一括して任せられます。

  • いじめ・ハラスメントの法的評価と見通しの説明
  • 会社や加害者への慰謝料請求・交渉の代理
  • 労働審判・訴訟の手続きサポート など

初回無料相談を実施している事務所も多く、まずは費用をかけずに状況を評価してもらうことが可能です。証拠の保全方法や、請求権の消滅時効についてもアドバイスを受けられます。早い段階で弁護士へ相談することで、選択肢が広がります。

【関連記事】労働問題が得意な弁護士の選び方!選ぶポイントや依頼できる内容を解説

職場いじめで悩んだら「ベンナビ」で弁護士に相談

「いじめを訴えたい」「慰謝料を請求したい」「会社との交渉を任せたい」と考えているなら、ベンナビの利用がおすすめです。

ベンナビは、労働問題に注力する弁護士を検索できるサイトです。職場いじめ・ハラスメントに強い弁護士が多数掲載されており、24時間いつでも相談の申し込みが可能となります。

地域・相談内容・費用などの条件で絞り込み検索にも対応しているため、自分の状況に合った事務所を見つけやすいのが特徴です。職場いじめを受けていると感じた際は一人で悩まず、まずは気軽に弁護士を探してみてください。

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職場いじめに関するよくある質問

職場いじめに悩む方からよく寄せられる疑問にお答えします。具体的な状況に応じた対処法を確認してみてください。

Q1. 証拠がない場合でも職場いじめで訴えられる?

証拠がなくても相談・申告・訴訟を起こすこと自体は可能です。「訴えたもの勝ち」とも言われますが、実際には適切な証拠と手続きが揃ってはじめて、加害者・会社に責任を問えるケースが増えます。

立証のハードルが上がるため、早い段階で記録を始めることが重要です。まずは以下の方法で、記録を残すことから始めてみてください。

  • 被害の状況をその日のうちに日記・メモに記録する(日時・場所・発言内容・周囲の反応)
  • 加害行為が起きた場面をスマートフォンで録音する
  • 過去のメール・チャット・勤怠記録などを保存しておく

直接的な証拠がない場合でも、間接証拠の積み重ねによって事実が認定される可能性が高まります。「直接的な証拠がない」と諦める前に、弁護士へ相談するのがおすすめです。

証拠収集の方法や、何を優先して集めるべきかについても、弁護士に相談すると具体的なアドバイスをもらえます。

Q2. 職場いじめとパワハラの違いは?

職場いじめとパワハラは、似ているようで異なります。パワハラの成立には以下の3要件が全て必要です。

  • 優越的な関係を背景とした言動
  • 業務上の適正範囲を超えること
  • 就業環境を害すること

職場いじめはこれより広い概念で、同僚間や部下からの行為も含まれます。上司から部下への嫌がらせはパワハラに該当しやすいですが、同僚間のいじめはパワハラの定義に当てはまらない場合があります。

同僚間のいじめであっても、精神的な嫌がらせとして民事上の不法行為に該当するケースは少なくありません。加害者が同僚で、パワハラに該当しない場合でも、法的手段を検討できる可能性があります。

Q3. 職場いじめで精神的に限界のときはどうすればいい?

精神的に限界を感じているなら、まず医療機関の受診を優先してください。「病院に行くほどではない」と思わず早期に相談することで回復が早まる場合があります。

心療内科や精神科への受診に抵抗を感じる方もいますが、職場のストレスによるメンタル不調は珍しいことではありません。医師に職場での出来事を率直に話すことで、診断書の発行や休職の判断につながります。

休職した場合は、傷病手当金として給与の約3分の2が最長1年6ヵ月間受け取れます。収入面の不安があっても、休む選択肢を検討してみてください。

緊急で話を聞いてほしい場合は、こころの健康相談統一ダイヤルへの電話も選択肢のひとつです。各都道府県の相談員が対応していますが、受付時間は都道府県によって異なるため、事前に確認してみてください。

【参考元】
傷病手当金について|厚生労働省
こころの健康相談統一ダイヤル|自殺対策|厚生労働省

Q4. 職場いじめの加害者を訴えたら報復される?

相談・申告を理由とした不利益取り扱いは、パワハラ防止法(労働施策総合推進法第30条の2第2項)で禁止されています。報復行為は法律違反であり、恐れずに相談・申告できる環境が法律で守られています。

具体的に禁止されている行為には、以下が含まれます。

  • 相談・申告を理由とした解雇・降格・減給
  • 嫌がらせや業務外しによる追い打ち
  • 報復目的での配置転換

万が一報復を受けた場合は、その行為も証拠として記録し、労働局や弁護士に報告することが有効です。報復行為自体が新たな問題として、法的責任を問える可能性があります。

「訴えたら何をされるか怖い」と感じている場合は、まず弁護士への相談から始めてみてください。弁護士に依頼していることを会社側が知ることで、報復への抑止力になるケースもあります。

【参考元】事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)【令和2年6月1日適用】|厚生労働省

まとめ

職場いじめは、継続的におこなわれる嫌がらせや、精神的・身体的な攻撃です。暴力や陰口だけでなく、過大な量の仕事を課されたり、反対に仕事から外される行為も該当します。

職場いじめは、我慢し続けることで解決するものではありません。放置するほど心身へのダメージが蓄積し、回復にも時間がかかります。

「自分だけが悪いのでは」と思い込んでしまう方も多いですが、傷ついているなら、それは被害です。一人で抱え込まず、まずは信頼できる人や相談窓口に話してみてください。

法的対応を含めた具体的なアドバイスを受けたい場合は、ベンナビで弁護士を探してみてください。初回無料相談に対応している事務所も多く、状況を整理するだけでも次の一歩が見えやすくなります。

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本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
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深夜残業とは22:00〜翌5:00の深夜帯の時間帯に残業をすることです。残業時間は原則として労働基準法で1.25倍以上の割増賃金が発生すると規定され、深夜時間の労働時間も1・25倍以上の割増賃金が発生します。
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上司から部下に対する過度な残業強制もパワハラの典型例です。本記事では、企業と労働者が締結する36協定や残業命令の適法・違法について詳しく解説しています。
職場いじめの具体例7つ | いじめられやすい人・環境の特徴、相談窓口を紹介
本記事では、職場いじめでお悩みの方に向けて、職場いじめの具体例・対処法・相談先・法的責任などを解説します。自分が職場いじめに遭っているのかを確認したい方、具体的な対処法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
労働基準監督署にパワハラ相談したらどうなる?どこに相談すべきかや解決の流れを解説
パワハラを労働基準監督署に相談するとどう対応してくれるのかをわかりやすく解説します。また労働基準監督署以外ではどこに相談すべきかや解決の流れもあわせて紹介します。
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