親権問題を無料で相談できる窓口8選!準備するべきことや弁護士の選び方も解説
親権を獲得したくても、どのように対応すれば親権を得られるのか、どこに相談すればよいのかを悩んでいる人も多いでしょう。
親権問題を弁護士に相談すると、早期解決を実現できる可能性が高まります。
また親権と併せて、養育費や面会交流といった子どもの将来に関わる問題も相談に乗ってくれるため、ひとりで抱え込まずに信頼できる窓口に頼りましょう。
本記事では、親権問題を弁護士無料相談できる8つの窓口や弁護士に相談・依頼するメリット、準備すべきポイントを解説します。
2026年5月から導入される共同親権についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
- 親権問題を弁護士に無料相談できる窓口5選
- 弁護士以外に親権問題の無料相談ができる窓口3選
- 親権問題を解決するなら弁護士に依頼しよう
- 親権問題を弁護士に相談するべきケース5つ
- 親権獲得を弁護士に相談・依頼するメリット6つ
- 親権問題を弁護士に相談するタイミング
- 親権を獲得するために準備すべきポイント5つ
- 親権問題を弁護士に無料相談するときのポイント5つ
- 親権に関する無料相談でチェックすべき弁護士のポイント3つ
- 親権問題を弁護士に相談・依頼した際の費用相場
- 2026年4月から導入される離婚後の「共同親権」制度とは?
- 親権問題や弁護士に無料相談したときによくある質問
- まとめ|親権問題の無料相談を弁護士にするなら「ベンナビ離婚」
親権問題を弁護士に無料相談できる窓口5選
はじめに、親権問題を弁護士に無料相談できる窓口を5つ紹介します。
それぞれの窓口の特徴を理解し、ニーズに合うところを選びましょう。
1.ベンナビ離婚|自分に合う弁護士を効率的に探したい人におすすめ
ベンナビ離婚は、離婚や親権問題を得意とする弁護士を見つけられるポータルサイトです。
相談内容に応じた、住んでいるエリアを選ぶだけで、問題解決に適した相談先を見つけられます。
休日相談やオンライン相談に対応している法律事務所など、希望の条件で絞り込み検索が可能です。
時間や場所の制約を受けずに、自分に合う弁護士を効率よく見つけられるメリットがあります。
また初回相談無料やLINEで予約可能な法律事務所も多数掲載しているので、ニーズに合った弁護士を選びたい人はぜひ利用してみてください。
時間や場所による制約がない
ベンナビ離婚は、Webサイトを通じて24時間いつでも全国の弁護士を検索できます。
都道府県や市区町村、最寄り駅など、相談しに行きやすい場所の弁護士を地域で絞り込みすることが可能です。
オンライン面談や電話相談といった条件での検索もできるため、遠方の弁護士にも相談できます。
また平日は仕事などで忙しいという人も利用できるよう、平日の夜間や休日に相談できる事務所も多数掲載しています。
居住地域が地方だったり、仕事や育児で多忙だったりする人でも、簡単に自分に合う弁護士を見つけることが可能です。
親権問題・離婚問題の経験が豊富な弁護士に相談できる
ベンナビ離婚は、親権問題や養育費、財産分与などの離婚問題全般の解決経験が豊富な弁護士を絞って相談できるのもメリットです。
親権問題は、法律を知っているだけでは解決できず、これまでの監護実績をどれだけ主張できるかといった、高い交渉力や戦略が求められます。
ベンナビ離婚に掲載されている各法律事務所の紹介ページでは、それぞれの弁護士の得意分野や解決事例を具体的に記載しています。
そのため「父親側での親権獲得」や「面会交流の交渉に強い」といった実績を確認して、自分の状況に適した相談相手を見極められるでしょう。
2.市区町村の無料法律相談
市区町村役場で実施されている無料法律相談では、身近な場所で気軽に弁護士の意見を聞くことができます。
多くの自治体では、地域住民サービスの一環として、弁護士による無料法律相談会を定期的に開催しています。
親権問題について、やるべきことや法的手続の流れを把握することが可能です。
ただし、担当する弁護士を選べないため、自分とは合わない人かもしれません。
開催日も限られているため、継続的な相談もできません。
あくまで、問題解決の糸口を見つけるための場所と思って利用するのがよいでしょう。
3.法テラス
法テラスは、以下の条件を満たした人を対象に、親権問題の相談を1回30分、同一問題につき3回までできる機関です。
- 収入や資産が基準以下であること
- 民事法律扶助の趣旨に適していること
収入と資産の基準は、家族人数や居住地域によって異なります。
たとえば東京都23区や大阪市などに住んでいる場合の基準は、下記表のとおりです。
| 家族人数 | 収入基準 | 資産基準 |
|---|---|---|
| 1人 | 20万200円以下 | 180万円以下 |
| 2人 | 27万6,100円以下 | 250万円以下 |
| 3人 | 29万9,200円以下 | 270万円以下 |
| 4人 | 32万8,900円以下 | 300万円以下 |
なお、基準を超えていても、住宅ローンや医療費を支払っているなど、やむを得ない事情がある場合は基準を満たす可能性もあります。
また「民事法律扶助の趣旨に適していること」とは、嫌がらせ目的のような、自己満足的な感情に基づく利用はできない、という意味です。
無料相談の対象となるか不安な人は、法テラスに電話して確認してみてください。
4.弁護士会
弁護士会は、各都道府県で法律相談センターを運営しており、気軽に法律相談ができるところを提供しています。
親権問題について何をすればよいのか、どこに相談すればよいのかわからないという人におすすめです。
無料相談で対応してくれた弁護士に、継続的に依頼することもできます。
相談時間や方法(面談・電話)は場所によって異なるため、各弁護士会のWebサイトで確認してください。
5.日本弁護士連合会
日本弁護士連合会(日弁連)は、全国の弁護士会が運営する法律相談センターの案内や、弁護士を検索できるWebサイトを提供しています。
法律相談が無料かどうかは、実際に電話予約をする際に確認したり、予約先の法律事務所のWebサイトから把握したりする必要があります。
複数の窓口を提供しているため、自分の状況に合う窓口を選びましょう。
弁護士以外に親権問題の無料相談ができる窓口3選
親権に関する悩みは、法的な問題だけでなく、離婚後の生活設計や精神的な負担といった側面も持ち合わせています。
そのため弁護士以外の窓口に相談することが有効なケースも少なくありません。
ここでは、法律相談とは異なる視点からサポートを受けられる窓口を3つ紹介します。
1.市区町村の生活相談窓口
親権問題に伴う住居や仕事、経済的な不安などの生活全般の悩みは、市区町村役場にある生活相談窓口が相談先として適している可能性があります。
さまざまな公的支援制度に精通しているため、離婚後の生活再建に向けて受けられるサポートの情報を提供してくれます。
しかし担当者によっては、支援制度に詳しくない可能性があるため、事前に電話で相談可能かどうかを確認しておくのがおすすめです。
2.NPO法人
NPO法人とはボランティア活動を目的とした法人団体です。
親権や離婚など家庭問題を取り扱った団体もあり、無料で親権獲得について相談できます。
親権獲得について相談できるNPO法人の例として、以下の団体が挙げられます。
| 結婚生活カウンセリング協会 | 結婚や離婚についての相談を取り扱っており、最大10分間電話による無料相談が可能。 |
|---|---|
| NPO法人よつば | カウンセラーが離婚問題によるメンタルケアをしてから、相談者の救済を目的とした団体。電話もしくはホームページから無料相談が可能。 |
| 司法過疎サポートネットワーク | 東京の諸島を中心に定期的な法律相談会をおこなう団体。個人の無料相談も受け付けており、電話またはフォームから予約可能。 |
場所によっては情報交換会やイベントなどを通じて、社会的な孤立を防ぐための支援を受けられるケースもあります。
3.養育費・親子交流相談支援センター
養育費・親子交流相談支援センターでは、離婚後の養育費や面会交流(親子交流)の方法などのアドバイスを受けられます。
電話やメール、チャットで相談できるため、忙しい人でも頼りやすい機関です。
相談員は弁護士ではないため、法律相談はできませんが、法的な問題を含む内容に至った場合は最寄りの法律事務所を紹介してくれます。
親権問題を解決するなら弁護士に依頼しよう
当事者間の話し合いは過去の感情的な対立が再燃しやすく、不利な条件で合意してしまうリスクが伴います。
しかし弁護士が代理人として介入すると、相手方との直接交渉からくる精神的なストレスから解放されます。
冷静に交渉を進められるようになるため、不利な条件で合意してしまうリスクの軽減が可能です。
たとえ不利な状況にある場合でも、これまでの監護実績などから、あなたが親権者として適格であることを主張・立証してくれます。
相手方との交渉から複雑な手続きまで一任できるので、早期に弁護士へ相談し、サポートを受けるのがおすすめです。
親権問題を弁護士に相談するべきケース5つ
親権問題を当事者同士で冷静に話し合えない状況なら、弁護士に相談しましょう。
ここでは、親権問題を弁護士に相談するべきケースを5つ解説します。
1.相手と話し合いが成り立たない
相手が感情的になったり要求を一切聞き入れなかったりして、親権に関する建設的な話し合いができない場合は、弁護士に相談しましょう。
弁護士が関与することで、法的な論点に絞った冷静な話し合いが可能になります。
第三者である弁護士が話をすると、相手方も客観的な視点で状況を捉え直し、態度を軟化させる可能性も期待できます。
夫婦間での話し合いで発生する、精神的ストレスも軽減できるでしょう。
話し合いが進展せず、精神的に消耗している場合は、速やかに弁護士に交渉を委ねるのが賢明です。
2.相手が子どもを連れて家を出て行ってしまった
相手が一方的に子どもを連れ去り、別居をしてしまった場合は、親権問題が深刻化しているといえるため、弁護士に相談すべきです。
相手だけが子どもと過ごすことで、監護や教育の実績が相手に積み上がるため、親権争いで自分が不利になる恐れがあります。
一刻も早く弁護士に相談し、監護環境を取り戻すための対応を教えてもらいましょう。
親権問題を有利に進めるためにも、無断の連れ去りが発生した際は、ためらわずに弁護士へ相談してください。
3.DVやモラハラを受けていて直接の話し合いが危険・不可能
配偶者からDVやモラハラを受けている場合、加害者との直接交渉は心身に危険を及ぼす可能性があるため、弁護士に相談してください。
DVやモラハラの加害者は、被害者を支配下に置こうとする傾向が強く、直接の話し合いはさらなる暴力や精神的虐待を引き起こす危険性があります。
弁護士は離婚に関する交渉や手続きを代理人としておこなえるため、被害者は加害者と接触せずに離婚や親権に関する交渉を進められます。
また弁護士は、依頼者の安全確保を最優先に考え、必要に応じて裁判所に保護命令を申し立てるなどの措置が可能です。
子どもと自分の身の安全を守るためにも、弁護士に相談し、安全な環境から解決を目指してください。
4.自分側に親権獲得が不利な事情がある
自分側に親権を得るには不利な事情がある場合も、弁護士に相談しましょう。
たとえば、不倫や虐待、病気などがあると、不利な状況にあるといえます。
弁護士に相談・依頼すると、自分側に不利な事情があっても、親権者として的確であることを、説得力を持って主張してもらえます。
親権獲得が実現する可能性が高まるため、弁護士に相談して対処法を考えましょう。
5.調停を申し立てたい
当事者間の話し合いで親権が決まらない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
調停では、調停委員を介して話し合いをするため、法的に意味のある主張が必要です。
弁護士に相談すれば、調停に必要な書類作成や説得力のある主張をしてもらえるため、親権を得られる可能性が高まります。
申立てに必要な手続きを有利に進めるためにも、弁護士に依頼しましょう。
親権獲得を弁護士に相談・依頼するメリット6つ
親権獲得について弁護士に相談・依頼すると、主に以下6つのメリットを得られます。
- 親権を獲得できる見込みがあるか判断してもらえる
- 親権獲得のためのアドバイスがもらえる
- 法的手続を代理でおこなってもらえる
- 交渉が有利に進められる
- 親権獲得後のトラブル防止になる
- 親権が獲得できなくても監護権や面会交流が獲得できる
ひとつずつ解説します。
1.親権を獲得できる見込みがあるか判断してもらえる
親権は、そもそも自分が獲得できるのかという不安もあるでしょう。
弁護士に相談すれば、今の状況で親権を獲得できる見込みがあるかを判断してもらえます。
現状と次に何をすべきかを明確にアドバイスしてくれるため、今後の見通しが立つことで、不安やストレスも軽減されるでしょう。
2.親権獲得のためのアドバイスがもらえる
弁護士は、裁判所が親権者を判断する際に重視するポイントを熟知しているため、親権獲得を有利に進めるためのアドバイスをもらえます。
親権争いでは、これまで自分がどれだけ子どもの監護に貢献してきたかを、客観的な証拠に基づいて主張する必要があります。
そのため監護実績の証拠になるものは何か、不利になる行動はどのようなものかを教えてもらいましょう。
アドバイスに基づいた行動をすれば、調停委員や裁判官に対し、自身が親権者としてふさわしいことを説得的に主張できるようになります。
3.法的手続を代理でおこなってもらえる
弁護士へ依頼した際の業務の一環として、法的手続の代理や裁判所への代理出廷などがあります。
各種書類の作成や郵送、裁判所への出廷などを自分でおこなうことは簡単ではありません。
弁護士へ依頼をすると法的手続を代理で一任できるので、親権獲得の時間や労力をカットできる点は大きなメリットといえます。
また書類の記入漏れや不備を防げるため、スムーズに手続きを終えられる可能性もあります。
4.交渉が有利に進められる
弁護士が代理人として交渉することで、相手に流されずに有利な条件での解決を目指せます。
当事者同士の話し合いでは、相手の態度に押されて不利な条件を受け入れてしまうケースが少なくありません。
そこで弁護士が交渉すると、相手方も不当な要求を通すことが難しくなり、現実的な解決案に応じやすくなる傾向にあります。
弁護士は過去の判例を踏まえ、親権だけでなく養育費や面会交流についても妥当な落としどころを見極めるため、心強い存在です。
5.親権獲得後のトラブル防止になる
親権を獲得できても、あとからトラブルに発展する可能性はゼロではありません。
夫婦間での口約束で養育費や面会交流などの取り決めをしてしまい、言った言わないの論争に発展するケースがあります。
たとえば、面会交流の拒否や子どもの連れ去りなどは、個人間での対応は困難を極めるでしょう。
しかし弁護士に依頼すれば、面会交流や養育費などのルールを明確にした取り決めを、調停証書や公正証書などに残してくれます。
法的効力のある書面を作成しておくことで、将来起こりうるトラブルを抑止することが可能です。
弁護士は親権問題だけでなく、離婚後の長期的な安定を見据えた解決を目指すため、将来の心配もある人は弁護士に相談しましょう。
【関連記事】調停調書と公正証書の違いとは?作成すべきケースについて解説!
6.親権が獲得できなくても監護権や面会交流が獲得できる
万が一、親権の獲得が難しいと判断される状況でも、弁護士は監護権や充実した面会交流の獲得を目指します。
監護権は、子どもの世話や教育をおこなう役割のことです。
通常、離婚後の親権と監護権は同じ人に与えられますが、分離することもできます。
親権と監護権を分けられれば、親権はなくとも子どもの成長を身近で感じることが可能です。
面会交流では、月1回の頻度を月2回に増やしたり、宿泊を伴う交流ができたりなど、充実した内容の取り決めを目指します。
弁護士は、子どもと関わる権利の獲得を実現するために多様な解決策を模索してくれるため、早期に相談・依頼するのがおすすめです。
親権問題を弁護士に相談するタイミング
弁護士への相談は、親権問題がこじれて深刻化する前の、できるだけ早い段階におこないましょう。
早期に相談することで、今後の見通しを立て、有利な状況を作りやすくなります。
たとえば、親権獲得に有効な証拠を計画的に収集したり、相手に主導権を握られる前に交渉の先手を打ったりと、多くのメリットがあります。
そのため、離婚や別居を考え始めたとき、相手から離婚を切り出されたときなど、早いうちに相談してください。
親権を獲得するために準備すべきポイント5つ
親権者を判断する際、重視される考え方が「子の福祉」です。
父母のどちらが親権者になれば子どもの幸せにつながるか、という観点により、親権者を以下のような項目から総合的に判断します。
- 子どもの意思
- これまでの監護実績
- 離婚後の監護体制
- 親権者の経済状況
- 子どもと過ごせる時間
つまり、親権獲得を有利に進めるには、自分のほうが相手よりも親権者にふさわしいという事情を裁判所に伝えなくてはなりません。
そのため親権者を判断する際に重視される上記項目を満たすには、事前準備をしておく必要があります。
ここでは、親権獲得のために準備すべきポイントを5つ解説します。
1.相手が親権者として不適格である証拠を残しておく
相手が親権者として不適格であることを証明できれば、必然的に自分が親権を獲得できます。
相手の浪費癖や育児放棄(ネグレクト)、子どもへのDVなど、親権者としてふさわしくないと客観的に判断できる証拠を残しておきましょう。
調停や裁判では、親として相手方が不適格である、と主張するだけでは不十分です。
説得力のある主張をするためにも、録音データや写真、子どもの診断書などの客観的な証拠を用意してください。
子どもを不幸にするような問題行動の証拠を継続的に集めて、相手が親権者として不適格であることを証明しましょう。
2.子育てしている証拠を残しておく
どれだけ積極的に子育てをしていても、口頭だと裁判では伝わらないリスクがあります。
自身が日常的に子どもの世話をし、主たる監護者として役割を果たしてきたことを示す具体的な証拠を残しておきましょう。
裁判所は親権者を判断する際に「監護の継続性」を重視します。
これまで子どもの世話をしてきた親から子どもを引き離すと、子どもの精神的な安定を損なう可能性がある、と考えるためです。
客観的な子育ての証拠としては、以下のようなものが挙げられます。
- 日々の食事や風呂などを記録した育児日記
- 子どもと日常的に関わっていることがわかる写真や動画
- 病気や予防接種の歴などがわかる、母子健康手帳や子どもの健康管理に関する記録
上記のような証拠は、離婚を考え始めた段階から意識して集めておくと、いざという時に自身の監護実績を証明する強力な材料となります。
3.子どもと友好なコミュニケーションを築いておく
親権獲得において、日頃から子どもと愛情を持って接し、良好な信頼関係を築いておくことが重要です。
親権者の判断には、父母のどちらと暮らしたいか、という子どもの意思も関係します(15歳以上の場合)。
そのため、子どもとコミュニケーションをとり、友好な関係を築いておきましょう。
ただし、子どもに選んで欲しいからといって、相手方の悪口をいうのは控えてください。
親権者の適格性を疑われ、不利な状況になる可能性があります。
4.監護補助者の協力を得られるようにする
監護補助者とは子育てをサポートしてくれる方のことです。
離婚後に仕事などで子どもの世話が十分にできない時間帯がある場合、両親や兄弟姉妹など、育児を手伝ってくれる監護補助者の協力を得ておきましょう。
子どもが急に病気になったり、残業で帰りが遅くなったりした際に頼れる人がいると、今後の養育環境が安定していることを示すうえで有利に働きます。
仕事の残業などにより、子どもの監護ができないときは誰がするのかを、具体的に示せるようにしておきましょう。
5.子育ての経験を積んでおく
これまで仕事が中心で、育児への関与が少なかったという自覚がある人は、離婚や別居を考え始めた段階から、意識的に育児に関わる時間を増やしましょう。
子育ての経験を積んでおくことで、監護実績を積み上げることができます。
しかし、離婚を切り出す直前から、急に育児に参加し始めても高く評価されない可能性があります。
できるだけ早い段階から、子育てに参加し、家事や育児を習慣化させましょう。
親権問題を弁護士に無料相談するときのポイント5つ
無料相談は、30分~60分程度と時間が限られているのが一般的です。
限られた時間で的確なアドバイスを得るために、以下5つのポイントを意識しましょう。
- 質問したいことや聞きたいことを整理しておく
- 不利な事情があっても嘘はつかず正直に話す
- 相談したい内容に優先順位をつける
- 相手とのやり取りがわかる資料を持参する
- できるだけ早い段階で相談する
事前に状況を時系列でメモにまとめ、質問リストを作成しておくだけでも、相談の密度は大きく変わります。
準備を整えることで、弁護士は短時間で状況を正確に把握でき、より具体的で実践的なアドバイスを提供することが可能になります。
親権に関する無料相談でチェックすべき弁護士のポイント3つ
親権獲得について弁護士に相談すると、多くのメリットを得られます。
しかし信頼できる弁護士でなければ、的確なアドバイスをもらえない可能性があるため、どの弁護士でもよいというわけではありません。
ここでは、相談時にチェックすべき弁護士のポイントを3つ解説します。
1. 親権や離婚に関する問題の説明がわかりやすい
専門用語を多用せず、法律の知識がない相談者にも理解できるような言葉で丁寧に説明してくれる弁護士を選びましょう。
弁護士からの説明が理解できなければ、状況を正しく把握できず、納得のいかないまま手続きが進んでしまうリスクがあります。
相談中に疑問に思ったことは遠慮なく質問でき、わかりやすい回答かどうかを確認することが重要です。
また、説明がわかりやすい弁護士は自分の話を親身に聞いてくれる傾向にあります。
親権問題が長期戦になるほど弁護士に相談する機会は増えるので、丁寧な対応をしてくれる弁護士を選びましょう。
2. 親権や離婚に注力している分野を扱っている
弁護士と一言でいっても取り扱っている分野はさまざまで、親権問題が得意でなければ適切なアドバイスを受けられない可能性があります。
親権獲得の見込みを高くしたいなら、親権の分野に注力している法律事務所を選びましょう。
親権や離婚に注力しているかどうかは、事務所のWebサイトなどで確認できます。
離婚・親権問題が「取扱分野」として記載されているか、解決実績があるかをチェックしてください。
3. 親権や離婚問題の経験と実績が豊富
信頼できる弁護士を選ぶために、親権獲得や離婚の実績が豊富に掲載されているかを確認しましょう。
実績は、その弁護士の経験を客観的に示す重要な指標です。
自身の状況と似たケースの解決事例があれば、安心して依頼できる可能性が高まります。
Webサイトや口コミを確認し、弁護士の経験や態度などを細かく確認しましょう。
親権問題を弁護士に相談・依頼した際の費用相場

親権問題を弁護士に依頼する際にかかる費用は、大きく分けて「相談料」「着手金」「成功報酬」「実費・日当」の4種類があります。
ここでは、弁護士に親権問題について相談・依頼した際の費用相場を解説します。
相談料|相場は1時間あたり5,000〜10,000円
相談料とは、弁護士に相談する際に発生するコストのことです。
1時間あたり5,000円から10,000円くらいが相場となります。
初回相談が無料の法律事務所も多いため、まずは無料相談を活用するのがおすすめです。
複数の事務所の無料相談を利用して、弁護士の見解や人柄を比較検討し、最も信頼できると感じたところに依頼する、というのも有効です。
着手金|相場は20万〜30万円
着手金とは、弁護士に案件を正式に依頼する際に、最初に支払う費用のことです。
相場は20万円から30万円となっています。
着手金は、弁護士が案件に着手するための準備費用や活動費に充てられるため、結果にかかわらず、返金されません。
着手金の料金体系は、交渉や調停、訴訟といった手続きの段階ごとに設定される場合が多いです。
手続きが移行するたびに追加の着手金が必要になる可能性があるため、どのような料金体系かを事前にきいておきましょう。
成功報酬|相場は20万〜30万円
成功報酬は、依頼した案件が解決した場合に支払う費用で、親権問題でいえば、自分が親権を獲得できた際に支払います。
費用相場は20万円から30万円程度です。
法律事務所によっては、親権獲得に至らない場合でも成功とみなされ、成功報酬を請求される可能性があります。
何をもって成功とするかが事務所によって異なるため、事前に確認してください。
日当・実費|相場は3万〜10万円
日当とは、弁護士が裁判所へ出頭したり、証拠収集のために遠方へ出張したりするなど、事務所外での活動に対して発生する費用です。
実費とは、調停の申立てに必要な収入印紙代や移動にかかる交通費など、手続きを進めるうえで実際にかかった費用のことです。
費用相場は3万円から10万円ですが、法律事務所によっては日当がかからないケースもあります。
2026年4月から導入される離婚後の「共同親権」制度とは?
2024年5月に成立した改正民法により、2026年4月1日から、離婚後の「共同親権」制度が施行されます。
共同親権が施行されると、これまでは父母のどちらかが親権者となっていたのが、父母の双方が親権者と定められるようになります。
そのため、食事や習い事の送り迎えなどの日常的な監護を、一方がおこなえないときは、もう一方が行使可能です。
子どもの将来や健康などに関わることは、双方で共同して行使すべきとされているため、子どもの進学先の決定や財産管理などにも関与できるようになります。
なお、共同親権の施行前に離婚し、親権者となれなかった場合でも、家庭裁判所に申立てることで、共同親権に変更できる可能性もあります。
すでに離婚していて、親権を獲得できなかった人は、今後弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
共同親権が導入される理由
共同親権が導入される理由は、離婚後も父母の双方が子育てに継続的に関与することが、子どもの利益を確保することにつながるという考えのためです。
養育費の不払いや面会交流が不実施などで、子どもの成長や精神に悪い影響を与えないようにするためと考えられます。
また国際離婚により、法制度の違いが問題となる可能性を低減するため、というのも予想されます。
2020年に法務省が公表した調査によると、24ヵ国のうち22ヵ国(日本は除く)が共同親権を認めているという結果でした。
日本も単独親権だったため、法制度の違いから、親権の争いに発展するケースがたびたび起きていたのが実情です。
そのため、今後共同親権が施行されることで、国際離婚での争いが減少する期待もできます。
このように、離婚によって親子の関係が断絶されることを防ぎ、子どもの利益を守ることを目的として、共同親権制度は導入されることとなりました。
【参考記事】
親権・養育費・親子交流などに関する民法等改正の解説|法務省
父母の離婚後の子の養育に関する海外法制調査結果の概要|法務省
共同親権と単独親権の違い
共同親権と単独親権の主な違いを、下記表に両者の違いをまとめました。

単独親権の場合、親権者となった親一人の判断で、子どもの衣食住や進学先の決定、医療方針への同意などを決められます。
一方、共同親権では、子どもに関する日常的な事柄は単独で決定でき、重要な事柄は父母双方の合意が必要です。
また子どもの利益を損なう可能性がある、DVや虐待、緊急の医療行為における同意などの急迫の事情がある場合は、父母の一方が単独で決定できます。
なお、子どもの心身に影響を及ぼす恐れがあるDVや虐待などがある場合は、単独親権と定めることも可能です。
親権問題や弁護士に無料相談したときによくある質問
さいごに、親権問題や弁護士への無料相談に関するよくある質問と、その回答を解説します。
法律相談に対する漠然とした不安を軽減し、限られた相談時間をより有効活用するためにも、ぜひ参考にしてください。
無料相談をしたら、必ずその弁護士に依頼しなければいけませんか?
弁護士に無料相談をしたからといって、依頼する必要はありません。
相談した弁護士とは合わないと感じたり、もう少しほかの意見も聞きたいと思ったりした場合、依頼をしなくてもまったく問題ありません。
むしろ、複数の弁護士の無料相談を利用し、比較検討して自分に合う弁護士を探すことをおすすめします。
親権問題は、あなたと子どもの将来を左右する重要な問題で、長期間の争いになる可能性もあります。
精神的な負担を軽減するためにも、説明がわかりやすく、親身に話を聞いてくれるような弁護士を選びましょう。
父親でも親権獲得は可能でしょうか?
父親でも、育児をおこなってきたという証拠を示せば、親権を得られる可能性は十分にあります。
子どもが幼いほど、母親と暮らしたほうが子の福祉につながる(母性優先の原則)という考えがあるのは事実です。
しかし、あくまで考慮要素のひとつに過ぎないため、母親が絶対親権を得るというわけではありません。
以下のように、母親の監護に何らかの問題があれば、父親が親権者として認められやすくなります。
- 仕事で多忙で監護を充分におこなえない
- 育児に非協力的なため父親がほとんどの監護をおこなっている
- 子どもが父親との生活を強く望んでいる
- 母親に浪費癖やDV、モラハラなどの問題がある
重要なのは性別ではなく、これまでの監護実績と今後の監護体制です。
父親だから親権獲得はできないと思わずに、自身の育児環境や貢献度をアピールしましょう。
【関連記事】離婚時に父親が親権を取るには?親権を獲得する方法・親権獲得できた事例を解説
母親が親権を獲得できない場合もありますか?
母親であっても、子の福祉・利益につながらないと判断されれば、親権が認められないケースはあります。
母親の親権が拒否される可能性があるのは、以下のようなケースです。
- 育児放棄(ネグレクト)をおこなっている
- 子どもに暴言や暴力などの虐待をおこなっている
- 育児に支障をきたすほどの重い精神疾患がある
- 浪費癖や不倫などで安定した養育環境を整えられない
上記のように、母親の言動が子どもの健全な育成を妨げると判断された場合には、親権が認められない可能性が高いです。
子どもにとってどちらの親と暮らすのが幸せか、という視点で判断されることを理解しておきましょう。
親権に関する相談内容は外部に漏れませんか?
弁護士には守秘義務があるため、相談いただいた内容が外部に漏れることはありません。
そのため誰にも話せないようなデリケートな問題も、安心して弁護士に打ち明けられます。
抱えている問題を正直に話せば、最善の解決策を見つけられる可能性が高まるため、ありのままを話してください。
親権問題の弁護士費用は相手方に払ってもらえますか?
弁護士費用は、依頼した本人が負担するのが基本です。
例外的に、不法行為(不倫や暴行、名誉毀損など)を理由とする訴訟の場合は、費用の一部を請求できる場合もあります。
ただし請求できる費用は全額ではありません。
請求が認められた慰謝料のうち、1割を弁護士費用相当額として認められます。
たとえば200万円の慰謝料が認められた場合に、20万円のみ請求できます。
面会交流(親子交流)の頻度の相場はどのくらいですか?
2021年に厚生労働省が公開した調査結果によると、面会交流は母子家庭・父子家庭にかかわらず、月1〜2回程度の頻度が多いことがわかりました。
しかし面会交流の頻度は、子どもの年齢や監護環境などを考慮して決めるため、人によって頻度が異なる、というのが実情です。
子どもの年齢が低ければ月に2回以上、高校生以上であれば2〜3ヵ月に1回ということもあります。
子どもの生活ペースや環境をふまえ、無理のない頻度で交流しましょう。
【参考記事】令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要|厚生労働省
養育費はどうやって決めるのですか?
養育費の金額や支払方法は、父母間で話し合って決めるのが一般的です。
話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立て、調停委員を交えて話し合いを進めます。
調停でも合意に至らなければ、最終的には裁判官が判断を下す「審判」という手続きに移行します。
養育費の金額は、裁判所が公開している「養育費算定表」を参考に、夫婦それぞれの年収から算出する場合が多いです。
たとえば、夫(年収650万円)と妻(年収300万円)、14歳以下の子どもが2人という場合は、8〜10万円の養育費となります。
【参考記事】平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所
親権と監護権を分けることはできるのか
親権と監護権を分離することは可能です。
たとえば親権者を母親、監護権者を父親とした場合で考えてみましょう。
父親は、親権を譲る代わりに子どもと一緒に暮らせて、子どもの成長を見届けられます。
母親は、財産管理で預金口座の開設などができるため、子どもとの繋がりを感じられるでしょう。
しかし、離婚後に父母間でトラブルを招く可能性があるため、実務上ではあまり多く選択される方法ではありません。
子どもの進学や医療行為の決定などの重要事項を決定する際に、親権者と監護権者の意見が対立し、子どもの利益が損なわれたりするリスクがあるためです。
基本的には親権と監護権は一致させることが望ましいですが、特別な事情がある場合の選択肢のひとつとして把握しておくとよいでしょう。
一度決まった親権を離婚後に変更することはできますか?
離婚後に親権者を変更することは可能ですが、夫婦間での話し合いだけでは変更できません。
家庭裁判所に親権者変更調停を申し立て、親権者を変更したほうが「子の福祉」につながると認められた場合に限られます。
親権者変更は、以下のような場合に認められる可能性があります。
- 子どもにDVやネグレクトをしている
- 親権者の健康状態が悪化または死亡した
- 15歳以上の子どもが親権者の変更を望んでいる
親権の変更には、親権者として適格であることを証明する資料や専門的な知識が必要です。
離婚後に親権を変更したいと考えている人は、弁護士に相談するのがおすすめです。
まとめ|親権問題の無料相談を弁護士にするなら「ベンナビ離婚」
親権問題は、自分が親権者として適格なことを証明する証拠の収集や法的な知識が必要です。
親権に関する悩みは、夫婦間の感情的な対立により長期化しやすいため、一人で抱え込まずに弁護士に相談しましょう。
どの弁護士に相談すれば良いかわからない場合は、親権や離婚問題に特化した弁護士ポータルサイト「ベンナビ離婚」の活用がおすすめです。
「ベンナビ離婚」なら、居住地域の弁護士をすぐに探し出せます。
親権問題に強く「初回相談無料」や「オンライン相談可」といった条件で絞り込み検索することも可能です。
自分に合う弁護士を見つけ、親権獲得を実現するためにも、ぜひ活用してください。
