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SNSにおける晒し被害の相談先を紹介!弁護士への依頼方法も解説

弁護士監修記事
ITトラブル
2024年05月14日
2024年05月14日
SNSにおける晒し被害の相談先を紹介!弁護士への依頼方法も解説
この記事を監修した弁護士
荒生 祐樹弁護士 (さいたまシティ法律事務所)
埼玉弁護士会所属。新聞、テレビ番組などメディアへの出演経験を複数もち、インターネット問題(ネットいじめ)、反社会的勢力対応等の数々の著書の執筆にも携わる。
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SNSで晒し被害にあった方にとって、その晒しが犯罪に該当するのか、どこに相談すればいいのかなど気になりますよね。

本記事では、SNSの晒し被害の該当する犯罪例や相談先などについて解説します。

相談先のひとつである弁護士に依頼した場合のメリットや費用相場もまとめるので、弁護士への相談を検討している方は、最後までチェックしてください。

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SNSでの晒しが権利侵害になる4つのケース

最初に、SNSでの投稿が権利侵害に該当する4つのケースについて解説します。

次のケースに該当する「晒し」を受けた場合、民事・刑事における権利侵害として法的に対応してもらうことができる可能性があります。

1. 名誉毀損|社会的評価を低下させる事実を公表すること

SNSで社会的評価を下げる可能性がある事実を公表された場合、民事・刑事上の名誉毀損に当たる可能性があります。

たとえば、次のような投稿は名誉毀損になる可能性があります。

  • xxは2年前に勤務先のお金を横領して○○金融から500万円借金していて自己破産しそう

名誉毀損になるかどうかの一つのポイントは、具体性がある事実による摘示といえる場合です。

刑法での処罰対象である名誉毀損は「事実摘示による名誉毀損」です。

その一方で、次のような具体性に欠ける投稿は、名誉毀損にならない可能性が高いです。

  • xxは借金が必要なくらい貧乏だ
  • xxは人間としてダメ
  • xxは頭が悪い

ただし、名誉毀損にならなくとも侮辱罪になる可能性はゼロではありません。

もっとも、侮辱罪での民事訴訟の提起や刑事告訴は難しいケースが多いため、投稿内容が具体的かつ対象者を特的できる場合は、名誉毀損として法的対応を検討される方がよいでしょう。

2. 著作権の侵害|著作物を無断でSNSに掲載すること

著作物を無断でSNSに晒された場合、民事・刑事上の著作権の侵害に該当する可能性があります。

著名人やプロの作品を無断で掲載することはもちろん、一般人の画像や作品も著作権侵害の対象となり次のようなケースが該当します。

  • 他人の作品をSNSのアイコンに設定した
  • 他人が作った作品を転載した

自分の作品が無許可でSNS上に流れている場合、著作権侵害として訴えるなどして権利を主張できる可能性があります。

3. 肖像権の侵害|SNSやブログに許可なく画像が公開されること

民事上の肖像権の侵害とは、SNSやブログ等に対象者の許可なく対象者であることが明らかに判別できる態様で画像や動画を公開することです。

どんな画像・動画でも肖像権の侵害となるわけではなく、その人物であると特定されるような内容に限ります

また、本人に許可をとっていない場合に限るため、許可していた場合は問題にはなりません。

もっとも、ただ画像をアップされただけでは肖像権の侵害として訴えることが難しいケースもあるので、自分で判断せず弁護士に相談することをおすすめします。

4. リベンジポルノ|被害者の性的な画像や動画を公開すること

リベンジポルノとは、対象者の性的な画像や動画をSNSなどで公開することです。性的な画像や動画の一例として、次のようなものが挙げられます。

  • 被害者の裸、性器や胸が映っている画像・動画
  • 性行為の記録
  • その他性的なイメージを抱かせるような画像・動画

リベンジポルノの加害者・被害者の性別は問われません。そのため、SNS等で他人の画像や動画を投稿した場合、男性でも女性でも刑事告訴することは可能です。

SNSで晒し被害にあったときに真っ先に対処するべきこと

SNSで晒し被害にあったときは、すみやかに管理者に投稿削除とアカウント凍結を依頼しましょう。拡散を防ぐためにも、迅速に対応する必要があります。

SNSでは運営会社が誹謗中傷や晒し行為を利用規約で禁止しているため、運営に通報することで対応してもらえる可能性が高いです。

該当の投稿と併せて、具体的に被害内容を申し出て、速やか管理者に対応してもらいましょう。

どのような対応になるかは、各SNSの利用規約によって異なるので、事前の確認が必要です。

たとえば、公の場の画像やDMの晒しは、違法性があるかどうか一概にはいえません。

また、サイト管理者に対して投稿者を特定するための情報開示請求を送付することも可能ですが、裁判でなければ応じないケースがほとんどで、管理者が任意に応じる可能性はほぼないでしょう。

違法性があるにもかかわらず管理者が一向に該当投稿やアカウントを削除しない場合は、しかるべき機関に相談してください。

SNSで晒し被害にあったときの相談先3つ

SNSで晒し被害にあったにもかかわらず、管理者が対応せず解決しない場合は、次の3つの機関へ相談することが考えられます。

法務省に相談|トラブルへのアドバイスや解決に向けたサポートを提供

法務省・地方法務局は、人権相談窓口を開設しています。SNSでの晒し被害をふくめ、人権侵害に関連するトラブルへのアドバイスやサポートをしてくれます。

電話受付のみんなの人権110番や、ネットから受け付けているインターネット人権相談受付窓口から問い合わせできるので、利用しやすい窓口から相談しましょう。

警察に相談|サイバー犯罪相談窓口に連絡

SNSでの誹謗中傷や晒し被害を名誉毀損として、刑事告訴を検討している場合は警察に相談してすることも考えられます。

また、告訴までは考えていない場合でも、警察のサイバー犯罪相談窓口という相談先を活用することも考えられます。

ただし、プライバシー侵害や肖像権侵害では刑事罰の対象とならないため、警察が動くことはありません

警察が動くかどうかは、名誉毀損や侮辱、リベンジポルノなどの犯罪といえる投稿であるか否かがポイントです。

弁護士に相談|無料相談ができる事務所がある

弁護士はSNSの晒し被害に関する解決策を一任できる相談先です。

SNS管理者への投稿・アカウント削除対応だけでなく、訴訟の手続きも代理人として対応するため、完全なサポートを希望している方は、弁護士への相談がおすすめです。

ただし、弁護士への相談はコストがかかるため、費用面を考慮して依頼を検討してください。

法律事務所の中には一定時間内の相談料が無料のケースもあるので、有効活用してコストを抑えつつ、自分にぴったりな相談先を見つけましょう。

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SNSの晒し被害を弁護士に依頼するメリット3つ

ここでは、SNSの晒し被害を弁護士に依頼するメリットについて3つ紹介します。

メリットを感じる場合は、弁護士への依頼を検討するとよいでしょう。

1. 自分で対応するよりも投稿の削除がスムーズに済むことがある

SNS関連の事件を得意としている弁護士はSNSで晒し被害にあった場合の対策を熟知しているため、自分で対応するよりもスムーズに該当投稿の削除ができます。

また、投稿者の特定に繋がるIPアドレスやアクセスログのデータは、一定期間を過ぎると消去されるため、すみやかに対応しないと犯人を特定することができません

自分一人で加害者の投稿の削除まで完了させるには、運営会社への投稿削除依頼・ヘルプセンターへの通報・身分証明書を添付した返信など、多くの手間と時間がかかります。

SNSで晒し被害の解決はスピード勝負である側面が強いので、SNS関連の事件を得意としている弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

2. どのような不法行為・違法行為が成立するのかを判断してくれる

自分にとって不快・事件性がある投稿と感じた場合でも、実際に不法行為や違法行為に該当するかはわかりません。

その一方で、自分ではたいしたことがない投稿と思っていても、弁護士に相談することで慰謝料を請求できるとわかるケースもあります。

違法性の有無や慰謝料請求の可否などを弁護士に迅速に判断してもらうことで、スピーディーな対応が可能です。

SNSの晒し被害は自分だけで対応するのは簡単ではないため、法的な知識が豊富な弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

3. 加害者の特定や裁判対応を一任できる

加害者の特定や裁判対応など、SNSでの晒し被害の対応を一貫して任せられるのも、弁護士に依頼するメリットです。

加害者の特定作業は自分でも対応可能ですが、時間や手間がかかるうえに、豊富な経験値がなければスムーズな解決には至りません。

SNS関連の事件を得意としている弁護士は加害者の特定対応の経験もあるので、すみやかな対応が期待できます。また、裁判となった場合は、法的な知識や経験が必要となります。

さらに、仕事やプライベートの時間を削りながら裁判に出廷するのは苦労するので、弁護士に委任して代理人となってもらうほうがいいでしょう。

SNSでの晒し被害を弁護士に依頼した場合の相場

SNSでの晒し被害を弁護士に依頼するとさまざまなメリットがありますが、当然ながら費用が発生します。

ここでは弁護士への依頼費用について内訳と相場を紹介するので、費用面を踏まえて弁護士への依頼を検討しましょう。

SNSでの晒し被害を弁護士に依頼した場合の内訳や相場は次のとおりです。

相談料

60分あたり5,000~10,000円

削除依頼

任意:10~20万円

裁判:20万円~40万円

サイト管理者への

発信者情報開示請求(任意)

着手金:10~20万円

報酬金:10~20万円

サイト管理者への

発信者情報開示請求(裁判)

着手金:20~40万円

報酬金:20~40万円

プロバイダへの

発信者情報開示請求(任意)

着手金:10~20万円

報酬金:20~40万円

プロバイダへの

発信者情報開示請求(裁判)

着手金:20~40万円

報酬金:20~40万円

 

弁護士への依頼内容は、大きく相談・削除・発信者情報開示にわけられます。

弁護士への相談料

相談料とはその名のとおり、弁護士にSNSの晒し被害を相談する際に発生する費用です。

相談料を抑えたい場合は、初回相談が無料の弁護士に相談するといいでしょう。

弁護士への削除依頼

削除依頼は、サイト管理者やプロバイダに該当投稿の削除を代理人としておこなってもらうためのコストです。

正式な依頼が決まった時点で着手金を払う必要があり、原則着手金は返ってきません

報酬金は依頼内容の成果に繋がった場合に支払うコストで、事務所や依頼内容によって金額が異なります。

2パターンある発信者情報開示請求

発信者情報開示請求には2パターンあります。それぞれ着手金・報酬金の相場が違う点に注意してください。

1. 任意での発信者情報の開示を請求

任意での発信者情報開示請求は、弁護士がサイト管理者やプロバイダに投稿者の情報の提示を求めることです。

ただし、あくまでも任意のため必ずしも請求に応じるとは限りません。任意での開示に応じるプロバイダは極めて稀です。

2. 法的な手段で発信者情報の開示を請求

法的な手段で強制的に情報開示をしたい場合は、裁判所で仮処分申し立て若しく発信者情報開示命令の申立てをおこなう必要があります。

裁判手続きの場合ほうが任意請求と比較して弁護士への費用も高くなります

事前に見積もりを出してもらい、費用面と照らし合わせて依頼を検討してください。

SNSで晒し行為をした場合どのような責任を問われるのか

SNSの晒し行為をした場合、どのような責任を問われるのかについて解説します。

軽い気持ちや出来事での投稿が、思わぬ犯罪に繋がる可能性が高いため、リスクのある投稿は控えましょう。

1. 刑事責任|起訴されて有罪判決を受ける可能性も有り

SNSの晒し行為は、名誉毀損や侮辱罪、公表罪(リベンジポルノ)といった犯罪に該当する可能性があります。

これらの犯罪に該当するとして刑事告訴され、場合によっては刑事裁判となり、有罪判決を受けるような場合が考えられます。

有罪判決となる場合は、罰金や懲役などの刑事罰を科されます。

また、刑事罰を受けると、仕事でもプライベートでもさまざま制限のもとで過ごさなければなりません。

たとえば、特定の資格や職業の制限・内定取消・解雇・パスポートやビザの発給制限など、あらゆる場面で不利益を被う可能性があります。デジタルタトゥーの問題もあるでしょう。

そして何より、SNSの晒し行為によって社会的な信頼が下がり、人間関係にも亀裂が入るでしょう。

仮に報道やネットで刑事罰を受けた情報が広まると、裁判前の日常生活に戻ることは難しいでしょう。一度インターネットに公開された犯罪情報はそう簡単には削除されません。

2. 民事責任|加害者に損害賠償を求めることができる

インターネット投稿に伴って発生する加害者が被害者に負う典型的な民事責任は、加害者の被害者に対する慰謝料などの損害賠償責任です。

慰謝料などの損害賠償額はケースによってさまざまで、1~100万円程度が明確な基準はありません。

法人に対する名誉毀損や、性的な写真の公開によるプライバシー侵害は慰謝料が高くなる傾向にあります。

SNSの晒し行為によって慰謝料を請求されたという事実が家族や知人などに知られると社会的信頼の失墜に繋がるでしょう。

まとめ

本記事では、SNSの晒し被害の該当する犯罪例や相談先などについて解説しました。

SNSの晒し行為は名誉毀損・肖像権や著作権の侵害・リベンジポルノなどに該当し、場合によっては刑事罰に問われる可能性もあります。

SNSの晒し被害にあった場合は、すぐに運営会社に該当投稿とアカウントの削除を依頼してください。

運営が削除依頼に応じない場合は、法務局や警察、弁護士などへ相談することをおすすめします。

特に弁護士はSNSの晒し被害に対する解決策を全て一任できるので、自分で対応する必要がないという点で大きなメリットになります。

また、SNS関連の事件を得意としている弁護士は法的な知識や経験が豊富なので、スピーディーな解決を期待できるでしょう。

弁護士への依頼費用は事務所や依頼内容によって異なるので、事前に見積もりを貰うことをおすすめします。

SNSの晒し行為は刑事事件や民事責任に問われる可能性があるので、被害者という立場だけでなく、加害者にならないように注意する必要もあります。

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編集部
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  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
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