国際離婚が得意な弁護士とは?弁護士の探し方や費用の相場を解説


国際結婚をしたが離婚したいと考えている方にとって、どう手続きを進めればよいかは悩んでしまう問題ですよね。
その場合、国際離婚が得意な弁護士に依頼するとスムーズにこちらの要望に近い条件で解決できる可能性が高まります。
本記事では、国際離婚が得意な弁護士の特徴や依頼するメリット、そして相談・依頼先の探し方について解説します。
また、弁護士に相談や依頼をするにあたって注意すべきポイントについてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
国際離婚が得意な弁護士の特徴5つ
国際離婚が得意な弁護士は言語が堪能なだけでなく、実際の離婚手続きや交渉経験が豊富な点が強みです。
そして、国際離婚が得意な弁護士の特徴として次の5つが挙げられます。依頼する際に該当しているかどうか確認する際の参考にしてください。
1. 言語が堪能である
国際離婚に得意な弁護士は、英語をはじめとした日本語以外の言語が堪能です。
国際離婚では相手が日本語の理解に乏しい場合もあるでしょう。そのような相手とコミュニケーションをとるためには、外国語に堪能でなければなりません。
配偶者が英語以外の外国語を話す場合、その言語に対応しているかを確認しましょう。
どの国の言葉を話せるかは、国際離婚を担当する弁護士選びにおいて極めて重要です。
2. 国際離婚の実績が豊富である
国際離婚の実績豊富なことも特徴のひとつで、国際離婚は日本の法律や制度が適用できない場合があります。
その理由は、配偶者の母国の制度が適用される可能性があるからです。
その点において、国際離婚の実績豊富な弁護士であれば、このような日本以外の婚姻に関する制度にも精通しています。
よって、制度にのっとった形、かつこちら側に有利な条件で離婚できるように取り計らってくれるでしょう。
3. 返信のスピードが早い
国際離婚の場合は海外から弁護士に依頼することもあり、そうなると対面での相談は難しいので電話やメールでのやり取りがメインとなります。なお、国際離婚が得意な弁護士の場合はマメに連絡をくれる傾向が見られます。
メールの場合は翌営業日に返信が来るなど、国際離婚を得意とする弁護士はスピーディに対応してくれるのが特徴のひとつです。
返信が早ければ、疑問点なども早期に解決できるので安心できます。
4. 説明が上手で話がわかりやすい
特徴のひとつとして、説明がわかりやすい点も挙げられます。
法律問題を扱うため専門用語を使い説明しなければならないことが考えられますが、難しい言葉が並ぶと一般の方は知識が乏しいため理解に苦しみます。
国際離婚を得意とする弁護士の場合、平易な言葉でわかりやすく説明してくれるなど、今後どのような対策を取るべきかをきちんと理解したうえで依頼できるので安心です。
5. 話しやすい(相性がいい)
弁護士に依頼する場合、相性の良し悪しも重要なポイントです。
いかに実績のある弁護士でも馬が合わないと会話がかみ合わず、いずれはコミュニケーションをとることが億劫になってしまいかねません。
そのため、実際に話をして相性の良好な弁護士への依頼がおすすめです。そうすれば些細なことでも相談でき、弁護士と情報や意志を共有して問題解決に向かえます。
国際離婚が得意な弁護士に依頼するメリット5つ
国際離婚が得意な弁護士に依頼するメリットとして、次の5つが挙げられます。
1. 語学が堪能なので相手とのコミュニケーションがスムーズ
国際離婚が得意な弁護士は外国語が堪能で、外国人とのコミュニケーションを円滑におこなえます。
離婚の交渉をするなかで、弁護士が配偶者とも話し合いをおこなう必要があるでしょう。
その際に配偶者の母国語を話せる弁護士であれば、交渉がスムーズに進みます。故に、安心して交渉を任せられるうえ、意思疎通で齟齬が生じるという心配もありません。
2. 離婚が成立するまで何をしたらいいかアドバイスがもらえる
国際離婚の実績豊富な弁護士は離婚方法に関するノウハウを豊富に有していることから、正しく手続きを進めるためにはどうすればよいか、適切に助言してもらえる点がメリットです。
離婚する際は慰謝料や親権の問題など、いろいろな条件を決めなければなりません。
このような問題を解決するにあたって、どう条件交渉すればよいか有益なアドバイスを受けられるでしょう。
3. 必要な調査をおこなってもらえる
国際離婚でしばしば問題になるのは配偶者の所在がわからなくなることですが、弁護士は各種調査を職務権限によっておこなえます。
たとえば、弁護士会を介して入国管理局に紹介しての所在確認が可能です。相手の居場所が特定できれば、コンタクトを取って離婚手続きが進められます。
たとえ調査して居所がつかめない場合でも、公示送達という方法を使って離婚裁判を始められます。
4. 複雑な手続きの対応をお願いできる
国際離婚でネックになるのは、日本国外のルールに従って手続きを進めなければいけない場合があることです。
裁判を起こす場合でも、どこの国の管轄する裁判所が担当するかが問題になります。
このように、日本以外の国のルールで手続きを進めなければならない場合が大いにありえます。
国際離婚が得意な弁護士であれば国外のルールに基づき手続きの代行を依頼できるのはメリットです。
自分で手続きをする必要がないので、<>b心身共に負担がかなり軽減されます。
5. 有利な結果になる対応をしてもらえる
国際離婚が得意な弁護士は、日本国外の結婚に関するルールに精通しています。
また、海外における婚姻に関する判例も理解しているので、それらに基づきこちら側の主張を検討していけるのです。
よって、各国のルールに基づき、こちら側に有利な条件で離婚できる可能性が高まる点はメリットといえます。
配偶者と条件面で折り合いがつかない場合は、法律の専門家である弁護士に代理人を依頼したほうがよいでしょう。
国際離婚が得意な弁護士の探し方3つ
国際離婚に注力している弁護士をどう探せばよいかわからない方もいるでしょう。
ここからは、国際離婚が得意な弁護士の探し方として3つの方法を解説します。
1. 法テラスを利用し探してみる
法テラスとは法律問題を抱えている方のサポートをおこなっている機関です。
無料相談や弁護士費用の立て替えもおこなっているので弁護士に相談したいが金銭面で不安を抱えている方におすすめです。
ただし、外国人の場合は在留資格のある方など、利用するためには条件が設けられているので注意してください。
2. インターネットで検索し探してみる
ポピュラーな方法として、インターネットで検索して法律事務所を探すというものがあります。
検索にかける場合は「弁護士 国際離婚 お住まいの地域」といったキーワードを入力することで、最寄りの法律事務所がヒットしやすくなるでしょう。
また、ネット検索はいつでもどこでもチェックできる点もメリットです。スマートフォンを使用すれば、外出先のちょっとした空き時間を使って弁護士を検索できます。
3. ポータルサイトを利用し探してみる
離婚や弁護士に関するポータルサイトを使って弁護士を探せます。国際離婚に注力している弁護士も地域別に一括で検索できるので、スムーズに探せるでしょう。
弁護士のなかには初回相談が無料や、土日などでも相談可能といったケースは少なくありません。
そのため、忙しい方でも都合に合う弁護士を見つけやすいです。なお、ポータルサイトは無料で利用できるので、弁護士探しの際に活用してみてください。
おすすめはベンナビ離婚
ポータルサイトのなかでも、ベンナビ離婚はおすすめのサイトとして挙げられます。
離婚問題が得意な日本全国の弁護士が登録しており、なかには国際離婚に注力している弁護士が在籍しているでしょう。
なお、ベンナビ離婚は多くの方に支持されており、2024年4月までにサイトに訪問した人数は累計5,420万人を超えています。
また、相談件数も累計31万件に達している点も、いかに人気かがうかがえる数字です。
国際離婚が得意な弁護士に依頼したときの費用の相場
弁護士に依頼する場合、法律相談料、着手金、報酬金、雑費などの費用が発生します。
相談料は初回無料というところが少なくありませんが相場は30分で5,000円、そして着手金は20~60万円となり、難易度が高いと費用も高くなる傾向が見られます。
なお、報酬金とは一種の成功報酬で、慰謝料など解決したことで得られた金額の一定パーセンテージを支払います。
ただし、離婚が成立しなかった場合でも一定金額を弁護士に支払わなければいけない場合もあるので事前に確認しておきましょう。
そのほかに、雑費として弁護士が活動する際に発生した交通費などを依頼者が負担することもあります。
さらに、弁護士が活動するにあたって日当として1日当たりいくらか報酬を支払わなければなりませんが、その相場は1時間あたり1万円前後としているところが少なくありません。
費用は経済的負担に大きくかかわるため、依頼前に説明を受けて把握しておきましょう。
国際離婚が得意な弁護士に相談・依頼する際の注意点
国際離婚に注力している弁護士に相談する際は、いくつか注意すべきことがあります。
前もって準備しておかなければ満足いく結果にならない可能性があるので、以下で紹介する注意点を意識したうえで弁護士に相談・依頼をしてください。
1. 話したいこと・質問したいことをまとめておく
弁護士に相談・依頼するにあたって、どのようなことを伝えないといけないか、前もって要点をまとめておきましょう。
その場で話そうとすると緊張で言葉がうまく出てこなかったり、伝えたいことがいえなかったりします。また、相談時間には制約があることも忘れてはいけません。
まずは、離婚したいという考えに至ったいきさつや理由について、すぐ話せるようにまとめておきましょう。
また、弁護士に聞きたいことや不安な点についても、あらかじめメモしておきましょう。メモを見ながら質問することで、大事な質問をうっかり聞き忘れる心配が軽減されます。
2. 離婚の条件を考えておく
弁護士はクライアントの希望をベースに、交渉や訴訟を進めていくのが仕事です。
そこで、国際離婚を希望する際に、どのような条件で交渉してほしいかあらかじめ決めておくとよいでしょう。
離婚するにあたって財産分与や慰謝料、婚姻費用などさまざまな条件について議論をすることが考えられます。
子どもがいる家庭の場合は、どちらが親権をもつのか、養育費はいくらでいつ支払うのか、そして親権をもたない親と子どもの面会交流の方法も議論しなければなりません。
なお、まだ何も決めていない段階でも弁護士と話すなかで決めていけば問題ないため相談することは可能です。
しかし、相談前に離婚方針が明確であれば今後の手続きもスムーズに進められるので検討しておくことをおすすめします。
3. 複数の弁護士に無料相談し相性のいい人を選ぶ
最初からどの弁護士に依頼するか絞り込む必要はなく、複数の弁護士に相談し比較して、最終的に依頼先を決めるのもひとつの方法です。
弁護士選びのなかで、相性の良し悪しは重要なポイントといえます。相性良好で何でも気軽に話のできる弁護士であれば、細かな要望についてもしっかりと調整できるでしょう。
なお、相性については少し弁護士と話してみれば感じ取れる可能性があるので、無料相談の場が有効です。
法律事務所のなかには初回相談無料で受け付けているところが多く、複数の事務所へ相談をしてもお金の心配は必要ありません。
また、相性のほかにも弁護士費用やサービス内容なども質問し総合的に比較して依頼する弁護士を決めてください。
4. 弁護士費用の相見積もりをとる
同じ条件となる国際離婚の依頼でも、弁護士によってかかる費用は変わってきます。
弁護士費用はオーダーメイド方式で設定されることから、依頼前に見積もりを取るのが一般的です。そのため、複数の法律事務所を訪れ、まずは見積もりを出してもらいましょう。
そして、見積書の内容を比較して納得できたところに依頼するのがおすすめです。複数から相見積もりを取ることで、より安く依頼できるところを見つけられます。
また、複数の法律事務所で見積りを取ればおおよその相場もわかるため、高額な費用を請求される心配も払拭できるでしょう。
なお、見積書を確認する場合は金額だけでなく、何にいくらかかるのか、詳細な見積もりができているかなど内訳を確認してください。
その際に、追加費用が発生する可能性についても確認しておきましょう。
国際離婚に関するよくある質問Q&A
国際離婚に関するよくある質問を以下で紹介します。
問い合わせが多い問題をピックアップしたので、該当する疑問点があれば参考にしてください。
Q.無料相談を受けた後は必ず依頼する必要がありますか?
無料で法律相談を受けても、必ずその法律事務所に依頼しなければならないという決まりはありません。
弁護士の説明を受けて、いったん持ち帰って正式依頼するかどうかを決められます。
初回の相談だけでは判断できず、次回も相談に乗ってほしいというケースもあるでしょう。
この場合も、引き続き弁護士に相談できます。ただし、初回の相談料が無料の法律事務所の場合、2回目以降は相談料を取られることがあるので注意してください。
Q.国際離婚した場合、親権はどうなりますか?
親権は法律に基づき決められます。
どの国の法律が適用されるかは親子の国籍が関係し、仮に子どもと父母どちらかの国籍が一緒であれば、子どもの国籍のある国の法律に基づき処理されます。
たとえば、母親が日本人、父親がアメリカ人で、子どもがアメリカの国籍を有しているのであればアメリカの法律が適用されることになります。
もし、父と母、子どもの国籍が一致しない場合は、子どもの常居所地の法律で親権が決められます。
常居所地とは、その方が常時住んでいる場所のことを指し、仮に一定期間日本で生活していれば日本が常居所地になるでしょう。
Q.国際離婚した場合、財産分与はどうなりますか?
財産分与については、離婚の準拠法をベースに判断することが一般的です。
仮に離婚の準拠法が日本の法律であれば、日本人カップルの離婚と同じように財産分与がおこなわれます。
一方、外国の法律が準拠法になっている場合、該当する国の法律に従って財産分与を進めていくことになります。
適用される法律がどこの国のものかによって、財産分与の取り扱いは変わってくると理解しておいてください。
なお、日本の法律とルールが大きく異なる場合があるので、その点については弁護士に相談しましょう。
まとめ
本記事では、国際離婚が得意な弁護士の特徴や依頼するメリット、相談・依頼先の探し方などを解説しました。
国際離婚することになった場合、国が異なるので交渉や手続きの進め方などで行き違いが起きる可能性があります。その結果、なかなか離婚できなくなる事態も十分想定できるでしょう。
この場合、国際離婚を得意とする弁護士に一度相談してみてください。弁護士はそれぞれの状況に基づき、可能な限り有利な条件で離婚できる方法をアドバイスしてくれます。
また、正式に依頼すれば先方との交渉や文書作成などを任せられるので負担を軽減できます。
円滑に問題解決へ向かうためにも、依頼も視野に入れて複数の弁護士に相談し、相性の良さそうな相手を見つけましょう。