10人に1人以上が法律トラブルを経験!5000人に聞く法律トラブルの実体験と対応
令和6年3月7日の法テラスの発表(※1)によると、平成18年10月2日のサービス開始から令和6年3月6日までに、法テラスに設置された情報提供窓口・相談窓口「法テラス・サポートダイヤル」の利用件数の累計が600万件を突破しました。
令和1年以降では、上記窓口は毎年30万件以上利用されており、多くの方が法律トラブルに遭われていることがわかります。
また、法テラスを介さずに法律事務所へ直接相談したり、弁護士会を通じて相談されていたりするケースはカウントされていないことから、実態としてはさらに多くの方が法律トラブルに遭われていると考えられます。
そこで「ベンナビ」が主体となり、法律トラブルの分野を絞らず、どれだけ多くの方がトラブルに遭われており、実際にどのような対応をとったのか、18歳以上の男女5,000人を対象にアンケート調査を実施いたしました。
※1 法テラス・サポートダイヤル利用件数600万件突破!|法テラス 日本司法支援センター
当調査の利用に関して
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当調査のデータを引用・転載する場合には、「出典:ベンナビ(株式会社アシロ)」の表記をお願いいたします。
- 出典元として本ページへのリンクをお願いいたします。
調査の実施概要
調査対象:18歳以上の男女5,000人
年代割合:10代(0.4%)、20代(6.5%)、30代(16.3%)、40代(23.8%)、50代(29.6%)、60代以上(23.4%)
調査方法:Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日 :2024年7月13日(土)
調査サマリー
- ・12.9%(小数点第二位は四捨五入。以下同じ)の方は何らかの法律トラブルに遭ったことがあり、その内、最も多い法律トラブルは19.0%の「交通事故関連」
- ・法律トラブルに遭ったときに最も多い初動の対応は22.1%の「弁護士へ相談」
- ・初動で弁護士に相談していない方でも最終的には弁護士に相談した人を含めると、法律トラブルに遭った方のうち約70%が弁護士に相談していた
- ・弁護士へ相談したきっかけは「法的な知識が必要だったから」が最多
- ・弁護士へ相談しなかった原因や懸念点は「弁護士費用」が最多
- ・弁護士に相談した方の約75%は弁護士へ相談したことで満足できたと回答
12.9%が何らかの法律トラブルに巻き込まれたことがあると判明
最初に、18歳以上の男女5,000人を対象として「法律トラブルを抱えた・巻き込まれた経験はありますか?」と質問したところ、12.9%が「ある」と回答しました。
続いて、「ある」と回答した645人(12.9%)に対して「抱えた・巻き込まれた法律トラブルはどんな内容でしたか?」と質問したところ、19.0%が「交通事故関連(事故後の対応、損賠賠償、示談交渉など)」と回答し、最多となりました。次点としては、離婚関連が15%、相続関連が13.2%、労働関連が12.1%となっています。
過去の調査(※)では、事故の程度を問わない場合、4割程度の人が交通事故を起こした、もしくは巻き込まれた経験があることがわかっており、交通事故が誰しもの身にも起こり得てしまう身近なものであることがわかります。
※ 交通事故の賠償に満足できた割合は4割未満!被害者300人にアンケートを実施|ベンナビ交通事故
法律トラブル時に最も多いアクションは「弁護士への相談」であり、最終的には約7割が弁護士へ相談していた
法律トラブルを抱えた・巻き込まれた経験があると回答した645人に対して、「トラブルを抱えた・巻き込まれた際に、まずはどう行動しましたか?」と質問したところ、22.1%(142人)が「弁護士に相談した」と回答し最多となりました。
また、「弁護士に相談した」以外の回答をした503人に対して「最終的に弁護士へ相談・依頼はしましたか?」と質問したところ、306人にあたる60.8%が「相談した」と回答。
前半の質問と合わせると、法律トラブルを抱えた・巻き込まれた経験がある方645人のうち、69.5%にあたる448人が、弁護士に相談していることがわかりました。
弁護士相談のきっかけは「法的な知識」相談しない理由は「費用の懸念」
法律トラブルについて弁護士へ相談した448人に対して「弁護士に相談しようと思ったきっかけを教えてください」と質問したところ、「法的な知識が必要だったから」が193人と最多でした。
他には「トラブルを最小限でおさめたかったから」といった穏便な解決を望んだ結果として弁護士へ相談したケースや、逆に「裁判になったから」といった紛争に発展したことがきっかけとなったケースがあるようです。
一方で、最終的にも弁護士へ相談しなかった197人に対して「弁護士へ相談しなかった理由を教えてください」と質問したところ、半数以上にあたる102人が「費用が高そう・具体的にかかる金額がわからない」と回答。
次点でも53人が「敷居が高く相談しづらい」と回答しました。「弁護士に相談しなくても解決した」と回答した方は41人に留まり、費用面の課題がなければ、より多くの方が弁護士へ相談する選択ができたことがわかります。
弁護士選びのポイントは「人柄」で7割以上は相談に満足している
続いて、法律トラブルを弁護士に相談した448人に対して「弁護士を選んだ際に重要視したポイントを教えてください」と質問したところ、208人が「親身になってくれるなど、弁護士の人柄」と回答しました。
また、同じ方を対象として「弁護士に相談した結果の満足度を教えてください」と質問したところ、36.2%が「とても満足できた」、38.6%が「やや満足できた」と回答しており、7割以上の方が弁護士へ相談したことで満足できた傾向にあることがわかります。
次点では、弁護士に相談した満足度別に、それぞれの満足度の理由を紹介します。
弁護士に相談した満足度とその理由
【弁護士へ相談してとても満足できた方の声】 |
【弁護士へ相談してやや満足できた方の声】 |
【弁護士へ相談したがやや不満だった方の声】 |
【弁護士へ相談したがとても不満だった方の声】 |
調査結果のまとめ
本調査では、法律トラブルが意外にも身近なものであり、10人に1人以上が何らかの法律トラブルを経験していることがわかりました。
特に、交通事故や離婚問題といったトラブルに巻き込まれた方が多く、相続や労働問題なども、誰しもの身にでも起こり得てしまうトラブルであることがわかります。
そうしたトラブル解決のためには、法律知識や法的手続きに関する経験を求められることがあります。
法律トラブルに遭われた方のうち、最初から弁護士に相談した方と、後から弁護士に相談した方を合わせると、最終的に約7割の方が弁護士へ相談しており、そのうち7割以上の方が弁護士へ相談したことで満足していることから、法テラスや弁護士会といった公的機関や、法律事務所・弁護士を頼ることも視野に入れることで、適切な解決を目指すことが可能です。