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交通事故で弁護士に相談・依頼するベストタイミングは?注意点もあわせて解説

弁護士監修記事
交通事故
2024年09月06日
2025年03月21日
交通事故で弁護士に相談・依頼するベストタイミングは?注意点もあわせて解説
この記事を監修した弁護士
磯田 直也弁護士 (ルーセント法律事務所(事故分野))
死亡事故や人身事故、慰謝料・損害賠償、後遺障害等級認定の相談などを含む幅広い分野で対応してきた実績と経験をもつ。依頼なしの相談やセカンドオピニオンにも対応。
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交通事故は突然起きるものであり、実際に事故に遭ってしまうと適切な対応方法などがわからずに慌ててしまうでしょう。

弁護士なら、事故対応をアドバイスしてくれたり損害賠償請求の手続きを依頼できたりして、交通事故被害者の心強い味方になってくれます。

しかし、交通事故被害者の中には「弁護士への相談を考えているものの、どのタイミングで相談すればよいかわからない」という方も多いでしょう。

本記事では、交通事故で弁護士に相談・依頼するタイミングや、すぐに依頼すべきケース、相談の流れや注意点などを解説します。

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交通事故で弁護士に相談・依頼するタイミングは治療終了後がベスト

交通事故の被害に遭った場合、弁護士に相談や依頼をするのは「治療終了後のタイミングがよい」と言われています。

治療終了後であれば治療費などが確定して示談金の見積もりを出すことができますし、弁護士費用の見積もりも出してもらって費用倒れにならないか確認したうえで、事故対応を依頼することもできます。

ただし、弁護士には示談成立前であればいつでも相談でき、相談するタイミングが早ければ早いほど幅広いサポートが望めます

交通事故の知識がなくて全面的にサポートしてほしい場合や、なるべく多くの賠償金を受け取りたい場合などは、事故後速やかに相談したほうがよいでしょう。

交通事故後すぐに依頼したほうがいいタイミング

交通事故で以下のようなケースに該当する場合は、事故後速やかに弁護士に依頼しましょう

  • 相手方と過失割合・示談交渉で揉めている場合
  • 重傷を負った・被害者が死亡した場合
  • 保険会社から治療費の打ち切りを告げられた場合
  • 相手方が無保険など裁判に発展する可能性がある場合
  • 弁護士費用特約に加入している場合
  • 後遺障害認定の認定結果に納得できない場合

相手方と過失割合・示談交渉で揉めている場合

過失割合などについて相手保険会社と主張が対立してなかなか交渉が進まない場合は、安易に妥協せずに弁護士に依頼しましょう

保険会社によっては「被害者側にも過失があった」などと主張し、加害者側に有利な過失割合を提示して賠償金の支払いを安く抑えようとしてくることもあります

過失割合の交渉では交通事故の知識などが必要であり、弁護士無しでは交渉の主導権を握られてしまって不利な条件で示談成立となるおそれがあります。

弁護士に依頼すれば、これまでの知識や経験に基づき根拠を示しながら適正な過失割合を提示してくれて、相手側の主張に対しても的確に反論してくれます。

また、弁護士なら「相手方の提示額は妥当か」「増額の余地はあるか」などのアドバイスもしてくれるため、示談交渉に関する不安事があれば相談してみましょう

重傷を負った・被害者が死亡した場合

交通事故による被害が大きい場合、弁護士が介入することで賠償金の大幅な増額が期待でき、弁護士費用を差し引いてもプラスになる可能性が高いため、速やかに依頼することをおすすめします。

交通事故で重傷を負って後遺障害が残った場合は「後遺障害慰謝料」や「後遺障害逸失利益」、被害者が死亡した場合は「死亡慰謝料」や「死亡逸失利益」などを請求できます

ただし、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求するためには、病院で医師から症状固定の診断を受けたのち、必要書類を集めて後遺障害認定の申請手続きをおこなう必要があります。

素人がおこなうと本来よりも低い等級が認定されたり非該当になったりすることもあり、被害状況に見合った金額を受け取れないおそれがあります。

弁護士なら申請手続きを一任できて適切な等級認定が望めるうえ、慰謝料請求では「弁護士基準」という最も高額になる計算基準を用いて請求してくれるため、満足のいく結果が望めます。

保険会社から治療費の打ち切りを告げられた場合

交通事故でけがの治療を受ける場合、相手保険会社から治療費の支払いがおこなわれますが、なかには治療途中で支払いが打ち切られるケースもあります

このようなケースでは、相手方の任意保険会社から治療費の打ち切りを打診された時点で、速やかに弁護士に依頼しましょう

治療費の打ち切りを告げられた場合、支払い延長の交渉をしたり、被害者自身が一旦治療費を立て替えたのち、相手方に請求したりすることになります。

しかし、ただでさえけがの治療を受けていて大変な状況の中で、素人が保険会社を相手に適切にやり取りを進めるのは困難ですし、負担も大きいでしょう。

弁護士であれば保険会社とのやり取りを一任でき、依頼後はけがの治療に集中することができますし、治療費の支払いを延長してもらえる可能性も高まります。

相手方が無保険など裁判に発展する可能性がある場合

相手方と示談交渉での解決が難しい場合は裁判などに移行することになりますが、そのような場合は弁護士に依頼しましょう。

典型的なケースは相手方が無保険であり、相手方保険会社からの支払いが想定できない場合です。

自力で裁判手続きをおこなうことも可能ではありますが、裁判では交通事故特有の専門的な知識などが必要であるため、素人では適切に主張立証できずに敗訴してしまう可能性があります。

弁護士に依頼すれば、依頼者の代理人として法的な根拠に基づいて的確に主張立証してくれるため、納得のいく形での決着が望めます。

弁護士費用特約に加入している場合

弁護士費用特約とは保険会社が提供するサービスのひとつで、「保険会社が弁護士費用を一定額負担してくれる」というものです。

補償内容は保険会社によっても異なりますが、「法律相談料10万円」と「弁護士費用300万円」を上限として設定しているところが多いようです。

弁護士費用特約を利用してもノーカウント事故となるため、等級や保険料などには影響がなく、特にデメリットはありません。

弁護士費用特約に加入していれば費用倒れを防止でき、多くのケースで自己負担が0円で済むため、積極的に依頼することをおすすめします。

【関連記事】弁護士費用特約を利用できる範囲|限度額・利用方法を解説

後遺障害認定の認定結果に納得できない場合

後遺障害の申請をおこなって、想定よりも低い等級が認定されたり非該当となったりした場合も、弁護士に依頼しましょう

認定結果に納得いかない場合は異議申立てが可能ですが、同じような内容で手続きをしたところで基本的に認定結果は変わりません。

弁護士に依頼すれば「なぜ希望どおりの結果にならないのか」「等級獲得のために何が必要なのか」などを分析し、必要な資料などを集めてくれます。

弁護士に異議申立ての手続きを進めてもらうことで、納得のいく等級が認定されたり、非該当の結果が覆ったりする可能性が高まります。

交通事故で弁護士に相談・依頼するタイミングに関する注意点

交通事故で弁護士への相談や依頼を考えている方は、以下の点に注意しましょう。

示談が成立している場合は弁護士のサポートが受けられない

交通事故に遭った際の注意点として、示談成立後は原則としてやり直しできません

弁護士に依頼しても合意内容を覆すことは困難ですので、示談成立前に相談・依頼しましょう

時効が過ぎている場合は損害賠償請求できない

交通事故の損害賠償請求には時効があり、すでに時効が成立している場合は請求できません

時効期間については、被害状況などによって以下のように異なります。

損害の内容 時効期間
物損 交通事故発生日の翌日から数えて3年
傷害 交通事故発生日の翌日から数えて5年
死亡 被害者死亡日の翌日から数えて5年
後遺障害 症状固定日の翌日から数えて5年

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交通事故で弁護士に相談する流れ

ここでは、交通事故で弁護士に相談する場合の基本的な流れを解説します。

1.弁護士を探して相談予約をする

まずは、インターネットなどで交通事故が得意な弁護士を探しましょう

当社が運営する「ベンナビ交通事故」では、交通事故に強い全国の弁護士事務所を掲載しており、地域や相談内容などから一括検索できるのでおすすめです。

相談する弁護士が見つかったら、メールや電話などで相談予約をします

スムーズに相談が進むように、相談日当日までに交通事故に関する資料や相談内容などを整理しておきましょう。

2.法律相談をおこなう

弁護士との法律相談では、事故状況や進捗状況などを弁護士に伝えて、弁護士に質問に答えてもらったり、今後の対応をアドバイスしてもらったりします

弁護士に相談する際は相談料が発生しますが、事務所によっては初回相談無料のところなどもあります。

ベンナビ交通事故では初回相談無料の弁護士事務所も多く掲載しているので、費用が気になる方もまずは利用してみましょう。

3.着手金を支払って契約を結ぶ

弁護士に依頼する場合は、委任契約書を交わして着手金を支払います

弁護士費用については「交通事故で弁護士に相談・依頼する場合によくある質問」で後述しますが、それぞれ事務所によってもバラつきがあります。

法律相談の際に見積もりを出してもらい、おおよその費用総額を確認してから依頼しましょう

4.弁護士が代理人として事故対応をおこなう

依頼後は、弁護士が依頼者の代理人として示談交渉や裁判などを進めてくれます

現在の進捗状況などについて、弁護士から電話やメールなどで適宜報告を受けることになります。

5.示談が成立する

示談が成立すると、基本的に示談成立後1週間~2週間程度で示談金が振り込まれます

示談金が振り込まれたら、最後に弁護士へ報酬金などを支払って終了となります。

交通事故で弁護士に相談・依頼する場合によくある質問

ここでは、交通事故で弁護士に相談・依頼する場合によくある質問について解説します。

交通事故で弁護士に相談するのはいつがベストですか?

弁護士に相談するのは「交通事故の損害額が確定する治療終了後がよい」と言われています。

ただし、相談するタイミングが早ければ早いほど幅広いサポートが望めるため、特に交通事故の知識がない方や多くの賠償金を受け取りたい方などは、事故後速やかに相談したほうがよいでしょう

早いタイミングで相談すると弁護士費用は高くなる?

弁護士に相談するタイミングが早くても、弁護士費用は変わりません

弁護士の助けが必要な場合は速やかに相談しましょう。

弁護士に相談するタイミングが遅れるとどうなる?

弁護士に相談するのが遅れた場合、治療の受け方を間違えて症状が改善しなかったり、症状に見合った額の賠償金を受け取れなかったりするおそれがあります

また「すでに示談が成立している」「損害賠償請求の時効を迎えている」というようなケースでは、弁護士が対応してくれない可能性もあります。

弁護士に相談した場合の費用はいくら?

弁護士に相談する場合、費用相場は「30分あたり5,000円~1万円程度」です。

ただし、なかには初回相談無料の弁護士事務所などもあります。

なお、弁護士に示談交渉などの手続きを依頼する場合は「着手金」や「報酬金」などの弁護士費用が発生し、相場としては以下のとおりです。

経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下 経済的利益の8%(最低10万円) 経済的利益の16%
300万円超~3,000万円以下 経済的利益の5%+9万円 経済的利益の10%+18万円
3,000万円超~3億円以下 経済的利益の3%+69万円 経済的利益の6%+138万円
3億円超 経済的利益の2%+369万円 経済的利益の4%+738万円

 

ただし、事務所によっても金額にはバラつきがあるため、正確な金額を知りたい場合は直接事務所に確認しましょう。

さいごに

弁護士には交通事故直後から相談でき、特に自力で事故対応できるか不安な方や多くの賠償金を受け取りたい方などは、速やかに相談するのがよいでしょう

弁護士なら「相手方の提示額は妥当か」「どのように手続きを進めればよいか」などのアドバイスが望めるほか、代理人として示談交渉や裁判などを依頼することもできます。

当社が運営する「ベンナビ交通事故」では、交通事故に強い全国の弁護士事務所を掲載しており、初回相談無料の事務所なども多く掲載しています

地域や相談内容を選ぶだけで対応可能な事務所を一括検索できるので、まずは一度利用してみましょう。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドライン をご覧ください。
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