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養育費の相談窓口を悩み別に7つ紹介|相談前に準備しておくこと

弁護士監修記事
離婚トラブル
2023年02月21日
2024年10月09日
養育費の相談窓口を悩み別に7つ紹介|相談前に準備しておくこと
この記事を監修した弁護士
(アシロ 社内弁護士)
この記事は、株式会社アシロの『ベンナビ編集部』が執筆、社内弁護士が監修しました。

離婚をして養育費を受け取って生活をしている人の中には、元夫から養育費の支払いが滞ってしまう場合や、養育費の減額を主張される場合があります。

子供と生活していく中で、元夫の身勝手な行動によって、その後の生活に不安を感じているのではないでしょうか。

実際、「全国ひとり親世帯等調査結果報告」によれば、シングルマザーのおよそ8割が養育費を受け取っていないのが現状です。

養育費の支払いを受けられない場合や、養育費の減額を打診されているような場合には、ひとりで問題を抱え込まず第三者に相談しましょう。

この記事では、養育費の支払いをしてもらえないなどの場合に、誰に相談をすればよいか、相談が必要なケース、相談しない場合のデメリットについて解説します。

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養育費についての相談が必要なケース

まず、養育費についての相談が必要となるケースにはどのようなものがあるかを確認してみましょう。

養育費の支払いについて取り決めをしていないので支払ってもらえない

離婚をしたものの、元夫との養育費の支払いについては全く取り決めをしておらず、元夫から不定期で支払ってもらっていた場合や、全く支払ってもらっていなかった場合です。

よくあるのが、お金の問題は二の次で、まずは離婚をしたいというようなケースです。

養育費のみならず、慰謝料の支払いや財産分与もしてもらっていないというケースは非常に多いです。

このような場合には悩んでいるだけでは何ら解決せず、元夫と話し合いをし、応じないような場合には調停や裁判を起こすことも検討すべきでしょう。

どれくらいの金額の請求をするのが適切か、どのように交渉するのがよいか、など交渉のコツもありますし、合意をした場合には公正証書を作っておくことが推奨されます。

相手に金銭の請求をする場合には、法的知識が必要であるとともに、態度を硬化させている夫との間の交渉を粘り強くおこなう必要があります。

途中で投げ出してしまうことがないように、専門家に相談をして場合によっては依頼をするのが望ましいでしょう。

養育費の支払いについて取り決めをしているのに支払ってもらえない

養育費についての取り決めがあったとしても、支払ってもらえなくなることもよくあります。

この場合にも、口頭のみでの取り決めしかしていないのであれば、しっかりと書面による合意をしておく必要があるでしょう。

書面で養育費についての取り決めをしているにもかかわらず支払ってもらえない場合には、書面を証拠として調停や訴訟を提起することを検討すべきでしょう。

最終的には強制執行までおこなわなければならないケースもあります。

いずれにしても、これらの法的手続きには専門家への相談が欠かせません。

養育費を回収する見込みがない

元夫が無収入となっていたり、収入が下がってたりして養育費を回収をする見込みがないこともあるでしょう。

このような場合になんとか元夫から養育費の支払いをさせようとしても、払えない状況になっている以上受け取ることはできません。

このような場合には、児童扶養手当や生活保護など公的給付に頼らざるを得ません。

公的給付を受けるためには通常は相談・手続きなど時間がかかります。

早めに公的機関に相談をしておいて、必要な給付が受けられるように手続きをすすめる必要があります。

養育費の減額を打診されている

養育費を定めた場合に、元夫が減額を打診してくることがあります。

よくあるケースでは、元夫の収入が少なくなった場合や、自分や元夫が再婚をしたような場合などでしょう。

最初に決めたものなのに身勝手な…と思うかもしれませんが、状況によっては裁判所によって減額が認められる場合もあります。

このようなケースでも、相手の主張に合理的な理由があるのかを冷静に見極めなければなりません。

専門家に相談をしながら冷静になって対応する必要があります。

元夫に法律的な措置を加えたい

養育費の支払いをしないような場合に、元夫に法律的な措置を加えたいと考えることも無理はありません。

とはいえ、養育費の支払いをしないこと自体は、なにか犯罪になるというものではないので、刑事告訴をするなどの対応方法はなく、淡々と支払いを求めていくことになります。

また、養育費の支払いをしないからといって元夫と子供の面会交流の制限をおこなうことも問題があります。

養育費の問題と面会交流の問題はそもそも別の問題だからです。

また、面会交流を制限するという態度が、元夫のさらなる態度硬化につながる可能性もあります。

つい頭に血が登ってしまうと、相手になにか措置をしたいと、刑事告訴や面会交流の制限はもとより、SNSなどに悪口を書きたいなどといった衝動に駆られてしまう場合があるかもしれません。

怒る気持ちを抑えて専門家に相談した上で、何ができるかを相談するのが望ましいといえるでしょう。

養育費の問題について相談しない場合のデメリット

養育費の問題を「面倒くさい…」と考えて対応せず、専門家に相談しないでいると、次のようなデメリットが発生する可能性があります。

養育費を受け取ることができなくなる

何度交渉をしても一切払おうとせず、法的な手続きをしようと思っても書面を作ったり添付書類を集めたりなど、あなたひとりで対応しようとすると面倒な作業がたくさんあります。

離婚をして子供を抱えた状況で、元夫とイライラしながら交渉をすすめるので、相談をせず適切な対処をしないと「もういいや……。」と養育費を諦めしまうこともあるでしょう。

不利な条件を押し付けられる

実家や兄弟姉妹など、援助をしてくれる・自宅においてくれるという人がいる場合には、夫からの養育費の受け取りができなくなくても、生活自体は成り立つかもしれません。

しかし、頼れる人がいないような場合には、どうしても元夫から養育費をあてにする必要が出てきます。

このとき、相談をせずにすぐに対処をしていない場合には、交渉を長引かせられて生活が苦しくなってしまい、不利な条件を飲まざるを得なくなってしまうことにもなりかねません。

公的な給付をすぐに受け取れなくなってしまう

公的な給付を受ける場合でも、どうしても役所での審査や手続きに時間がかかります。

そのため、いざ公的な給付などを受け取ろうと思った場合に、事前にしっかり相談をしておかないと、実際にお金を受け取るまでに時間がかかってしまうことが考えられます。

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養育費について相談する相手

では、実際に養育費について相談をする専門家にはどのような相手がいるのでしょうか。

悩み別に相談する相手はことなります。

ここでは、あなたが抱えている問題別に最適な相談先を紹介します。

弁護士

調停・裁判・強制執行の手続きを含む法的な問題については弁護士に相談をしましょう。

養育費の請求にまつわることは弁護士法72条が規定する所定の法律事務にあたり、弁護士以外の人が有償で受任ことは基本的にできません。

養育費について争いになっている場合はもちろんですが、養育費の前提となる離婚をするかどうかから揉めているような場合や、離婚の際に同時に問題となる慰謝料・財産分与などの問題についても併せて相談することが可能です。

また、弁護士には養育費の減額を打診された場合の交渉を依頼することも可能です。

弁護士に依頼をすれば法的な問題についてのアドバイスを得られることはもちろん、精神的な負担がかかる元夫との交渉や、面倒な裁判所での手続きを丸ごと依頼できます。

弁護士へ相談する場合は離婚問題を弁護士に電話で無料相談できる窓口|24時間相談受付もをご覧ください。

行政書士

離婚の際の慰謝料・財産分与・養育費の支払いについての書面の作成については、行政書士も相談にのってくれます。

ただ、行政書士はあくまで書面の作成の代行にとどまるので、慰謝料・財産分与・養育費に関する内容についてのアドバイスや、相手との交渉、裁判所での手続きを代行してくれるものではないので注意が必要です。

養育費等相談支援センター

厚生労働省の委託事業として、公益社団法人家庭問題情報センターは「養育費等相談支援センター」を運営しています。

電話相談を受け付けているほか、市区町村の相談窓口や福祉事務所に母子・父子自立支援員を配置して相談にのっています。

総合的な相談をすることができるので、今の状況を整理して、このあとに必要なことについて教えてもらえるでしょう。

養育費問題に悩んでいるけど、何からはじめてよいかわからない、解決のためのステップを示してほしいという場合には、相談をしてみましょう。

母子家庭等就業・自立支援センター

厚生労働省では、母子家庭・父子家庭の自立支援をはかるための様々な施策をしています。

そのうちの一つが母子家庭等就業・自立支援センターです。

ここでは、自立支援の観点から、就業支援なとど同時に、弁護士等からアドバイスを受けて養育費の取り決めなどの専門的な相談をすることができる「母子家庭等就業・自立支援センター事業」を実施しています。

養育費等相談支援センター同様、養育費の悩みに、何から初めてよいかわからないような場合に相談をするのがよいでしょう。

相談先は都道府県によってことなります。

母子家庭等就業・自立支援センター事業実施先一覧|厚生労働省」を確認のうえ相談してください。

弁護士会 ・法テラス

弁護士が所属している弁護士会や法テラスでは、無料での法律相談を実施しています。

しかし、相談をする弁護士が養育費問題や離婚について詳しい人に必ずあたるという保障はありません。

そのため、あらためて離婚に詳しい弁護士に相談しなおすということも必要となる場合があります。

また、各法律事務所では、養育費や離婚等の分野ごとに初回相談料無料の制度を設けている場合もあるので、相談したい弁護士がいる場合は最初からその弁護士に直接相談するのがよいでしょう。

法テラスの無料相談に関する記事もあり、詳しくは法テラスで無料相談できる内容はどこまで?利用するための条件や注意点も解説をご覧ください。

離婚カウンセラー

民間やNPO法人などが認定している離婚カウンセラーの資格を持つ人が相談に乗っている場合もあります。

これらのカウンセラーは資格取得にあたって養育費のような離婚にまつわる法律・お金・暮らしなどの問題を総合的に学んでおり、内容によっては必要な専門家への橋渡しをしてくれることもあるでしょう。

気持ちの整理ができておらず、とにかく誰かに話を聞いてもらいたい方は、相談し必要に応じて専門家を紹介してもらうとよいかもしれません。

役所

市区町村などの役所では、市民の様々な悩みの相談を受け付けています。

場合によっては弁護士による法律相談を受け付けている場合もあります。

無料相談会などがおこなわれている場合には、気軽に利用してみるのもよいでしょう。

養育費問題に関連する別の悩みに対する相談先

養育費の問題に対処していると別の悩みが発生することもあります。

そういったときの相談先としては次のものがあります。

警察

元夫からDVを受けていて、子供と一緒に自宅から逃げて離婚をしたような場合には、養育費を受け取れないことも多いです。

また元夫がストーカー化することもあり得ます。

こういった場合には警察に相談することも検討しましょう。

なお、相談をするにあたって、可能な範囲でDVやストーカーについての証拠も集めておきましょう。

証拠があれば、警察への相談もスムーズにおこなえるでしょう。

カウンセラー

結婚生活がうまくいかず離婚をして、養育費の支払いを受けられず、元夫との交渉もうまくいかないという状況は、精神的には非常に苦痛です。

このような状態で、再就職がうまくいかない、ひとりで子供の面倒を見るのが大変、お金が常にない状況で、精神的に参ってしまうことは珍しくありません。

これでは、養育費を取り戻すどころか、子供と暮らしていくのもままなりません。

うつ病などの精神疾患を発症してしまうと、子供を育てること自体も難しくなってしまいかねないので、カウンセラーなどに相談し、心のケアをしてもらうのもよいでしょう。

弁護士に相談する際にどのような準備をすべきか

養育費について支払ってもらえない場合の最適な相談先は弁護士です。

もっとも、弁護士の相談時間は30分~1時間程度に限られていますので、事前に準備をしておく必要があるでしょう。

では、弁護士に相談する際にどのような準備をすべきでしょうか。ここで確認しておきましょう。

持ち物は身分証明書・印鑑・相談料や依頼をする場合の金銭

持ち物の準備としては、身分証明書・印鑑と金銭を用意しましょう。

身分証明書は、法律相談をする本人であることを確認するために利用されることがあります。

印鑑・金銭は、そのまま依頼をする際に必要となります。

相談料がかかる場合や、依頼をする場合にいくら払うかなどは、弁護士との相談の予約をする際に確認しておくといいでしょう。

相談する内容を整理しておく

相談自体の準備として、事実関係と要望の整理をしておきましょう。

弁護士が今後の見通しについてまず現在までの事実関係や要望を相談者から聞くところから法律相談が始まります。

そのため、事前に整理をしておくと、相談がスムーズに進みます。

養育費については次のようなものをまとめて書面で整理しておくようにしてください。

  • 離婚をすでにしているのか・これからか
  • 離婚の原因
  • 養育費の取り決めの有無
  • 子供の年齢
  • 相手の年齢・職業・収入などの経済状況・家族構成
  • 養育費の不払いの状況
  • 慰謝料・財産分与の取り決め・支払い状況
  • 何歳までの養育費の支払いを求めたいか(子供に・専門学校・大学を卒業させたいか)
  • 養育費の希望の金額

まとめ|養育費に絡む問題に悩んだときにはまずは相談をしましょう

この記事では養育費の悩みがある場合には、相談をしながらすすめることがよいことと、どのような相談先があるかについてお伝えしました。

養育費は子供をきちんと育てるために必要な親の義務ではあるのですが、現実に支払いをしない人が非常に多く、離婚をしてひとりで子育てをする人の多くが悩む問題です。

どのような状況に置かれているか、次に何をすべきかによって、相談先も異なります。

公的な相談機関でも、弁護士などの有資格者などでも、無料でも相談できる環境は整っているので、悩んでいる場合には早めに相談をするようにしましょう。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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