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遺言書とは?種類や作成方法から、書き方・例文までわかりやすく解説

弁護士監修記事
遺産相続
2025年03月31日
2025年03月31日
遺言書とは?種類や作成方法から、書き方・例文までわかりやすく解説
この記事を監修した弁護士
関口 英紀弁護士 (川崎相続遺言法律事務所)
遺産分割など揉めやすい問題の交渉、調停、訴訟から、生前の相続対策として遺言や家族信託の活用についてまで幅広く対応。相談者の事情に合わせたオーダーメイドの解決を目指しており、多くの実績がある。
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「遺言書ってそもそも必要なの?」「書くのが難しそうで手が出せない……。」そんな不安や疑問をお持ちではありませんか。

遺言書によって財産の分配や意思を明確に示すことで、残されたご家族がトラブルなく円満に相続を進めることができます

一方で遺言書の内容や書き方に不備があると、逆にトラブルを引き起こす原因になってしまうこともあります

そこで、本記事では、遺言書の基本的な役割や種類から、具体的な作成方法や例文について、わかりやすく解説します。

遺言書作成に関する正しい知識を身につけることで、不安を解消し、ご自身の意思を確実に伝える準備ができます。

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目次

遺言書とは | 誰にどの財産をどのくらい相続させたいか意思を示す書面

遺言書とは、自分の財産を誰にどのくらい分け与えたいかなど相続方法に関する意思を表示し、それに法的な効力を持たせるための書類です。

遺言書が存在する場合は、原則としてその内容に沿って遺産分割がおこなわれることになります。

自分の希望するとおりに相続をすすめ、相続トラブルを防ぐためにも遺言書は必要

遺言書を作成することで、被相続人の意思を反映した遺産分割が実現しやすくなり、家族が余計な心配や労力を強いられるリスクを大幅に減らせます

遺言書があれば、その内容に基づいて遺産を分配します。

しかし、遺言書がない場合、遺産分割協議において、被相続人の財産を「誰が」「何を」「どのように」受け継ぐのかを決めなくてはなりません。

遺産分割協議の結果、意見が対立すると相続争いに発展することがあります

実際のところ、以下のデータが示すとおり、近年は相続に関するトラブルが増加傾向にあります。

【相続トラブルが裁判に持ち込まれた総数】
件数
2005年 9,581件
2008年 10,197件
2011年 10,781件
2014年 12,577件
2017年 12,166件
2020年 11,303件
2023年 13,872件

※参照元:司法統計(第44表 遺産分割事件数―終局区分別―家庭裁判所別)

トラブルを防ぎ、遺族間で無用な争いが起こらないようにするためにも、遺言書の作成が有効なのです。

遺言書の種類3つとそれぞれのメリット・デメリット・作成方法

遺言書には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」という3つの形式があります。

それぞれの方式ごとのメリット・デメリットがあるので、特徴を理解したうえで、自分に合った形式で作成するのがよいでしょう。

自筆証書遺言 | 遺言者が自筆で作成する遺言書

自筆証書遺言とは、遺言者が自らの手で全文、日付、氏名を記入し、押印して作成する遺言書です(民法第968条第1項)。

自筆証書遺言で使う用紙や筆記具に関しては特にルールはないので、任意の紙やペンなどで作成できます。

財産目録についてはパソコンで作成可能ですが、遺言書の本文は自筆でないと無効となるので注意が必要です。

【自筆証書遺言のメリット・デメリット】
メリット デメリット

・作成費用がかからない
・作成に手間がかからない
・遺言書の存在を秘密にできる

・内容に不備があると無効になる可能性がある
・紛失や改ざんのおそれがある
・相続人に発見されないことがある
・相続が開始されたあと、家庭裁判所で検認を受ける必要がある
【自筆証書遺言の作成方法】
  • STEP1:自分の所有財産を洗い出してまとめる
  • STEP2:財産の特定が可能な資料を集める
  • STEP3:どの財産を、だれに、どのくらい相続させるか決める
  • STEP4:遺言書をまとめる/遺言者自身で遺言書の本文・日付・氏名を自筆し、押印する
  • STEP5:遺言書を封筒に入れて、遺言者自身で押印する

公正証書遺言 | 公証役場にて公証人に作成してもらう遺言書

公正証書遺言とは、公証役場にて証人2名以上の立ち合いのもとで、公証人が遺言者の意思を確認して筆記し、これに遺言者・証人・公証人が署名押印して作成する遺言です(民法第969条)。

作成された遺言書の原本は、公証役場にて保管され、正本・謄本が遺言者に渡されます。

【公正証書遺言のメリット・デメリット】
メリット デメリット
・作成した遺言書が無効となるリスクが少ない
・紛失や改ざんのおそれがない
・自分で文字が書けなくても作成できる
・相続開始後の検認が不要
・内容を秘密にできない
・財産の価格に応じた手数料が発生する
・2人以上の証人を用意する必要がある
・手続きに手間と時間がかかる
【公正証書遺言の作成方法】
  • STEP1:自分の所有財産を洗い出してまとめる
  • STEP2:財産の特定が可能な資料を集める
  • STEP3:どの財産を、だれに、どのくらい相続させるか決める
  • STEP4:必要書類と2人以上の証人を準備する
  • STEP5:最寄りの公証人役場を調べる
  • STEP6:公証人と打ち合わせをする
  • STEP7:遺言書を作成する

秘密証書遺言 | 公証役場にて存在のみ認証してもらう遺言書

秘密証書遺言は遺言書の内容を秘密にして、公証役場にて存在のみを認証してもらう遺言書です(民法第970条第1項)。

秘密証書遺言を選んだ場合、あらかじめ作成して封をしてある遺言書を公証役場に持ち込みその存在を証明してもらいます。

秘密証書遺言は、遺言者自身が自宅などで保管することが必要です。

【秘密証書遺言のメリット・デメリット】
メリット デメリット
・内容を秘密にできる
・代筆やパソコンでの作成もできる
・コストがあまりかからない
・内容に不備があると無効になる可能性がある
・紛失や発見されないリスクがある
・手続きに手間がかかる
・2人以上の証人を用意する必要がある
【秘密証書遺言の作成方法】
  • STEP1:自分の所有財産を洗い出してまとめる
  • STEP2:財産を特定できる資料を準備する
  • STEP3:どの財産を、だれに、どのくらい相続させるか決める
  • STEP4:遺言書を書く
  • STEP5:遺言書を封筒に入れて封印する
  • STEP6:2人以上の証人を準備する
  • STEP7:最寄りの公証人役場を調べる
  • STEP8:公証人と証人2人の前で、自己の遺言書である旨と、遺言の筆者の氏名と住所を伝える
  • STEP9:公証人が申述内容と日付を封紙に記載し、遺言者・証人とともに署名・押印をする

そのほか、特別な状況下でのみ作成される遺言書の種類

遺言は通常、上記3つのいずれかの方式で作成されます。

しかし、特別な事情により通常の方式で遺言を作成できない場合には、特別方式による遺言を作成することが認められています。

特別方式遺言の種類・特徴は、以下のとおりです。

分類 遺言の種類 条件・特徴
危急時遺言 一般危急時遺言 (民法第976条) ・疾病やその他の理由で生命の危機が迫っている場合に作成。
・証人3名以上の立会いが必要。
・証人による代筆も可能。
・20日以内に遺言を書いた人の住所地の家庭裁判所で確認手続きが必要。
難船危急時遺言 (民法第979条) ・遭難中の船内や飛行機内で命の危機がある場合に作成。
・証人2名以上の立会いが必要。
・証人による代筆も可能。
・遺言を書いた人の住所地の家庭裁判所で遅滞のない確認手続きが必要。
隔絶地遺言 一般隔絶地遺言 (民法第977条) ・伝染病などにより外部と交通が遮断された場所で作成。
・警察官1名と証人1名以上の立会いが必要。
・本人が遺言を自筆で作成。
・家庭裁判所で確認手続きは不要(検認は必要)
船舶隔絶地遺言 (民法第978条) ・船内で外部と隔絶された状況で作成。
・船舶関係者1名と証人2名以上の立会いが必要。
・本人が遺言を自筆で作成。
・家庭裁判所で確認手続きは不要(検認は必要)

なお、特別方式で作成した遺言は、遺言者が普通方式で遺言を作成できる状態になってから6ヵ月間生存した場合、効力を失います(民法第983条)。

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遺言書の書き方と例文(自筆証書遺言の場合)

では、遺言のうち「自筆証書遺言」の書き方と例文を確認しておきましょう。

遺言書の書き方(要件)

自筆証書遺言書は、民法第968条に定められた要件を最低限満たしていないと無効になってしまう可能性があるので、注意が必要です。

以下、自筆証書遺言書の要件5つを簡単に説明します。

要件 注意点
①全文を自筆で記載 遺言書のタイトルや本文は、基本的に全文を遺言者が自筆する必要があります。
代筆やパソコンを用いての作成は認められていません。
遺言書に添付する財産目録は、パソコンを使って作成しても問題ありません。
② 遺言者本人の署名 遺言者本人の署名が必要になります。
③作成した日付を正確に記載する 「○月吉日」など曖昧な表記では無効となります。
また、年度を記載し忘れると遺言書全体が無効になる可能性があるため、注意が必要です。
④ 押印をする 押印を忘れたり、印影が不明瞭又はかすれたりしている場合、遺言書が無効になる可能性があります。
印鑑は認印でも問題ないですが、実印を使用したほうが信用性が高いです。
⑤訂正部分は二重線で消し、印鑑を押す 訂正する箇所を二重線で丁寧に消し、正しい内容を吹き出し形式で記載します。
その後、余白に「○字削除、○字追加」など具体的に記載し、必ず署名と押印をおこなってください。
修正テープを使用することや、修正箇所を黒く塗りつぶすことは認められません。

遺言書では、誰に何をどのくらい相続させるか具体的に明示する必要があります。

曖昧で解釈が分かれる書き方だと、遺産分割トラブルになったり希望どおりに相続がおこなわれなかったりする可能性があるためです。

<例>

  • 金融資産3,000万円を長男と長女2人で、それぞれ1/2ずつ相続させる

現金のほか、株や債券などの金融資産があった場合、どのように分ければいいかわかりません。

希望したとおりの相続を実現するには、以下のように具体的に相続の内容を指定します。

  • 長男には●銀行●支店 普通預金 口座番号●を相続させる
  • 長女には●社の株式、数量●株を相続させる

遺言書の例文

自筆証書遺言書の要件を反映させた、遺言書の例文を掲載しておきます。

自筆証書遺言書を作成する際の参考にしてみてください。

遺言書 遺言者 山田太郎は、次のとおり遺言する。  
1.遺言者は、遺言者の所有する次の財産を遺言者の妻 山田花子(昭和35年5月15日生)に相続させる。  
(1)土地

(2)  所在 東京都新宿区新宿●丁目
(3)  地番 ●●番●●
(4)  地目 宅地
(5)  地積 250平方メートル

(2)建物   
所在 東京都新宿区新宿●丁目●●番地●●   
家屋番号  ●●番 ●●   
種類 居宅   
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根2階建て   
床面積 100平方メートル

2.遺言者は、遺言者の所有する次の財産を、遺言者の長男 山田一郎(昭和60年1月1日生)に相続させる。
(1)預貯金

 ・東京銀行 新宿支店 普通預金 口座番号●●●●●●
 ・新宿信用金庫 本店 普通預金 口座番号●●●●●●


3.遺言者は、遺言者の所有する株式会社●●の株式3万株を、遺言者の長女 山田花子(昭和59年2月2日生)に相続させる

4. 遺言者は前記(1)(2)(3)に記載した以外で、遺言者が所有する財産が存在した場合、その全てを妻 花子に相続させる。

5.遺言者は、この遺言の執行者として、妻 山田花子を指名する。

令和7年1月1日
東京都新宿区新宿1-2-3   
山田太郎  印      

このほか、下記のホームページに遺言書の例文が豊富に掲載されておりますので、興味があれば参照ください。

自筆証書遺言書の文例集(付言事項付き) | 函館地方法務局

遺言書の保管方法4つとそれぞれのメリット・デメリット

遺言書を作成するにあたっては、遺言書の保管方法もあわせて検討しておくべきです。

以下では、遺言書の代表的な4つの保管方法と、それぞれのメリット・デメリットについて説明します。

自宅で保管する

もっとも一般的な遺言書の保管方法が、自宅での保管です。

金庫や机の引き出し、書類棚などに保管する方が多いでしょう。

手軽で費用のかからない方法ですが、紛失や改ざんのおそれがあるほか、相続人に発見されない可能性がある点は注意が必要です。

【自宅で保管するメリット・デメリット】
メリット デメリット
・手間がかからない
・費用がかからない
・紛失や改ざんのおそれがある
・相続人に発見されないことがある

「自筆証書遺言保管制度」を利用し法務局で保管する

「自筆証書遺言保管制度」は、法務局で自筆証書遺言を預かってもらう保管方法をいいます。

この制度を利用すれば、遺言書保管所において、自筆証書遺言の原本を死亡後50年間、画像データを150年間にわたって安全に保管することが可能です。

自筆証書遺言保管制度を利用すれば紛失や改ざんのリスクを回避できるほか、家庭裁判所での検認手続きが不要になる点がメリットです。

ただし、制度の利用にあたっては法務局での手続きが必要となるほか、保管費用が発生する点がデメリットとして挙げられます。

【自筆証書遺言保管制度を利用するメリット・デメリット】
メリット デメリット
・紛失や改ざんのおそれがない
・家庭裁判所での検認手続きが不要となる
・法務局での手続きが必要
・保管費用などがかかる

弁護士などの専門家に預かってもらう

弁護士などの専門家に遺言書を預かってもらう方法もあります。

この場合、遺言書の作成に関する相談から依頼まで対応してもらうことも可能です。

また、自宅で保管する必要がなくなるため、改ざんや紛失といったリスクが基本的に排除されます

一方で、依頼時に費用が発生する点や、開封前に家庭裁判所での検認手続きが必要となる点には注意が必要でしょう。

【弁護士などの専門家に預かってもらうメリット・デメリット】
メリット デメリット
・紛失や改ざんのおそれがない
・遺言に関連した相続全般の手続きをまとめて依頼できる
・開封前には家庭裁判所での検認手続きが必要
・依頼時に費用がかかる

公証役場に原本を保管してもらう(公正証書遺言のみ)

公正証書遺言を作成した場合、原本は公証役場に保管してもらうこととなります。

紛失や改ざんのおそれが少なく、代筆してもらえる点がメリットですが、内容を秘密にできず、手数料も発生してしまう点がデメリットです。

公正証書遺言では、開封前の検認手続きは必要ありません

【公証役場に原本を保管してもらうメリット・デメリット】
メリット デメリット
・紛失や改ざんのおそれがない
・自分で文字が書けなくても作成できる
・開封前の検認手続きが不要
・内容を秘密にできない
・財産の価格に応じた手数料が発生する

遺言書でよくあるトラブルの例

遺言書を作成することで、発生してしまいやすいトラブルもあります。

以下、よくあるトラブル事例を8つ掲載しますので、遺言を作成する際は十分に注意するようにしましょう。

遺言書の記載に不備があり無効とされてしまう

遺言書は、民法で定められた要件に従って作成する必要があります。

遺言書の作成日が明示されていなかったり、自筆の署名が抜けていたりなど、不備があれば無効とされてしまうのです。

たとえば作成日については、「●月●日」だけで年度を書き忘れていたらその遺言書は無効となります。

遺言書の内容が不公平で相続トラブルの原因となってしまう

遺言書の内容が不公平で、相続人が不満をもつ場合はトラブルになってしまう可能性が高いです。

相続人の不満につながらないように、注意して遺言書をまとめましょう。

被相続人が生前のうちに相続人とよく話し合い、相続内容について合意を図っておくことも有効です。

遺言書の内容があいまいでトラブルになったり効力が認められなかったりする

遺言書の内容があいまいだと、トラブルになったり効力が認められなかったりする可能性があります。

たとえば相続財産の何を誰に相続させたいか、明示されていなければその解釈を巡って相続人同士が揉めるきっかけになるかもしれません(例:金融資産を兄弟で半分ずつ相続させるという遺言内容の場合。預金以外に、価格が変動する株式などが含まれると、どう半分にわけるかで揉めてしまう可能性がある)。

また「東京都渋谷区渋谷1丁目の土地を相続させる」のように、地番や家屋番号が記載されていないと該当の不動産を特定できません。

その結果、この部分の効力が認められない可能性もあります。

相続税の支払いが考慮されていない

遺産を相続する場合、遺産の金額などによっては高額な相続税を現金で支払わなくてはなりません

しかし相続税を考慮せずに遺言書を作成すると、相続人が相続税を支払えなくなってしまう可能性があります。

たとえば不動産や美術品のように簡単にお金にかえられないものを相続させる場合、高額な相続税が問題となることが多いです。

兄弟姉妹や孫など配偶者や子ども・父母以外の親族が被相続人の遺産を相続する場合は相続税が2割増となり、負担がさらに大きくなります。

その結果、相続人のために残しておいた現金や預金だけでは、相続税が支払えなくなる可能性があるので注意が必要です。

不安であれば遺言書を作成する前に、税理士や弁護士に相続税対策について相談しておきましょう。

相続税の節税について興味があれば、以下記事も参考にしてください。

【関連記事】相続税の節税につながる7つの控除制度と相続税負担を減らす知識まとめ | ベンナビ相続

遺言書が発見されなかったり隠されたりしてしまう

遺言書を作成しても、家族に見つけてもらえないケースがあります

また、遺言書が見つかったとしても、自分にとって不利な内容であれば、相続人が意図的に遺言書を隠してしまうといったトラブルも考えられます。

発見されたのが遺産分割のあとだった

せっかく遺言書を作成しておいても、遺産分割が終わったあとに遺言書が見つかるといったトラブルも考えられます

この場合、被相続人の希望したとおりに相続がおこなわれない可能性が高いので注意しましょう。

遺産分割後に遺言書が発見され、遺言書どおりの相続を実現したい場合、遺産分割協議の錯誤無効を主張する必要が生じる可能性があります。

しかしすでに不動産が第三者に売却されてしまっていた場合などで、必ずしも主張が認められるとは限りません。

こういったトラブルが発生しないように、遺言書は必ず相続開始後に発見されるよう手配しておくことが必要です。

「遺留分」を請求されてしまう

遺留分とは、法定相続人に最低限認められる相続分のことです。

たとえば遺言書で「特定の相続人に全財産を譲る」とした場合でも、ほかの相続人が遺留分を請求する権利を行使することがあります

結局、遺言どおりに相続が実現されないばかりか、相続人間の争いなどトラブルの原因となってしまいかねません。

遺留分の詳細については、以下記事を参照ください。

【関連記事】遺留分とは?割合と受け取れる人・遺留分侵害額請求の手順を解説|ベンナビ相続

認知症になってから作成されたため、無効と判断されてしまう

遺言作成時に被相続人が遺言能力を有していなければ、遺言書は無効となってしまいます(民法第963条)。

遺言能力とは、遺言の内容を理解して、遺言の結果を弁識できる意思能力をいいます。

たとえば被相続人の認知症が進行した状態で遺言書が作成された場合、遺言能力が争われ、裁判所に無効と判断されてしまうおそれがあります。

遺言書の作成で失敗しないための対策

遺言書によるトラブルを防ぐためには、しっかりとした対策を講じることが重要になります。

ここでは、代表的な対策を紹介します。

弁護士や税理士に相談する

遺言書を作成する際には、法的な知識や相続税に関する知識が求められます

弁護士や税理士などの専門家に相談することで、形式的な不備を防ぐだけでなく、相続税対策や遺留分への配慮などトラブルを回避するための対策も可能になります。

特に相続財産が多い場合は、専門家の助言を受けることが強く推奨されます。

公正証書遺言を選ぶ

公正証書遺言は、公証人が関与して作成されるため、形式不備や無効となるリスクが低いというメリットがあります

また、原本が公証役場で保管されることになるので、紛失や改ざんのリスクもほぼありません。

多少の手数料が発生する点はデメリットではありますが、トラブルを未然に防ぐという観点からすれば公正証書遺言を選ぶことも検討しましょう

遺言能力があるうちに作成する

遺言書は、遺言能力が十分にある状態で作成する必要があります

被相続人が健康で元気なうちに遺言書を作成しておき、何年かしてから改めて見直すといった対策をすれば安心でしょう。

「遺言執行者」を選任し遺言内容を実現してもらう

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する人物のことをいいます(民法第1012条)。

誰でも遺言執行者になれますが、弁護士がなることも少なくありません。

弁護士が遺言執行者になれば、遺言書の作成を含め遺産相続の全般的な手続きやトラブルの対応を任せることも可能です。

特に相続財産が多くて遺産相続時に争いとなる可能性が高い場合は、弁護士に依頼したほうが安心でしょう。

さいごに | 遺言書の作成に不安があれば弁護士へ相談を!

遺言書は、相続におけるトラブルを防ぎ、遺族への負担を軽減するための重要なツールです。

しかし、適切に作成しないと、かえってトラブルを引き起こす原因となることもあります

弁護士に相談・依頼することで、遺言書全般について相談ができるほか、遺言者の要望を適切に反映させて遺言書を作成してもらえる、相続財産を正確に調査してもらえる、遺言執行者を弁護士に指名できる、などのメリットもあります。

遺言書作成に関して少しでも不安や疑問が残る場合は、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
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