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法テラスの利用条件とは?3つの主なサービスごとに何を満たす必要があるのか解説

弁護士監修記事
法律相談
2025年09月08日
2025年09月08日
法テラスの利用条件とは?3つの主なサービスごとに何を満たす必要があるのか解説
この記事を監修した弁護士
関口 英紀弁護士 (川崎相続遺言法律事務所)
遺産分割など揉めやすい問題の交渉、調停、訴訟から、生前の相続対策として遺言や家族信託の活用についてまで幅広く対応。相談者の事情に合わせたオーダーメイドの解決を目指しており、多くの実績がある。
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法テラスは、国によって設立された、法的トラブル解決のための総合案内所です。

たとえば、情報提供業務、無料法律相談、費用立替制度などのサービスを提供しています。

しかし、これらのサービスを利用したくても、条件面に不安があり利用できずにいる人も少なくないでしょう

そこで本記事では、法テラスのサービスの利用条件を知りたい方に向けて、以下の内容を説明します。

  • 情報提供業務・無料法律相談・費用立替制度の利用条件
  • 法テラスの利用条件を満たしているかどうかの確認方法
  • 法テラスを利用するにあたっての利用条件以外の注意点 など

本記事を参考に、法テラスのサービスについて利用条件を満たしているか確認できるようになりましょう。

なお、法テラスについて詳しく知りたい方は、以下のページを参考にすることをおすすめします。

【関連記事】法テラスとはどんな機関?無料法律相談や費用立替制度の利用方法なども解説

法テラスの「情報提供業務」の利用条件は特にない

情報提供業務とは、法テラスのオペレーターと相談できるサービスです。

情報提供業務を利用することで、以下のような内容について教えてもらえます。

  • 現在抱えている問題の解決に役立つ法制度
  • 弁護士会、司法書士会、地方公共団体といった相談窓口 など

情報提供業務には特別な利用条件がないため、誰でも何度でも利用することが可能です。

法テラス・サポートダイヤル」や「メール受付フォーム」などから問い合わせるとよいでしょう。

法テラスの「無料法律相談」の利用条件は2つある

法テラスでは、以下の利用条件を満たすことで弁護士や司法書士との無料相談を利用できます

  • 資力基準を満たしているかどうか
  • 法テラスの制度趣旨に合っているか

ここでは、法テラスの無料法律相談の利用条件について詳しく確認しましょう。

条件1.資力基準を満たしているかどうか

法テラスの無料法律相談を利用するには、資力基準を満たしている必要があります

この基準は収入要件と資産要件に分かれており、それぞれ以下のように設けられています。

家族の人数 収入要件 資産要件
一人 20万200円(18万2,000円) 180万円以下
二人 27万6,100円(25万1,000円) 250万円以下
三人 29万9,200円(27万2,000円) 270万円以下
四人 32万8,900円(29万9,000円) 300万円以下
五人目以降 1名増えるごとに3万3,000円(3万円)加算 300万円以下

※()内は東京都特別区や大阪市などの地域以外の場合の基準

なお、収入要件については家賃や医療費、教育費などの支払い状況が考慮されることがあります。

特別な事情がある場合は利用できる可能性もあるため、諦めずに一度問い合わせてみることが大切でしょう。

条件2.法テラスの制度趣旨に合っているか

民事法律扶助制度(無料法律相談)は個人の権利や利益を守るために設けられています。

一般的な法律トラブルで真剣に悩んでいる方のほとんどは、法テラスの制度趣旨に当てはまるので問題ありません。

しかし、下記のような場合は制度の趣旨に合わないと判断され、利用を断られる可能性があるので注意しましょう

  • 報復的な感情を満たすためだけの場合
  • 宣伝目的といった売名行為のための場合
  • 単なる嫌がらせや法的な解決になじまない場合 など

法テラスの「弁護士費用立替制度」の利用条件は3つある

法テラスでは、以下の3つの基準を満たした場合に弁護士費用を立て替えてもらうことができます

  • 資力基準を満たしているかどうか
  • 勝訴の見込みがないとはいえないかどうか
  • 法テラスの制度趣旨に適しているかどうか

ここでは、法テラスの弁護士費用立替制度の利用条件について詳しく確認しましょう。

条件1.資力基準を満たしているかどうか

この条件は、無料法律相談の資力基準とまったく同じです。

「収入要件」と「資産要件」の両方を満たしている必要があります。

なお、依頼内容の難易度や経済的な利益などによって、基準が変わることはありません

条件2.勝訴の見込みがないとはいえないかどうか

弁護士費用立替制度を利用するには、勝訴の見込みに関する条件を満たす必要があります

この条件には、訴訟での勝訴はもちろん、調停手続や示談交渉の成立なども含まれます。

なお、弁護士や司法書士が介入することで、少しでも解決できる見込みがあれば利用することができます

条件3.法テラスの制度趣旨に適しているかどうか

この条件も、無料法律相談のものとまったく同じです。

通常の法律トラブルでは問題ありませんが、報復目的や宣伝目的などの場合は利用できません

訴訟額が極端に低い場合や、金銭の回収可能性がない場合も、利用できない可能性が高いでしょう。

無料法律相談や費用立替制度を利用できるか確認する方法

法テラスの民事法律扶助制度を利用できるかどうかは、以下の方法で確認できます。

  • サポートダイヤルに問い合わせる
  • 最寄りの法テラス事務局で確認する
  • 法テラス契約弁護士に相談してみる

ここでは、法テラスの無料法律相談や費用立替制度の利用可否の確認方法を紹介します。

1.サポートダイヤルに問い合わせる

法テラスのサポートダイヤルに問い合わせることで、利用条件を簡易的に確認することができます

サポートダイヤルでは、法テラスに相談すべきか、別の窓口を利用すべきかなどのアドバイスももらえます。

無料法律相談や費用立替制度を利用できそうな場合には、最寄りの法テラス窓口も案内してもらえるでしょう。

【法テラス・サポートダイヤルの概要】

連絡先 0570-078374
03-6745-5600(IP電話、プリペイド携帯などの場合)
受付時間 平日9時00分~21時00分
土曜日9時00分~21時00分
利用料金 0円

2.最寄りの法テラス事務局で確認する

最寄りの法テラス事務局で、無料法律相談や費用立替制度を利用できるかどうか確認することも可能です。

確認は電話でもできますが、受付時間などは事務所によって異なるため事前によく確認しておきましょう。

全国の法テラス事務局については、以下のページから探すことができます。

【参考元】お近くの法テラス | 法テラス

3.法テラス契約弁護士に相談してみる

法テラスと契約している弁護士を探して、直接相談してみるのもおすすめです。

「法テラスを利用したい」旨を伝えることで、利用条件を満たしているか判断してもらえます。

弁護士が法テラスと契約しているかどうか知りたい場合は、以下のような方法で調べられます。

  • 日本弁護士連合会のひまわりサーチを利用する
  • 法テラスのWebサイト上の契約弁護士一覧を確認する
  • 法律事務所のWebサイトを見て法テラスの利用可否を確認する など

相談したい内容が明確で、自分自身で弁護士を選びたいという場合におすすめの方法といえます。

法テラスを利用するにあたっての利用条件以外の注意点

法テラスを利用する際は、条件面以外にも以下のような注意点があります。

  • 一部の対象者は法テラスを利用できない
  • 必ずしも法テラスの審査に通るわけではない

ここでは、法テラスの民事法律扶助制度を利用する際の注意点について説明します。

1.一部の対象者は法テラスを利用できない

以下に該当する場合は、原則として法テラスの民事法律扶助制度を利用することができません

【法テラスを利用することができない対象者の例】

  • 会社やNPOなどの法人・団体
  • 適法な在留資格がない外国人
  • 刑事事件の加害者 など

一方、離婚問題、相続問題、労働問題、借金問題など、一般的な法律トラブルであれば問題はないでしょう。

2.必ずしも法テラスの審査に通るわけではない

無料法律相談や費用立替制度を利用する際は、法テラスの審査を受ける必要があります

仮に以下のような事情がある場合には、法テラスの審査に通らないことも考えられます。

【法テラスの審査に落ちる可能性があるケース】

  • 収入や資産などの基準を満たしていない
  • 収入証明書や課税証明書などを提出できない
  • 勝訴や和解の見込みがまったくないと判断された
  • 過去に法テラスを利用して返済を滞納したことがある など

審査に通らなければ法テラスは利用できないため、一般的な法律事務所に依頼する必要があるでしょう。

さいごに|まずは法テラスを利用できるかどうか確認してみよう!

法テラスの主なサービスと利用条件は、以下のようになっています。

サービス 利用条件
情報提供業務 特になし
無料法律相談 ・資力基準を満たしているかどうか
・法テラスの制度趣旨に適しているかどうか
費用立替制度 ・資力基準を満たしているかどうか
・勝訴の見込みがないとはいえないかどうか
・法テラスの制度趣旨に適しているかどうか

法テラスを利用したい場合は、サポートダイヤルや法テラス事務局に問い合わせるとよいでしょう。

また、法テラスと契約している弁護士に直接相談して、利用できるかどうか判断してもらうのもおすすめです。

なお、万が一利用できない場合でも代替手段を知れる可能性があるため、早めに相談することをおすすめします。

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