離婚後に慰謝料を請求できる?4つの条件・証拠・手続きの全知識を徹底解説
- 「勢いで離婚してしまったが、あとから慰謝料を請求できると知った」
- 「とにかく離婚したい一心で、慰謝料まで考える余裕がなかった」
離婚直後は、新しい生活の準備や子どもの世話などに追われ、慰謝料請求まで手が回らないことがあります。
しかし、離婚後であっても、条件を満たせば慰謝料請求は可能です。
本記事では、離婚後の慰謝料請求の条件や証拠、請求手順を徹底解説します。
最後まで読めば、そもそも慰謝料を請求できるのか、どのように請求すればよいかがわかり、スムーズに手続きを進められるようになるでしょう。
離婚後でも慰謝料を請求できる4つの条件
離婚後の慰謝料請求が認められるためには、以下の4つの条件を全て満たす必要があります。
- 慰謝料請求の時効(離婚成立から3年)を迎えていない
- 相手の「不法行為」が離婚原因となり精神的苦痛を受けた
- 相手の不法行為に関する証拠がある
- 離婚時に「慰謝料を請求しない」という約束をしていない
なお、証拠については、相手が不法行為を素直に認めているなら必須ではありません。
ここからは、それぞれの条件を詳しく見ていきましょう。
慰謝料請求の時効(離婚成立から3年)を迎えていない
離婚後の慰謝料請求には、時効期限が存在します。
離婚が成立した日から3年以内に請求しなければ、法律上の権利が消滅します。
例えば、離婚成立が2025年4月1日なら、2028年3月31日までに請求しなければなりません。
この期限を1日でも過ぎ、相手が時効を主張すると請求が認められなくなります。
ただし、離婚後に不法行為が判明したときは、不法行為があったと知った日から3年以内であれば請求可能です。
例えば、離婚の1年後に不倫が発覚したケースでは、そこから2年以内なら時効にかかりません。
なお、不法行為から20年経過すると、不法行為の事実を知らなくても請求権が消滅します。
相手の「不法行為」が離婚原因となり精神的苦痛を受けた
慰謝料の請求には、不法行為の事実と、それによって精神的苦痛を受けた事実が必要です。
単に「性格が合わない」「価値観が違った」というような離婚原因では不法行為に該当せず、請求は認められません。
不法行為に該当する主なケースは以下のとおりです。
| 不貞行為 (不倫・浮気) |
配偶者以外の異性と肉体関係をもつと不法行為に該当する。たとえ1回限りの関係であっても慰謝料の対象になる。 |
| DV | 殴る・蹴る・物を投げつけるといった身体的な暴力行為は不法行為に該当する。慰謝料額は被害の程度によって変動する。 |
| モラハラ | 「働いていないくせに」「誰のおかげで生活できていると思っている」といった人格否定や暴言を繰り返す行為も、不法行為が認められる場合がある。 |
| 悪意の遺棄 | 正当な理由なく生活費を渡さない、勝手に家を出て別居するなどの行為が該当する。 |
| その他 | 正当な理由なく一方的に性行為を拒否し続けたことによるセックスレス、ギャンブル依存、婚姻生活に無関係な過度な借金なども、それらによって生じた精神的苦痛や経済的損害が著しい場合は不法行為が認められる可能性がある。 |
なお、不法行為が離婚後に判明したときでも、慰謝料請求の対象になります。
例えば、離婚後に婚姻期間中の不倫が判明した場合、不倫が直接の離婚原因でなくても、婚姻中の不法行為が原因で精神的苦痛を受けたとして慰謝料を受け取れる可能性があります。
相手の不法行為に関する証拠がある
相手が不法行為を素直に認めれば問題ありませんが、多くの場合否認されます。
相手が否認したときは、不法行為を立証できる証拠が必要です。
一方、相手が不法行為を認めている場合や、話し合いで慰謝料の支払いに合意したときは証拠がなくても問題ありません。
相手が不法行為を否定した場合、証拠がなければ調停や裁判で請求が認められにくいでしょう。
どのような証拠を集めればよいかは、「離婚後の慰謝料請求に必要な不法行為の証拠例」で詳しく解説します。
離婚時に「慰謝料を請求しない」という約束をしていない
離婚の際に慰謝料を請求しない旨を定めていないことも、条件のひとつです。
このような約束を「清算条項」といい、離婚協議書や合意書に以下のように記載するのが一般的です。
| 甲及び乙は、本協議書に定めるもののほか、互いに金銭その他の請求をしないことを確認する |
このような条項を交わしたときは、離婚後に慰謝料を請求できないのが原則です。
ただし、離婚時に知らなかった不法行為については、清算条項が記載されていても例外的に慰謝料を請求できるケースもあります。
離婚後の慰謝料請求に必要な不法行為の証拠例
慰謝料請求には、不法行為を裏付ける証拠が必要です。
元配偶者が不法行為を否認したときは、証拠がなければ調停や裁判で主張が通りにくくなります。
不法行為別の証拠例は以下のとおりです。
| 不法行為の種類 | 有効な証拠例 |
| 不貞行為 (不倫・浮気) |
・ラブホテルや不倫相手の自宅に出入りする際の写真、動画 ・肉体関係があったとわかるメールやLINE、SNSでのやりとり ・ラブホテルの領収書やクレジットカードの利用明細 ・探偵事務所の調査報告書 ・裸や下着姿、パジャマ姿でのツーショット写真 ・不倫を自白した際の音声や動画、書面 ・使用済みの避妊具 ・カーナビの履歴 |
| DV | ・けがの写真、動画(撮影日時や顔がわかるもの) ・医師の診断書や通院履歴、治療費の領収書 ・警察への被害届や公的機関での相談記録 ・暴力を受けた際の音声や動画 ・目撃者の証言 ・DV被害に遭った日時や内容を記録した日記、メモ |
| モラハラ | ・暴言や人格を否定する発言を録音した音声データ ・侮辱する内容のメールやLINE ・精神科や心療内科の診断書、通院履歴、治療費の領収書 ・第三者の証言 ・モラハラ被害に遭った日時や内容を記録した日記、メモ |
| 悪意の遺棄 | ・生活費を渡されなかったことがわかる通帳、家計簿 ・別居を証明できる住民票 ・家を追い出されたことがわかるメールやLINE ・生活費を請求し拒否された記録 ・相手が勝手に家出したことがわかるメモや証言 |
| 正当な理由のない性行為拒否によるセックスレス | ・性行為を拒否された際の音声やメール、LINE ・性行為が長期間途絶えていることを記録した日記 |
| ギャンブル依存・アルコール依存・過度な借金 | ・ギャンブルやアルコールへの支出がわかる配偶者の通帳 ・依存症に関する医師の診断書 ・借金の契約書や督促状 ・配偶者の問題行動を記録した日記やメモ |
カーナビの履歴や日記などは、それだけでは証拠能力が十分とはいえませんが、複数の証拠と組み合わせることで有効な証拠になり得ます。
ひとつではなく、できる限り多くの証拠を確保しましょう。
慰謝料の請求ができないか難しいケース
以下のような状況では、慰謝料が請求できないか、難しくなる場合があります。
- 相手の不法行為に関する証拠がない
- 性格の不一致で離婚をした
- 重度の精神病が原因で離婚をした
- 相手の不倫以前に婚姻関係が破綻していた
- 相手の親族と不仲で離婚をした
- 宗教上の理由で離婚した
- 条件を満たしていても相手の支払い能力がない
このように、必ずしも慰謝料を受け取れるとは限らない点に注意しましょう。
ここからは、それぞれのケースについて詳しく見ていきます。
相手の不法行為に関する証拠がない
相手が不法行為を素直に認めている場合や慰謝料の支払いに合意したときは、証拠がなくても問題ありません。
しかし、相手が不法行為を否定しているときは不法行為を立証しなければならず、そのためには有効な証拠が必要です。
証拠がない状態で調停や裁判に臨んだ場合、たとえ不法行為が真実でも相手が支払いを命じられる可能性は低いでしょう。
証拠をうまく見つけられないときは離婚問題が得意な弁護士に相談し、証拠集めについてアドバイスをもらうことをおすすめします。
性格の不一致で離婚をした
離婚の理由が性格の不一致や価値観の相違だった場合、原則慰謝料は請求できません。
性格が合わないことや価値観が異なることは、どちらか一方に責任があるとはいえず、不法行為にもあたらないためです。
双方に落ち度がなく不法行為も存在しない以上、精神的苦痛に対する賠償である慰謝料は発生しません。
ただし、性格の不一致は表面的な理由で、実際にはDVやモラハラといったほかの問題が隠れているケースもあります。
このような場合は、有効な証拠を集めることで慰謝料を受け取れる可能性があります。
重度の精神病が原因で離婚をした
配偶者が重度の精神病にかかり、回復の見込みがないことを理由に離婚した場合、原則として慰謝料請求はできません。
精神病は本人の責任ではなく、不法行為ともいえないためです。
重度の精神病は、民法第770条第1項第4号が定める「法定離婚事由」に該当するため、離婚自体は認められます。
しかし、法定離婚事由に該当するからといって、必ずしも慰謝料の対象になるわけではなく、請求が認められるには相手の不法行為が原因で精神的苦痛を受けたことが必要です。
例えば、精神病がきっかけで暴力を振るったり人格を否定する発言をしたりなど、精神病以外の要因がない限り請求は難しいと思っておいたほうがよいでしょう。
なお、法定離婚事由の1つである「民法第770条第1項第4号」は2026年4月に改正民法により削除されることが決まっています。
相手の不倫以前に婚姻関係が破綻していた
相手の不倫以前に婚姻関係が壊れていたときは、原則慰謝料請求はできません。
そもそも婚姻関係が壊れていたなら、不倫が原因で婚姻関係が壊れたとはいえず、精神的苦痛に対する賠償も生じないと判断されるためです。
過去の裁判例でも、不倫の時点ですでに夫婦の婚姻関係が破綻していたのであれば、不倫相手は特段の事情がない限り責任を負わないと判断しています。(平成8年3月26日 最高裁判所判決)
なお、婚姻関係が破綻している状態とは、以下のようなケースを指します。
- ひどいDV・モラハラ行為がある
- 双方に関係を修復する意思がない
- 長期にわたって別居が続いている
- セックスレス・長期間の家庭内別居など夫婦関係がない
- 家庭を放置し宗教活動に熱中している
- 働く意思がない・酒癖が悪い・浪費癖がある
- 犯罪行為の当事者として服役している
ただし、婚姻関係が破綻していたかどうかの判断は慎重におこなわれます。
単に夫婦仲が悪いという程度では破綻が認められず、数年以上の別居や離婚に向けて協議が進んでいたなどの客観的な事実が必要です。
不倫前後に家族で外食したり旅行に行ったりしていたなら、破綻を否定する証拠になり得ます。
相手から婚姻関係の破綻を主張された場合は、家族旅行の写真やLINEのトーク履歴などを提示するとよいでしょう。
相手の親族と不仲で離婚をした
義理の両親や兄弟姉妹など、相手の親族との不仲を理由に離婚したときは、原則として慰謝料請求の対象になりません。
単に不仲というだけでは、不法行為にはあたらないためです。
たとえ義理の親族との不仲が原因で離婚に至ったとしても、それ自体は元配偶者の責任とはいえず、元配偶者からは慰謝料を受け取れません。
ただし、元配偶者が義理の親族による嫌がらせやモラハラを知っていながら黙認していた場合や、元配偶者自身が親族と結託して嫌がらせをしていたときは、元配偶者から慰謝料を受け取れる可能性があります。
また、親族の嫌がらせが度を超えており不法行為に該当するなら、親族への請求が認められることもあります。
義理の親族や元配偶者に慰謝料を請求する際は、嫌がらせの内容がわかる音声やメール・LINE、嫌がらせによって精神疾患を患ったことを証明する診断書などの証拠が必要です。
宗教上の理由で離婚した
夫婦で異なる宗教を信仰していることや、夫婦で宗教観が異なることを理由に離婚した場合、原則慰謝料は請求できません。
宗教の信仰は個人の権利であり、宗教上の理由で夫婦仲に亀裂が入っても不法行為とはいえないためです。
ただし、以下に該当するようなケースであれば、慰謝料の対象になり得ます。
- 相手が宗教活動にのめり込んだ結果、家事や育児を放棄した
- 生活費をまったく家に入れず宗教団体に献金した
- こちらに対して執拗に勧誘したり勝手に入会させたりした
このように、宗教への傾倒が原因で夫婦生活に支障が出たり、夫婦の協力義務を怠ったりしたときは、慰謝料を受け取れる可能性があることを知っておきましょう。
条件を満たしていても相手の支払い能力がない
相手の行為が不法行為に該当し、証拠も揃っていれば法律上は慰謝料請求が可能です。
しかし、収入がない、多額の借金があるなどの事情で相手に支払い能力がなければ、請求したところで回収できない可能性があります。
このような場合は、以下のような対処法を検討してください。
- 本当に収入・財産がないか調査する
- 分割払いに対応する
- 慰謝料の減額に応じる
- 親族などからの立替えを提案する
相手が「お金がないから支払えない」と支払いを拒んでも、実際には収入や財産を隠しているケースも考えられるため、まずは弁護士に相談して資産を調査してもらうことをおすすめします。
分割払いなら支払えるというなら、分割払いの条件を強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくとよいでしょう。
これにより、支払いが滞ったときに、強制執行による差し押さえが可能になります。
ただし、相手に本当に資力がないなら、弁護士費用や裁判費用をかけても無駄に終わることがあります。
請求するかどうかは、相手の資産状況や回収できる可能性などを考慮し、慎重に判断すべきでしょう。
離婚後に慰謝料を請求する手順
離婚後の慰謝料請求は、以下の手順でおこないます。
- 対面による話し合い・書面・メールなどで相手に直接慰謝料を請求する
- 相手が応じない場合は調停を申し立てる
- 調停でも合意できなければ裁判を申し立てる
まずは話し合うところから始め、相手が応じなければ裁判所の手続きへと移行します。
それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
1.対面による話し合い・書面・メールなどで相手に直接慰謝料を請求する
まずは、元配偶者と直接交渉します。
対面するのが難しいときは、電話やメール、LINEなどで慰謝料請求の意思を伝えましょう。
慰謝料の金額や支払い方法に法律上のルールはなく、双方が納得すれば自由に決められます。
ただし、金額があまりにも相場からかけ離れていると相手が拒否し、話し合いで解決できなくなるおそれがあるため注意が必要です。
相手が話し合いに応じないときや連絡を無視する場合は、内容証明郵便を送付する方法もあります。
内容証明郵便とは、「誰が誰にいつどのような文書を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれるサービスです。
内容証明郵便には、以下のような効果が期待できます。
- 相手にプレッシャーを与え、話し合いに応じてもらいやすくなる
- あとから「請求されていない」と主張されるリスクを防げる
- 慰謝料請求の消滅時効を6ヵ月延長できる
- 調停や裁判の際に証拠として利用できる
内容証明郵便は、郵便局の窓口で内容証明郵便を利用したい旨を伝えれば対応してもらえます。
ただし、内容証明郵便自体に法的拘束力はないため、支払ってもらえるとは限らないことを理解しておきましょう。
内容証明郵便で慰謝料請求する方法の詳細は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】【例文付き】内容証明郵便とは?効力・書き方・出し方をわかりやすく解説
2.相手が応じない場合は調停を申し立てる
話し合いが決裂したときや相手が話し合いに応じない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。
調停を経ずに直接裁判を提起することも可能ですが、裁判よりも時間や費用の負担が少ない調停を先に試すのもよいでしょう。
調停では、調停委員が当事者双方の間に入り、話し合いによる解決を目指します。
調停委員は中立的な立場でどちらの味方もせず、双方の主張を聞きながら合意できるようサポートしてくれます。
調停の申立先は、相手の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で定めた家庭裁判所です。
申立書の様式や必要書類については、裁判所のホームページで確認できます。
合意に至った場合は調停が成立し、合意内容が調停調書に記載されます。
調停調書は判決と同じ効力をもつため、相手が支払いを怠ったときは強制執行が可能です。
調停の申立てや手続きに不安がある場合は、弁護士に相談すれば適切なアドバイスやサポートが受けられます。
3.調停でも合意できなければ裁判を申し立てる
調停でも話し合いがまとまらず調停が不調に終わったときは、裁判所に裁判(民事訴訟)を提起します。
裁判では、慰謝料の請求額や請求理由を記載した訴状を作成し、不法行為があったことを証明する証拠とともに裁判所に提出します。
訴状の提出先は、原則は相手の住所地を管轄する裁判所ですが、不法行為がおこなわれた場所を管轄する裁判所にも提出可能です。
なお、請求額によって申立先が以下のように異なります。
- 140万円以下:簡易裁判所
- 140万円超:地方裁判所
裁判所は提出された証拠をもとに元配偶者の不法行為の有無を判断し、認められれば判決で慰謝料の支払いを命じます。
判決が確定すれば、相手が支払わない場合に強制執行によって財産の差し押さえが可能です。
ただし、裁判になると半年〜1年程度かかることもあり、精神的な負担が大きくなります。
また、訴状や準備書面といった法律文書の作成や、口頭弁論での発言などが必要になるため、慰謝料を請求すると決めたら弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。
離婚後に請求できる慰謝料の目安
離婚後に請求できる慰謝料額の目安は、50万円〜300万円程度です。
離婚原因別の慰謝料の目安は以下のとおりです。
| 離婚原因 | 慰謝料の目安 | 金額が変動するポイント |
| 不貞行為 (不倫・浮気) |
100万円〜300万円程度 | 不倫の期間や回数、婚姻期間の長さなど |
| DV | 50万円〜300万円程度 | 暴力の程度や頻度、けがの状態など |
| モラハラ | 50万円〜300万円程度 | 人格否定の程度や子どもへの影響、精神疾患を発症したかどうかなど |
| 悪意の遺棄 | 50万円〜300万円程度 | 遺棄の期間や生活への影響の大きさ、相手の態度など |
| セックスレス | 0円〜100万円程度 | 拒否の期間や態度、婚姻期間など |
慰謝料の金額は離婚原因や婚姻期間、不法行為の悪質性などによって大きく変動します。
ここからは、離婚慰謝料が相場より高額になりやすい要因と減額されやすい要因について解説します。
離婚慰謝料が相場より高額化しやすい要因
以下のような事情がある場合、慰謝料が相場より高額になる可能性があります。
- 不倫の期間が長い・回数が多い
- 長期間DV・モラハラを受けた
- 相手に反省の色がない
- 婚姻期間が長い
- 未成年の子どもがいる
- 精神疾患を発症した
- 相手の収入や資産が多い
- 不法行為が原因で職を失った、生活が困窮した
- 不倫相手が元配偶者の子どもを妊娠・出産した
- 元配偶者と不倫相手が同棲していた
- 複数の不法行為があった(不倫とDVなど)
ただし、具体的にどの程度増額できるかは、個別の事情によって異なります。
適切な慰謝料額は、離婚問題を得意としている弁護士に相談することをおすすめします。
離婚慰謝料が相場より減額されやすい要因
以下のような事情がある場合は、慰謝料が相場より減額される可能性があります。
- 婚姻期間が短い
- 子どもがいない
- 請求する側にも、育児放棄や性行為の拒否などの落ち度があった
- 不倫がおこなわれた時点で夫婦関係が冷めていた
- 相手が反省している
- 相手の収入や資産が少ない
- 明らかに過大といえる金額を請求した
- すでに適正以上の財産分与や養育費を受けている
もし減額要因があっても、請求を諦める必要はありません。
まずは弁護士に相談し、適切な金額を判断してもらうことが大切です。
【関連記事】離婚慰謝料の相場は?請求できるケース・できないケース、高額獲得のポイントを解説
離婚慰謝料の請求を弁護士に相談・依頼するメリット
離婚慰謝料の請求について弁護士に相談・依頼するメリットは以下のとおりです。
- 依頼者が本気で慰謝料を請求していることを伝えられる
- 離婚慰謝料請求の可否や請求できる慰謝料額を教えてもらえる
- 獲得できる慰謝料の増額が期待できる
- 配偶者と直接連絡する必要がなくなり精神的な負担や手間が軽減される
慰謝料請求の手続きをひとりで進めると、証拠集めや相手との交渉、裁判手続きなど多くの負担がかかります。
しかし、弁護士に相談・依頼することで、このような負担を軽減しながら適切な慰謝料を獲得できる可能性が高まります。
ここからは、それぞれのメリットについて見ていきましょう。
依頼者が本気で慰謝料を請求していることを伝えられる
弁護士から内容証明郵便が届いたり連絡が入ったりすることで、依頼者の本気度が元配偶者に伝わります。
本人名義なら無視される可能性がありますが、弁護士名義で書類が届けば相手も無視しにくいでしょう。
また、弁護士が交渉することで冷静な話し合いが可能になり、相手が真摯な態度で対応してくれるようになる場合があります。
離婚慰謝料請求の可否や請求できる慰謝料額を教えてもらえる
自分のケースで慰謝料を請求できるのか、どの程度の金額が妥当なのかを自分で判断するのは困難です。
しかし、弁護士に相談・依頼すれば、状況や証拠の内容をもとに慰謝料を受け取れる可能性や請求金額の目安を教えてもらえます。
弁護士は、過去の裁判例や法律知識、経験に基づいて正確に判断してくれるため、現実的な見通しを立てられるでしょう。
証拠が不十分なときも、どのような証拠を追加すべきかのアドバイスを受けられます。
獲得できる慰謝料の増額が期待できる
少しでも高額な慰謝料を受け取るには、過去の裁判例や法律の知識、交渉のテクニックが必要です。
弁護士は、法律の知見を駆使して元配偶者と粘り強く交渉し、少しでも高額な慰謝料を受け取れるよう対応してくれます。
また、慰謝料を増額できる要因を的確に主張し、証拠を効果的に提示することで、相手の反発を抑えながら建設的な話し合いを進められます。
自分で交渉する場合と比べ、獲得できる慰謝料額の増額が期待できるでしょう。
配偶者と直接連絡する必要がなくなり精神的な負担や手間が軽減される
弁護士が慰謝料請求をおこなう場合、元配偶者との交渉は全て弁護士が対応してくれます。
そのため、依頼者が元配偶者と連絡を取る必要はありません。
離婚原因となった元配偶者と直接連絡を取り、再び対峙することは精神的に大きな負担がかかります。
特に相手からDVやモラハラの被害を受けていたケースなら、冷静な交渉が難しく元配偶者と関わることで新たな被害に遭うことも考えられます。
弁護士が依頼者に代わって交渉すれば、依頼者にかかる負担を大幅に軽減でき、日常生活や仕事に専念できるでしょう。
離婚慰謝料請求を依頼する場合の弁護士費用相場は?
離婚後の慰謝料請求を弁護士に依頼する場合、着手金で20万円〜50万円程度、報酬金は獲得した慰謝料の10〜20%程度が相場です。
弁護士費用は、主に以下の項目で構成されます。
| 費用項目 | 金額の目安 | 概要 |
| 相談料 | 30分あたり5,000円〜1万円程度 ※初回無料の事務所もあり |
弁護士に法律的なアドバイスを求める際に発生する費用。 |
| 着手金 | 20万円〜50万円 | 弁護士に正式に依頼する際に支払う費用。結果にかかわらず返金されないのが一般的。 |
| 報酬金 | 獲得した慰謝料の10〜20%程度 | 慰謝料請求が成功した場合に発生する費用。 |
| 実費 | 実際にかかった金額 | 交通費や郵送料、収入印紙代など。 |
| 日当 | 半日3万円〜5万円程度 1日5万円〜10万円程度 |
弁護士が事務所を出て裁判所や元配偶者のもとなどに出張した際にかかる費用。 |
例えば、慰謝料200万円を獲得した場合、着手金20万円+報酬金30万円(200万円の15%)+実費数万円で合計50万円〜60万円程度の弁護士費用がかかります。
【関連記事】離婚の弁護士費用相場はいくら?内訳・計算例・払えない場合の対処法を解説
弁護士費用の負担をおさえる方法はある?
「高額の弁護士費用がかかるため、元配偶者への請求をためらっている」という方もいるでしょう。
弁護士費用の負担を少しでもおさえるには、例えば以下のような方法があります。
- 分割払い・後払いが可能な法律事務所で依頼する
- 複数の法律事務所で見積もりをもらい比較する
- できるだけ早い段階で弁護士に依頼する
- 自宅や会社からなるべくアクセスしやすい法律事務所を選ぶ
弁護士費用は決して安くはありませんが、工夫次第で負担を軽減できる可能性があります。
離婚後に請求できるのは慰謝料だけではない
離婚後に請求できるお金は慰謝料だけではありません。
慰謝料以外に請求できるお金は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 財産分与 | 婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を分けること。 |
| 養育費 | 未成年の子どもを育てるために必要な費用。子どもがもつ当然の権利であり、親の都合で放棄できない。 |
| 年金分割 | 婚姻期間中の厚生年金記録を分割し、将来受け取れる年金額を調整する制度。 |
| 婚姻費用 | 別居中にかかった生活費や養育費のうち、離婚前に未払いだった分。 |
これらは、慰謝料とは別に請求できるお金です。
慰謝料だけでなく、上記の請求についても弁護士に相談することで、漏れなく適切に請求できるでしょう。
慰謝料以外の請求についても弁護士に相談・依頼できる
慰謝料以外の請求についても、弁護士への相談・依頼が可能です。
弁護士に依頼すれば、財産分与や養育費についてより有利な条件で合意できる可能性が高まります。
財産分与では財産調査や評価、養育費では適正な金額の算定など、法律の専門知識が必要になる場面が多く、自分で対応するのは困難です。
弁護士は依頼者ごとの事情を考慮したうえで、相手に請求すべきお金を漏れなく洗い出し、スムーズに元配偶者との交渉を代行してくれるでしょう。
また、元配偶者との直接のやりとりは精神的に負担が大きく感情的になりがちですが、弁護士が窓口になることで冷静に交渉を進められ、手続きのストレスや手間を大幅に軽減できます。
さらに、合意後に支払いが滞るトラブルを回避するために、裁判を経ることなく相手の財産を差し押さえられる「強制執行認諾文言付きの公正証書」を作成するサポートを受けられます。
慰謝料はもちろん、財産分与や養育費といったほかの請求も同時に進めるときは、弁護士に任せるとよいでしょう。
離婚後の慰謝料請求についてよくある質問
ここからは、離婚後の慰謝料請求に関するよくある質問を紹介します。
離婚後の慰謝料請求は証拠なしだとできない?
証拠がなくても、元配偶者が不倫やDVなどの不法行為を認めれば慰謝料請求が可能です。
相手が自ら不法行為を認めた場合、本人が認めたこと自体が証拠として扱われるためです。
しかし、慰謝料を請求されると数十万円から数百万円の支払いが生じるため、証拠がない状況で自ら不利になる事実を認める可能性は低いでしょう。
また、はじめは不法行為を認める発言をしていても、後日になって意見を覆すケースもあり得ます。
相手が否認すると話し合いでの解決が難しくなるため、最終的に裁判官に判断を委ねます。
しかし、裁判では、請求する側が相手の不法行為を立証しなければなりません。
どのような証拠が有効かや証拠の探し方は、弁護士に相談してアドバイスを求めることをおすすめします。
離婚後は通常元配偶者と別々に暮らしているため、相手のスマートフォンや通信履歴、持ち物を確認できず証拠集めが困難です。
弁護士であれば、どのような証拠があれば不法行為を立証できるか、限られた状況でどのように証拠を集めるかについて、専門知識と経験に基づいた具体的なアドバイスをしてくれるでしょう。
離婚後に婚姻期間中の不倫が発覚した場合でも慰謝料を請求できる?
離婚後に婚姻期間中の不倫が発覚した場合でも、慰謝料の請求は可能です。
ただし、慰謝料請求には時効があり、原則として不倫があったことを知ったときから3年、または不倫があったときから20年以上経過すると慰謝料請求権は消滅します。
そのほか、離婚時に離婚協議書や合意書などで清算条項を定めていたときも、請求ができない可能性があります。
清算条項とは、お互いに今後財産上の請求をしないことを約束する条項です。
合意した時点で元配偶者の不倫を知らなかった場合、錯誤を主張して争うことも考えられますが、専門的な判断が必要であるため弁護士に相談することをおすすめします。
さいごに|離婚後の慰謝料請求は弁護士に相談を!
離婚後に慰謝料を請求する条件や証拠、手続きについて徹底解説しました。
離婚後でも、慰謝料の請求は可能です。
ただし、どのようなケースでも請求できるわけではなく、時効をむかえていないか、相手の不法行為が離婚原因となったかなどの条件があります。
時効期間は、離婚成立から3年です。
離婚後に不法行為を知ったときは、不法行為を知ったときから3年、不法行為を知らなくても、不法行為から20年で慰謝料請求権は消滅時効にかかります。
また、証拠が不十分だと相手が不法行為を否認した場合に請求が認められにくくなるため注意が必要です。
このように、離婚後の慰謝料請求は判断が難しいため、弁護士に相談するのがおすすめです。
離婚問題が得意な弁護士なら、慰謝料請求の可否や妥当な金額を教えてもらえるほか、獲得できる慰謝料の増額が期待できるでしょう。
