被相続人死亡後に口座が凍結!解除手順やお金を引き出す方法を解説
- 「家族の銀行口座が凍結されたため解除したい」
- 「一部でいいからお金を引き出す方法を知りたい」
家族の死亡によって銀行口座が凍結し、お金が引き出せず困っている方は少なくないのではないでしょうか。
凍結口座の解除には、戸籍謄本や遺産分割協議書など多くの書類が必要です。
しかし、具体的にどのような書類を集めればよいかは、遺言書の有無や遺産分割協議の状況によって異なるため、ケースごとの対応方法を知っておく必要があるでしょう。
そこで本記事では、銀行口座の凍結解除をおこなう際の手順や書類、預金の一部を引き出す方法などを解説します。
最後まで読めば、どのような手続きをおこなうべきかが明確になり、凍結解除に向けてスムーズに準備できるようになるでしょう。
被相続人死亡後に銀行口座の凍結解除をする手順
被相続人死亡後の口座凍結解除は、以下の3つの手順で進めます。
- 手続きに必要な書類を集める
- 銀行の窓口で集めた書類を提出する
- 銀行口座の凍結が解除される
遺言書の有無や遺産分割協議の状況によって必要書類が異なるため、まずは自分がどのタイプに該当するかを確認しましょう。
ここからは、それぞれの手順について解説します。
1.手続きに必要な書類を集める
まずは、手続きに必要な書類を集めます。
遺言書に遺言執行者が指定されている場合は遺言執行者、指定がないなら遺産を受け取る受遺者が書類の取得手続きをおこないます。
凍結解除の際に求められる主な書類は以下のとおりです。
| 相続のパターン | 必要書類 |
| 遺言書あり (遺言執行者が手続きするケース) | ・被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍謄本 ・遺言執行者の印鑑証明書+実印 ・遺言書または遺言書情報証明書の原本 ・検認調書や検認済証明書(公正証書遺言以外で法務局が保管していない場合) ・審判書謄本(遺言執行者選任の審判を受けた場合) ・被相続人の通帳やキャッシュカード |
| 遺言書あり (受遺者が手続きするケース) | ・被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍謄本 ・受遺者の印鑑証明書+実印 ・遺言書の原本または遺言書情報証明書 ・検認済証明書 ・被相続人の通帳やキャッシュカード |
| 遺言書なし・ 遺産分割協議書あり | ・被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍謄本 ・相続人全員の戸籍謄本 ・相続人全員の印鑑証明書 ・手続きする人の実印 ・遺産分割協議書の原本 ・被相続人の通帳やキャッシュカード |
| 遺言書・ 遺産分割協議書なし | ・被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍謄本 ・相続人全員の戸籍謄本 ・相続人全員の印鑑証明書+実印 ・被相続人の通帳やキャッシュカード |
被相続人の戸籍謄本は、生まれてから亡くなるまでの連続したものが必要です。
相続人の分に関しては、現在のものだけで構いません。
また、戸籍謄本は「法定相続情報一覧図の写し」で代用できます。
法定相続情報一覧図の写しとは、被相続人の相続関係を1枚の紙にまとめ、法務局の登記官が認証した家系図のような証明書です。
戸籍謄本の束の代わりに使用でき、複数枚発行して貰えば銀行と並行して相続登記や証券会社での名義変更なども進められます。
なお、実際の必要書類は銀行ごとに異なる可能性があるため、手続き前に各銀行に最新の必要書類を確認しておくのが安心です。
2.銀行の窓口で集めた書類を提出する
次に、集めた書類を銀行の窓口に持参し、手続きをおこないます。
銀行所定の書類に必要事項を記載し、持参した書類と一緒に提出しましょう。
所定の書類は、例えばみずほ銀行では相続関係届書、三井住友銀行では相続に関する依頼書、ゆうちょ銀行では貯金等相続手続請求書というように、銀行によって名称が異なります。
また、通常は以下のような内容を記載します。
- 被相続人の氏名・住所・生年月日・死亡年月日
- 対象口座の番号・支店名・種別
- 相続人の氏名・住所
- 払い戻しを希望する金額または解約する旨
- 振込先口座
複数の銀行に口座がある場合は、各銀行で手続きが必要です。
ただし、銀行によっては特定の店舗でしか手続きに対応していないことがあります。
窓口に訪問する前に、相続手続きをおこなえる店舗かどうかを確認しておくとよいでしょう。
3.銀行口座の凍結が解除される
書類提出後、銀行が内容を確認して問題がなければ凍結が解除され、預金が払い戻されます。
この場合は解約になりますが、銀行や金融商品によっては名義人を相続人に変更し、そのまま契約を引き継げる場合もあります。
名義変更の方法については、銀行に確認してみてください。
銀行は提出された戸籍謄本や遺産分割協議書の内容を精査し、相続人や書類に不備がないかをチェックします。
払い戻しは、相続人が指定した口座への振込みでおこなわれることが一般的です。
手数料の有無や金額については、各銀行に確認しましょう。
口座凍結が解除されるまでの日数・期間は2~4週間程度
手続きから凍結解除までには、通常2週間~4週間程度かかります。
しかし、書類に不備がある場合は、これより長引く可能性がある点に注意しましょう。
手続きが遅れると、以下のような不都合が生じるおそれがあります。
- 葬儀費用や医療費の支払いが困難になる
- 生活費が工面できなくなる
- 相続税の納付期限に間に合わなくなる
- 公共料金やローンの支払いが引き落とされず延滞金が発生する
なお、相続税の納付期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内です。
一度凍結された銀行口座はすぐに凍結を解除できるわけではないため、早めに手続きしておきましょう。
口座の凍結解除前に預金の一部を引き出せる方法とは?
家族の死後、葬儀費用や生活費などが必要になり、被相続人の口座から預金を引き出したくなるときもあるでしょう。
そのような場合、ほかの相続人から同意を得られるなら相続同意書の用意、自分だけで引き出したいなら預貯金の払い戻し制度を利用すれば凍結解除前でも預金の一部を引き出せます。
ここからは、それぞれの方法について見ていきましょう。
相続同意書を用意する方法|ほかの相続人から同意を得られる場合
ほかの相続人の同意を得られるなら、相続同意書を提出することで被相続人の預金を引き出せます。
相続同意書とは、特定の相続財産の分け方について、相続人全員が同意した旨を証明する書類です。
遺産分割協議書を作成する時間がなく、ひとまず一部の相続財産を分割したいときに作成するのが一般的です。
なお、銀行によっては様式が用意されていますが、なければ自分で作成する必要があります。
以下のような情報を記載し、相続人全員が署名・押印(実印)しましょう。
- 被相続人の住所・氏名・生年月日・死亡年月日
- 相続人全員の住所・氏名
- 対象となる預金の情報(銀行名・支店名・種別・口座番号)
例えば、相続人が配偶者と子ども2人の計3人のケースでは、3人全員が相続同意書に署名・押印すれば、代表者が1人で手続きをおこなえます。
自作が難しければ、弁護士や司法書士などの専門家に作成してもらうことも可能です。
預貯金の払い戻し制度を使う方法|単独で引き出したい場合
単独で預金を引き出したいときは、遺産分割前の相続預金の払い戻し制度を利用するのもひとつの手段です。
払い戻し制度は2019年7月1日に施行された制度で、ほかの相続人に同意を得なくても、一定の金額までなら相続人が単独で預金を引き出せます。
ただし、引き出せる金額には、以下のルールがある点に注意しましょう。
- 相続開始時の預貯金残高×1/3×引き出す相続人の法定相続分
- ひとつの金融機関につき150万円が上限
例えば、預金残高が1,000万円で引き出す人の法定相続分が2分の1だった場合、計算上の上限は約167万円です。
しかし、同一金融機関から引き出せる金額の上限は150万円であるため、実際には150万円までしか引き出せません。
なお、払い戻し制度を利用する際は、以下の書類を求められます。
- 預金を引き出す人の本人確認書類
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 預金を引き出す人の印鑑証明書
詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】相続預金の仮払い制度とは?遺産分割前にお金を受け取る方法を解説
被相続人死亡後に銀行口座が凍結されるタイミングは?
銀行口座が凍結されるのは、親族や相続人が銀行に死亡を報告したときです。
しかし、報告しなくても、銀行が何らかの方法で死亡を知った場合は凍結の対象になります。
ここでは、口座凍結のタイミングについて解説します。
親族や相続人が銀行に死亡の連絡をしたタイミングで凍結されることが多い
被相続人の口座が凍結されるタイミングとして最も多いのは、親族や相続人が銀行に死亡を報告したときです。
銀行は、契約者の死亡について医療機関や市区町村役場と情報を共有していません。
また、ほかの銀行とも連携しておらず、1ヵ所に報告してもほかの銀行の口座は自動的には凍結されません。
そのため、死亡の報告は、取引のある銀行全てにおこないます。
なお、口座が使える状態でも、窓口で死亡を伝えた瞬間に凍結されることもあります。
銀行に報告する前に、凍結後にどのように対応すべきかを把握しておく必要があるでしょう。
連絡がなくても銀行が死亡を把握すればそのタイミングで凍結される
親族や相続人が報告していなくても、銀行が何らかの方法で名義人の死亡を知ればその際に凍結されます。
銀行が死亡の事実を知るきっかけはいくつかあるため、こちらが報告しなければ凍結しないとは考えないほうがよいでしょう。
連絡していないのに銀行は被相続人が死亡したことがなぜわかるの?
銀行が死亡を知るきっかけには、例えば以下のものが考えられます。
- 新聞の訃報欄や死亡広告
- 取引先からの話
- 残高証明書の発行申請
- 銀行の職員が葬儀の看板を見かける
- 死亡を知った人が銀行内で話す
特に地方では、訃報が広まりやすく職員の目に留まりやすいでしょう。
多くの銀行ではマニュアルに沿って適切に処理されており、不確かな情報だけで凍結されるケースはほとんどありません。
しかし、報告しなくても凍結される可能性はゼロではないため、早めに手続きの準備を始めることをおすすめします。
死亡した被相続人の銀行口座をそのまま使うとどうなる?
被相続人の口座が凍結されていないからといって、被相続人の銀行口座を使い続けると、以下のようなトラブルに発展するおそれがあります。
- 相続人間で争いになる可能性がある
- 相続放棄ができなくなる可能性がある
- 刑事罰が科されるリスクもある
預金は相続財産であり、たとえ身内であっても勝手に使用できません。
口座名義人が死亡したら、速やかに手続きをおこないましょう。
ここからは、被相続人の口座を使い続けた場合に起こり得るトラブルを解説します。
相続人間で争いになる可能性がある
被相続人の預金を勝手に引き出すと、ほかの相続人から損害賠償請求や不当利得返還請求を受ける可能性があります。
不当利得返還請求とは、不当に得た利益を返還するよう求めることです。
そもそも相続財産は、遺産分割協議で分け方が決まるまでは相続人全員の共有財産となります。
そんな状況で、相続人である子どもの1人が勝手に預金を引き出し自分のために使えば、母親と兄弟姉妹から「使った分を返せ」と言われる可能性があるのです。
相続争いを避けるには、遺産分割前の預金に手を出さないのが一番ですが、緊急時は引き出した日時とその金額、使途をほかの相続人に説明できるようにしておくのが重要です。
領収書を保管し、何にいくら使ったかを記録しておきましょう。
【関連記事】不当利得返還請求とは|認められるケースや流れ、時効をわかりやすく解説
相続放棄ができなくなる可能性がある
被相続人の預金を引き出して自分のために使うと、相続を承認したとみなされ相続放棄ができなくなる可能性があります。
これを「単純承認」といい、成立すれば後日被相続人に借金が発覚しても相続放棄は認められません。
葬儀費用の支払いのために被相続人の口座からお金を引き出した場合などは相続放棄が認められるケースもありますが、必ずしも認められるとは限らないため、相続放棄を検討しているなら預金に手をつけないよう注意しましょう。
【関連記事】相続放棄をしたいのに葬儀代を遺産から引き出しても大丈夫?注意点も解説
刑事罰が科されるリスクもある
同居していない親族や親族以外の人が預金を勝手に使った場合、親族相盗例が適用されず窃盗罪や横領罪などの刑事責任を問われるリスクがあります。
親族相盗例とは、親族間で窃盗や横領などの財産犯が起きた場合に、刑を免除したり親告罪として扱ったりする刑法上の特例です。
被相続人と同居していた親族については刑事責任を免除されますが、例えば別居していた子どもが親の預金を無断で引き出した場合は刑事罰が科されるおそれがある点に注意しましょう。
銀行に死亡の連絡をせず口座凍結をしない(されない)ままだとどうなる?
ここでは、銀行に死亡の連絡をせず口座を放置した場合にどうなるかを解説します。
そのままにしても刑事罰を受けることはない
銀行口座の相続手続きをせず放置しても、刑事罰を受けることはありません。
預金の相続手続きや払い戻しに期限はなく、何年経過しても罰則の対象にならないためです。
民法上は債権の消滅時効は原則として「知った時から5年」または「行使できる時から10年」などのルールがありますが、銀行が時効を主張するケースはほとんどなく、休眠口座にならない限り払い戻しに応じてもらえます。
ただし、刑事罰の対象にならないからといって放置するメリットはなく、むしろさまざまなリスクが生じる可能性があります。
例えば、相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った翌日から10ヵ月以内です。
期限内におこなわないと、無申告加算税や重加算税、延滞税といったペナルティを受けるおそれがあります。
そのためできる限り放置せず、ほかの相続人と相談してどのように処理するかを決める必要があるでしょう。
第三者が預金を引き出されてしまうリスクがある
口座が凍結されていないと、キャッシュカードの場所と暗証番号を知っている人であれば誰でも勝手に預金を引き出せてしまいます。
例えば、同居していた兄弟姉妹が勝手に預金を引き出して使ったり、身に覚えのない引き落としが続いたりするトラブルが発生するおそれがあります。
「口座が凍結する」と聞くとマイナスのイメージが先行しがちですが、銀行に死亡の連絡を入れ、あえて口座を凍結させることで預金を守れる点はメリットといえるでしょう。
相続の権利関係が複雑になる可能性がある
相続手続きを放置している間に相続人の誰かが亡くなると、亡くなった人の相続人も手続きに参加しなければならなくなり、相続関係が複雑になります。
相続手続きは相続人全員でおこなう必要があり、誰が相続人になるかは被相続人が死亡した時点で確定します。
しかし、手続き前に相続人が亡くなった場合、相続権はその人の相続人に移る仕組みです。
これを数次相続といい、当初は相続人でなかった人が手続きの関係者になります。
例えば、母親が亡くなり、父親・長男・次男が相続人になるケースでは、手続きをしないうちに長男が亡くなると、長男の妻、子どもも手続きに参加しなければなりません。
そのため、被相続人の銀行口座は放置せず、権利関係が複雑になる前に対処しておきましょう。
休眠口座となる可能性がある
銀行口座の相続手続きを放置し長期間取引がない状態が続くと、休眠口座になる可能性があります。
休眠口座とは、10年以上入出金などの取引がない銀行口座のことです。
2009年1月以降に最後の取引があった預金が対象で、休眠口座になると銀行から預金保険機構に移管され、最終的に民間公益活動に活用されます。
休眠口座になっても引き出しは可能ですが、被相続人がどの銀行に口座を持っているかがわからず、手続きをしないまま放置してしまうケースもあり得るでしょう。
なお、どの銀行に口座があるかわからないときは、弁護士に相談し調査を依頼するのがおすすめです。
弁護士であれば、弁護士会を通して被相続人が取引していた銀行を調査できます。
相続人の誰かが認知症になり解約手続きがおこなえなくなる
相続手続きをせず放置している間に相続人の誰かが認知症になると、遺産分割協議ができなくなり解約手続きが進められなくなります。
遺産分割協議には相続人全員の合意が必要であり、参加するには判断能力が求められるためです。
認知症の相続人を除外しておこなった遺産分割協議は無効となるため、相続人が欠けた状態では預金の解約や名義変更がおこなえません。
認知症になっても、成年後見制度を利用すれば遺産分割協議が可能ですが、成年後見人の選任には時間と費用がかかります。
また、基本的に成年後見制度は途中で辞められません。
そのため、相続人全員が元気なうちに手続きを済ませることをおすすめします。
【関連記事】成年後見制度とは?後見人になるための手続きやメリット・デメリットを解説
口座手数料が発生し続ける可能性がある
銀行口座を放置しておくと、未利用口座管理手数料が発生する可能性があります。
未利用口座管理手数料とは、一定期間入出金がない普通預金口座に対して金融機関が課す手数料のことです。
期間については、多くの金融機関が2年以上を目安にしています。
金額は銀行によって異なり、例えば三菱UFJ銀行やりそな銀行など、多くの銀行では年間1,320円(税込)ですが、楽天銀行では無料です。
それほど高額な手数料がかかるわけではありませんが、例えば年間1,320円の手数料が設定されている口座を10年放置した場合、1万3,200円を捨てるようなものです。
無駄な手数料で預金を減らさないためにも、できる限り早く相続手続きを進めましょう。
被相続人死亡後の銀行口座凍結についてよくある質問
ここからは、被相続人死亡後の銀行口座凍結に関するよくある質問を紹介します。
そもそもなぜ銀行口座が凍結されてしまうの?
相続人同士のトラブルを防ぎ、公平な遺産分割をおこなうためです。
被相続人が亡くなると、預金は遺産分割の対象になります。
相続人のうち誰かひとりが勝手に預金を引き出して使ってしまうと、遺産分割の際に大きなトラブルになりかねません。
例えば、特定の相続人が被相続人の預金を無断で引き出した場合、それがたとえ葬儀費用を支払うためなどの正当な目的であっても、ほかの相続人たちから使い込みを疑われ、相続争いに発展するおそれがあります。
そのほか、死亡時点での相続財産を確定させることも目的のひとつです。
口座を凍結し引き出せない状態にすることで、相続財産を確定しやすくなるのです。
必要な手続きをせず被相続人の口座から預金を下ろしてしまったらどうすればいい?
預金を下ろしてしまったことをほかの相続人に伝え、引き出した金額と使途を明確に説明しましょう。
黙っていたり使途を説明できなかったりすると財産を使い込んだとみなされ、ほかの相続人との信頼関係が崩れるおそれがあります。
そのほか、自分の相続分を超える金額を引き出したときも、人の取り分に手を出したとしてトラブルになりやすいため注意が必要です。
被相続人の入院費用や葬儀費用など、預金を引き出した理由が正当なものであっても、相続分の範囲内にしておいたほうがよいでしょう。
引き出した預金はいったん相続財産に戻し、遺産分割協議で分け直すのが原則です。
口座が凍結されたら公共料金の支払いなどはどうなる?
口座が凍結されると、公共料金やクレジットカードの利用料金などの引き落としが一切できなくなります。
そのため、被相続人の死後、公共料金やクレジットカードの利用料金などが引き落とされなくなり、支払いが滞る可能性があります。
引き落としができないときは、電力会社やガス会社から郵送される請求書や振込用紙で未払い分を支払いましょう。
公共料金に関しては、契約者名義を被相続人から家族の誰かに変更し、支払い口座も新たな名義人のものに変更する手続きをおこなえば、引き続きサービスを利用できます。
注意したいのは、公共料金をクレジットカードで支払っていたケースです。
クレジットカードの引き落としができなくても、公共料金自体はカード会社が立て替えて支払うため電気やガスが止まることはありませんが、カード会社への債務は残ります。
相続人が被相続人の債務を相続し、その後も放置すると相続人自身がブラックリストに載ってしまう可能性があるため、葬儀を終えたら速やかに公共料金の名義変更をおこないましょう。
また、年払いの保険料やサブスクリプションサービスの月額料金、固定資産税など、見落としやすい支払いもあります。
普段から定期的に通帳を記帳し、どのような引き落としがされているかを把握しておくことが重要です。
さいごに|凍結解除の手続きはお早めに!
被相続人死亡後の銀行口座凍結解除の手順やお金を引き出す方法、必要書類などを解説しました。
銀行口座の凍結解除は、相続人が被相続人の預金を受け取るために必要な手続きです。
手続きは複雑で必要な書類も多いですが、記事を読んで流れを理解すれば、スムーズに手続きできるでしょう。
注意しなければならないのは、書類提出から凍結解除までには通常2週間~4週間程度かかる点です。
葬儀費用の支払いなどで早急に現金が必要なときは、払い戻し制度の利用や預金の遺産分割協議を先におこなっても間に合わない可能性があります。
相続手続きを放置すると相続関係が複雑になったり相続人が認知症になったりといったリスクもあるため、できる限り早めに対応することをおすすめします。
自力で対応できないときや相続人同士でトラブルになったときは、弁護士への相談を検討しましょう。
