離婚成立日はいつになる?確認方法と成立後にやるべき手続きを解説
- 「離婚の成立日って、いつになるんだろう」
- 「離婚がいつ成立したか確認するにはどうすればいい?」
離婚成立日に関して、このような疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
離婚の成立日は、協議・調停・審判・裁判のうち、どの方法で離婚するかによって異なります。
財産分与の基準日や婚姻費用が終了するタイミング、慰謝料の時効などが変わってくるため、正確に把握しておきましょう。
本記事では、離婚方法ごとの成立日の違いや確認方法、離婚成立後にやるべき手続きをわかりやすく解説します。
最後まで読むことで、自分のケースに当てはめて予定を組めるようになり、手続きの漏れや期限切れを回避できるはずです。
離婚の成立日はいつになる?離婚方法別の成立日

離婚の成立日は、離婚方法によって異なります。
たとえば、協議離婚は離婚届が受理された日が成立日になりますが、裁判所が関わる場合は調停の成立日や判決の確定日に離婚が成立します。
離婚方法ごとの離婚成立日を、ひとつずつ見ていきましょう。
協議離婚|離婚届が役所に受理された日
夫婦だけで話し合う協議離婚の場合、役所が離婚届を受理した日に離婚が成立します。
たとえば、6月23日に夫婦双方が離婚に合意し、6月30日に離婚届を提出したとします。
しかし、内容に不備があり、修正・再提出したのち7月1日に受理されました。
この場合の離婚成立日は7月1日です。
ポイントは、離婚に合意した日や離婚届を提出した日が成立日ではないことです。
役所が正式に受理したタイミングが離婚成立日になります。
記入漏れや必要書類の不足があると、不備を解消しない限り受理されません。
スムーズに受理してもらうためにも、提出前に記入内容や添付書類をしっかり確認しておきましょう。
調停離婚|調停成立の調書が作成された日
家庭裁判所の調停委員を間に挟んで話し合う調停離婚の場合、調停が成立し調停調書が作成された日に離婚が成立します。
たとえば、6月23日に調停が成立し、6月30日に離婚届を提出したケースなら、6月23日が離婚成立日です。
注意点は、離婚届を役所に提出した日が離婚成立日ではないことです。
あくまでも、調書の作成日が基準になることを念頭に置いておきましょう。
審判離婚|審判が確定した日
調停で離婚が成立に至らず、家庭裁判所が審判を下した場合は、審判の確定日が離婚成立日です。
審判離婚とは、離婚調停の手続きの中で、離婚が成立しなかった場合などに、家庭裁判所が相当と認める場合に、「調停に代わる審判」によって離婚を成立させる手続きです。
例えば、一方が裁判所に出頭できないため、調停によって離婚を成立させることはできないが、離婚自体に双方合意できているときに、審判によって離婚を成立させる場合などがあります。
実務上は、そう多くはありません。
判が下されると審判書が送付され、送達日の翌日から2週間以内に異議申立てをしなければ審判はそのまま確定します。
夫婦で送達日が異なる場合は、遅いほうの日付を離婚成立日とします。
なお、当事者が異議申立てをおこなうと、審判の効力が失われる点に注意が必要です。
離婚は成立せず、あらためて裁判等の手続きが必要になります。
裁判離婚|判決が確定した日
裁判官が離婚すべきかどうかを判断する裁判離婚では、離婚を認める判決が確定した日が離婚の成立日になります。
判決が下されると判決書が送付され、判決書が当事者双方に送達された後、送達日の翌日から2週間以内の法定の控訴期間内に控訴がされなければ、判決は確定します。
判決書の送達日が夫婦で異なる場合には、双方について控訴期間が経過した時点で判決が確定するため、実務上は送達日や確定証明書によって正確な確定日を確認することが重要です。
なお、裁判を提起しても、なかには判決まで進まずに終わるケースもあります。
裁判中に和解した場合は和解調書が作成された日、相手が請求を全面的に認めたときは認諾調書が作成された日が離婚成立日です。
離婚成立日を調べる方法
離婚成立日を確認するには、離婚方法に応じた公的書類を取得しましょう。
- 協議離婚:役所で離婚届受理証明書を取得する
- 調停離婚:調停調書の謄本で確認する
- 審判離婚:裁判所で確定証明書を取得する
- 裁判離婚:裁判所で確定証明書を取得する
調停調書の謄本は、調停成立後に交付してもらえます。
手元にない場合でも、調停を申し立てた家庭裁判所で発行してもらえます。
確定証明書は、審判・判決を受けた家庭裁判所に請求が可能です。
調停調書の謄本も確定証明書も、直接家庭裁判所に出向くか郵送で取得でき、手数料は1通150円です。
そのほか、戸籍謄本を取得して確認する方法もあります。
自分の戸籍であれば本籍地以外の市区町村役場でも取得できるため、取得して確認するとよいでしょう。
【参考】戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)|法務省
なお、裁判手続きによって離婚が成立した場合でも、戸籍に離婚の事実を反映させるためには、別途、市区町村役場へ離婚届を提出する必要があります。
もっとも、この届出は、協議離婚の場合のように離婚を成立させるための届出ではありません。
調停成立日、審判確定日、判決確定日などに離婚自体は成立しており、役所への届出は、成立した離婚を戸籍に反映させるための報告的な届出と位置づけられます。
離婚成立日が財産・お金に関わる3つのポイント

離婚成立日は、財産分与や婚姻費用、慰謝料請求といった金銭面に関わる重要な基準日です。
成立日を境に、夫婦間のお金のルールが大きく切り替わります。
財産とお金に関わる具体的なポイントを、3つに分けて見ていきましょう。
1.財産分与の基準日になる
財産分与では、どの時点の財産を対象にするかが問題になります。
一般的には、夫婦の経済的協力関係が終了した時点、たとえば別居時を基準にすることが多いですが、同居のまま離婚した場合や、別居後も夫婦の協力関係が続いていた場合などには、離婚成立時など別の時点が問題になることもあります。
また、不動産や株式など価格が変動する財産については、対象財産を確定する時点と評価額を算定する時点が異なることもあるため、個別事情に応じた判断が必要です。
2.婚姻費用の支払いが終了する日になる
別居中の生活費である婚姻費用は、離婚成立日または別居解消の日をもって支払い義務が終了するのが原則です。
たとえば、別居から離婚成立までに1年かかった場合、収入が少ないほうの配偶者が1年間婚姻費用を受け取れます。
相手が支払わないときは、離婚成立日までの分を請求することが可能です。
ただし、調停で支払い時期について別途取り決めた場合は、取り決めた内容が優先します。
3.慰謝料請求権の時効のカウントが開始する
不倫やDVなどの不法行為によって離婚に至った場合の、離婚そのものに対する慰謝料請求権は、離婚成立日から時効のカウントが始まります。
離婚慰謝料の消滅時効は、離婚成立日から3年です。
期間を過ぎると慰謝料請求権が消滅し、請求が難しくなります。
離婚後に慰謝料を請求する場合は、3年のうちに法的な手続きをおこないましょう。
なお、不法行為そのものに対する慰謝料は、時効の起算点が異なります。
判断が複雑になりやすいため、迷ったときは弁護士に相談するとよいでしょう。
離婚成立後にやるべき6つの手続き
離婚成立後は、以下の手続きを速やかに進めましょう。
- 児童扶養手当の申請
- 離婚届の提出(調停・審判・裁判離婚の場合)
- 婚氏続称の届出(旧姓に戻さない場合)
- 子どもの戸籍変更
- 健康保険・年金の切り替え
- 年金分割の請求
ここからは、それぞれの手続きを順番に解説します。
1.児童扶養手当の申請
離婚が成立したら、すぐに児童扶養手当を申請しましょう。
手当は申請した翌月分から支給されるため、申請が遅れるとその分受け取れる期間が短くなります。
申請は、住所地を管轄する市区町村役場でおこないます。
請求者の身分証明書や、振り込みを希望する金融機関の通帳などを持参しましょう。
児童扶養手当の給付要件や計算方法は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】母子手当(児童扶養手当)はいくらもらえる?給付要件と計算方法をわかりやすく解説
2.離婚届の提出(調停・審判・裁判離婚の場合)
調停や審判、裁判で離婚が成立した場合でも、役所に離婚届を提出する必要があります。
提出期限は、調停の成立や審判・判決が確定した日の翌日から10日以内です。
必要書類は、離婚方法によって以下のように異なります。
- 調停離婚:調停調書の謄本
- 審判離婚:審判書の謄本+確定証明書
- 裁判離婚:判決書の謄本+確定証明書
正当な理由なく離婚届の提出が遅れると、5万円以下の過料が科されるおそれがあります。
戸籍にも離婚の事実が反映されないため、早めに手続きしておきましょう。
離婚届の提出方法については、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】離婚届の提出先はどこ?必要書類や提出期限もわかりやすく解説
3.婚氏続称の届出(旧姓に戻さない場合)
離婚後は原則として旧姓に戻るため、婚姻中の姓を使い続けたい場合は婚氏続称の届出が必要です。
注意点は、離婚成立から3ヵ月以内の期限があることです。
期限を過ぎると家庭裁判所での手続きが必要になるため、旧姓に戻したくないなら忘れずに手続きしておきましょう。
手続き方法については、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】離婚後に姓をそのままにする人の割合や手続き方法、メリット、デメリットを解説
4.子どもの戸籍変更
離婚後、子どもを自分の戸籍に移すには別途手続きが必要です。
親が離婚しても、子どもの戸籍や姓が自動的に変わることはないためです。
手続きをおこなわないと、親権者と子どもの姓や戸籍が異なる状態が続きます。
学校や日常生活で不便が生じる可能性があるため、早めの対応がおすすめです。
子どもの戸籍を移す方法やデメリットについては、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】離婚後に子どもの戸籍はどうなる?戸籍を移す方法や移すデメリットなども解説
5.健康保険・年金の切り替え
配偶者の扶養に入っていた場合は、離婚成立後に健康保険と国民年金の切り替えが必要です。
健康保険は、離婚成立日から14日以内に国民健康保険へ加入するか、勤め先の社会保険への加入手続きをおこないましょう。
手続きが遅れると無保険の期間が生じ、医療費が全額自己負担になります。
ただし、無保険の間にかかった医療費は、後日手続きをすれば保険給付分が還付されます。
国民年金も同様に、第3号被保険者から第1号被保険者への種別変更を14日以内に済ませましょう。
なお、国民健康保険・国民年金への切り替えは、住所地の市区町村役場でおこなえます。
6.年金分割の請求
婚姻期間中に納めた厚生年金の記録を夫婦で分け合うには、年金分割の請求手続きが必要です。
請求期限は、離婚成立日の翌日から原則5年以内です。
2026年4月1日より前に離婚した場合は2年以内が請求期限で、いずれの場合も年金事務所で手続きします。
請求方法は合意分割と3号分割の2つがあり、合意分割なら夫婦の合意や調停が必要です。
一方、3号分割なら単独で請求できます。
期限を過ぎると、原則として請求できなくなります。
将来の生活に関わる手続きであるため、期限内に手続きをおこないましょう。
離婚の成立日に関するよくある質問
最後に、離婚の成立日に関するよくある質問に回答します。
休日に離婚届を出した場合、成立日はいつになりますか?
土日や祝日に離婚届を提出した場合、提出した日が離婚成立日になります。
休日はその場で受理されず、内容は翌開庁日に審査されます。
不備がなければ、提出日にさかのぼって受理される流れです。
ただし、不備があったときは受理されません。
不備がある箇所を訂正して再提出し、受理された日が成立日になります。
離婚届を郵送した場合、成立日はいつになりますか?
離婚届を郵送した場合の離婚成立日は、役所に書類が到着したあと、審査を経て受理された日です。
投函日や消印の日付ではないため、狙った日に成立するようコントロールするのは難しいでしょう。
また、郵送事情によっては到着が遅れる可能性もあります。
急ぎの場合は、窓口に直接持参するのがおすすめです。
不備があると、原則として窓口で訂正しなければならなくなります。
記入内容は提出前に確認し、ミスがないようにしましょう。
相手が離婚届の提出を拒否している場合はどうなりますか?
協議離婚の場合、相手が離婚届の提出を拒否していると、離婚届が受理されず離婚が成立しません。
相手が拒否しているからといって、勝手に離婚届を作成・提出するのはやめましょう。
有印私文書偽造罪などの犯罪にあたるおそれがあり、罰則を受ける可能性があります。
また、相手が離婚届不受理申出をおこなっていると、提出しても受け付けてもらえません。
相手の同意が得られないときは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てましょう。
調停や裁判で離婚が認められれば、相手の同意がなくても離婚は成立します。
離婚手続き中・成立直後に配偶者が死亡したらどうなりますか?
離婚成立と死亡のタイミングによって、扱いが離婚か死別か変わります。
たとえば、離婚届が受理される前や調停成立前に死亡した場合は、まだ法律上は夫婦関係が続いている状態です。
そのため、離婚ではなく死別として扱われ、原則として配偶者としての相続人の権利が発生します。
また、遺族年金についても、離婚前であれば受給できる可能性があります。
ただし、遺族年金は保険料納付要件や生計維持関係などの要件を満たす必要があります。
なお、子どもについては、離婚をしてもしなくても常に両親の相続権を持ち続けます。
さいごに|離婚成立日を正確に把握して手続きをスムーズに進めよう
離婚成立日は、単に夫婦関係が終わる日ではありません。
財産分与の基準日や婚姻費用の終了日、慰謝料の時効の起算日など、お金や生活に関わるさまざまな手続きの起点となる日です。
協議・調停・審判・裁判のうち、どの方法で離婚するかによって成立日は変わってきます。
そのため、自分のケースではいつ成立するのかを正確に把握しておきましょう。
離婚成立後の手続きには、児童扶養手当の申請や健康保険・年金の切り替えなど、期限が決まっているものがあります。
期限を過ぎると、受け取れるはずのお金を逃したり、過料が科されたりするリスクがあります。
手続きの進め方に不安があるときや相手との話し合いで行き詰まっている場合は、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
