個人再生の流れは?手続きの期間・必要書類・失敗しないポイントを解説
借金の返済が苦しくなり、「個人再生をすると借金はどのくらい減る?」「手続きはどんな流れで進む?」と不安を感じている方も多いでしょう。
個人再生とは、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年で分割返済していく債務整理の手続きのひとつです。個人再生は裁判所を利用する厳格な手続きであり、申立書類の準備・債権調査・再生計画案の作成など、多くのステップがあります。
書類不備や期限遅れによって手続きが長引いたり、失敗したりするリスクを回避するためにも、しっかりと流れを理解しておきましょう。
本記事では、個人再生の手続きの流れを11ステップで解説します。かかる期間や費用、必要書類、失敗しやすいケース、スムーズに進めるポイントもまとめているので、個人再生を検討している方は参考にしてください。
個人再生とは?借金を大幅に減額して原則3年で返済する手続き
個人再生とは、裁判所を通じて借金を減額し、減額後の借金を原則3年(最長5年)で分割返済していく手続きです。
消費者金融の借金やクレジットカードのリボ払いなどで返済が難しくなった場合でも、個人再生が認められれば、借金を圧縮できる可能性があります。
個人再生の大きな特徴は、自己破産と異なり、住宅ローン返済中の持ち家を残せる可能性がある点です。住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用できれば、住宅ローンは支払い続けながら、それ以外の借金を圧縮できる場合があります。
個人再生を利用できる主な条件
個人再生を利用するための主な条件は以下のとおりです。
- 継続的な収入を得られる見込みがある
- 3〜5年のあいだ返済を続けられる見込みがある
- 無担保債務(住宅ローンなどを除く)が5,000万円以下である
個人再生では、減額後の借金を返済し続けることが前提です。安定した収入がない場合は、個人再生ではなく自己破産など別の手続きを検討する必要があります。
小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。
| 種類 | 特徴 |
| 小規模個人再生 | ・個人再生で一般的に検討される手続き ・給与所得者等再生に比べて返済額を抑えやすい一方、一定数の債権者に反対されると手続きが進められない場合がある |
| 給与所得者等再生 | ・会社員や公務員など、収入が安定している人向けの手続き ・債権者の反対があっても進められる一方で、小規模個人再生より返済額が高くなる傾向がある |
多くのケースでは、まず小規模個人再生を検討します。小規模個人再生は、給与所得者等再生に比べて返済額を抑えやすいためです。
ただし、小規模個人再生では、一定数の債権者から反対されると手続きが進められません。特定の債権者の強い反対が予想されるケースでは、給与所得者等再生を選ぶ必要があります。
どちらの手続きを選ぶべきかは、借金総額や債権者の数、家計状況などによって変わります。自己判断で決めるのではなく、弁護士に相談し、認可の見込みと返済額のバランスを確認したうえで判断しましょう。
【関連記事】個人再生は公務員でもできる?懲戒処分の心配がないなど選択するメリットは多い
個人再生の手続きの流れ11ステップ

個人再生の手続きの流れは以下の11ステップに分けられます。それぞれについて詳しく解説します。
1.弁護士へ相談して受任通知で督促を止める
個人再生を検討している場合、まずは弁護士へ相談しましょう。相談時には、以下の情報をできるだけ正確に伝える必要があります。
| 相談時に伝える項目 | 具体例 |
| 借入先 | 消費者金融、銀行、カード会社、奨学金など |
| 借金総額 | 元金、利息、遅延損害金を含めた概算 |
| 毎月の返済額 | 各社への返済額、滞納の有無 |
| 収入 | 給与、事業収入、年金、副業収入など |
| 家計状況 | 家賃、住宅ローン、生活費、教育費など |
| 財産 | 預貯金、車、不動産、保険、退職金見込額など |
| 持ち家の有無 | 住宅ローン残高、抵当権、滞納状況など |
弁護士に個人再生を正式に依頼すると、弁護士から債権者へ受任通知が送られます。受任通知を受けとった貸金業者などは、原則として本人への直接の取り立てが法律により禁止されます(貸金業法第21条)。
督促が止まると、精神的な負担が軽くなり、家計の立て直しや弁護士費用の準備を進めやすくなるでしょう。この段階で、個人再生が適しているのか、任意整理や自己破産などほかの債務整理の方がよいのかも確認しておきましょう。
2.債権調査をして借金総額を確定する
弁護士に依頼した後は、各債権者から取引履歴や残高情報を取り寄せ、正確な借金総額を確認します。
債権調査では、以下のような項目を確認します。
- 借入先の会社名・住所
- 借入残高
- 取引開始日
- 保証人・担保の有無
- 過払金の有無
個人再生では、原則として全ての債権者を手続きの対象にしなければなりません。「このカード会社だけは残したい」「保証人に迷惑をかけたくないから申告しない」といった形で、一部の借金だけを除外することはできません。
3.家計や財産を整理して返済可能額を確認する
個人再生では、再生計画どおりに返済を続けられるかどうかが重要です。申し立てる前に家計や財産を整理し、毎月いくら返済に回せるのかを確認してください。
以下のような項目を洗い出しましょう。
| 項目 | 確認内容 |
| 収入 | 手取り給与、賞与、事業収入、年金など |
| 固定費 | 家賃、住宅ローン、保険料、通信費など |
| 生活費 | 食費、日用品費、交通費、医療費など |
| 教育費 | 学費、塾代、給食費、習い事など |
| 扶養家族 | 配偶者、子ども、親など |
また、財産状況の確認も必要です。個人再生では「清算価値保障の原則」があります。清算価値保証の原則とは、「持っている財産の金額よりも少ない金額の借金は減らせない」というルールです。
たとえば、財産を全て処分すれば200万円になる場合、個人再生で返済する金額も200万円以上にする必要があります。預貯金や不動産、自動車、保険の解約返戻金などの財産が多い場合は、その金額に応じて、個人再生での返済額が高くなります。
4.申立書類と必要書類を準備する
借金総額や手続き方針が見えてきたら、地方裁判所に提出する申立書類と添付資料を準備します。
主な申立書類には、以下のようなものがあります。
| 書類 | 概要 |
| 個人再生申立書 | 個人再生を申し立てるための基本書類 |
| 陳述書 | 借金を負った経緯や生活状況を説明する書類 |
| 債権者一覧表 | 借入先・借金額・保証人の有無などを整理する書類 |
| 財産目録 | 預貯金、車、不動産、保険などの財産を記載する書類 |
| 家計収支表 | 毎月の収入・支出を記載する書類 |
| 清算価値算出シート | 財産価値を整理する資料 |
| 可処分所得算出シート | 給与所得者等再生で必要になる資料 |
さらに、給与明細や源泉徴収票、不動産関係資料など、収入や財産を裏付ける資料も必要です。書類に不備や漏れがあると、裁判所から補正や追加提出を求められ、手続きが遅れる可能性があります。弁護士から指示された書類は、できるだけ早めに集めましょう。
5.地方裁判所へ個人再生を申し立てる
必要書類がそろったら、住所地を管轄する地方裁判所へ個人再生を申し立てます。
申立て時には、以下の費用が必要になります。
| 費用項目 | 概要 |
| 収入印紙 | 申立手数料 |
| 郵便切手 | 裁判所から債権者などへ書類を送るための費用 |
| 予納金 | 官報公告費用、個人再生委員費用 |
| 弁護士費用 | 弁護士に依頼する場合の費用 |
実際にかかる費用は、裁判所の運用や事案によって異なります。たとえば千葉地方裁判所の資料では、収入印紙1万円、予納郵便切手4,200円、予納金などが案内されています。
住宅ローン特則を利用したい場合は、申立て段階でその旨を明確にし、住宅ローン契約書、不動産登記事項証明書、償還予定表などの資料も準備する必要があります。
6.個人再生委員の選任・履行可能性テストに対応する
裁判所の運用や事案によっては、個人再生委員が選任されます。
個人再生委員とは、裁判所の補助者として、中立・公平な立場で債務者の収入・財産・家計・再生計画の実現可能性などを調査する人です。申立人と面談して収支や財産状況を確認したり、再生計画案作成に助言したりしてくれます。
また、裁判所によっては履行可能性テストがおこなわれます。履行可能性テストとは、再生計画で予定している返済額に近い金額を一定期間積み立て、実際に返済を続けられるかを確認する手続きです。
テスト中に支払いが遅れると、「本当に再生計画どおり返済できるのか」と疑われる可能性があります。家計管理を徹底し、指定された金額を期限どおり積み立てましょう。
7.裁判所から再生手続開始決定が出る
申立書類や返済見込みに問題がないと判断されると、裁判所から再生手続開始決定が出ます。
開始決定が出ると、個人再生手続が正式に進行します。そして、債権者による債権届出、債権額の確認、異議申述など、借金額を確定する手続きに進む流れです。
この段階まで進むと、安易な方針変更は難しくなります。たとえば、途中で「やはり自己破産にしたい」「住宅ローン特則を使わない方針に変えたい」となると、手続き全体の見直しが必要になる場合があります。
申立前の段階で、個人再生を選ぶ理由や返済可能額、住宅ローン特則の利用可否、保証人への影響などを弁護士と十分に確認しておきましょう。
8.債権届出・異議申述で債権額を確定する
再生手続が開始すると、債権者から債権届出が送付されます。債権届出とは、債権者が「自社の債権額はいくらである」と裁判所に届け出る手続きです。
届け出られた金額に誤りがある場合は、異議を述べることができます。たとえば、すでに一部返済済みの金額が反映されていない、利息や遅延損害金の計算に誤りがある、といったケースです。
債権額が確定すると、その金額をもとに再生計画案を作成します。再生計画案の作成は、弁護士が中心となって対応するため、依頼者本人は弁護士から求められた確認や追加資料の提出に協力しましょう。
9.再生計画案を作成・提出して債権者の意見を確認する
債権額や財産状況が整理できたら、再生計画案を作成して裁判所へ提出します。
再生計画案には、主に以下の内容を記載します。
- 返済総額
- 返済期間
- 返済開始時期
- 各債権者への返済額
- 返済方法
- 住宅ローン特則を利用する場合の住宅ローンの返済条件 など
再生計画案は、裁判所が定めた提出期限までに提出しなければなりません。期限までに提出できないと、個人再生の手続きが進められなくなる可能性があるため、早めに返済内容を整理しておきましょう。
なお、小規模個人再生では、債権者の意見を確認する手続きがあり、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 同意しない債権者が債権者総数の半数未満
- 同意しない債権者の債権額総額の2分の1以下
債権者の反対が予想される場合は、給与所得者等再生を選ぶこととなります。
【参考元】個人再生手続Q&A|裁判所
10.再生計画の認可決定を受ける
裁判所が再生計画案の内容や返済可能性に問題がないと判断すると、再生計画の認可決定が出ます。認可決定は、提出した再生計画案が裁判所に認められたことを意味します。個人再生手続きの大きな区切りといえるでしょう。
一方で、再生計画案の内容に問題がある場合や、返済を続けられる見込みがないと判断された場合は、不認可となる可能性があります。
不認可になると、個人再生による借金の減額は受けられません。あらためて再申立てを検討したり、自己破産や任意整理など別の債務整理を検討したりする必要があります。
ただし、認可決定が出たからといって、すぐに借金が減額されるわけではありません。再生計画どおりに返済を続け、計画を履行すれば、残りの債務の免除につながります。
11.認可後に返済を開始する
再生計画の認可決定が確定した後は、計画で定めた内容に沿って返済を開始します。
返済期間は原則3年です。ただし、病気や失業、家族の介護などにより3年間での返済が難しいといった特別な事情がある場合には、最長5年まで延長できるケースがあります。
返済開始後に滞納すると、再生計画が取り消されるリスクがあります。せっかく認可された計画が取り消されると、減額前の借金を再び請求される可能性もあるため注意が必要です。
返済が難しくなりそうな場合は、放置せず早めに弁護士へ相談してください。病気や失業、収入減少などやむを得ない事情がある場合は、返済計画の変更などを検討できる可能性があります。
個人再生にかかる期間の目安
個人再生は、相談から申立てまでに1〜3ヵ月程度、申立てから認可決定までに半年程度かかる手続きです。全体としては、相談から返済開始まで6ヵ月〜1年程度を見込んでおくとよいでしょう。
| 段階 | 期間の目安 |
| 弁護士相談〜受任通知 | 数日〜数週間 |
| 債権調査・書類準備 | 1〜3ヵ月程度 |
| 申し立て〜開始決定 | 数週間〜1ヵ月程度 |
| 開始決定〜再生計画案提出 | 2〜3ヵ月程度 |
| 再生計画案提出〜認可決定 | 1〜2ヵ月程度 |
| 認可後の返済 | 原則3年、最長5年 |
実際の期間は、裁判所の運用や個人再生委員の選任有無、債権者の対応、本人の資料準備スピードなどによって変わります。
相談から申立てまでに1〜3ヵ月程度かかることがある
弁護士へ相談した後、すぐに裁判所へ申し立てられるわけではありません。
まず、弁護士が各債権者に受任通知を送り、取引履歴や債権額の資料を取り寄せます。加えて、本人側でも収入資料や財産資料、住民票などを準備する必要があります。
特に時間がかかりやすいのは、以下のような資料です。
- 過去数年分の通帳コピー
- 保険の解約返戻金証明書
- 退職金見込額証明書
- 不動産の査定書
- 確定申告書
- 事業用口座の明細
- 車の査定書
- 住宅ローン関係資料
書類の取得や家計の整理が遅れると、申立てまでの期間も延びます。弁護士から依頼された資料は、優先的に集めましょう。
申立てから認可決定までは半年程度かかることが多い
地方裁判所へ個人再生を申し立ててから、再生計画の認可決定が出るまでは、半年程度かかるケースが多いです。
申立後には、以下のような手続きが続きます。
| 手続き | 内容 |
| 個人再生委員の選任 | 収入・財産・返済可能性の調査 |
| 履行可能性テスト | 返済予定額を積み立てる |
| 再生手続開始決定 | 手続きが正式に開始する |
| 債権届出 | 債権者が債権額を届け出る |
| 異議申述 | 債権額に誤りがあれば争う |
| 再生計画案提出 | 返済計画を裁判所へ提出する |
| 債権者の意見確認 | 小規模個人再生では不同意を確認する |
| 認可決定 | 裁判所が再生計画を認める |
実際、認可決定までの期間は裁判所の運用や事案によって前後します。たとえば、個人再生委員が選任される場合や債権者の数が多い場合、財産調査が複雑な場合などは、時間がかかりやすくなるでしょう。
認可後は原則3年、事情によっては最長5年で返済する
再生計画の認可後は、原則3年で減額後の借金を分割返済します。
特別な事情がある場合は、最長5年まで返済期間を延長できる可能性があります。たとえば、子どもの教育費や医療費などで3年返済では家計に無理があるものの、5年であれば返済を継続できるようなケースです。
ただし、返済期間の延長は必ず認められるわけではありません。裁判所に特別な事情を説明し、返済可能性を示す必要があります。
個人事業主は資料準備や収入確認に時間がかかりやすい
個人事業主や自営業者が個人再生を申し立てる場合、会社員よりも資料準備に時間がかかりやすい傾向があります。
給与明細だけで収入を確認できる会社員と異なり、個人事業主は売上・経費・事業用資産・今後の収入見込みなどを整理する必要があるためです。月ごとの売上に波がある場合は、継続して返済できるかどうかも慎重に確認されます。
そのため、個人事業主は以下のような資料を準備する必要があります。
| 書類 | 内容 |
| 確定申告書 | 直近2年分程度の所得状況を確認する資料 |
| 帳簿 | 売上・経費の記録 |
| 事業用口座の通帳 | 入出金の流れを確認する資料 |
| 売上資料 | 請求書、入金明細、売上台帳など |
| 経費資料 | 領収書、支払明細、経費帳など |
| 事業資産の資料 | 機材、車両、在庫などの内容がわかる資料 |
| 今後の収入見込み | 継続的な取引先や受注見込みを説明する資料 |
継続的な取引先や受注見込みを説明できれば、手続きの見通しを立てやすくなります。一方、事業資金と生活費を同じ口座で管理している場合は、収支がわかりにくく追加資料を求められる可能性があるため、早めに弁護士へ相談しましょう。
個人再生に必要な書類
個人再生では、借金・収入・財産・家計状況を裁判所に説明するため、多くの書類を提出します。
個人再生は、借金を減額してもらう代わりに、再生計画案に沿って返済を続ける手続きです。返済を続けられる見込みがあるか、財産を処分した場合と比べて債権者に不利益がないかを確認するため、幅広い資料が必要になります。
必要書類は、主に以下の3つに分けられます。
| 種類 | 主な書類 |
| 申立ての際に作成する書類 | 申立書、陳述書、債権者一覧表、財産目録など |
| 手続き開始後に作成する書類 | 債権認否一覧表、再生計画案、返済計画表など |
| 作成した書類の内容を補充する資料 | 給与明細、通帳、保険証券、不動産資料など |
書類が不足していると、申立ての準備が進まなかったり、追加提出を求められたりします。借金の金額だけでなく、家計や財産の状況まで確認される手続きなので、早い段階から資料を集めておきましょう。
申立ての際に作成する書類
個人再生を始めるには、まず地方裁判所へ申立書類を提出します。
申立書類では、「誰が」「どのような借金を抱え」「どのような財産・収入状況にあるのか」を整理して裁判所に伝えます。個人再生を開始できるかを判断するための土台になる書類といえるでしょう。
なお、個人再生の書式は裁判所ごとに異なる場合があります。実際に準備する際は、申立予定の地方裁判所の案内や弁護士の指示に従いましょう。
| 書類 | 内容 |
| 個人再生申立書 | 氏名、住所、職業、手続きの種類など |
| 陳述書 | 借金を負った経緯、生活状況、収入状況 |
| 債権者一覧表 | 債権者名、住所、債権額、保証人の有無 |
| 財産目録 | 預貯金、不動産、自動車、保険、退職金など |
| 家計収支表 | 世帯の収入・支出 |
| 清算価値チェックシート | 財産を処分した場合の価値 |
| 可処分所得算出シート | 可処分所得(給与所得者等再生でのみ使用) |
住宅ローン特則を利用する場合は、住宅資金特別条項に関する書類も必要です。持ち家を残したい場合は、住宅ローンの契約内容、残高、不動産の権利関係を早めに確認しておきましょう。
手続き開始後に作成する書類
再生手続開始決定後は、債権額を確認し、実際にどのように返済していくかを示す書類を作成します。具体的には、以下のような書類が必要となります。
| 書類 | 内容 |
| 債権認否一覧表 | 債権者が届け出た債権額を認めるかどうか |
| 異議申述書 | 債権額に誤りがある場合に提出 |
| 財産状況報告書 | 開始決定後の財産状況を報告 |
| 再生計画案 | 減額後の借金をどう返済するかを示す |
| 返済計画表 | 各債権者への支払額・支払時期 |
特に重要なのが、再生計画案です。再生計画案には、返済総額や返済期間、返済開始時期などを具体的かつ正確に記載する必要があります。
弁護士に個人再生を依頼している場合は、弁護士が債権額や家計状況を整理し、返済可能な内容になるよう作成をサポートしてくれます。ただし、収入資料や家計資料の提出が遅れると、再生計画案の作成も進みません。
弁護士から資料提出や確認の連絡があった場合は、早めに対応しましょう。
作成した書類の内容を補充する資料
申立書や財産目録に書いた内容を裏付けるため、収入・財産・家計状況を示す資料も提出します。
書類に数字を書くだけでは、収入や財産の実態までは確認できません。通帳、給与明細、保険証券などの資料の添付によって、申立内容の正確性を示す必要があります。
| 種類 | 主な資料 |
| 収入関係 | 給与明細、源泉徴収票、課税証明書、確定申告書、年金通知書 |
| 預貯金関係 | 通帳コピー、取引履歴明細 |
| 保険関係 | 保険証券、解約返戻金証明書 |
| 車関係 | 車検証、査定書、ローン契約書 |
| 不動産関係 | 登記事項証明書、固定資産評価証明書、査定書 |
| 退職金関係 | 退職金見込額証明書、就業規則 |
| 家計関係 | 家賃資料、住宅ローン明細、光熱費、通信費、保険料の明細 |
| 住宅ローン特則関係 | 住宅ローン契約書、抵当権設定契約書、償還予定 |
個人再生を進めるうえでは、申立書類と添付資料の整合性が重要です。たとえば、家計収支表に記載した家賃や保険料が通帳の引き落とし額と合っているか、財産目録に記載した預貯金額が通帳残高と一致しているかなどが見られます。
金額が食い違っている場合は、理由を説明できるようにしておく必要があります。給与が振り込まれる口座、生活費を支払う口座、事業用の口座が分かれている場合は、それぞれの通帳や取引履歴も整理しておきましょう。
個人再生にかかる費用の目安
個人再生では、裁判所に納める費用、個人再生委員が選任された場合の費用、弁護士に依頼する場合の費用がかかります。
費用の総額は、申立先の地方裁判所、個人再生委員の選任有無、住宅ローン特則を利用するかどうかなどによって変わります。申立前に、裁判所費用と弁護士費用を分けて確認しておきましょう。
| 費用項目 | 内容 | 相場目安 |
| 申立手数料(収入印紙代) | 申立書に貼付して納める手数料 | 1万円程度 |
| 予納郵券代 | 裁判所から債権者などへ書類を送るための郵便切手代 | 2,000円程度 |
| 予納金 | 官報公告費や個人再生委員の報酬などをまかなうために納める費用 | 裁判所や事案により異なる |
| 個人再生委員の報酬 | 個人再生委員が選任される場合に必要な費用 | 15万〜25万円程度 |
| 弁護士費用 | 弁護士に個人再生を依頼する場合の費用 | 合計50万〜80万円程度 |
弁護士に相談する際は、裁判所費用・個人再生委員費用・弁護士費用を含めた総額を確認しておくと安心です。
裁判所費用
個人再生を申し立てる際は、収入印紙、郵便切手、官報公告費、予納金などの裁判所費用が必要です。
裁判所費用は、弁護士費用とは別に発生します。弁護士費用だけを見ていると、申立て時に必要な実費を見落としやすいため注意しましょう。
特に注意したいのが、予納金です。予納金には官報公告費などが含まれます。個人再生委員が選任される場合は、必要額が大きくなります。たとえば、千葉地方裁判所では、収入印紙は1万円、予納郵便切手は4,200円です。
予納金は、代理人弁護士が付いている場合は1万3,496円、代理人弁護士が付いていない場合は21万3,496円とされています。
申立先の地方裁判所によって運用が異なります。正確な金額は、申立先の地方裁判所や弁護士に確認しておきましょう。
【参考元】個人再生事件の申立てに必要な書類と費用
個人再生委員の選任費用
個人再生委員が選任される場合は、個人再生委員の報酬にあたる費用が必要です。費用相場は15万〜25万円程度で、予納金に含む形で裁判所に納めるのが一般的です。
個人再生委員は、申立人の収入、財産、家計、返済可能性などを確認する立場です。本人申立ての場合や、収入・財産関係が複雑な場合、返済可能性の確認が必要な場合などに選任される傾向があります。
【関連記事】個人再生は司法書士と弁護士のどちらに依頼すべき?費用や対応の違いを解説
【参考元】
破産・再生事件手続費用一覧表|最高裁判所
個人再生手続説明書
弁護士費用
弁護士に個人再生を依頼する場合は、相談料、着手金、報酬金、実費などがかかります。個人再生の弁護士費用は、合計50万〜80万円程度が目安です。
| 費用項目 | 内容 | 費用相場・目安 |
| 相談料 | 弁護士に個人再生の見通しや費用を相談する費用 | 無料または5,000〜1万円/1時間 |
| 着手金 | 弁護士に正式依頼するときに発生する費用 | 20万〜50万円程度 |
| 報酬金 | 個人再生が認可された場合などに発生する費用 | 30万〜40万円程度 |
| その他実費 | 郵送費、コピー代、書類取得費、交通費など | 3万〜5万円程度 |
| 合計 | 50万〜80万円程度 | |
弁護士費用は、法律事務所によって金額や請求方法が異なります。着手金と報酬金を分けて請求する事務所もあれば、手数料として一括で請求する事務所もあります。
費用の安さだけで選ぶと、対応範囲が限られていたり、追加費用が発生したりする場合があります。料金だけでなく、説明のわかりやすさ、住宅ローン特則への対応、個人事業主への対応経験も含めて比較しましょう。
個人再生が失敗するケースと注意点
個人再生は、申し立てれば必ず認められる手続きではありません。借金を減額してもらう代わりに、減額後の借金を継続して返済できる旨を正確に示す必要があります。
個人再生における代表的な失敗ケースは、以下のとおりです。
- 継続的な収入がなく返済能力を示せない場合
- 書類不備や虚偽申告がある場合
- 小規模個人再生で債権者の反対が一定数を超えた場合
- 再生計画案を期限までに提出できない場合
- 履行可能性テストの支払いが遅れた場合
- 認可後の返済が滞った場合
以下では、それぞれの失敗ケースの具体的な内容や注意点などについて詳しく解説します。
継続的な収入がなく返済能力を示せない場合
個人再生は、減額後の借金を原則3年で完済する手続きです。
返済の原資になるのは、給与・事業収入・年金などの継続的な収入です。将来の収入見込みを示せない場合、再生計画どおりに返済できないと判断され、手続きが認められにくくなります。
返済能力を確認する際は、以下のような点が見られます。
- 毎月の収入
- 収入の安定性
- 支出の状況
- 扶養家族の有無
- 収入減少リスク(退職、廃業、病気などの可能性)
転職直後、休職中、収入が大きく変動している場合などは、今後も返済を続けられるかを慎重に確認されます。
個人事業主や自営業者も個人再生を利用できる可能性はありますが、売上に波がある場合は注意が必要です。継続的な取引先、入金予定、経費削減後の返済原資などを資料で示す必要があります。
返済能力を示すのが難しい場合は、自己破産や任意整理など別の手続きが向いているケースもあるでしょう。無理に個人再生を選ぶのではなく、返済を続けられる現実的な見通しを立てるのが大切です。
書類不備や虚偽申告がある場合
申立書類に不備がある場合や、借金・財産・収入について虚偽申告がある場合、手続きが止まる可能性があります。
個人再生では、債権者を平等に扱う必要があります。一部の借金だけを隠したり、財産を少なく申告したりすると、再生計画の前提が崩れてしまいます。
特に注意すべきNG例は、以下のとおりです。
- 一部の債権者を申告しない
- 家族や友人への借金だけ隠す
- 預貯金を少なく申告する
- 保険の解約返戻金を申告しない
- 車や不動産を隠す
- 収入を実際より低く申告する
手続き上不利と思える事情があっても、弁護士には必ず正直に伝えてください。弁護士が財産状況を事前に把握できていれば、資料の出し方や説明方法を検討できます。隠したまま手続きを進める方が、後から大きな問題になりやすいと覚えておきましょう。
小規模個人再生で債権者の反対が一定数を超えた場合
小規模個人再生では、再生計画案に対して債権者の反対が多いと、計画案が認可されない可能性があります。
小規模個人再生は、給与所得者等再生と違い、債権者の書面決議を経る手続きです。以下のいずれかに当てはまる場合、再生計画案は可決されません。
- 債権者総数の半数以上が反対
- 反対した債権者の債権額が総債権額の2分の1を超える
反対が予想される債権者がいる場合は、給与所得者等再生の利用も含めて検討が必要です。
再生計画案を期限までに提出できない場合
再生計画案を裁判所の期限までに提出できない場合、個人再生の手続きが進まなくなる可能性があります。
再生計画案は、減額後の借金をどのように返済するかを示す重要な書類です。確定した債権額、財産状況、家計収支、返済原資などをもとに作成します。
弁護士に依頼している場合でも、再生計画案は自動で作られるわけではなく、本人の協力が欠かせません。通帳コピーや保険資料、不動産資料、家計資料などの提出が遅れると、再生計画案の作成も遅れます。
提出期限を守るには、申立前から資料を整理しておきましょう。
履行可能性テストの支払いが遅れた場合
履行可能性テストは、再生計画どおりに返済できるかを確認するためのものです。積立てが遅れると、今後の返済も続かないのではないかと判断される可能性があります。
テスト期間中は、以下の点を意識しましょう。
- 先に積立金を確保する
- 固定費を見直す
- 急な医療費などの出費に備えて予備費を蓄える
- 支払いが難しい場合はすぐに弁護士に相談する
「少しくらい遅れても大丈夫」と考えるのは危険です。
履行可能性テストは、再生計画の実現可能性を示す重要な手続きです。支払いが難しくなりそうな段階で、早めに弁護士へ相談しましょう。
認可後の返済が滞った場合
再生計画の認可後に返済が滞ると、再生計画が取り消される可能性があるため注意しましょう。
民事再生法第189条では、再生債務者が再生計画の履行を怠った場合、再生債権者の申立てにより、裁判所が再生計画を取り消せると定められています。
実際に再生計画が取り消されるかは、滞納の回数や金額、今後の返済見込みなどによって変わります。ただし、法律上は返済を怠ること自体が取消しの原因になり得るといえるでしょう。
返済が厳しいと感じたら、支払期限を過ぎる前に弁護士へ相談してください。
個人再生の手続きをスムーズに進めるポイント
弁護士に依頼した場合でも、個人再生をスムーズに進めるには申立人本人の協力が欠かせません。特に重要なポイントは、以下の6つです。
- 手続きの流れを把握しておく
- 必要書類は期限を守って準備する
- 借金・財産・収入を正直に申告する
- 無理のない再生計画を立てる
- 弁護士や裁判所からの連絡に速やかに対応する
- 早期に弁護士に相談する
それぞれについて、具体的に解説します。
手続きの流れを把握しておく
個人再生をスムーズに進めるには、申立てから返済開始までの流れを事前に把握しておきましょう。
全体像がわからないまま進めると、どの段階で何の書類が必要になるのか、いつまでに対応すべきなのかを判断しにくくなります。結果、書類準備や連絡対応が遅れ、手続き全体に影響する可能性があるでしょう。
あらかじめ手続きの流れを理解しておけば、次に必要な対応を予測しやすくなります。弁護士に依頼した後も、現在の手続きがどの段階にあるのか、次に何を準備すべきかを確認しながら進めましょう。
必要書類は期限を守って準備する
個人再生をスムーズに進めるには、弁護士や裁判所から求められた必要書類を、期限内に準備しましょう。
個人再生では、借金・収入・財産・家計状況を資料にもとづいて確認します。必要書類の提出が遅れると、申立ての準備が進まなかったり、再生計画案の作成が遅れたりする可能性があります。
金融機関の取引履歴や不動産関係資料、退職金見込額証明書などは、取得までに一定の時間がかかるのが一般的です。後回しにすると期限に間に合わなくなるおそれがあるため、弁護士から案内を受けたら早めに準備を始めましょう。
借金・財産・収入を正直に申告する
個人再生では、借金・財産・収入を隠さず正直に申告する必要があります。
個人再生は、全ての債権者を公平に扱いながら、返済可能な再生計画を立てる手続きです。一部の債権者だけを外したり、財産を少なく見せたりすると、手続きの前提が崩れてしまいます。
たとえば、以下のような借金や財産について漏れなく申告する必要があります。
| 借金 | ・家族や友人からの借入 ・保証人がついている借金 ・奨学金 ・勤務先からの借入 など |
| 財産 | ・預貯金 ・生命保険 ・自動車 ・不動産 ・退職金見込額など |
収入についても、給与だけでなく、副業収入・事業収入・年金・家族からの援助などがあれば正確に伝えましょう。
借金や財産などに関して虚偽の申告があった事実があとから発覚すると、裁判所や債権者の信頼を損ない、手続きに悪影響が出る可能性があります。
無理のない再生計画を立てる
個人再生では、認可後に返済を続けられる再生計画を立ててください。
再生計画は、裁判所の認可を目的に作るものではありません。認可後、原則3年、事情によっては最長5年にわたる継続的な返済を前提に作成します。
毎月の返済額を無理に高く設定すると、認可後に家計が回らなくなる可能性があります。返済が滞れば、再生計画が取り消されるリスクもあるため、今後の生活費や急な支出も踏まえて計画を立てることが大切です。
再生計画を立てる際は、「数年間返済を続けても生活が成り立つか」を確認しましょう。家計に余裕がない場合は、支出の見直しや返済額の調整について、弁護士に相談しましょう。
弁護士や裁判所からの連絡に速やかに対応する
個人再生の手続き中は、弁護士や裁判所からの連絡に速やかに対応しましょう。
手続きの途中では、追加資料の提出や記載内容の確認、家計状況の説明などを求められる場合があります。対応が遅れると、申立てや再生計画案の作成が進まず、手続き全体が停滞する可能性があります。
特に、再生計画案の提出期限が近い時期や、裁判所から補足説明を求められた場面では、早めの対応が必要です。
仕事や家庭の事情で日中に対応しにくい場合は、あらかじめ連絡がつきやすい時間帯や希望する連絡方法を伝えておきましょう。電話に出られない場合に備えて、メールやメッセージで返信できる体制を整えておくのもおすすめです。
すぐに資料を提出できない場合でも、いつまでに対応できそうかを伝えておけば、手続きの停滞を防ぎやすくなるでしょう。
早期に弁護士へ相談する
個人再生を検討している場合は、借金問題が深刻化する前に弁護士へ相談するのが大切です。
早めに相談すれば、利息や遅延損害金によって借金が膨らむ前に、個人再生や任意整理などの適切な手続きを検討可能です。滞納が長期化するほど返済の負担は重くなり、選択できる対応も限られてしまいます。
相談が遅れると、給与や預貯金を差し押さえられたり、住宅ローンの滞納によって自宅を失うリスクが高まったりする可能性があります。保証人がいる場合は、保証人に請求が及ぶケースもあるでしょう。
特に、借金を返済するために新たな借入れをしている状態であればすぐに相談するべきです。返済を続けられているように見えても、実態としては借金総額が雪だるま式に増えている可能性があります。
毎月の借金返済に追われている場合は、「今はまだ大丈夫」と自己判断で先延ばしにせずに、早めに弁護士に相談してください。
個人再生に強い弁護士の選び方

個人再生は裁判所を介する複雑な手続きです。裁判所対応や再生計画案の作成など、専門的な知識や経験をもとにした判断が必要となるため、個人再生に強い弁護士に依頼しましょう。
ここでは、個人再生に強い弁護士の選び方について詳しく解説します。
個人再生・債務整理の取扱実績を確認する
個人再生を依頼する際は、個人再生や債務整理の取扱実績がある弁護士を選びましょう。
個人再生では、収入・財産・借金の状況によって、必要書類や再生計画案の内容が変わります。経験のある弁護士であれば、住宅ローン特則を利用するケースや、自営業者・個人事業主のケースなど、事案に応じた進め方を提案してくれます。
弁護士を選ぶ際は、法律事務所の公式サイトで、個人再生の取扱実績や解決事例を確認してください。自分と職業・借金総額・家族構成が近い事例があれば、相談先を比較する材料になるでしょう。
ただし、掲載されている実績の件数だけで判断するのは避けましょう。初回相談では、似た事案を扱った経験や、手続き上の注意点を具体的に確認するのが大切です。
費用体系や分割払いの可否を確認する
弁護士へ依頼する前に、費用の総額・支払時期・分割払いの条件を確認しましょう。
着手金と報酬金が別に設定されている事務所もあれば、実費を依頼者が別途負担する事務所もあります。住宅ローン特則の利用、債権者数の増加、申立方針の変更によって、追加費用が発生するケースもあります。
まとまった費用を用意するのが難しい場合は、分割払いの可否も確認してください。月々の支払額だけでなく、申立てまでにいくら支払う必要があるか、支払いが遅れた場合に手続きへ影響するかも確認しておきましょう。
契約前には、見積書や委任契約書で、以下の項目についてしっかり確認してください。
- 費用の総額・内訳
- 支払時期
- 追加費用の可能性
- 不認可となった場合の精算方法
不明点を残さず、支払計画をきちんと立てておけば、費用をめぐるトラブルを防ぎやすくなります。
リスクやデメリットも説明してくれるか確認する
弁護士を選ぶ際は、個人再生のメリットだけでなく、起こり得るリスクやデメリットまで具体的に説明してくれるか確認しましょう。
個人再生を申し立てても、必ず希望どおりになるとは限りません。収入や財産、ローン契約、保証人の有無などによって、手続きの結果や影響が変わるためです。
たとえば、個人再生では以下のようなリスク・デメリットが考えられます。
- 住宅ローン特則の条件を満たさなければ、持ち家を残せない可能性がある
- 所有権留保の付いた車は引き揚げられることがある
- 保証人付きの借金があれば、保証人へ請求が及ぶ
- クレジットカードやローンが利用できなくなる
再生計画案が認可されない可能性がある点も見逃せません。認可後に返済を続けられなければ、再生計画が取り消されるリスクもあります。
初回相談では、自分のケースでどのような不利益が生じる可能性があるか、リスクを軽減する方法があるかを質問しましょう。個人再生が適さない場合に、任意整理や自己破産など別の手続きを提案してくれるかも重要な判断材料です。
【関連記事】土日に弁護士へ無料電話相談できる窓口を紹介!探し方や相談するメリットを解説
個人再生を弁護士に相談するなら「ベンナビ債務整理」
個人再生を検討しているなら、債務整理に注力している弁護士・司法書士を探せる「ベンナビ債務整理」の活用がおすすめです。
ベンナビ債務整理では、都道府県や相談内容から、債務整理に対応している専門家を検索できます。個人再生に強い弁護士・司法書士の検索ページでは、全国で273件が該当しています(2026年6月時点)。
以下のような条件で絞り込めるため、自分の状況に合う相談先を探しやすい点もメリットです。
- 初回相談無料
- 来所不要
- 電話相談可
- 休日相談可
- オンライン面談可
- 分割払い可
- 後払い可
個人再生は、住宅ローン特則の利用可否や返済計画の見通しなど、専門的な判断が必要になる手続きです。早めに弁護士へ相談すれば、自分に合った債務整理方法を検討しやすくなります。
「ベンナビ債務整理」に掲載されている個人再生の解決事例
「ベンナビ債務整理」には、個人再生によって借金総額や毎月の返済額を減らせた解決事例が掲載されています。
個人再生では、借金の総額・収入・財産状況・住宅ローンの有無などによって返済額や手続き方針が変わります。事例を確認すれば、手続き後のイメージを持ちやすくなるでしょう。
解決事例1.自宅を残しながら借金を600万円から200万円に減額できた
| 相談者:男性 年齢:40代 借入先:8社 不動産:あり <相談者の状況> 相談者は、ギャンブルが原因で借金が増え、総額は600万円に達していました。毎月の返済額も19万円と高額で、返済を続けながら生活を維持するのが難しい状況でした。一方で、自宅は手放さず、今後も住み続けたいと希望していました。 |
自己破産では、自宅を処分しなければならない可能性があります。相談者の希望と収入状況を踏まえ、自宅を維持しながら住宅ローン以外の借金を減額できる可能性がある個人再生を選択しました。
手続きでは住宅ローンの弁済許可を受け、住宅に関する返済を続けながら、そのほかの借金の整理に成功。
結果として、600万円あった借金のうち200万円を3年間で返済する再生計画案が認可されました。毎月の返済額も19万円から5万5,000円まで減り、400万円の減額に成功しています。
相談者は認可後も返済を継続し、最終的に200万円を完済しました。自宅を残しながら、家計に合わせた返済へ切り替えられた事例です。
【参考記事】自宅を残しつつ個人再生|ベンナビ債務整理
解決事例2.月々の返済額を15万円から3万9,000円に抑えられた事例
| 相談者:男性 年齢:40代 職業:会社員 借入先:7社 不動産:なし <相談者の状況> 相談者は、ギャンブルやオンラインゲームへの課金、浪費によって、約700万円の借金を抱えていました。毎月の返済額は15万円に達しており、返済を続けながら生活を立て直すのが難しい状況でした。一方で、会社員として安定した収入があり、月5万円以内であれば継続して返済できる見込みがありました。 |
相談者は、返済能力を踏まえて個人再生を選択しました。手続きの結果、700万円の借金のうち140万円を3年間で返済する再生計画案が認可されました。
結果、毎月の返済額は15万円から3万9,000円に減少。借金総額も560万円減額され、毎月の負担を大幅に軽減。相談者は認可された再生計画に沿って返済を続け、3年間で無事に完済しました。
収入に見合った返済額に調整し、返済と日常生活を両立できた事例です。
【参考記事】700万円の借金が個人再生で約140万円に減額|ベンナビ債務整理
個人再生についてよくある質問
ここでは、個人再生についてよくある質問に回答します。
個人再生は家族に内緒で進められる?
同居家族に完全に内緒で個人再生を進めるのは難しい場合が多いです。
個人再生では、家計収支表や同居家族の収入資料が必要になる場合があります。家族の収入や生活費、住宅ローンなどを確認するために、同居家族の協力が求められる場面も少なくありません。
法律事務所によっては、裁判所からの書類などは自宅へ郵送せずに法律事務所に届けるといった対応も可能です。しかし、手続きを進めるための資料を準備する過程で知られる可能性は高いでしょう。
生活再建には家族の理解や協力が重要です。どう伝えるべきか不安な場合は、事前に弁護士へ相談しましょう。
【関連記事】個人再生が家族に与える影響|家族に内緒にしたいなら
個人再生は自分でできる?
個人再生は法律上、自分で申し立てることも可能です。
ただし、手続きは非常に複雑です。申立書類や再生計画案の作成、裁判所対応などを自分でおこなう必要があります。裁判所資料でも、本人で手続きを進めるのは相当難しいため、弁護士など法律の専門家への相談をすすめる旨が記載されています。
また、本人申立ての場合、個人再生委員が選任されるのが一般的です。個人再生委員への報酬を加味すると、自分で申し立てたとしても、結局弁護士に依頼した時と同程度の費用がかかる可能性もあります。
書類の不備や方針ミスで失敗するリスクを避けるため、少なくとも弁護士に相談して見通しを確認しましょう。
【参考元】借金を整理する手続について |裁判所
個人再生をすると保証人に影響はある?
保証人付きの借金がある場合、個人再生をしても保証人の返済義務は減りません。
個人再生の効果は、原則として手続きをした本人に限られます。奨学金、事業資金、保証人付きローンなどがある場合、債権者から保証人へ請求がいってしまいます。
保証人への影響を抑える方法や、事前説明のタイミングについては、弁護士と相談して決めましょう。
個人再生中にクレジットカードは使える?
個人再生をすると、基本的にクレジットカードは使えなくなります。
個人再生を弁護士に依頼した場合は、手続き開始時点で支払いが残っているカード会社に対して受任通知が送付されます。受任通知を受け取った時点で、カード会社は契約約款に基づき契約を解除するのが一般的です。
また、個人再生をすると、借金に関する個人情報を管理している信用情報機関に事故情報が登録されます。カード会社は、新規契約時や更新時、途上与信(月に一回など会社ごとのタイミング)などの際に信用情報を参照して審査をします。
そのため、現在使っていないクレジットカードであっても、使えなくなってしまいます。
個人再生の事故情報は、最長で「減額後の借金を完済してから5年間」は残り続けます。その期間はクレジットカードの利用が難しいため、デビットカードやプリペイドカードなどの代替手段の検討が必要です。
【関連記事】個人再生後、ローンを組めるのはいつから?住宅ローン借入時の注意点も解説
個人再生後に返済できなくなったらどうなる?
個人再生後に再生計画どおり返済できなくなった場合、再生計画が取り消される可能性があります。
返済を放置すると、せっかく認可された再生計画が取消しになり、減額前の借金を請求されるリスクがあります。ただし、病気、失業、収入減少などやむを得ない事情がある場合は、返済計画の変更や別の債務整理なども検討可能です。
重要なのは、滞納してからではなく、返済が厳しくなりそうな段階で相談することです。早めに弁護士へ連絡すれば、選択肢を検討しやすくなります。
個人再生をすると官報に掲載される?
個人再生をすると、氏名や住所などの情報が官報に掲載されます。
個人再生は裁判所を通じておこなう手続きであるため、再生手続開始決定や再生計画認可決定などのタイミングで官報公告がおこなわれます。
官報には、事件番号、氏名、住所、裁判所名、決定内容などが掲載されます。インターネット上で一定期間閲覧できるものの、一般の人が日常的に官報を確認する機会は多くありません。官報だけで周囲に知られる可能性は高くないといえるでしょう。
家族や勤務先に知られるのが不安な場合は、事前に弁護士へ相談し、対応方法を確認しましょう。
個人再生の成功率は?借金はどのくらい減る?
令和6年の司法統計年報によると、個人再生の成功率は約92.8%でした。
具体的には、小規模個人再生と給与所得者等再生の既済事件9,956件のうち、再生手続終結に至ったのは9,239件です。内訳は、小規模個人再生が9,312件中8,657件、給与所得者等再生が644件中582件でした。
ただし、成功率が高いからといって、誰でも必ず認可されるわけではありません。書類不備がない、返済可能な再生計画を立てる、裁判所の要件を満たす、という3点を守るのが重要です。
また、借金がどのくらい減るかは、借金総額、財産状況、収入、手続きの種類によって異なります。小規模個人再生における最低弁済額(減額後の借金額)の目安は以下のとおりです。
| 借金総額 | 最低弁済額 |
| 100万円未満 | 100万円(減額不可) |
| 100万円以上500万円以下 | 100万円 |
| 500万円超1,500万円以下 | 借金総額の5分の1 |
| 1,500万円超3,000万円以下 | 300万円 |
| 3,000万円超5,000万円以下 | 借金総額の10分の1 |
ただし、実際の返済額は最低弁済額だけで決まるわけではありません。財産が多い場合は清算価値が基準になり、給与所得者等再生では可処分所得2年分も考慮されます。実際にどのくらい減額できるかは、弁護士に試算してもらいましょう。
【関連記事】個人再生の最低弁済額はいくら?額を決める3つの基準や確認方法を解説
個人再生は2回目でもできる?
個人再生は、2回目でも利用できる可能性があります。
ただし、前回の手続き内容や時期、再び返済不能になった理由によって、裁判所の判断は慎重になる可能性があります。
小規模個人再生については、2回目の申立て自体が一律に禁止されているわけではありません。一方で、給与所得者等再生の場合は、過去に給与所得者等再生や自己破産の免責などを受けていると、一定期間利用できない場合があります。
2回目の個人再生を検討している場合は、前回の再生計画どおり返済できなかった原因を整理し、今後は返済を継続できる見込みがあるかを弁護士と確認しましょう。
個人再生で職業制限はある?
個人再生によって職業制限を受ける心配はありません。自己破産では、手続き中に一部の資格や職業に制限が生じる場合があります。しかし、個人再生では原則として職業や資格に制限はありません。
警備員・保険外交員・士業など、自己破産では影響が出る可能性がある職業の人でも、個人再生であれば仕事を続けながら借金整理を進められます。
ただし、勤務先から借入れがある場合などは、個人再生をした事実が勤務先に通知されるため、社内での処遇に影響するリスクがあります。
個人再生で車を残す方法はある?
個人再生で車を残せるかどうかは、ローンの有無、車の価値、所有権留保の有無によって変わります。
車のローンが完済済みで本人名義の場合は、車を手元に残せる可能性があります。ただし、車の価値は財産として清算価値に含める必要があるため、高額な車を残す場合は返済総額が増えてしまいます。
一方、車のローンが残っており、ローン会社に所有権留保がある場合は、個人再生の対象にすると車を引き揚げられる可能性があります。
また、車を残したいからといって、車のローンだけを優先して支払う行為は偏頗弁済にあたり、個人再生が認められなくなる可能性があるため絶対に避けましょう。車をどうしても残したい事情がある場合は、必ず弁護士へ相談してください。
まとめ|個人再生の流れを理解し、早めに弁護士へ相談しよう
個人再生は、借金を大幅に減額できる可能性がある一方、裁判所を介した複雑な手続きです。
基本的な流れは以下のとおりです。
- 弁護士へ相談する
- 受任通知で督促を止める
- 債権調査で借金総額を確定する
- 家計・財産を整理する
- 必要書類を準備する
- 地方裁判所へ申し立てる
- 個人再生委員や履行可能性テストに対応する
- 再生手続開始決定を受ける
- 債権額を確定する
- 再生計画案を提出する
- 認可決定後に返済を開始する
個人再生は、相談から申立てまでに1〜3ヵ月程度、申立てから認可決定までに半年程度かかるケースが多く、認可後は原則3年で返済します。
書類不備・返済能力不足・債権者の反対・履行可能性テストの遅れなどがあると、手続きが長引いたり、失敗したりする可能性があるため注意してください。
借金の返済が難しい、給与差押えが不安、持ち家を残したいという方は、早めに弁護士へ相談しましょう。個人再生が向いているのか、自己破産や任意整理のほうがよいのかを含めて、今後の生活再建に合った方法を検討できます。
個人再生や債務整理に詳しい弁護士を探したい方は、地域や相談内容から弁護士を検索できるベンナビ債務整理の利用がおすすめです。
