爆サイに開示請求する方法|開示請求できる内容や弁護士に依頼するメリットも解説
爆サイに誹謗中傷やプライバシーを侵害する投稿があった場合、早く対処しなければ収入や売上げが落ちてしまう可能性があります。
個人やお店の信用にも関わる問題なので、損害が発生したときは爆サイへの開示請求も検討してください。
しかし、爆サイなどのコンテンツプロバイダに開示請求する機会は滅多にないため、以下のような疑問も出てくるでしょう。
- 爆サイへの開示請求はどんな手順になる?
- 爆サイに開示請求すると何がわかる?
- 爆サイは開示請求には必ず応じてもらえる?
- 爆サイに開示請求したあとは何をすればよい?
- 相手を特定したら損害賠償請求できる?
爆サイの投稿はほぼ匿名ですが、開示請求に成功すると投稿者本人を特定できるので、誹謗中傷に対する損害賠償請求も可能になります。
ここでは、爆サイに開示請求する手順や、開示請求に応じてもらえなかったときの対処法をわかりやすく解説しています。
爆サイに開示請求できる内容
爆サイに開示請求や削除依頼できる内容は、原則として信用を損なわせる書き込みや誹謗中傷、名誉棄損や脅迫、個人情報の公開や利用規約に違反したものです。
具体的には、以下のような書き込みが開示請求や削除依頼の対象になります。
- AとBは不倫関係にある
- C社の商品には毒物が混入しているから買ってはいけない
- D社はブラック企業だからすぐに辞めたほうがよい
- Aの本名は○○、住所は△△だと特定した
爆サイの利用規約では名誉や社会的信用を損なう書き込みを禁止しているので、規約違反があったときは開示請求や削除を依頼しましょう。
爆サイに開示請求できない内容
以下のような書き込みの場合、爆サイに開示請求しても投稿者の情報は提供してもらえない可能性があります。
- 爆サイの利用規約に違反していない書き込み
- 権利や利益の侵害を証明できない書き込み
- 法的観点からみて開示請求に応じる必要がないと判断された書き込み
- 開示請求に正当な理由がない場合
- ログやIPアドレスの保存期間を過ぎている場合
たとえば、「○○市に残業代を払わない工務店がある」などの書き込みであれば、会社も特定されておらず、実際に残業代の不払いがあったかどうかもわかりません。
また、投稿者が契約しているプロバイダが保存する通信記録は3ヵ月程度で削除されるため、書き込みから半年近く経っていると開示請求しても投稿者の特定には至りません。
爆サイに開示請求する流れ
爆サイはユーザー登録しなくても利用できるため、開示請求できる情報はIPアドレスのみとなります。
投稿者の住所・氏名まで特定するときはプロバイダにも開示請求する必要があるので、以下の流れで対応してください。
投稿を保存しておく
まずは、以下の方法で誹謗中傷などの投稿を保存してください。
- ウェブ魚拓
- スクリーンショット
- 印刷
パソコンやスマホの画面はねつ造を疑われる可能性があるので、スクリーンショットや印刷で投稿画面を保存するときは、URL全体がわかるようにしておきましょう。
スマホの画面にURL全体が収まり切らないときは、機種やブラウザに応じた方法でテキストデータを保存してください。
投稿者の開示請求は裁判所を介した手続きになるケースが多く、被害を立証できなければ訴状を受理してもらえない場合もあるため、証拠の保全は重要です。
発信者情報開示命令事件に関する裁判手続
誹謗中傷などの投稿者を特定するときは、爆サイ管理者とプロバイダに発信者情報を開示請求します。
なお、爆サイにはログ保存やIPアドレス照会の専用フォームもありますが、基本的に捜査機関や弁護士からの照会が前提となっています。
【注意】プロバイダは個人からの開示請求に対応してくれない可能性が高い
プロバイダは個人からの開示請求には応じないケースがほとんどなので、以下のように裁判所を介して発信者情報の開示請求をおこなってください。
爆サイ管理者とプロバイダに対する発信者情報開示命令
従来の手続きはサイト管理者へIPアドレスを開示請求し、次にIPアドレスから投稿者の住所・氏名を開示するようプロバイダへ請求する手順でした。
しかし、2022年10月1日から改正プロバイダ責任制限法が施行されており、現在はサイト管理者とプロバイダへの同時請求が可能になっています。
法改正後の手続きで発信者情報開示請求をおこなうときは、まず爆サイの本社所在地を管轄する裁判所に発信者情報開示命令を申し立てます。
投稿者が利用している接続プロバイダの社名と住所が開示されます。
次に接続プロバイダ向けの発信者情報開示を申し立て、爆サイ管理者へ開示請求した旨を伝えると、爆サイから接続プロバイダへIPアドレスが提供される流れになっています。
爆サイ管理者からプロバイダへのログ提供命令
裁判所に発信者情報開示請求を申し立てる場合、爆サイ管理者からプロバイダへのログ提供命令についても同時に申し立てをおこないます。
なお、開示請求命令と同時の申し立て、または別々に申し立てても構いません。
爆サイ管理者とプロバイダへの発信者情報の消去禁止命令
発信者情報開示請求の際にはIPアドレスやログの保全措置も必要になるため、同時に発信者情報の消去禁止命令についても申し立てをおこないます。
ここまでの手順は法改正前の手続きよりも短期間で投稿者の特定が可能となっています。
発信者情報開示命令を申し立てるか、従前の手続きに従って仮処分を用いるか、選択に迷ったときは弁護士に相談してください。
発信者情報開示請求については発信者情報開示請求とは|投稿者特定の手続き・注意点・弁護士費用などを解説をご覧ください。
プロバイダが開示請求に応じなかったときの対処法
爆サイは規約違反の投稿があれば積極的に情報開示することとしているため、弁護士からの開示請求には応じてくれやすいでしょう。
ただし、プロバイダはユーザーの住所・氏名を提供することになるので、発信者情報の開示命令に異議申し立てをとなえるケースがあります。
プロバイダが開示請求に応じなかったときは、以下のように対処してください。
弁護士に開示請求を依頼する
プロバイダが投稿者の住所・氏名の開示に応じなかったときは、弁護士に開示請求の手続きを依頼してみましょう。
発信者情報の開示請求をおこなう場合、開示請求に正当な理由があることや、権利侵害が明らかであることなど、いくつかの要件を満たさなければなりません。
しかし、被害者とプロバイダの見解にギャップが生じるケースが少なくないため、誹謗中傷によって実害が出ているにも関わらず、開示請求に応じてもらえない場合があります。
このようなケースでは、法的観点から開示請求の正当性を証明する必要があり、高度な専門知識も欠かせないため、弁護士しか対応できないでしょう。
弁護士から開示請求があった場合、プロバイダは「拒否するといずれ訴訟になる」と判断することが多いので、投稿者情報を提供してくれる可能性が高くなります。
プロバイダを相手に訴訟を起こす
プロバイダが任意の発信者情報開示に応じなかったときは、通常訴訟による開示請求も検討してください。
訴訟の場合は裁判官が判決を下すので、勝訴判決になると確実に投稿者の情報を特定できます。
ただし、プロバイダの本社所在地を管轄する裁判所で訴訟を提起するため、多くのケースでは東京地方裁判所まで出向くことになるでしょう。
また、プロバイダ側は法務の担当者が対応したり、弁護士を立てたりすることがあるので、十分な理論武装や権利侵害を裏付ける証拠も必要です。
自分1人で対応できないときは、弁護士のサポートを受けるようにしてください。
爆サイの開示請求にかかる期間
爆サイやプロバイダが任意の開示請求に応じてくれた場合、1~3ヵ月程度で投稿者を特定できます。
裁判所を介した開示請求は3~8ヵ月程度かかるので、訴状の作成や口頭弁論などに対応できるかどうか、十分に検討してください。
爆サイの開示請求を弁護士に依頼するメリット
弁護士に爆サイの開示請求を依頼すると、以下のようなメリットがあります。
開示請求を成功させたい方や、十分な損害賠償を獲得したい方は弁護士に依頼してみましょう。
開示請求の成功確率が高い
弁護士に開示請求を依頼すると、書き込みのどの部分が規約違反となり、どのように権利侵害が発生しているか、爆サイやプロバイダへ論理的に提示してくれます。
違法性がある投稿も何の法律に触れているか詳しく提示してくれるので、爆サイ管理者の理解を得やすくなります。
まったく同じ内容で開示請求したとしても、やはり個人名より弁護士名や法律事務所名のほうが優先的に処理されやすいでしょう。
開示請求の訴訟をサポートしてもらえる
弁護士は訴訟による開示請求もすべてサポートしてくれるので、裁判のために仕事を休む必要がなくなり、書類作成などの事務負担も軽くなります。
前述のとおり、プロバイダの本社は東京などの都市部に集中しているため、地方在住の方は開示命令申し立てや訴訟提起のハードルがかなり高いでしょう。
また、裁判所を介した手続きは提出書類もかなり多く、開示命令の申し立てだけでも以下の書類を準備しなければなりません。
- 開示命令申立書
- 疎明資料となる投稿記事や発信者情報の目録
- 証拠説明書
3種類だけかと思われるかもしれませんが、添付資料などが膨大になるため、準備している間にログの保存期間を過ぎてしまう可能性もあります。
爆サイへの開示請求は時間的な制約もあるので、多忙な方は弁護士のサポートを受けるようにしてください。
損害賠償請求の交渉を任せられる
弁護士は依頼者の代理人になってくれるので、損害賠償請求の交渉も任せられます。
ネット上の加害者は実際に会ってみるまで素性がわからないため、住所・氏名を特定したことで逆切れされたり、爆サイ以外の掲示板に被害を拡大させたりする可能性があります。
自分で交渉すると事態が悪化する、または何らかの危害を加えられる恐れもあるので、損害賠償請求は弁護士に任せたほうが得策でしょう。
弁護士に依頼した場合、相手が賠償金を支払わないときの法的措置や、刑事告訴もサポートしてくれます。
爆サイの開示請求を依頼したときの弁護士費用
爆サイへの開示請求を弁護士に依頼した場合、トータルで40~70万円程度の弁護士費用がかかります。
依頼内容にもよるため、あくまでも目安の金額ですが、以下のような費用を支払うケースが多いでしょう。
【爆サイへの開示請求】
- 任意の開示請求:着手金5万円程度、報酬金10万円程度
- 法的措置による仮処分命令:着手金20万円程度、報酬金15万円程度
【プロバイダへの開示請求】
- 任意の開示請求:着手金5万円程度、報酬金10~20万円程度
- 開示請求訴訟:着手金20~30万円程度、報酬金15~20万円程度
弁護士に依頼するときは30分5,500円、1時間1万1,000円程度の法律相談料もかかりますが、多くの弁護士は初回相談を無料にしています。
事務所以外で弁護活動するときは日当や交通費も発生するので、委任契約を結ぶ前に費用体系をよく確認しておきましょう。
爆サイの開示請求を依頼できる弁護士の選び方
爆サイやプロバイダへの開示請求を依頼するときは、以下のような弁護士を選ぶようにしてください。
- ITやネットリテラシーが高い
- 土日や祝日、夜間でも相談できる
- 来所不要で相談できる
- 対応がスピーディ
- 爆サイへの開示請求に成功している
- 弁護士費用をわかりやすく説明してくれる
- ネットトラブルの解決実績が豊富
- 相談しやすい人柄
誹謗中傷などの投稿に気付いたとき、すでにログの保存期限が迫っているケースもあるので、曜日や時間帯を問わずに相談できる弁護士を探すとよいでしょう。
また、爆サイには性的な嫌がらせの投稿も多く、仲のよい友人にさえ悩みを打ち明けられないこともあるため、相談しやすい弁護士選びも重要です。
ネットトラブルに詳しい弁護士はベンナビITに多数登録されているので、依頼したい内容や地域、専門分野で弁護士を探してみましょう。
まとめ|爆サイの開示請求で困ったら弁護士に相談を
ネットやIT関連のニュースをみると、誹謗中傷や嫌がらせなどの書き込みをした投稿者を特定し、訴訟を起こした事例が増えているようです。
しかし、個人で対応すると開示請求の成功率が低く、不快な書き込みが長期間公開されたままになるので注意しなければなりません。
特に飲食業界は評判・信用によって成り立つケースが多いので、誹謗中傷を放置すると廃業に追い込まれる恐れがあります。
爆サイに開示請求して相手を特定したい方や、信頼を損なう書き込みをやめさせたい方は弁護士に相談してみましょう。
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