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法テラスで無料相談できる内容はどこまで?利用するための条件や注意点も解説

法律相談
2023年04月28日
2024年10月29日
法テラスで無料相談できる内容はどこまで?利用するための条件や注意点も解説

 

法テラスとは、国が設置した法律の相談窓口のことで、弁護士による無料相談や弁護士費用の立て替えなどを受けることができます

ただし、こういったサービスを受けるには資産、訴訟の目的、勝訴の見込みなどさまざまな条件をクリアする必要があり、誰でも受けられるという訳ではありません。

そこで、この記事では法テラスの無料相談や立て替え制度でできることやできないこと、利用するための条件について詳しく解説します。

記事の最後では法的以外で無料相談できる方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

法テラスとは?

離婚や相続など、急なトラブルに巻き込まれてしまった際にどのように対応したらよいのかわからず、混乱してしまうという方は多いのではないでしょうか。

そんな問題を解決すべく設立されたのが法テラスです。法テラスとは国が設置している法律相談窓口です。

一般人向けに法律に関する情報を提供したり、経済的に弁護士を雇うことができない方に対して支援をおこなったりと、さまざまな業務をおこなっています。

法テラスの代表的な業務には法律に関する無料相談と、弁護士費用の立て替え払いがあります

専門家への相談が3回まで無料

所定の条件を満たした場合、弁護士への相談を3回まで無料でおこなうことができます

通常、弁護士に相談する際は30分あたり5,000円ほどの相談料がかかるため、15,000円近く費用を節約することが可能です。

また、離婚、相続、パワハラ、事故といった、刑事事件以外のあらゆる法的なトラブルについて相談できます

弁護士に相談したいけどどうやってコンタクトをとればよいのかわからない、という方は法テラスに相談してみるとよいでしょう。

弁護士費用の立て替えも可能

また、一部の場合でかかった弁護士費用の立て替えをしてもらうことも可能です。

事件の進行中は毎月5,000円から10,000円を支払い、原則3年以内に返済する必要があります。

代理援助

実 費

着手金

500万円請求の訴訟

35,000円

220,000円

金銭的請求のない離婚訴訟

35,000円

231,000円

債権者10社の自己破産申立

23,000円

132,000円

離婚(調停)の場合

20,000円

88,000から132,000円

強制執行の場合

20,000円

55,000から77,000円

参考:法テラス

上の表は弁護士を依頼する際にかかる弁護士費用の一例です。

このように弁護士費用が非常に高額なため、依頼したいと思ってもなかなか難しい場合があります。

もし、経済的に弁護士に相談することが難しいなら、法テラスの立て替え制度を利用するとよいでしょう、

法テラスで相談できること

依頼できること

依頼できないこと

民事事件

家事事件

刑事事件

破産、民事再生、交通事故など

離婚、相続など

傷害、窃盗、殺人

法テラスでは、破産や民事再生といった民事事件から、養育費の請求や生前贈与といった家事事件まで幅広くサポートしてくれます。

ただし、刑事事件に関する相談はできません。刑事事件の被害者となった場合のみ、専用の支援ダイヤルでサポートしてもらうことはできます。

法テラスの無料相談や立て替え払いをするための条件

非常に便利で頼りになる法テラスですが、無料相談や立て替え払いをしてもらうには所定の条件をクリアする必要があります

無料相談を受ける場合は、以下2つの条件を満たす必要があります。

  1. 資力基準が一定の金額以下であること
  2. 報復や宣伝が目的ではないこと

立て替え払いをしてもらう場合はさらに、勝訴の見込みがあることが必要になります。

ここではそれぞれの条件について詳しく説明していきます。

資力基準が一定の金額以下であること

世帯人数


収入要件

資産要件


手取月収額の基準


家賃又は住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額

 

単身者

182,000円以下
(200,200円以下)

5万3,000円以下
(6万8,000円以下)

180万円以下

2人家族

251,000円以下
(276,100円以下)

6万6,000円以下
(8万5,000円以下)

250万円以下

3人家族

272,000円以下
(299,2000円以下)

7万1,000円以下
(9万2,000円以下)

270万円以下

 

※1.東京、大阪に住んでいる場合は()内の基準が適用になります。
※2.申込者が家賃の支払いや住宅ローンの返済を負担している場合は、手取り月収額に次の額を加算できます。

居住地が東京都特別区の場合は()内の基準が適用になります。

まず、資力基準についてです。

資力基準はさらに「収入要件」と「資産要件」に分かれます。 収入要件とは申し込みしている方と配偶の手取り月収額の合計です。

たとえば夫と妻の2人家族で夫婦共働きの場合、世帯の手取り月収が251,000円以内であれば基準をクリアできます。

家賃の支払いや住宅ローンの返済をしていれば、317,000円までが基準となります。

また、資産要件とは申し込みした方とその配偶者が所有している、資産の合計額のことです。

この資産には、自宅を除く不動産や有価証券などが含まれています。

さきほどの夫婦2人の例を挙げると、ふたりの資産の合計額が250万円以下であれば基準をクリアということです。

このように、経済的な負担を理由に法テラスを利用する場合は、収入と資産両方の面で条件をクリアする必要があります。

報復や宣伝が目的ではないこと

無料相談や弁護士費用の立て替えは正確には民事法律扶助業務といい、経済的な余裕がない方が法的なトラブルを解決できるよう支援するのが目的です。

そのため、報復的な感情や売名行為のための訴訟は、本来この制度が目指している支援とは目的とは離れてしまうため利用することができません

あくまで経済的に厳しい環境にある方が、法的な解決を諦めずに済むようにサポートするのが目的です。

立て替え制度を利用する場合は勝訴の見込みがあることも条件

立て替え制度を利用する場合は、勝訴の見込みがあるかどうかも条件となります

和解や調停によって解決できるトラブルや、免責見込みのある自己破産は勝訴の見込みがあるものに含まれます。

具体的な判断は法テラスに委ねられるため、当事者は状況に応じて必要な書類などを準備する必要があります。

証拠や承認など状況を総合的に考慮し、勝訴の見込みがないと判断されてしまった場合は立て替え制度を利用することはできません。

法テラスを利用する方法

法テラスのサポートダイヤル
(受付は平日9時から21時、土曜9時から17時)

0570-078374

犯罪者の被害にあわれた方のサポートダイヤル
(受付は平日9時から21時、土曜9時から17時)

0120-079714

電子メールで問い合わせるする場合

詳しくはこちら

全国の法テラスの事務所

詳しくはこちら

 

「まずは法制度について知りたい」「相談できるかどうか確認したい」という方は、法テラスに電話しましょう。

メールでも問い合わせはできますが、返信に時間がかかる場合があるので電話で相談することをおすすめします。

対面で相談を受ける場合は、最寄りの法テラスの事務所を探し予約をとりましょう。

法テラスの公式ホームページでは都道府県別に事務所の場所を紹介しているので、こちらをご確認ください。

法テラスを利用する際の注意点

法テラスでは無料で相談できたり弁護士費用を立て替えしてもらえたりとさまざまなメリットがありますが、いくつか注意すべき点があります。

立て替えは弁護士費用が無料になるわけではない

当然ですが、弁護士費用の立て替えはあくまで一時的な費用の工面であって、弁護士費用そのものが無料になる訳ではありません

立て替えた費用は事件進行中も毎月5,000円から10,000円返済する必要があり、問題解決後3年以内に完済する必要があります。

そのため、まったくお金が払えないという方には不向きといえます。

弁護士を自分で選ぶことはできない

法テラスで相談する弁護士は、原則として自分で選ぶことができません。

そのため「離婚問題に強い弁護士に相談したい」といったニーズに応えることができず、場合によってはまったく得意としている分野が異なる弁護士に相談することもありえます

このようなミスマッチが起こる可能性については事前に把握しておきましょう。

相談した際に相手の応対をよく見て、相性が合わない場合は法テラスを諦め自分で弁護士を探すのもよいでしょう。

無料相談の場合は相談できる回数に限りがある

法テラスの弁護士の無料相談はひとつの問題に対して3回までという制限があります。

たとえば相続の相談をする際、家庭環境や資産の状況が複雑で相談が何回も必要だったりなど、案件の内容によっては無料で相談できる回数に収まらないことも十分考えられます。

そのため、相談がスムーズに進むよう各面談の前にしっかり準備しておくことが重要です。

それぞれ面談のなかで話に優先順位をつけておいたり、家系図や財産目録など相談に関わりそうな資料を準備しておいたりと、短い時間でなるべくたくさんの相談ができるよう工夫しましょう。

法テラスが利用できない場合の対処方法

条件や要望に合わず法テラスを利用できない場合は、次のような方法を実践してみてください。

着手金や相談料が無料の弁護士に依頼する

着手金や相談料を無料にしている弁護士に依頼しましょう。

とくに現在は初回の相談料を無料にしている弁護士が増えてきているため、以前に比べ気軽に相談しやすくなってきています。

また、訴訟や書類作成のサポートといった業務の依頼まで考えている場合は、できるだけ近場で依頼できる弁護士を探すのがおすすめです。

弁護士費用には実費というものがあり、弁護士の移動費や出張費が含まれています。

そのため移動にかかる時間の節約という面だけでなく、金銭的な負担を減らす意味でも近くに事務所を構えている弁護士に相談するのがおすすめといえます。

弁護士費用を分割払いにできる弁護士事務所を利用する

弁護士費用を一括で支払えない場合は、分割払いに対応した弁護士事務所を探すのもおすすめです。

ホームページに記載がない場合は、直接弁護士事務所に問い合わせして確認しましょう。

ただし、分割払いに対応できるかどうかは個別に判断されることが多いので、必ずしも要望どおりになるとは限らないという点には注意してください。

ベンナビで弁護士を探す

無料で相談できる弁護士や自分が抱えているトラブルを得意としている弁護士を探したい場合は、ベンナビを利用しましょう。

ベンナビとは弁護士検索サービスのことで、注力している案件ごとに弁護士を一括比較することができます

地域ごとに絞り込みが可能で、初回の面談相談無料やオンライン面談などさまざまな項目で弁護士を簡単に調べることが可能です。

自分の住んでいる地域にどんな弁護士がいるのかわからない、という方はこういったサービスを利用するのがよいでしょう。

まとめ

法テラスは弁護士に頼りたいけどお金がない、といった方にとって非常に頼れる存在です。

その一方で制限や注意点もたくさんあるため、メリット・デメリットを総合的に判断してどのように対処するべきかを考えましょう。

また、法テラスに限らず弁護士に無料で相談する際は、事前の準備が非常に重要です。

限られた時間のなかで相談したい内容をすべて解決できるよう、話したい内容に優先順位をつけておいたり資料を用意しておいたりするのがおすすめです。

法的なトラブルは自分一人で解決しようと思ってもなかなかうまく処理できません。

一人で抱え込まず、まずは相談することから始めてみましょう。

編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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