内容証明は弁護士に頼む?弁護士に頼むメリットと費用を比較
- 「内容証明を作成したいけど、自分で作成するのは自信がない」
- 「弁護士に依頼したいけど、費用が高そうで心配」
内容証明の作成を弁護士に依頼したいと思いつつ、費用が気になって一歩を踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
確かに、内容証明の作成を弁護士に依頼すると、自分で作成するより費用は高くなりますが、費用面だけで考えるのは得策ではありません。
内容証明を送付しても解決しなかった場合の訴訟手続や、書面作成の負担軽減、弁護士に一任できる安心感なども得られるからです。
この記事では、弁護士に内容証明の作成を依頼する際の費用や、弁護士への依頼をおすすめする理由を紹介します。
内容証明の送付にかかる費用
内容証明を送付する際には、以下の費用がかかります。
定形内郵便の場合
項目 | 費用 |
---|---|
基本料金 | 84円 |
内容証明の加算料金 | ・1枚440円 ・1枚増えるごとに260円加算 |
一般書留の加算料金 | 435円*内容証明は一般書留にする必要があります |
配達証明の料金 | 320円*配達証明をつけるのが一般的です |
参照元:日本郵便株式会社|内容証明
【例】
- 1枚作成する場合:84+440+435+320=1,279円
- 2枚作成する場合:260円分が加算されるため、84+440+260+435+320=1,539円
「何通も送付するとなると、結構かかるかも…」と思う方もいるかもしれません。
文字数が多い場合は電子内容証明(e内容証明)の利用がお得です。
【例:約1,500文字の書面を差し出す場合】
- 窓口(3枚)…1,479円
- 電子内容証明(1枚)…1,220円
文字数が多い書面を送付する予定の方は、電子内容証明を利用するのも1つの方法でしょう。
内容証明を弁護士に依頼した場合の費用
内容証明の作成を弁護士に依頼する方法は、おおむね2パターンあります。
- 内容証明の文案作成のみを依頼する場合
- 弁護士に代理人として交渉してもらうことを前提とする場合
内容証明の文案作成のみを依頼する場合
1つめは、弁護士に内容証明の文案を作成してもらいますが、弁護士名は出さない形です。
この場合、ご自身の名義で内容証明を送付することになります。
そのため、シンプルな内容であれば、3~5万円ほどで依頼できる場合が多いと思われます。
ただし、必要な費用は弁護士によって異なりますので確認しましょう。
弁護士に代理人として交渉してもらうことを前提とする場合
2つめは、内容証明の中に「弁護士が代理人である旨を明記する」形です。
この場合、内容証明の作成や送付、今後の交渉などを一任することになるため、必要な費用は1つめのパターンよりも高くなるのが通常です。
トラブルの内容や請求額によっては、数十万円の費用が必要となることもあり得ます。
弁護士費用が心配な方は、トラブルの内容や請求額を考慮して、弁護士に依頼すべき案件かどうかを検討したり、弁護士に見積りを出してもらったりするのがよいでしょう。
弁護士費用の詳細は弁護士費用の種類と計算方法|安く抑えるコツや支払えない場合も紹介をご覧ください。
内容証明を弁護士に依頼するのがおすすめな理由
内容証明を弁護士に作成してもらうことをおすすめするのには理由があります。以下3つ紹介します。
- 内容証明の作成だけでなく、交渉の代理をおこなってもらえる
- 債権回収を実現しやすくなる
- 適切な内容で作成してもらえる
内容証明の作成だけでなく、交渉の代理をおこなってもらえる
弁護士に代理人として交渉することを依頼すれば、内容証明の作成だけでなく、その後の交渉までおこなってもらえます。
法的な観点から適切な交渉をおこなってもらえるため、相手を納得させられる可能性が高まります。
内容証明には書き方の制限がありますが、弁護士に依頼すれば、スムーズに作成してもらえるうえ、その後の交渉も代理してもらえるため、自分の本業に集中できるでしょう。
債権回収を実現しやすくなる
弁護士に依頼することで債権回収が実現しやすくなることが期待できます。
たとえば、自分が家賃滞納者だとしましょう。
オーナーからの督促と弁護士からの督促では、どちらが「このままでは大変だ」と感じるでしょうか。
- オーナー:「そろそろ家賃を支払ってもらえませんか?」
- 弁護士:「このままでは法的措置をとらざるを得ません」
弁護士からの督促のほうに危機感を感じる方が多いのではないでしょうか。
「弁護士名義」で書類を送付することで、相手に心理的プレッシャーを与えられます。
その結果、滞納していた家賃などの債権を回収できる可能性が高まると考えられます。
訴訟にならずに済むと、その分費用も安く抑えられるでしょう。
適切な内容で作成してもらえる
内容証明を法的な観点から適切に作成してもらえる点もメリットです。
配達証明付き内容証明は、「いつ・誰が・誰宛てに・どんな内容の書面を送付したか」を証拠として残すことができます。
ただ、法律の知識がない人の場合、記入漏れがなく、適切な内容を記載するのは難しいでしょう。
いざというときに「重要な事項が書かれていない」となっては、不利益を被る可能性があります。
弁護士なら要点を心得ているため、法的な観点から適切な内容証明を作成することが可能です。
最後に
賃料の未払いや契約の解除、損害賠償請求などのトラブルは少なくありません。
配達証明付き内容証明を作成・送付すると、「いつ・誰が・誰に・どんな内容の書面を送付したか」を証明でき、トラブル解決の糸口になり得るでしょう。
しかしながら、内容証明には書き方の制限などがあり、慣れていない方にとっては作成が難しく感じることでしょう。
弁護士であれば、スムーズに内容証明を作成することが可能です。
また、弁護士名義の書面によることで、相手にプレッシャーを与えることができるため、要望を実現しやすくなります。
内容証明について迷っている方は、弁護士に相談してみましょう。