当て逃げ事故で弁護士費用特約は使える?利用する際の流れやポイント
駐車中に車をぶつけられていたのに、加害者の姿は見当たらない。
そんな当て逃げの被害に遭い、不安や怒りを感じていませんか。
実際、当て逃げの被害に遭ったあとに「修理費はどうすればいいのか」「相手が見つからなかったら泣き寝入りするしかないのか」と悩む方は多くいます。
また、弁護士に相談したいと思っても、「費用が高いのでは」とためらう人も少なくありません。
そんなときに役立つのが、任意保険に付帯されている弁護士費用特約です。
この記事では、当て逃げ事故で弁護士費用特約が使えるかどうかの判断基準や利用の流れ、知っておきたいメリットと注意点をわかりやすく解説します。
当て逃げという理不尽なトラブルにどう対応すればよいのか、適切な一歩を踏み出すための参考にしてください。
原則として当て逃げ事件で弁護士費用特約は使える!
当て逃げ被害に遭った場合でも、弁護士費用特約を利用できる可能性があります。
そもそも弁護士費用特約とは、事故の示談交渉や損害賠償請求にかかる弁護士費用を、保険会社が負担する制度です。
特に、被害者に過失がない「もらい事故」の場合、保険会社は示談交渉を代行できないため、弁護士への依頼が必要になります。
そこで各種保険に付帯している弁護士費用特約を利用することで、費用負担なく弁護士のサポートを受けられるのです。
ただし、被害者にも一定の過失があると判断された場合、特約の適用が制限されることがあります。
特約が利用できるかどうかは契約内容や事故の状況によって判断が分かれるため、不明な点は保険会社や弁護士に確認することが大切です。
当て逃げ事件で弁護士費用特約を利用する際の3ステップ
当て逃げ事故で弁護士費用特約を使う場合、スムーズに進めるためには事前に流れを把握しておくことが重要です。
ここでは、特約の利用に必要な基本の3ステップを解説します。
1.加入している保険会社に連絡する
まずは、自分が加入している任意保険に弁護士費用特約が付いているかどうかを確認します。
契約内容は、保険証券やWebのマイページ、カスタマーセンターなどで確認可能です。
弁護士費用特約は自動車保険だけでなく、医療保険や火災保険、個人賠償責任保険、バイク保険、クレジットカード付帯保険などに付いている場合もあります。
特約が付いていることを確認したら、保険会社に「弁護士費用特約を使いたい」と連絡してください。
2.弁護士を探して法律相談を受ける
次に、実際に相談する弁護士を探します。
保険会社から紹介を受けることも可能ですが、自分で選んだ弁護士に依頼しても問題ありません。
自分で弁護士を探す際は、交通事故に注力しているか、解決実績が豊富かといった点を確認するとよいでしょう。
初回相談の段階で、事故の概要や保険の契約状況などを整理して伝えるとスムーズです。
【関連記事】交通事故に強い弁護士の選び方とは?6つのポイントを解説
3.弁護士と委任契約を締結する
相談の結果、弁護士に依頼することが決まったら、業務内容や報酬などが記載された契約書に署名・押印し、委任契約を結びます。
これは、法律業務を弁護士に正式に任せるための契約です。
委任契約後は、契約した弁護士の情報を保険会社に報告し、保険金の支払い手続きを進めてもらいます。
なお、自分で探した弁護士であっても、弁護士費用特約は問題なく利用可能です。
当て逃げ事件で弁護士費用特約を利用する3つのメリット
弁護士費用特約を使って弁護士に依頼することで、当て逃げ被害における対応をより有利かつ安心して進めることができます。
ここでは、特約を利用する代表的な3つのメリットを紹介します。
1.費用倒れになるリスクを大幅に軽減できる
弁護士に依頼すると費用が高額になるのではと不安に感じる方もいますが、弁護士費用特約を利用すれば、その心配はありません。
多くの保険会社では、相談料や着手金、報酬金などを合わせて最大で300万円まで補償される仕組みになっています。
たとえば、修理費が10万円から20万円程度の物損事故では、通常であれば弁護士費用のほうが高くついてしまうこともあります。
しかし、特約を利用することで、自己負担なく弁護士に相談や依頼をすることが可能です。
2.特約を使ってもノンフリート等級は下がらない
自動車保険に付帯している弁護士費用特約を使用しても、翌年の保険料に影響することはありません。
これは、保険会社において特約の利用が「ノーカウント事故」として扱われるためです。
ノーカウント事故とは、保険を使っても等級が下がらない事故を指します。
弁護士費用特約はこの対象に含まれており、他にはファミリーバイク特約や個人賠償責任特約なども該当します。
3.弁護士によるサポートを受けられるようになる
弁護士に依頼すれば、法的な手続きを代理で進めてもらえるだけでなく、被害状況に応じた適正な損害賠償額の算定や、相手方への対応方法などについてもアドバイスを受けられます。
とくに、当て逃げのように相手の情報が不十分なケースでは、自力で解決するのが難しい場合があります。
弁護士の力を借りることで、精神的な負担も軽減され、より確実な解決を目指せるでしょう。
当て逃げ事件で弁護士費用特約を利用する際の4つのポイント
弁護士費用特約を適切に活用するには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、特約を無駄なく使うための実践的な4つの視点を紹介します。
1.自分で弁護士を探すようにする
弁護士費用特約を利用すると、保険会社から弁護士を紹介されることもありますが、自分で探して依頼することも可能です。
交通事故に注力しており、解決実績が豊富な弁護士を選ぶことで、納得のいく対応を受けやすくなります。
また、弁護士費用特約では法律相談料も10万円まで補償されるため、複数の弁護士へ相談して比較検討することもできます。
最初から一人に絞らず、自分に合った弁護士をじっくり選ぶようにしましょう。
2.事故後、なるべく早く弁護士に相談する
弁護士に依頼するタイミングは、早ければ早いほど良いです。
事故直後に相談しておくことで、証拠保全や治療の進め方、後遺障害等級認定の準備など、幅広いサポートを受けられます。
たとえば、治療頻度のアドバイスや、保険会社からの治療費打ち切りに対する対応なども、弁護士の支援があることで適切に進められるでしょう。
3.念のため見積もりは取るようにしておく
弁護士費用特約には補償上限額があり、通常は300万円程度までとされています。
多くの物損事故であれば補償内に収まりますが、依頼前に弁護士に費用見積もりを確認しておくと、想定外の自己負担を防げます。
特に訴訟へ発展しそうなケースや、損害額が大きい場合は、早い段階で費用の内訳を把握しておくことが重要です。
【関連記事】交通事故で弁護士に依頼するといくら?弁護士費用相場と弁護士費用特約のメリット
4.家族の弁護士費用特約を利用できることもある
自分が加入する保険に特約がついていない場合でも、家族の特約を使える可能性があります。
たとえば、同居している親族や別居の未婚の子が契約者であれば、その特約を利用できるケースがあります。
ただし、全ての家族が対象となるわけではありません。
対象となるのは、同居している親族や別居の未婚の子などに限定されています。
一方で、別居している既婚の子やその家族、別居中の親などは対象外となるため注意が必要です。
さいごに|当て逃げをされたら特約を活用して弁護士に依頼しよう!
当て逃げの被害に遭ったとき、「相手がわからないからどうしようもない」と諦めてしまう方もいます。
しかし、弁護士費用特約があれば、費用を気にせず弁護士に相談・依頼することが可能です。
弁護士に依頼することで、損害賠償請求や示談交渉、証拠の整理や後遺障害認定に関する対応など、多角的なサポートが受けられます。
特に、もらい事故のような一方的な被害の場合には、保険会社では交渉できないため、弁護士の存在が不可欠です。
特約が使えるかどうかは、契約内容や家族構成によっても異なるため、事故後は速やかに保険会社や弁護士に確認することが大切です。
今回ご紹介したステップやポイントを参考に、冷静に対応を進めていきましょう。
泣き寝入りせず、正当な補償を受け取るためには、適切な知識と早めの行動が鍵になります。
まずは、特約の有無を確認するところから始めてみてください。
