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共有名義の不動産売却方法4つ|売却相場や売却できない場合の対処法も解説

弁護士監修記事
遺産相続 不動産相続
2026年05月07日
共有名義の不動産売却方法4つ|売却相場や売却できない場合の対処法も解説
この記事を監修した弁護士
熊本 健人弁護士 (磯野・熊本法律事務所)
当事務所では、裁判や書面送付などの対応方法を詳しくご提案いたします。法律相談にお悩みの方は、ぜひご相談ください。
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不動産を家族や親族と共有名義で所有している場合、「売却したいのに話がまとまらない」「共有者の一人が反対していて売れない」などの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

共有名義の不動産にはいくつかの売却方法があり、状況に応じて適切な方法を選ぶことで売却できる可能性があります。

この記事では、共有名義の不動産を売却する4つの方法をわかりやすく解説するとともに、売却相場の考え方や、共有者の同意が得られない場合など「売却できないケース」の対処法についても紹介します。

共有不動産の売却で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

共有名義の不動産を売却する方法4つ

共有名義の不動産を売却する際に、実務上よく用いられる代表的な売却方法は以下の4つです。

  • 共有者の同意を得て不動産全体を売却する
  • 自分の持分を共有者に売却する
  • 自分の持分を買取業者へ売却する
  • 土地であれば分筆したうえで自分の分だけ売却する

以下では、それぞれの売却方法について、特徴やメリット・注意点を具体的に解説します。

自分の状況にあてはめながら、どの方法が現実的かを検討してみてください。

共有者の同意を得て不動産全体を売却する

共有名義の不動産を売却する際、最も一般的かつ高値での売却が期待できるのが、共有者全員の同意を得たうえで不動産全体を第三者へ売却する方法です。

不動産全体を一括で売却できるため、通常の市場価格に近い金額で取引されやすいメリットがあります。

なお、不動産全体を売却した場合の売却代金は、原則として持分割合に応じて分配されます。

自分の持分を共有者に売却する

共有者同士で話し合いが可能な場合は、自分の持分をほかの共有者に買い取ってもらう方法もあります。

たとえば、ほかの共有者がその不動産に住んでいる場合や、将来的に単独所有を希望している場合には、持分の買取に応じてもらえる可能性が高いでしょう。

外部に持分を売却されるとトラブルになる可能性があるため、共有者にとってもメリットがある選択肢といえます。

ただし、ほかの共有者に持分を売却する場合、価格の折り合いがつかないことも少なくありません。

不動産会社の査定や、不動産鑑定士による評価を参考にしながら、客観的な根拠を示して交渉することが重要です。

自分の持分を買取業者へ売却する

共有者の同意が得られない場合でも、自分の持分だけであれば、単独で第三者に売却できます。

ただし、不動産の共有持分は売却や活用に制限があるため、個人買主が見つかりにくい傾向があります。

そのため、持分を売却する相手としては専門業者が選択肢となります。

共有持分専門の買取業者は、手続きが比較的スムーズかつ、共有者との交渉をせずに現金化できる点は大きなメリットです。

一方で、業者が新たな共有者になることで、ほかの共有者との間にトラブルが生じる可能性もある点は注意しましょう。

土地であれば分筆したうえで自分の分だけ売却する

対象が土地の場合には、分筆という手続きをおこない、物理的に土地を分けたうえで自分の単独所有部分だけを売却する方法もあります。

分筆とは、ひとつ(1筆)の土地を複数の土地に分割し、それぞれを独立した不動産として登記する手続きです。

分筆が可能であれば、共有状態を解消し、単独名義にした土地を通常の不動産として売却できます。

そのため、持分のみの売却よりも高値がつく可能性があります。

ただし、分筆には共有者全員の協力が必要であり、境界確定や測量費用などのコストも発生します。

また、建物が建っている土地は、建物の配置や接道条件、建築基準法上の制限などの影響を受けるため、分筆が難しくなるケースがあります。

土地の形状や法的制限も影響するため、事前に専門家へ相談することが重要です。

共有名義の不動産の売却相場はどのくらい?

ここでは、共有名義の不動産を売却する際、一般的にどの程度の価格が期待できるのか、売却方法ごとの相場感を紹介します。

共有名義の不動産全体を売却するなら相場は市場価格と同程度

共有者全員の同意を得て不動産全体を売却する方法であれば、通常の不動産売却と同じ相場で取引が成立します。

つまり、その不動産が単独名義で売却される場合と同様の市場価格が基準になります。

不動産会社の査定を複数取れば、地域の相場や取引事例に基づいた適正価格を把握可能です。

共有持分のみなら売却相場は市場価格の3割~6割程度

共有持分だけを売却する場合、売却価格は不動産全体の市場価格より大きく下がるのが一般的です。

共有状態の不動産は売却や活用の選択肢が限られ、流動性が低いため、価格が割り引かれる傾向があります。

たとえば、不動産業者や共有持分専門の買取業者では、維持・管理上のリスクや将来の売却難度を考慮して査定するため、一般的に不動産全体価格の3割~6割程度が目安とされています。

共有持分だけを売却する場合は、複数の買取業者に査定を依頼し、自分の希望価格に近い条件を提示してくれる相手を見つけることが重要です。

また、事前に不動産鑑定士の鑑定評価を取得しておくことで、売却価格の根拠を示しやすくなるでしょう。

共有名義の不動産で共有持分だけ売却するとどうなる?考えられるトラブル

共有持分は、ほかの共有者の同意がなくても単独で売却できます。

しかし、売却後は「第三者が新たな共有者になる」という点を見落としてはいけません。

持分だけを手放せば問題が終わるわけではなく、残った共有者との間で新たなトラブルが生じる可能性があります。

ここでは、実際に起こりやすい代表的なトラブルを解説します。

新しい共有者に共有持分の売却や買取を求められる

共有持分を買取業者などに売却すると、その業者が新たな共有者になります。

そうすると、残りの共有者に対して「持分を買い取ってほしい」「残りの持分を売ってほしい」

という提案や交渉がおこなわれるケースがあります。

とくに共有持分専門の業者は、最終的に不動産全体の売却や共有状態の解消を目指して動くことが多いため、積極的にほかの共有者へ働きかける傾向があります。

結果として、ほかの共有者に負担をかけることになり、親族間などでの関係悪化につながるリスクがあるでしょう。

新しい共有者が共有物分割請求訴訟を起こす

不動産の共有者は、いつでも共有物分割請求をおこなうことが可能です。

共有物分割請求とは、共有状態の解消を求める手続きであり、新たに持分を取得した第三者も例外なく請求権を持っています。

共有物分割請求はまずは当事者同士の協議で進められることが一般的ですが、話し合いで分割方法が決まらなければ、最終的には裁判所に共有物分割請求訴訟を提起することになります。

訴訟の結果、不動産の競売が命じられ、市場価格より低い金額で処分される可能性もあるでしょう。

つまり、持分を売却したことで、残る共有者にとっては望まないタイミングで強制的に不動産が処分されるリスクが生じるのです。

【関連記事】共有物分割請求とは?拒否できるかやメリット・デメリット・流れまでわかりやすく解説

その不動産に住んでいる場合は家賃を請求される可能性がある

共有不動産に特定の共有者が単独で住んでいる場合、使用状況や従前の合意内容によっては、新しい共有者から使用料相当額の支払いを求められることがあります。

共有者には持分割合に応じて使用収益する権利があるため、他の共有者が排他的に使用している場合は、その対価を求められることがあるのです。

実際に住んでいる立場からすると、「自分の家なのに家賃を払うのか」という強い違和感や不安を覚えるかもしれません。

しかし、不動産が共有状態になっている以上、共有持分を所有している第三者の正当な権利として受け入れなくてはいけないのが実情です。

とくに営利目的で持分を取得した業者は、使用料請求を通じて収益を確保しようとするケースもあります。

請求額は周辺相場を基準に合理的な金額が算定されますが、長期間にわたると高額になることもあるでしょう。

これまで無償で住み続けていた場合でも、新たな共有者の登場によって状況が変わる可能性がある点には注意が必要です。

新しい共有者が不動産へ出入りする

共有者には、原則として不動産全体を使用する権利があります。

そのため、新しい共有者が建物や土地に立ち入ること自体は、法的には一定の範囲で認められています。

実際には、突然見知らぬ第三者が出入りすることに不安を感じる人も少なくありません。とくに居住中の物件では、プライバシーや安全面の問題が生じる可能性があります。

もちろん無制限に立ち入りが許されるわけではありませんが、共有関係にある以上、一定の利用権を主張されることは避けられません。

不動産の処分や利用がしづらくなる可能性がある

共有持分を第三者に売却すると、共有者間の意思統一がさらに難しくなる場合があります。

とくに利害関係の異なる業者が共有者に加わることで、不動産の修繕、賃貸、建替えなどの重要事項について合意形成が困難になる可能性は高いでしょう。

結果として、不動産の有効活用が進まず、資産価値が下がる可能性も否定できません。

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【ケース別】共有名義の不動産の売却が難しいときの対処法

共有名義の不動産を売却したいと思っても、以下のようなケースに該当する場合、売却が難しいこともあります。

  • 共有者が把握できない場合
  • 共有者が行方不明の場合
  • 共有者が未成年の場合
  • 共有者が認知症の場合
  • 共有者が売却に応じてくれない場合
  • 共有者と売却金額で揉めてしまった場合

しかし、売却をあきらめる必要はありません。

ここでは、共有名義の不動産の売却が難しいケースごとに、具体的な対処法を解説します。

共有者が把握できない場合は登記事項証明書などで調査

共有者の所在がわからない場合は、登記事項証明書(登記簿謄本)や戸籍などの公的書類をもとに調査することで、共有者を特定できる可能性があります。

まずは不動産の登記事項証明書を取得し、現在の共有者が誰になっているのかを確認しましょう。

登記事項証明書には、所有者の氏名・住所・持分割合などが記載されています。

そのうえで、登記簿に記載された住所をもとに住民票や戸籍の附票を取得すると、転居先や現住所を追跡できる場合があります。

また、共有者がすでに亡くなっている可能性がある場合は、戸籍をさかのぼって法定相続人を調査する必要があります。

こうした調査をおこなっても所在や権利関係がはっきりしない場合は、司法書士への相談を検討するとよいでしょう。

司法書士は登記や相続調査に精通しているため、法的に適切な方法で共有者を特定するサポートを受けられます。

共有者が行方不明の場合は不在者財産管理人制度を利用

共有者の所在が判明しても、長期間連絡が取れなかったり生活実態が不明だったりといった場合には「不在者財産管理人制度」の利用を検討します。

不在者財産管理人制度とは、家庭裁判所に申立てをおこない、行方不明者に代わって財産を管理する人を選任してもらう制度です。

不在者財産管理人が選任されれば、その管理人が共有者に代わって売却への同意や契約手続きに関与できるようになります。

ただし、裁判所の許可を得るために一定の時間と費用がかかる点には注意しましょう。

共有者が未成年の場合は法定代理人の同意を得る

未成年の共有者がいる場合、不動産を売却をするには親権者などの法定代理人の同意が必要です。

通常は親権者が代理人となりますが、親権者自身も共有者であるなど利益相反がある場合には、家庭裁判所で特別代理人の選任が必要になることがあります。

未成年者が関与する売却は、手続きが複雑になりやすいため、早めに弁護士などの専門家へ相談することが望ましいでしょう。

共有者が認知症の場合は法定後見制度を利用

共有者が認知症などにより判断能力を欠いている場合、本人の意思に基づく有効な同意を得ることができません。

このような場合には、成年後見制度の利用を検討します。

家庭裁判所に申立てをおこない、成年後見人が選任されると、その後見人が本人に代わって売却への同意や契約手続きをおこないます。

ただし、売却が本人の利益に適うかどうかが厳しく審査されるため、必ずしもすぐに認められるとは限りません。

後見制度の利用には時間と費用がかかるため、売却スケジュールに余裕を持つことが重要です。

【関連記事】成年後見制度とは?後見人になるための手続きやメリット・デメリットを解説

共有者が売却に応じてくれない場合は共有物分割請求をおこなう

共有者が売却に反対し話し合いがまとまらない場合には、共有物分割請求をおこなう方法があります。

共有物分割請求とは共有状態の解消を求める法的手続きで、まずは当事者同士で協議をおこない、まとまらなければ裁判所に調停や訴訟を提起します。

裁判所は、以下の3つのいずれかの方法を検討し、合理的かつ公平になる分割方法を最終的に判断します。

名称 概要
現物分割 共有不動産を売却せず、そのまま共有持分割合に応じて分配する方法。分割が難しい建物ではなく、土地について用いられるケースが一般的。
換価分割 不動産を売却して現金化し、売却代金を共有者間で持分割合に応じて分配する方法。
代償分割 特定の共有者が不動産を取得し、他の共有者に対して持分相当額の金銭(代償金)を支払うことで共有関係を解消する方法。

【関連記事】共有物分割請求とは?拒否できるかやメリット・デメリット・流れまでわかりやすく解説

共有者と売却金額で揉めてしまった場合は不動産鑑定士による鑑定を受ける

共有者全員が売却自体には同意していても、金額について対立するケースは少なくありません。その場合は、不動産鑑定士による鑑定評価を受けることが有効です。

不動産鑑定士は、公的な評価基準に基づいて客観的な価格を算出するため、感情的な対立を和らげる材料になります。

鑑定費用は発生しますが、公平性のある価格基準を示すことで、無用な争いを避けられる可能性があります。

売却価格で折り合いがつかないときは、専門家の意見を取り入れることが解決への近道です。

さいごに|共有名義不動産の売却について不安があれば弁護士に相談を!

本記事では、共有名義の不動産の売却方法や、売却時に起こりやすいトラブル、弁護士に相談するメリットなどについて詳しく解説しました。

共有名義の不動産は、売却方法を誤ると想定外のトラブルや大きな損失につながるおそれがあります。

「共有者と話がまとまらない」「持分だけ売って大丈夫か不安」「法的手続きをどう進めればよいかわからない」と感じているなら、早めに弁護士へ相談することが大切です。

弁護士に相談すれば、自分の状況に合った売却方法や、共有物分割請求などの具体的な選択肢を整理できます。

交渉や裁判手続きが必要な場合でも、専門家のサポートがあれば安心して進められます。

どの弁護士に相談すべきか迷った場合は、共有不動産や相続問題に強い弁護士を探せるベンナビの活用がおすすめです。

地域や相談内容から弁護士を検索でき、初回相談無料の事務所も見つかります。共有名義不動産の売却で悩み続ける前に、まずは一度、法律の専門家へ相談してみてください。

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