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相続放棄の費用相場|自分での手続きと弁護士への依頼の違いを解説

弁護士監修記事
遺産相続
2023年03月01日
2023年03月01日
相続放棄の費用相場|自分での手続きと弁護士への依頼の違いを解説
この記事を監修した弁護士
原 千広弁護士 (日暮里中央法律会計事務所)
東京大学法科大学院修了。東京弁護士会所属。離婚・相続等の家族案件から労働・国際案件まで幅広く携わり、Yahoo!ニュース等の記事監修も手がける。(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)
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被相続人が多額の借金を抱えている場合などにおこなう相続放棄ですが、手続きをおこなうとなるとどれぐらいの費用が必要か知りたい方も多いのではないでしょうか。

本記事では、弁護士や司法書士へ依頼をする場合と、自分自身でおこなう場合のメリットやデメリットも合わせて相続放棄の手続きをおこなう際の費用相場を解説します。

相続放棄に必要な費用を抑え、スムーズに手続きをおこなえるよう準備していきましょう。

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相続放棄の費用相場とは?

一般的に相続放棄の手続きは、自分でおこなうのか弁護士または司法書士に依頼するのかの3つに分かれます。

「自分で手続きする場合」と「専門家に依頼する場合」で、費用相場は大きく異なります。
それぞれの選択肢ごとで費用相場がどれぐらい異なるかを解説しますので、比較しながら最適な相続放棄の手続きの方法を選択するようにしましょう。

相続放棄を弁護士に依頼する場合の費用

弁護士に依頼する場合の費用相場は、5万〜10万円です。

費用の内訳は、「相談料(1万円)」「申述書作成代理費用(5,000〜1万円)」「代理手数料(5万〜10万円)」が一般的です。

弁護士の一般的な依頼の料金体系は「着手金+成功報酬」となっており、着手金だけで20万〜30万円かかる場合もあります。

しかし、相続放棄を依頼する場合に報酬を固定している事務所も多く、依頼後に費用が何十万円もかかるケースはほとんどありません。

弁護士に依頼すると、他の選択肢と比べて費用は多少高くなる傾向がありますが、相続放棄以外の依頼、たとえば、被相続人の債権者からの執拗な取立てへの対応や相続トラブルが起きた際の裁判手続きを代わりにおこなってもらうなどの依頼の際に、同じ弁護士に依頼することでスムーズに話が進むなど、メリットは大きいです。

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相続放棄を司法書士に依頼する場合の費用

司法書士に依頼する場合の費用は、3万〜5万円です。

費用の内訳は、主に「相談料(0〜5,000円)」「申述書作成代理費用(3,000円〜6,000円)」「代理手数料(2万〜3万円)」です。

司法書士事務所によって、相続放棄の期間制限となる3ヵ月を過ぎているかどうかで費用が異なります。

3ヵ月を過ぎている手続きの依頼であれば、代理手数料が3万〜5万円と多く費用がかかる可能性が高いです。

司法書士は書類の作成が主になりますので、司法書士事務所による料金体系を比較しながら依頼先を決めるようにしましょう。

自分でする場合

自分で手続きをおこなう場合、費用は3,000〜5,000円ほどです。
一般的に自分で手続きをおこなう場合は、「手続き費用の収入印紙代」と「書類の取り寄せ費用」のみが必要になります。

具体的な費用の内訳は、「相続放棄の申述書に添付する印紙代(800円)」「郵便切手(約500円)」「被相続人の住民票除票(300円)又は戸籍附票(300円)」「被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(約750円)」です。

上記の費用内訳は、手続きにかかる費用の中ではかかる金額が低いケースです。

被相続人の両親や兄弟姉妹が相続放棄をする場合は、別途被相続人の出生時から亡くなるまでの全ての戸籍謄本等を集めなければなりません。

また、相続放棄のケースによって書類が10枚以上必要な場合もあり、かかる費用も増加します。

相続放棄のケースごとにかかる費用

相続放棄をおこなう際は、ケースごとに「交通費」「被相続人の財産の管理費」「相続放棄申述受理証明書の発行手数料」がかかります。

また、遺産に不動産などが含まれる複雑な遺産を相続するケースの場合は、相続放棄後に費用がかかる可能性があります。

ご自身のケースに当てはめて、手続き以外に必要な費用がないか確認しましょう。

交通費

相続放棄の手続きをする際に家庭裁判所の判断により面談が必要な場合、交通費がかかります。

提出する書類を郵送ではなく、家庭裁判所に直接提出する際にも交通費は必要です。

手続きをおこなう家庭裁判所は、被相続人の最後の住居地を管轄している家庭裁判所になります。

ご自身の住居地から近ければ問題ありませんが、新幹線や飛行機で行かなければならない距離の場合は宿泊費も想定しなければなりません。

財産の管理費

被相続人の財産に不動産や土地がある場合、財産を管理するための費用がかかります。

相続人は、被相続人の財産を管理しなければならない義務があります。
相続放棄した後であっても、次の相続人が管理し始めるまで財産の管理義務は継続されます。

次の相続人がいない場合や、財産を管理する義務を免れたい場合等には家庭裁判所に申請して相続財産管理人を選定してもらう必要があります。

管理人の選定には、予納金などを含む選任費用として30万〜100万円がかかりますので前もって準備をしておきましょう。

相続放棄申述受理証明書の発行手数料

相続放棄申述受理証明書が必要な場合、150円の発行手数料がかかります。

相続放棄申述受理証明書は銀行口座の解約などに必要になる書類で、相続放棄が認められると家庭裁判所から送付されます。

相続放棄申述受理証明書は、手続きをおこなった家庭裁判所で150円の発行手数料を払えば入手できる書類になります。

また、住所・氏名を書いた返信用封筒と返信用切手を同封すれば、郵送での相続放棄申述受理証明書の請求が可能です。

相続放棄を弁護士や司法書士へ依頼をするメリットやデメリットは?

相続放棄を弁護士や司法書士などの専門家に依頼するメリットとデメリットを解説します。

相続放棄の手続きは自分でおこなうとかかる費用を安く済ませられますが、不備などがあり書類が却下されると再申請できません。

手続きを弁護士や司法書士へ依頼をするメリットやデメリットを踏まえ、どのような形で手続きをおこなっていくかを検討してみてください。

相続放棄を弁護士や司法書士へ依頼をするメリット 

時間を節約できる

弁護士などの専門家へ依頼をすれば、手続きの時間が節約できます。

相続放棄は「必要な書類の収集や提出」「送られてくる書類にも必要事項を記入して返送」「(場合によっては)家庭裁判所での面談」など、時間と手間が多くかかります。

相続放棄の期間制限となる3ヵ月の間で仕事や家事、育児などの合間で手続きをおこなうのはかなり大変です。

専門家へ依頼をすれば、面倒な手続きや家庭裁判所の細かい対応などを代行してくれるため費用以上に安心ができる場面も多いでしょう。

弁護士は相続放棄の全ての手続きの代行が可能ですが、司法書士は代行できない業務があるため気をつけましょう。

時間も手間もできるだけ節約したいと考えている場合は、司法書士ではなく弁護士への依頼をおすすめします。

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専門的な手続きを正確にこなしてくれる

専門家へ依頼すれば、相続放棄の手続きを正確にこなしてくれます。

相続放棄の手続きは、一度、家庭裁判所から却下されれば、基本的に再申請できません。
家庭裁判所から却下されてしまうと、被相続人の負債を背負わなくてはならない可能性があります。

また、3ヵ月の期間制限の中で期限内で正確に手続きをおこなうのは、手続きにあまり時間がとれない人にとってはかなり厳しいでしょう。

専門家に依頼すれば、正確に対応してくれるため、3ヵ月以内に手続きを完了できます。

専門的なアドバイスが得られる

専門家に依頼すれば、手続きの中で問題が起きた際に専門的なアドバイスが得られます。

相続には相続放棄をしたほうがいいケースとしないほうがいいケースがあります。

明確にプラスの財産よりもマイナスの財産が多いなどの簡単なケースの場合は判断が容易です。

しかし、財産状況が複雑になっているなどの場合は、ご自身で判断すれば損をしてしまう可能性があります。

専門家に相談すれば、プロとしての専門的なアドバイスが受けられ損をする可能性も低下します。

相続放棄の手続きの中でイレギュラーな問題が起こった場合にも専門的なアドバイスは役立ちます。

相続放棄を弁護士や司法書士へ依頼をするデメリット

費用の負担がある

相続放棄を弁護士や司法書士へ依頼すると費用がかかってしまいます。

ご自身で手続きをおこなう場合であれば、3,000〜5,000円で済みますが、弁護士に依頼すれば5万〜10万円、司法書士に依頼すれば3万〜5万円の費用がかかります。

手続きをおこなうためのスケジュールや相続放棄をおこなわないといけない理由を踏まえながら費用面は検討するようにしましょう。

信頼できないと感じる場合がある

弁護士や司法書士との相性が悪く、信頼できない場合があります。

被相続人が亡くなって精神的に不安定な状態で相続放棄を依頼する専門家も信頼できない人物だと精神的なストレスは計り知れません。

依頼する前に何人かの専門家に相談して比較・検討し、対策をする必要があります。

専門家を選択する基準は、「説明のわかりやすさ」「質問に対する回答の丁寧さ」「費用の事前説明の有無」「契約を急かさないか」の4つでしょう。

相続放棄が受理されない可能性のある複雑な事情がある場合は、相続放棄に精通している専門家を選択する必要があります。

判断材料としては、「弁護士向けの著書出版、論文執筆、セミナー講師の実績」「相続放棄の有名な裁判例の担当実績」などが役に立ちます。

相続放棄の費用を抑えるコツ

相続放棄の費用を抑えるコツを2つ解説します。
相続放棄を専門家に依頼する場合、自分で手続きするよりも費用がかかってしまいます。

工夫をすれば費用を抑えられる可能性がありますので、紹介をする内容をもとに余分な費用の発生を抑えていきましょう。

法テラスを利用する

日々の生活も苦しく、弁護士に依頼する余裕がない場合は、法テラスの利用がおすすめです。

法テラスとは、国によって設立された法的トラブルの解決が目的の総合案内所です。

法テラスの民事法律扶助業務を利用すれば、弁護士・司法書士への依頼費用を月5,000円の返済額等で立て替えてもらえます。

弁護士や司法書士への依頼費用にお困りの方は法テラスを活用してみてはいかがでしょうか。

司法書士に優先的に依頼する

専門家への依頼費用を少しでも抑えたい場合は、弁護士ではなく司法書士に依頼しましょう。

弁護士と司法書士の業務可能な範囲は異なります。
弁護士は、家事事件の手続代理をすることができるため、手続きを全て代行できます。

しかし、司法書士は家事事件の代理業務をおこなうことができないため、書類には手続きする本人の署名や押印が必要です。

司法書士へ依頼する場合のほうが弁護士と比較して、手続きに少しご自身の手間がかかるため、費用も安くなります。

ご自身の手間が多少かかっても費用を抑えたい場合は、司法書士への依頼がおすすめです。

相続放棄を専門家に依頼するべきケースとは?

相続放棄を専門家に依頼すべきケースを解説します。
「相続放棄の期限を過ぎているケース」「相続人の間でトラブルが起こったケース」「相続放棄の手続きが面倒なケース」では、専門家への依頼をおすすめします。

ご自身の状況に該当するかどうか確認し、専門家への依頼を検討しましょう。

相続放棄の期限を過ぎているケース

相続放棄の期限の3ヵ月を過ぎているケースは、相続放棄を専門家へ依頼しましょう。
相続放棄の期限が過ぎている場合、期限がすぎた理由を説明する上申書を提出すれば、期限が過ぎていても相続放棄が可能です。

上申書はご自身で作成できますが、不備の許されない書類です。

弁護士や司法書士などの専門家に依頼し、家庭裁判所に確実に認めてもらえる上申書を作成してもらいましょう。

相続人の間でトラブルが起こったケース

相続人同士でトラブルが起こった場合は、専門家への依頼をおすすめします。

相続人同士でトラブルが起こった場合に専門家に依頼していれば、代わりに対応してもらえます。

また、債権者から執拗な取立てがあった場合も専門家が代わりに対応し、依頼人本人の精神的負担は大幅に減らせます。

司法書士は家事事件の代理業務をおこなえず、業務の幅が弁護士に比べて狭いためトラブルが起こった場合は司法書士ではなく弁護士に依頼することがおすすめです。

相続放棄の手続きが面倒なケース

相続放棄の手続きが面倒なケースも手続きを専門家へ依頼しましょう。

必要な書類の収集から書類の提出まで全て対応してくれます。

司法書士は、手続きの一部をご自身でおこなわなければなりません。
手続きの全てを任せたい場合は、司法書士ではなく弁護士へ依頼したほうがよいでしょう。

まとめ|相続放棄はひと苦労!できれば専門家を頼っていこう

相続放棄にかかる費用相場を解説しました。

ご自身で手続きをおこなったほうが、弁護士などの専門家に依頼するよりも費用は安く済みます。

しかし、相続放棄は一度家庭裁判所に申請を却下されると、基本的に再申請できません。

費用を抑えるためにご自身で手続きをおこなった結果、相続放棄できずに被相続人の負債を背負ってしまっては本末転倒です。

弁護士や司法書士に依頼して、手続きを早く正確にこなしてもらいましょう。
依頼するかどうか迷っている方は、一度、無料相談をおこなっているところもあるため、活用してはいかがでしょうか。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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