相続放棄に強い弁護士の選び方|相談すべき理由・探し方・弁護士費用も解説


相続が発生し財産調査をしたところ、被相続人が多額の借金を負っていることが発覚した場合、相続放棄をしたいと思っている方は多いでしょう。
しかし、自分で手続きをしてしまうと、手間がかかるため期限内に手続きができず、相続放棄を実行できないリスクがあります。
そのため、相続放棄は 弁護士費用をかけても弁護士に依頼するのがおすすめです。
本記事では、相続放棄に強い弁護士の選び方と依頼のメリットについて解説します。
また、弁護士費用や相続放棄の流れについてもご説明します。
相続放棄に強い弁護士とは
弁護士の中でも、相続放棄に強い人には特徴があります。
ここでは、3つの特徴を解説します。
相続問題の解決実績が豊富
相続放棄に強い弁護士を探す際、重要な点は「相続問題の解決実績が豊富」であることです。
相続問題は複雑で個別の事例によって異なる要素が絡み合います。
豊富な解決実績をもつ弁護士は、過去の類似ケースでの経験から幅広い知識と戦略を有しているため、迅速かつ効果的に相続放棄手続きを進めることが可能です。
また、顧客の個別のニーズに応じた解決策を提供し、法的な課題やリスクを最小限に抑えられます。
相続問題においては、解決実績の豊富さが信頼性と専門性の指標となります。
Webサイト上の解決実績を確認したり、これまでの出版物を調べたりするのもおすすめです。
不利な情報も伝えてくれる
弁護士は、時には不利な情報やリスクも率直に伝えることが求められます。
リスクを把握することで、将来的な問題や争いに巻き込まれる確率を最小限に抑えます。
不利な情報の共有は、透明性と信頼の構築にもつながるでしょう。
準備・対応を任せることができる
面倒な手続きを弁護士に一任できることは相続放棄を弁護士に依頼することで得られる大きなメリットです。
相続放棄を得意とする弁護士は、申述書の作成・戸籍資料の取得・家庭裁判所による照会への回答など、おおかたの準備や手続きを代行してくれます。
弁護士へ相談する場合には、ご自身が対応すべき事柄を知ったうえで、弁護士に代行してもらえるかを確認しましょう。
なお、多くの行程を依頼者に任せる弁護士には、依頼を避けた方がよいでしょう。
相続放棄に強い弁護士を探す方法
ここでは、相続放棄に強い弁護士を探す方法について解説します。
ベンナビ相続で探す
ベンナビ相続は、相続問題が得意な弁護士を検索できるポータルサイトです。
相続トラブル・相続放棄・遺留分侵害額請求などの相談内容のほか、電話相談・無料相談・休日相談など、相談方法でも弁護士を検索可能です。
ベンナビ相続に掲載されているコンテンツは、運営会社のルールに基づき、社内編集者が品質管理を徹底しているため、参考になる情報が多くあるでしょう。
弁護士探しに困ったときには、まずはベンナビ相続で検索してみるのがおすすめです。
知り合いに紹介してもらう
次に、自身の周囲に相続や法律に詳しい知り合いを探すのも効果的です。
家族や友人、同僚、または知人の中に、法律事務所や弁護士との関わりがある人がいるかもしれません。
その方に相続放棄に強い弁護士を探している旨を伝え、紹介してもらえるよう頼んでみましょう。
知り合いの紹介は信頼性が高く、弁護士の経験や専門知識に関する情報を得られる可能性があります。
また、弁護士が実績をもつか、相続放棄に関する専門知識をもっているかを確認するため、紹介された弁護士と面談し、相談内容や料金体系などを話し合うことも重要です。
インターネット検索
インターネットを活用して弁護士を探す方法もあります。
まず、検索エンジンで「相続放棄 弁護士」といったキーワードを入力し、関連する情報を探します。
法律事務所や専門サイトの中には、相続や遺産問題に注力している弁護士を紹介している場合があるため、サイト内の弁護士のプロフィールや経験、得意分野について確認しましょう。
また、クライアントのレビューや評価も参考になります。
ホームページやブログを通じて、弁護士の考え方やアプローチ方法も把握し、複数の候補を比較しつつ、相談の予約や無料相談の申し込みをおこなうことが重要です。
弁護士会・法テラスの法律相談を利用する
弁護士会とは、弁護士や弁護士法人が加入する団体で、原則として各都道府県に一つ以上の弁護士会が存在します。
各弁護士会は法律相談センターを構えており、そこで市民の法律相談に応じています。
法テラスとは、国が設立した法律問題解決のための相談窓口です。
弁護士会や法テラスに相談すると、相談内容に応じた地元の弁護士を紹介してもらうことができます。
特に弁護士費用に不安を抱いている方は、法テラスを利用するのがおすすめです。
法テラスでは「民事法律扶助制度」として最大3回まで無料で法律相談を受けられたり、弁護士費用等を立て替えてもらうこともできます。
法テラスの契約弁護士に依頼したい場合は、弁護士を通じて法テラスの利用を申し込むことで可能です。
この場合、依頼先の弁護士を自分で選ぶことができます。
弁護士に問い合わせるときに、法テラスを利用できるか確認しましょう。
相続放棄に強い弁護士の選び方
相続放棄に強い弁護士を選ぶときには、以下を参考にするのがおすすめです。
- 無料相談を活用する
- 口コミや評判も参考程度にチェック
- 弁護士費用が高すぎない
それぞれのポイントを解説します。
無料相談を活用する
相続放棄に強い弁護士の選び方について、無料相談を活用することが重要な点のひとつです。
無料相談を受けることで、以下のメリットを得られます。
- 相談料が無料であるため、気軽に相談できる
- 弁護士の得意分野や経験を知ることができる
- 依頼するかどうかを決める前に、弁護士事務所の雰囲気や弁護士の対応力を確認できる
また、無料相談を利用する際には、以下の観点で判断する必要があるでしょう。
- 親身になってくれるか
- 説明がわかりやすいか
- 迅速に対応してくれるか
- 弁護士に対して相性が良いと感じるか
親身になってくれるか
親身になって対応してくれる弁護士を選ぶことは、信頼関係を築くうえで重要です。
無料相談を活用することで、弁護士の対応や態度を直接感じられます。
対話の中で、相手が自分の状況に真剣に向き合い、適切なアドバイスを提供してくれるかを見極めましょう。
説明がわかりやすいか
相続放棄に関する法的な手続きやプロセスは複雑な場合があります。
弁護士が専門知識をもちながらも、わかりやすく説明してくれることは重要です。
無料相談の場を通じて、弁護士の説明が専門用語を避けてわかりやすくなされているかを確認しましょう。
また、自分が理解できない点や疑問に対して、丁寧に答えてくれるかもチェックしてください。
迅速に対応してくれるか
相続放棄の手続きは、時間的な制約や期限がある場合があります。
そのため、弁護士と円滑にコミュニケーションを取ることが重要です。
無料相談を利用して、弁護士との連絡方法や対応スタイルを確認しましょう。
メールや電話での返信が迅速であり、自分の疑問や問題に対してスムーズに対応してくれるかを見極めなければなりません。
弁護士に対して相性がいいと感じたか
弁護士には、穏やかで柔らかく伝えてくれる方や必要なことをはっきり伝えてくれる方などいろいろなタイプの方がいます。
こうした弁護士の人柄、雰囲気、印象などは、相談者の好みによって感じ方が変わるでしょう。
そのため、相談をした際に弁護士のタイプを確認し、相性が良いと感じる弁護士に依頼することをおすすめします。
口コミや評判も参考程度にチェック
相続放棄に強い弁護士の選び方として、口コミや評判も参考程度にチェックすることが大切です。
口コミや評判をチェックすることで、弁護士の対応力や信頼性を知ることができます。
ただし、口コミや評判はあくまでも参考程度に留め、自分自身で相談してみて、その弁護士が自分に合っているかどうかを確認しましょう。
弁護士費用が高すぎない
相続放棄に強い弁護士を選ぶ際には、弁護士費用が高すぎないことも重要なポイントのひとつです。
弁護士費用は、相続放棄の手続きによって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度が相場とされています 。
弁護士費用が高すぎる場合は、依頼するか悩むこともあるため、事前に費用について確認しておくことが大切です。
相続放棄は弁護士と司法書士どちらに相談すべき?
ここでは弁護士と司法書士の違いについて解説します。
まず、相続放棄に強い弁護士への依頼では下記の効果が期待できます。
- 確実に相続放棄できる
- 期限を過ぎた場合でも受理される可能性が高まる
- 相続放棄するのがベストかアドバイスをもらえる
- 債権者の対応を任せられる
- ほかの相続人への対応も任せられる
それぞれ解説しましょう。
確実に相続放棄できる
相続放棄に強い弁護士に依頼することで、相続放棄ができる可能性が高くなるでしょう。
弁護士は、相続放棄をするかしないかの判断材料になる相続財産調査を精度高くおこなえます。
また、相続放棄の手続きには期限があり、専門家に依頼することによってスムーズな手続きが可能です。
期限を過ぎた場合でも受理される可能性が高まる
相続放棄を得意とする弁護士に依頼することで、期限を過ぎた場合でも受理される可能性が高まるでしょう。
ただし、相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内」におこなう必要があり、期限を過ぎてしまうと受理されなくなります。
しかし期限を過ぎてしまった場合でも、弁護士に相談し事情を主張してもらうことで、相続放棄の申述が認められるケースもあります。
とはいえ、具体的な事例については弁護士によって異なるので、弁護士に相談することをおすすめします。
相続放棄の期限については「相続放棄の期間は3ヵ月だけ?期限延長の方法や期限後も相続放棄できるケースとは」に記載されているので、ぜひ確認してみてください。
相続放棄するのがベストかアドバイスをもらえる
依頼することで、相続放棄が最適な選択かアドバイスをもらえることが期待できます。
弁護士は、依頼者の債務や相続財産、個別の目標などを考慮し、法的観点からの評価と財務的影響の評価をおこないます。
また、相続放棄が最良の選択でない場合には、代替手続きを提案する場合もあるでしょう。
このように相続放棄に関するリスクや利点を理解し、個人の状況に適した意思決定につながります。
債権者の対応を任せられる
相続放棄に強い弁護士に依頼することで、債権者の対応を任せることもできます。
債権者への対応は、弁護士が代行します。
具体的には、債権者からの連絡や請求書を受け取り、相続放棄した旨を伝え、債権者からの請求が適正かを判断し、必要な場合には交渉もおこないます。
さらに、債権者の間で和解が成立しない場合は、裁判所で争うこともあります。
債権者との交渉や裁判所での争いといった専門的な知識が必要な場合もあるため、弁護士に相談をおすすめします。
自分で相続放棄をするのをおすすめしない理由は「相続放棄を自分でやるのは大変?弁護士に依頼するメリットと注意点を知ろう」を確認してみてください。
ほかの相続人への対応も任せられる
債権者だけではなく、ほかの相続人の対応も任せることができます。
たとえば相続人からの問い合わせや連絡を受け取り、相続放棄した旨を伝えます。
また、相続人からの請求が適正かを判断し、必要な場合は交渉もおこないます。
費用はあまり変わらない
「弁護士に依頼すると、司法書士よりもお金がかかるのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし実際には、弁護士と司法書士に依頼した場合の費用は、あまり変わりません。
一般的に、弁護士に依頼すると5万円から10万円、司法書士に依頼した場合は、3万円から5万円といわれています。
上記のように弁護士に依頼することで受けられるメリットもあるため、内容をしっかり確認して依頼することをおすすめします。
相続放棄の弁護士費用
ここでは、相続放棄を弁護士に依頼する際に発生する費用を具体的に解説します。
相談料|依頼前の相談時に支払う、無料の場合も
相談料は、相続放棄に関する法律的な助言やアドバイスを受けるために弁護士に相談する際に支払う費用です。
通常、相談料は時間制で計算されます。
たとえば、30分の相談に対しては約5,000円程度の料金がかかることが一般的です。
相談料は、弁護士が個別の状況を詳しく聞き、相続放棄についての法的手続きやリスクについて具体的なアドバイスを提供するために必要な費用です。
弁護士に相談することで、自分の権利や義務について正確な情報を得ることができ、適切な判断をするための支援を受けられます。
着手金|依頼時に支払う
着手金は、正式に弁護士へ依頼する段階で支払います。
相続放棄の着手金は、相続人1人当たり11万円(税込)程度が標準的です。
複数の相続人が同時に相続放棄を依頼する場合には、2人目以降の着手金が割り引かれることもあります。
ただし、期限後の相続放棄など特殊な事情がある場合には、着手金が増額されるケースが多いのでご注意ください。
報酬金|期限経過後の相続放棄で発生することが多い
報酬金は、弁護士による事件処理の結果に応じて、依頼終了時に支払います。
期限内の相続放棄であれば、報酬金は発生しないことが多いです。
これに対して、期限が経過しているなど相続放棄が認められない可能性がある場合には、着手金と同額程度の報酬金が発生することがあります。
実費|公的書類の取得費用・郵送料・印紙代など
弁護士が案件対応の過程で支出した実費は、依頼者負担となります。
相続放棄については、以下のような実費が発生します。
- 郵送費
- 印刷費
- 戸籍資料の取得費
- 相続放棄の申述手数料
- 相続放棄受理証明書の交付手数料 など
相続放棄を弁護士に依頼したあとの流れ・手続き
相続放棄を弁護士に依頼した場合、以下の流れで進んでいきます。
- 申し立て準備
- 相続放棄の申述の申立て
- 照会書に回答記載・返送
- 相続放棄受理通知書を受領
それぞれ解説しましょう。
申し立て準備
弁護士は相続人と面談し、相続放棄の意思を確認します。
面談では、相続人の身分や相続に関する情報を収集し、相続財産や債務の状況を明らかにします。
また、相続人の家族構成や法的な手続きについて確認するのも大切です。
この準備が整ったら、相続放棄の手続きを進めるための準備がおこなわれます。
相続放棄の申述の申立て
弁護士は相続放棄の申立書を作成します。
申立書には、相続人の基本情報や相続放棄の理由、相続財産の内容などが記載されます。
また、必要な書類(相続人の身分証明書や戸籍謄本など)も一緒に提出し、この申立書と書類を家庭裁判所に提出するのです。
提出後、家庭裁判所から照会書が送付されます。
照会書に回答記載・返送
弁護士は家庭裁判所から送られてきた照会書に対して、正確に回答を記載します。
照会書には、相続放棄に関する追加の情報や確認事項が含まれています。
弁護士は適切な回答をおこない、必要な情報を提供しなければなりません。
回答書類は一定期間内に家庭裁判所に返送されます。
相続放棄受理通知書を受領
家庭裁判所が申立てを受理し、相続放棄が承認されると、弁護士は相続放棄受理通知書を受領します。
この通知書は、相続放棄が正式に成立したことを示すものです。
受領後、弁護士は依頼者に通知し、手続きが完了したことを報告します。
相続放棄手続きの流れについては「相続放棄手続きの流れ|自分でおこなう方法と弁護士に依頼するメリットを解説」をご覧ください。
まとめ|「ベンナビ相続」で相続放棄に強い弁護士を探そう!
相続放棄は手続きが複雑で期限もあるため、弁護士に依頼することが多いです。
しかし、弁護士の選び方には注意しなければなりません。
そこで、「ベンナビ相続」を使って、相続放棄に強い弁護士を探してみましょう。
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