退去費用に納得できないときの対処法!払わなくていい費用も解説
賃貸物件を退去するとき、想定より高額な原状回復費用を請求されて戸惑っていませんか。
実は、原状回復費用の一部は本来貸主が負担すべきもので、交渉次第で減額できるケースが少なくありません。
本記事では、退去費用のうち払う必要がないもの、自分で交渉する方法、弁護士に相談すべきタイミングと費用相場を解説します。
読み終えるころには、自分のケースで次にどう動けばよいかを判断できるようになります。
退去費用(原状回復費用)とは何か
退去費用は、主に原状回復費用と、契約書の特約に基づく費用の2種類に分けられます。
原状回復費用と特約費用は負担の根拠となるルールが異なるため、区別して理解しておくと、請求書のどの部分に争う余地があるかを見極めやすくなります。
退去費用という言葉でひとまとめに考えてしまうと、実際は争える部分を見落とす原因になります。
見積書の中に、原状回復費用にも特約費用にも当てはまらない項目が混ざっていないかも、あわせて確認しましょう。
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種類 |
内容 |
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原状回復費用 |
借主の故意や過失によって生じた損傷を元に戻すための費用 |
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特約による費用 |
賃貸借契約書に個別に定められた退去時の追加費用 |
原状回復費用|借主の故意・過失による損傷を元に戻す費用
原状回復費用とは、借主が住んでいる間に生じさせた損傷のうち、故意や過失、通常の使用を超える使い方によるものを元に戻すための費用です。
民法では、借主は借りていた部屋を受け取った後に生じた損傷について、退去時に元の状態へ戻す義務を負うと定められています。
ただし、借主の責任とはいえない事情による損傷であれば、原状回復義務は生じません。
国土交通省が公表しているガイドラインでも、通常の使用によって生じる損耗や、時間の経過による自然な劣化は、原状回復の対象に含まれないと整理されています。
通常損耗・経年劣化を対象外とする考え方は、2020年4月に施行された改正民法で条文として明文化されました。
改正前は判例や解釈に委ねられていた考え方が、法律上のルールとして確認された形です。
【参考】民法第621条|e-Gov法令検索
特約による費用|契約書に定められた退去時の追加費用
特約による費用とは、賃貸借契約書に個別に記載された、退去時に借主が負担する取り決めのことです。
たとえば、退去時のハウスクリーニング代や鍵交換費用を借主負担とする特約が代表例です。
ただし、契約書に特約が書かれていれば必ず有効になるわけではありません。
特約が有効と認められるには、次の3つの要件を満たす必要があります。
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内容が借主にとって過大な負担でないこと
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借主が特約の存在と内容を認識したうえで合意していること
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借主が特に負担すべき客観的で合理的な理由があること
上記の要件を欠く特約は、無効を主張できる可能性があります。
契約書に退去費用に関する特約がない場合は、原則として貸主側の負担になります。
【参考元】原状回復をめぐるトラブルとガイドライン|国土交通省
退去費用のうち払わなくていいもの・払うべきもの
退去費用のうち、通常損耗や経年劣化にあたる部分は貸主が負担し、故意や過失による損傷は借主が負担するのが原則です。
見積書に記載された項目を1つずつ、貸主負担か借主負担かに仕分けていくと、支払う必要のない金額が見えてきます。
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負担者 |
区分 |
具体例 |
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貸主負担 |
通常損耗・経年劣化 |
日照による壁紙の変色、家具を置いていたことによる床のへこみ、画鋲の穴 |
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借主負担 |
故意・過失による損傷 |
喫煙による壁紙の黄ばみやにおい、不注意でつけた傷、掃除を怠ったことによる汚れ |
自分が請求されている項目が、貸主負担と借主負担のどちらに該当するかを確認することが、退去費用の妥当性を判断する第一歩になります。
次の見出しから、貸主負担・借主負担の判断基準を具体的に説明します。
通常損耗・経年劣化は貸主負担で払わなくていい
通常損耗とは、借主が通常の生活を送るなかで自然に生じる摩耗や汚れのことです。
経年劣化とは、時間の経過によって建物や設備の性能が自然に低下することを指します。
どちらも借主の使い方に問題があったわけではないため、原状回復費用として請求することはできません。
国土交通省のガイドラインでは、通常損耗や経年劣化の具体例として次のようなものが示されています。
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家具を置いたことによる床やカーペットのへこみ
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日照による畳やクロスの変色
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壁に貼ったポスターの跡
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鍵の取り替え
見積書に上記の項目が含まれている場合、該当部分については支払う義務がない可能性が高いといえます。
査定した業者や大家によって判断が分かれることもあるため、迷ったときは項目ごとに指摘して確認を求めましょう。
故意・過失による損傷は借主負担で支払う必要がある
借主が支払う必要があるのは、通常の使用を超える損耗です。
具体的には次のような例が挙げられます。
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喫煙による壁紙の黄ばみやにおい
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不注意でつけた床や壁の傷
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掃除を怠ったことによる汚れ
ただし、借主負担となる場合でも、請求額の全額をそのまま支払う必要があるとは限りません。
原状回復費用は、設備の耐用年数や入居してからの経過年数に応じて負担割合が調整される考え方が取られています。
たとえば壁紙の耐用年数を6年とした場合、入居から6年が経過していれば、借主の負担割合は大きく下がる計算になります。
見積もりを受け取ったら、経過年数による調整が反映されているかどうかも確認しましょう。
調整が反映されないまま新品交換費用の全額を請求されているケースもあるため、金額だけでなく計算根拠まで確認する姿勢が大切です。
退去費用(原状回復費用)の相場
退去費用の相場をあらかじめ把握しておくと、実際に請求された金額が妥当かどうかを判断する際の参考になります。
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間取り |
居住年数 |
退去費用の相場の目安 |
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ワンルーム・1K |
1〜3年 |
3万円〜8万円程度 |
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1LDK〜2LDK |
3〜6年 |
5万円〜15万円程度 |
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3LDK以上・長期居住 |
6年超 |
3万円〜10万円程度、経年劣化による負担軽減あり |
※上記の数値はあくまで目安であり、物件の状態や依頼先によって変動します。
一般的には、ワンルームや1Kのような単身向け物件では数万円程度、ファミリー向けの広い間取りではそれ以上になる傾向があるといわれています。
一方で、居住年数が長いほど設備の経年劣化の割合が増えるため、借主の負担額はむしろ下がりやすくなります。
相場より高い金額を提示された場合でも、不当な請求と断定はできません。
どの修繕について、なぜ借主負担になっているのか、内訳や根拠まで確認して判断しましょう。
退去費用に納得いかないときの対処法
自分でできる対処法として、内訳の確認から契約書の確認、交渉、法的手段の検討という順番で進めるのが基本です。
見積もりの内訳明細を請求する
退去費用に納得できないときは、まず見積もりの内訳明細を請求しましょう。
金額だけを提示されても、内訳を確認しない限り、争える部分があるかどうかは判断できません。
大家や管理会社から「原状回復費用一式」のような大まかな金額しか提示されない場合は、内訳を明示するよう求める権利があります。
明細書を受け取ったら、通常損耗や経年劣化にあたる項目が含まれていないかを1つずつ照合していきます。
明細の請求を口頭だけで済ませると、後から言った言わないの水掛け論になりやすいため、メールや書面など記録が残る方法で依頼しましょう。
不明瞭な項目が見つかれば、不明瞭な点そのものが交渉の具体的な材料になります。
明細を出さない、あるいは出し渋る相手ほど、請求内容に根拠が乏しいケースも見られます。
賃貸借契約書の特約を確認する
次に、賃貸借契約書に退去費用に関する特約が記載されているかを確認します。
特約の有効要件は、内容が過大な負担でないこと、内容を認識して合意していること、負担させる合理的な理由があることの3点です。
上記の要件を欠く特約については、無効を主張できる可能性があります。
契約書に退去費用に関する特約の記載がそもそもない場合は、原則として貸主側の負担になります。
特約の有無と内容を確認するだけで、請求額の妥当性を判断する材料が大きく増えます。
契約書は退去後も手元に残しておき、いつでも見返せるようにしておきましょう。
特約の文言があいまいで判断がつかない場合は、該当箇所だけを取り出して弁護士に確認してもらう方法もあります。
契約時に読み流していた条項が、退去時になって争点になることは珍しくありません。
貸主・管理会社と交渉する
内訳と契約書を確認したら、貸主や管理会社と交渉します。
交渉は口頭だけでなく、内容証明郵便などの書面で記録を残しながら進めると効果的です。
交渉の際は、国土交通省のガイドラインが示す通常損耗・経年劣化の考え方を根拠として伝えると、単なる感情的な主張よりも話が進みやすくなります。
見積もりの該当箇所を具体的に指摘し、なぜ借主負担にあたらないと考えるのかを説明しましょう。
交渉が平行線をたどり、大家や管理会社が応じない場合は、弁護士への相談を検討する段階です。
当事者同士で何度話し合っても状況が変わらないときは、無理に交渉を続けるより、専門家に間へ入ってもらったほうが早く解決に近づくことがあります。
交渉がまとまらない場合は少額訴訟を検討する
交渉によって解決しない場合は、法的手段を検討します。
請求額が60万円以下であれば、簡易裁判所で扱う少額訴訟という制度を利用できます。
少額訴訟は原則として1回の審理で判決が出る手続きで、手続き自体は自分でも進められます。
請求額が60万円を超える場合は、通常訴訟で争うことになります。
通常訴訟は少額訴訟よりも手続きが複雑で、審理にも時間がかかる傾向があります。
いずれの手続きも、弁護士に依頼すれば書類の作成から出廷までを任せられます。
訴訟になった場合の対応まで見据えて早めに相談しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
訴訟にまで至らず交渉段階で解決するケースも少なくありません。
【参考元】少額訴訟|裁判所
退去費用が高い・納得できないなら弁護士への相談で解決できる可能性がある
高額な退去費用を請求されたとき、まず知っておきたいのは、不当な請求分は弁護士の交渉や法的手続きで減額できる可能性があるということです。
原状回復費用には法律上の負担ルールがあり、貸主の言い値がそのまま確定するわけではありません。
弁護士に相談すると、大家や管理会社との代理交渉、内容証明郵便の送付、少額訴訟への対応まで任せられます。
感情的な対立を避けながら、法的根拠に基づいて交渉を進められる点が自分だけで対応する場合との大きな違いです。
まずは、どんなケースで弁護士への相談が向いているかを見ていきましょう。
退去費用の交渉を弁護士に依頼できるケース
弁護士への相談が向いているのは、次のような状況です。
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請求額が相場より高い
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内訳が不明瞭
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大家や管理会社が交渉に応じない
上記のような状況では、自分だけで解決しようとすると時間がかかり、結果的に不利な条件で合意してしまうこともあります。
該当するのは、次のようなケースです。
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見積書に工事内容の内訳が書かれていない
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通常損耗にあたる項目まで請求されている
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契約書にない特約を理由に費用を求められている
一方で、明らかに自分の不注意でついた傷があり、請求額も相場と大きく変わらない場合は、弁護士に依頼するほどの争点がないこともあります。
判断に迷ったときは、無料相談を利用して請求内容の妥当性を確認してもらう方法があります。
弁護士に依頼した場合の解決までの流れ
弁護士に依頼した場合、一般的には次の流れで進みます。
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初回相談で退去費用の見積書や賃貸借契約書を提示し、請求内容が妥当かどうかを判断してもらう
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弁護士名で大家や管理会社に内容証明郵便を送り、減額を求めて交渉をおこなう
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交渉がまとまらない場合は、60万円以下であれば少額訴訟、それを超える場合は通常訴訟に移行する
上記の一連の対応を弁護士に任せられるため、平日に何度も管理会社とやり取りする手間や、専門知識がないまま交渉する不安を減らせます。
自分で交渉するかどうか迷っている段階でも、早めに弁護士へ相談しておくと、依頼するかどうかの判断がしやすくなります。
退去費用トラブルを弁護士へ相談した場合の費用相場
退去費用の相場と、弁護士に交渉を依頼した場合の費用感をあらかじめ把握しておくと、依頼するかどうかを判断しやすくなります。
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弁護士費用の体系 |
内容の目安 |
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着手金+成功報酬型 |
着手金数万円+減額分の一定割合 |
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完全成功報酬型 |
着手金なし・減額が成立した場合のみ減額分の30〜40%程度を報酬として支払う |
弁護士に退去費用の交渉を依頼する場合、料金体系は主に着手金と成功報酬を組み合わせた形と、着手金なしの完全成功報酬型に分かれます。
完全成功報酬型では、交渉によって退去費用が減額できた場合にのみ、減額分の一定割合を報酬として支払う仕組みが一般的です。
交渉が不成立に終わった場合は費用が発生しないため、依頼する側のリスクを抑えられる料金体系といえます。
また、加入している保険に弁護士費用特約が付いている場合は、自己負担をさらに抑えられる可能性があります。
特約が退去費用トラブルにも使えるかどうかは、契約している保険会社に確認しましょう。
相談する弁護士事務所によって料金体系や報酬割合は異なるため、複数の事務所の無料相談を比較してから依頼先を決めると良いでしょう。
退去費用を弁護士に相談する3つのメリット
弁護士に相談することで、自分で交渉するより有利な条件で、かつ少ない負担で解決できる可能性が高まります。
弁護士費用というコストがかかる点は前の見出しで触れたとおりですが、費用を踏まえたうえでのメリットを見ていきましょう。
適正な減額額を根拠立てて主張できる
弁護士に依頼する大きなメリットは、国土交通省のガイドラインや過去の裁判例を根拠にして、法的な観点から交渉を進められることです。
感情的なやり取りではなく、客観的な根拠に基づいた主張になるため、貸主側も無視しにくくなります。
弁護士名義で送付する内容証明郵便には、一般の借主が送るものとは異なる重みがあります。
貸主や管理会社も、法的な対応を意識して慎重に応じる傾向があるため、自分で交渉するよりも減額が成立しやすくなる場合があります。
専門知識に基づく交渉力は、個人だけでは得にくい強みです。
同じ資料をもとに交渉していても、伝え方や根拠の示し方によって結果が変わることは珍しくありません。
自分の主張に自信が持てないまま交渉するより、根拠を整理してもらったうえで臨むほうが結果につながりやすくなります。
交渉から書面作成・出廷までを任せられる
退去費用の交渉には多くの手間がかかります。
内容証明郵便の作成や貸主とのやり取りに加え、場合によっては訴訟の準備まで必要になるためです。
弁護士に依頼すれば、一連の対応を一任できます。
平日の日中に何度も電話や書面のやり取りをする時間がない人にとって、やり取りの負担が減ることは大きな利点です。
少額訴訟に発展した場合でも、必要書類の準備や出廷への対応まで任せられるため、自分で一から手続きを調べる必要がありません。
時間的な余裕がない人ほど、弁護士に任せることの効果を感じやすいといえます。
仕事や引っ越し準備で慌ただしい時期に、退去費用の交渉まで自分ですべて対応するのは負担が大きく、任せられる部分は任せておくほうが結果的に負担を抑えられます。
貸主・管理会社と直接対立せずに解決できる
弁護士に依頼すると、弁護士が窓口となって交渉を進めるため、貸主や管理会社と直接やり取りする必要がなくなります。
感情的な対立を避けながら交渉を進められる点は、精神的な負担を軽くするうえで大きな意味を持ちます。
将来的に同じ管理会社が扱う別の物件に住む可能性がある場合でも、代理人を介した冷静なやり取りであれば、関係を大きく損なわずに解決へ進めやすくなります。
間接的な交渉が生むメリットは、金額の減額そのものと同じくらい重視されることがあります。
退去後も同じ地域に住み続ける場合や、同じ管理会社が扱う物件が多い地域では、関係を保ちながら解決できる利点は小さくありません。
感情的なやり取りを避けたいと考える人にとって、代理人を介した交渉は精神的な負担を大きく減らす選択肢になります。
退去費用を払わないと督促や代位弁済、裁判に発展する
請求内容に納得がいかないからといって、退去費用を無視したまま放置するのは得策ではありません。
支払いを拒否し続けると、督促状の送付、保証会社による立て替え払い、最終的には裁判に発展する可能性があります。
連絡を絶ってしまうと、貸主側と交渉する余地自体がなくなり、本来なら減額できた可能性がある部分まで争えなくなることもあります。
納得できない場合ほど、無視をせず、内訳を確認し、交渉や専門家への相談へと自分から動くことが重要です。
放置する期間が長くなるほど、遅延損害金が加算されるなど、支払う金額そのものが増えていく点にも注意しましょう。
感情的に無視したくなる気持ちがあっても、まずは冷静に状況を整理し、早い段階で対応することが望ましいといえます。
支払いを無視した場合に起こること
退去費用の支払いを無視し続けると、まず支払い期限を過ぎたことを知らせる督促状が届きます。
それでも対応しないままだと、賃貸契約時に利用していた保証会社が、借主に代わって貸主へ費用を立て替えて支払う場合があります。
保証会社が代わりに支払うことを代位弁済といいます。
代位弁済が行われると、今度は保証会社が借主に対して立て替えた金額を請求してきます。
連帯保証人がいる契約では、保証人に請求が向かうこともあります。
最終的に支払いが行われないままだと、貸主や保証会社が少額訴訟や通常訴訟を提起し、裁判で支払いを求められるケースもあります。
請求内容に納得できない場合でも、無視するのではなく、内訳を確認したうえで交渉や相談という形で対応することが大切です。
退去費用のトラブルは「ベンナビ法律相談Q&A」に相談!
請求内容に納得できないまま自己判断で支払ってしまうと、本来交渉によって減額できた可能性がある金額を払い続けることになりかねません。
金額の大小にかかわらず、まずは弁護士に相談して請求内容の妥当性を確認してもらうことをおすすめします。
とはいえ、「これって弁護士に相談すべきレベルの話なのか」判断がつかない、という方も多いでしょう。
ベンナビ法律相談Q&Aでは、質問を投稿すると、退去費用トラブルなどの分野を得意とする弁護士が無料で回答してくれるため、解決に向けた具体的な対処方法がわかります。
まずは無料相談を活用し、自分の状況で何ができるのかを確認してみましょう。
退去費用トラブルに関してよくある質問
さいごに、退去費用についてよく寄せられる質問を紹介します。
退去費用の弁護士費用の相場はどれくらい?
着手金無料の完全成功報酬型を採用する事務所が多く、報酬額は減額できた金額の30〜40%程度が目安です。
交渉が不成立の場合は費用が発生しないケースが一般的ですが、正式な料金は依頼先の弁護士に確認しましょう。
退去費用が高すぎて払えません。どうしたらいい?
まずは見積もりの内訳明細を請求し、通常損耗や経年劣化にあたる項目が含まれていないか確認しましょう。
交渉で解決しない場合は、弁護士に相談して減額交渉や分割払いの調整を検討する方法があります。
無料相談を利用して請求内容の妥当性を確認してもらうことも選択肢です。
退去費用に納得いかない場合、どこに相談すればいい?
消費生活センターや法テラスでも一般的な助言は受けられますが、交渉の代理や書面作成まで任せたい場合は、賃貸トラブルに詳しい弁護士への相談が向いています。
まずは無料相談で状況を伝え、争える余地があるかどうかを確認するとよいでしょう。
弁護士費用特約は退去費用トラブルにも使える?
加入している保険の契約内容によります。
日常生活のトラブルを補償対象に含む弁護士費用特約であれば、退去費用トラブルの相談・依頼費用に利用できる場合があるため、保険会社に確認しましょう。
まとめ
退去費用は、請求されたすべてを支払う必要があるとは限りません。
通常損耗や経年劣化にあたる部分は貸主が負担するのが原則で、見積もりの内訳や契約書の特約を確認するだけでも、争える項目が見つかることがあります。
自分で交渉しても解決しない場合や、請求額が大きく判断に迷う場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
無料相談を利用すれば、請求内容の妥当性を専門家の目線で確認してもらえます。
支払いを拒否したまま放置すると督促や裁判につながるおそれがあるため、納得できないときこそ、無視せずに行動へ移すことが大切です。
見積書と契約書の2点を手元に用意しておくだけでも、相談はスムーズに進みます。
まずは一歩踏み出して、状況を整理することから始めてみてください。
