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不動産売却トラブルの原因と対処法を解説|共有名義・契約・金銭のケースまで紹介

不動産売却トラブルの原因と対処法を解説|共有名義・契約・金銭のケースまで紹介

 

不動産の売却は取引額が大きく、不動産会社・買主・共有者など関わる当事者も多いため、思わぬトラブルに発展することがあります。

契約内容の確認不足や物件の不具合の伝え漏れ、共有名義の物件特有の事情など、トラブルの原因はさまざまです。

トラブルの種類によって、事前に防げるものと、発生してから対応が必要になるものがあります。

この記事では、不動産売却で実際に起こりやすいトラブルを契約・金銭・物件・共有名義の観点から整理し、トラブルを未然に防ぐための注意点と、すでにトラブルに直面している場合の相談先を解説します。

読み終えるころには、自分が直面している状況がどのトラブル類型に当てはまるかを把握し、次にとるべき行動を判断できるようになります。

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目次

不動産売却トラブルは契約・金銭・物件・共有名義の4種類に分けられる

不動産売却で起こるトラブルは、発生する場面によって大きく4つに分類できます。

まずは自分が直面している、または懸念しているトラブルがどの類型に当てはまるかを確認しましょう。

契約に関するトラブル|媒介契約の内容や契約解除をめぐるもめごと

不動産会社との媒介契約の内容や、買主との契約解除をめぐって生じるトラブルです。

媒介契約には一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があり(宅地建物取引業法34条の2)、契約形態によって不動産会社が負う義務の範囲が変わります。

専任媒介・専属専任媒介では、不動産会社はレインズ(指定流通機構)への物件登録義務と、売主への定期的な業務報告義務を負いますが、この義務を怠って自社での両手仲介を優先する「囲い込み」がトラブルの典型例です。

金銭に関するトラブル|仲介手数料や買取価格をめぐるもめごと

仲介手数料の金額や、買取業者が提示する買取価格をめぐるトラブルです。

仲介手数料には宅地建物取引業法46条に基づき国土交通大臣が定める上限額があり、売買価格400万円を超える部分については「売買価格×3%+6万円(消費税別)」が目安とされています。

この上限を超える請求や、契約書に記載のない広告費用・調査費用などの追加請求は、宅建業法違反にあたる可能性があります。

物件に関するトラブル|引き渡し後の瑕疵や境界をめぐるもめごと

引き渡し後に発覚する設備の故障や雨漏り、土地の境界の未確定などが原因で生じるトラブルです。

2020年施行の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に整理されています(民法562条から564条)。

引き渡した物件が契約内容に適合しない場合、買主は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除を求められるようになりました。

共有名義に関するトラブル|共有者間の意見の相違や無断売却をめぐるもめごと

相続などで不動産を複数人の共有名義にしている場合に生じるトラブルです。

共有者は自己の持分について、他の共有者の同意なく単独で売却できると整理されています(民法206条)。

そのため、他の共有者が自分の持分だけを買取業者に売却し、見知らぬ第三者が共有者になってしまうケースが実際に起きています。

共有名義の不動産売却トラブルは特に関心が高いテーマのため、次の章で詳しく解説します。

共有名義の不動産売却で起こりやすいトラブル

共有名義の不動産は、単独名義の物件にはない特有のトラブルが起こりやすい類型です。

代表的な3つのケースを確認しましょう。

他の共有者が持分を無断で買取業者に売却してしまう

共有者は自己の持分を単独で自由に処分できるため(民法206条)、他の共有者に事前の相談なく持分だけを買取業者へ売却することができます。

売却された持分を買い取った業者が新たな共有者となり、残りの共有者に対して持分の買取りや共有物分割請求を持ちかけてくるケースが典型的なトラブルです。

ある日突然、見知らぬ業者から連絡が来て困惑したという相談が多く寄せられています。

共有者の一人が売却に同意せず物件全体を売却できない

共有不動産全体を売却する行為は、共有物の「変更」にあたるため共有者全員の同意が必要です(民法251条)。

共有者のうち一人でも売却に反対すると、物件全体の売却は進められません。

共有者間で意見がまとまらないまま放置すると、物件の管理費用や固定資産税の負担をめぐる不満が蓄積し、親族関係の悪化につながることもあります。

共有物分割請求の通知が届いて対応に困る

共有者間の協議で解決しない場合、共有者の誰かが裁判所に共有物分割請求訴訟を提起できます(民法258条)。

持分を買い取った業者から共有物分割請求訴訟の予告通知が届き、どう対応すればよいかわからず困惑するケースも見られます。

分割の方法には、物件を現物で分ける「現物分割」、共有者の一人が他の持分を取得する「価格賠償」、物件全体を売却して代金を分ける「換価分割」があり、事情に応じて裁判所が判断します。

共有名義のまま放置するとトラブルが大きくなることがある

共有者の一人が持分の処分に消極的な場合、話し合いを先送りにしてしまいがちです。

しかし、共有名義のまま放置している間に共有者の誰かが亡くなると、その持分がさらに相続人へ引き継がれ、共有者の人数が増えて話し合いがまとまりにくくなります。

固定資産税や修繕費の負担割合をめぐる不満も、時間の経過とともに蓄積しやすくなるため、共有名義であることに気づいた段階で早めに方針を話し合っておくことが望ましい対応です。

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契約に関するトラブルの具体例

契約に関するトラブルのうち、実際に発生件数が多い3つの事例を確認しましょう。

媒介契約を結んだ不動産会社に「囲い込み」をされる

囲い込みとは、不動産会社が他社からの購入希望の問い合わせを断り、自社で買主を見つけて仲介手数料を売主・買主の両方から得ようとする行為です。

囲い込みが起きると、本来であれば早期に成約できたはずの好条件の買主候補を逃し、売却期間が長引いたり売却価格が下がったりする原因になります。

専任媒介・専属専任媒介を結んだ場合は、レインズへの登録状況や販売活動報告の内容を定期的に確認することが、囲い込みの発見につながります。

買主から契約不適合責任を理由に契約解除や損害賠償を求められる

引き渡した物件に契約書や重要事項説明書に記載のない不具合が見つかった場合、買主は契約不適合責任に基づき、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除を求めることができます(民法562条から564条)。

この請求は、買主が不適合を知った時から1年以内に売主へ通知することが要件とされています(民法566条)。

把握している不具合を隠したまま引き渡すと、後から高額な損害賠償を求められるリスクがあります。

住宅ローン特約により契約が白紙撤回される

買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合に、契約を無条件で解除できる「住宅ローン特約」を契約書に盛り込むのが一般的です。

この特約に基づいて契約が解除されると、売主はすでに進めていた引っ越しの準備や次の物件の契約を見直す必要が生じ、スケジュールに大きな影響が出ます。

特約の期限や解除条件を契約前に確認しておくことが対策になります。

金銭に関するトラブルの具体例

金銭に関するトラブルのうち、相談件数が多い3つの事例を確認しましょう。

法外な仲介手数料や広告料を請求される

宅地建物取引業法46条で定められた上限額を超える仲介手数料の請求や、契約時に説明のなかった広告費用・調査費用の追加請求は、宅建業法違反にあたる可能性があります。

特別な広告活動を依頼した場合の実費請求は認められることがありますが、その場合も事前の合意と書面での取り決めが必要です。

提示された買取価格が相場より著しく安い

不動産会社による買取は、仲介による売却より早期に現金化できる一方、買取価格は仲介での想定売却価格の7割から8割程度になるのが一般的です。

この相場観を知らないまま1社のみの査定額で契約すると、後から他社の査定額との差に気づき、不満を抱えるケースがあります。

複数社の査定額を比較したうえで契約するかどうかを判断することが重要です。

売却代金が期日どおりに支払われない

決済日に買主から売却代金の一部または全部が支払われない、あるいは着金が確認できないまま所有権移転登記の手続きが進んでしまうトラブルです。

決済は司法書士の立ち会いのもとで進めるのが一般的で、着金確認の完了を待ってから所有権移転登記の申請に必要な書類を引き渡す流れを徹底することが、このトラブルの防止につながります。

物件に関するトラブルの具体例

物件に関するトラブルのうち、引き渡し後に問題になりやすい3つの事例を確認しましょう。

引き渡し後に瑕疵(雨漏り・シロアリ・設備故障)が見つかる

雨漏りやシロアリ被害、給湯器やエアコンなどの設備故障は、引き渡し後に発覚しやすい代表的な瑕疵です。

売主が知っていながら告知しなかった場合は、契約不適合責任を問われる可能性があります。

逆に、売主が知らなかった不具合であっても、契約不適合責任は過失の有無を問わず発生する場合があるため、事前のインスペクション(建物状況調査)で物件の状態を把握しておくことがリスク軽減につながります。

土地の境界が確定しておらず隣地ともめる

境界標が失われている、あるいは隣地所有者との間で境界の認識が食い違っている場合、売却後に買主と隣地所有者との間でトラブルが生じることがあります。

境界が未確定のまま売却すると、買主から契約不適合責任を問われるリスクもあるため、売却前に土地家屋調査士へ依頼して境界確定測量を行っておくことが望ましい対応です。

残置物や埋設物の処理をめぐってもめる

引き渡し後に前所有者の残置物(家具・家電など)が撤去されていなかったり、土地の中から古い建物の基礎やコンクリートガラなどの埋設物が見つかったりするトラブルです。

残置物の撤去義務や埋設物が見つかった場合の対応(誰が費用を負担するか)は、契約書の特約で事前に取り決めておく必要があります。

不動産売却トラブルを未然に防ぐための注意点

これまで見てきたトラブルの多くは、事前の準備と情報共有によって発生を抑えられます。

売却活動を始める前に、次の4点を確認しておきましょう。

知っている不具合や事情はすべて不動産会社・買主に伝える

雨漏りの跡や設備の不具合、過去のトラブルなど、把握している情報は些細なことでもすべて不動産会社に伝え、重要事項説明書に反映してもらうことが重要です。

情報を隠したまま売却すると、契約不適合責任による損害賠償請求につながるリスクが高まります。

やり取りは書面やメールで記録に残す

不動産会社や買主との重要なやり取りは、口頭だけで済ませず、メールや書面で記録を残しておきましょう。

「言った・言わない」の水掛け論になった場合、記録があることで自分の主張の根拠を示せます。

契約前に売買契約書・重要事項説明書を細かく確認する

契約書に記載された特約事項や違約金の条件、重要事項説明書に記載された物件の権利関係や法令上の制限は、署名前に細部まで確認しておく必要があります。

わからない条項があれば、そのままにせず不動産会社に説明を求めましょう。

複数社に査定を依頼し実績のある不動産会社を選ぶ

1社のみの査定額や提案を鵜呑みにせず、複数社に査定を依頼して比較検討することで、相場からかけ離れた条件を見抜きやすくなります。

売却実績が豊富で、レインズへの登録状況や販売活動の報告を丁寧に行ってくれる不動産会社を選ぶことが、囲い込みなどのトラブル防止にもつながります。

不動産売却トラブルが起きたときの相談先

トラブルがすでに発生している場合は、状況に応じて次の相談先を検討しましょう。

不動産会社の本社お客様窓口や消費生活センターに相談する

担当者との交渉で解決しない場合は、不動産会社の本社お客様窓口へ相談する方法があります。

それでも解決しない場合や、不動産会社の対応自体に問題を感じる場合は、国民生活センターや各地の消費生活センターに相談する方法もあります。

消費生活センターでは、専門の相談員が交渉のアドバイスをしてくれるほか、必要に応じてあっせん(事業者との間に入っての調整)も行っています。

都道府県の宅地建物取引業担当窓口に相談する

不動産会社の宅建業法違反が疑われる場合は、その不動産会社の免許を交付した都道府県の宅地建物取引業担当窓口に相談できます。

窓口では行政指導や処分の要否が検討されますが、個別の損害賠償請求までは扱っていない点に注意が必要です。

弁護士・司法書士に相談する

損害賠償請求や契約解除など法的な権利関係が絡む場合や、共有物分割請求への対応が必要な場合は、弁護士への相談が適しています。

登記手続きが主な論点であれば司法書士が対応できる場合もあります。

自分の状況がどちらに該当するか判断がつかない場合も、まずは弁護士に相談することで、取るべき対応の全体像を整理できます。

不動産売却のトラブルで悩んでいるなら「ベンナビ法律相談Q&A」がおすすめ

契約解除や損害賠償請求、共有物分割請求への対応など、法的な権利関係が絡むトラブルは、自己判断で対応すると不利な条件で合意してしまう可能性があります。

相手方(不動産会社・買主・他の共有者)との交渉や書面のやり取りを弁護士に任せることで、感情的な対立を避けながら、法的に妥当な着地点を探ることができます。

トラブルに直面している、あるいはその予兆を感じている段階で、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

とはいえ、「これって弁護士に相談すべきレベルの話なのか」判断がつかない、という方も多いでしょう。

ベンナビ法律相談Q&Aでは、質問を投稿すると、不動産トラブルなどの分野を得意とする弁護士が無料で回答してくれるため、解決に向けた具体的な対処方法がわかります。

まずは無料相談を活用し、自分の状況で何ができるのかを確認してみましょう。

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不動産売却のトラブルに関するよくある質問

さいごに、不動産売却トラブルについてよく寄せられる質問を紹介します。

共有名義の不動産売却でトラブルになるケースはある?

あります。代表的なのは、他の共有者が自分の持分だけを買取業者に無断で売却し、見知らぬ第三者が共有者になるケースです。共有者は自己の持分を単独で自由に処分できるため(民法206条)、事前の相談なく持分売却が行われることがあります。共有者全員が関わる物件全体の売却には、全員の同意が必要です(民法251条)。

不動産売却後にトラブルがあったらどうすればいい?

まず、やり取りの記録(契約書・重要事項説明書・メール等)を整理し、何が問題になっているかを明確にしましょう。不動産会社との交渉で解決しない場合は、消費生活センターや宅建業担当窓口への相談に加え、法的な請求が必要な場合は弁護士への相談を検討してください。

不動産売却のトラブルはどこに相談すればいい?

トラブルの内容によって相談先が異なります。不動産会社の対応に問題がある場合は本社窓口や消費生活センター、宅建業法違反が疑われる場合は都道府県の宅建業担当窓口、損害賠償請求や共有物分割請求など法的な対応が必要な場合は弁護士への相談が適しています。

囲い込みをされている不動産会社との契約を途中で変更できる?

一般媒介契約であれば、契約期間中でも比較的柔軟に不動産会社を変更・追加できます。専任媒介・専属専任媒介の場合は、契約期間(最長3か月)の満了を待って更新しない、または契約違反(レインズ未登録・報告義務違反など)を理由に契約を解除する方法があります。契約解除にあたっては、それまでにかかった広告費用の扱いなどをめぐってトラブルにならないよう、契約書の解除条項を確認したうえで進めることが大切です。

不動産を売却した後の契約不適合責任はいつまで続く?

買主が不適合を知った時から1年以内に売主へ通知することが必要とされています(民法566条)。ただし、この期間は契約書の特約で短縮されている場合もあるため、契約内容を確認しておく必要があります。売主が不適合を知りながら告知しなかった場合は、この期間制限が適用されないこともあります。

まとめ

不動産売却のトラブルは、契約・金銭・物件・共有名義という4つの場面で発生しやすく、それぞれ原因や対処法が異なります。

多くのトラブルは、知っている情報をすべて伝える、やり取りを記録に残す、契約書を細部まで確認するといった事前の対策で発生を抑えられます。

すでにトラブルが発生している場合や、共有物分割請求など法的な対応が必要な場合は、早めに弁護士へ相談することで、取るべき選択肢を整理しやすくなります。

一人で判断に迷ったときは、専門家の意見を聞いてみましょう。

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