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共有持分の買取業者とトラブルになったら?よくある事例と対処法を解説

共有持分の買取業者とトラブルになったら?よくある事例と対処法を解説

 

親族が共有持分を買取業者に売ってしまい、業者から「一緒に売るか、持分を買い取るか決めてください」と連絡が来て戸惑っていませんか。

業者の申し出に、そのまま応じる義務はありません。

ただし、住んでいる共有者への使用料の請求と、裁判所への共有物分割請求は、業者にも法律上認められた権利です。

本記事では、買取業者とのよくあるトラブル事例と業者の要求に応じる義務の有無、連絡が来たときの対処法、自分の持分を業者に売るときの注意点を解説します。

読み終えるころには、業者の要求のうち断ってよいものとそうでないものを区別し、次にとるべき行動を判断できるようになります。

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目次

共有持分の買取業者とは?

共有持分の買取業者とは、共有不動産のうち一部の共有者の持分だけを買い取り、新たな共有者になる不動産会社のことです。

業者は、残りの持分も買い取るか、ほかの共有者と一緒に不動産全体を売ることで、仕入れ値との差額を利益にしています。

共有者は、自分の持分であればほかの共有者の同意なく売ることができます。

一方で、不動産全体を売るには共有者全員の同意が必要です(民法251条)。

そのため、ある日突然、見知らぬ業者が共有者として登記され、連絡してくるという事態が起こります。

業者が共有者になった後にとる主な行動は、次の4つです。

業者の行動 具体的な内容
持分の買取の打診 残りの共有者の持分を買い取りたいと申し出る
持分の売却・全体売却の提案 業者の持分を買い取るか、一緒に第三者へ売るよう求める
使用料の請求 住んでいる共有者に、業者の持分に応じた使用料を求める
共有物分割請求 話し合いがまとまらないとき、裁判所に分割を求める

業者は投じたお金を回収するまで交渉を続けるのが通常のため、まずはこの4つを想定しておくと落ち着いて対応できます。

共有持分の買取業者とのトラブルでよくある4つの事例

共有持分の買取業者とのトラブルは、大きく分けて次の4つの事例に整理できます。

  1. 突然「一緒に売るか、持分を買い取るか」と迫られる
  2. 住んでいる共有者が使用料を請求される
  3. 相場より安い価格で持分を手放すよう持ちかけられる
  4. 共有物分割請求の通知や訴状が届く

自分が今どの段階にいるのかを確認しておきましょう。

1. 突然「一緒に売るか、持分を買い取るか」と迫られる

もっとも多いのは、業者から「一緒に売るか、当社の持分を買い取るか」の二者択一を迫られるケースです。

たとえば、兄と2分の1ずつ共有していた実家について、兄が持分を業者に売り、業者から電話や郵便で連絡が来るといった場面が典型です。

実際の選択肢は、断る・業者の持分を買い取る・自分の持分を売る・一緒に売るの4つあり、二者択一ではありません。

「期限までに回答がなければ裁判にする」と書かれていても、業者が決めた回答期限に法的な拘束力はありません。

2. 住んでいる共有者が使用料を請求される

共有不動産に住んでいる共有者は、業者から業者の持分に応じた使用料(家賃に相当する金額)を請求されることがあります。

たとえば、母が住み続けている実家の持分2分の1を業者が取得し、「近隣の家賃相場が月10万円なので、月5万円を支払ってください」と求めるケースです。

家族の間では使用料を払っていなかった場合でも、業者は権利として請求してきます。

過去にさかのぼって、業者が持分を取得した時点からの使用料を請求されることもあります。

3. 相場より安い価格で持分を手放すよう持ちかけられる

業者は、ほかの共有者の持分をできるだけ安く買い取ろうとするのが一般的です。

「持分だけでは誰も買わない」「持っていても固定資産税がかかるだけ」といった言い方で、早めの売却を促されることがあります。

共有持分だけを買う人は限られるため、持分の価格は「不動産全体の価格×持分割合」より低くなりやすいのは事実です。

もっとも、業者の提示額は業者が利益を見込んで出した金額であり、適正な価格とは限りません。

4. 共有物分割請求の通知や訴状が届く

交渉がまとまらないと、業者は裁判所に共有物分割請求を起こすことができます(民法258条)。

まず「共有物分割請求の予告」として内容証明郵便が届き、その後に裁判所から訴状が送られてくるのが典型的な流れです。

相続した不動産で遺産分割がまだ済んでいない場合も、業者は共有物分割請求を起こせます。

相続人の1人から持分を買った第三者は、遺産分割ではなく共有物分割の裁判で共有の解消を求めるとされているためです(最判昭和50年11月7日)。

訴状が届いたら、期限のある手続きが始まったと考え、早めに動きましょう。

共有持分の買取業者の要求に応じる義務はない

業者の要求のうち、持分の買取・売却の打診は断ってよく、住んでいる共有者を一方的に追い出すこともできません。

一方で、使用料の請求と共有物分割請求は、業者にも認められた権利です。

要求ごとの扱いを整理すると、次のとおりです。

業者の要求 応じる義務 根拠
持分の買取・売却の打診 なし 契約は双方の合意がなければ成立しない
家からの退去(明渡し) 当然にはない 最判昭和41年5月19日・民法252条
使用料の支払い 原則としてある 民法249条2項
共有物分割請求 請求自体は拒めない 民法258条(分割方法は裁判所が決める)

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1. 持分の買取・売却の打診は断ってよい

共有を解消するかどうかは各共有者の自由であり、業者の打診に応じる義務はありません。

売買は双方の合意で成立するため、条件に納得できなければ断って問題ありません。

断る場合は、「現時点では売却も買取もしません」と簡潔に書面で伝えておきましょう。

書面にしておけば、言った・言わないの争いを防ぎやすくなります。

断った後に業者がとれる法的な手段は、使用料の請求か共有物分割請求に限られます。

2. 持分が過半数でも住んでいる共有者を当然には追い出せない

業者が持分の過半数を取得しても、住んでいる共有者に当然に退去を求めることはできません。

最高裁は、持分の過半数を持つ共有者であっても、共有物を占有しているほかの共有者に対して当然には明渡しを請求できないと判断しています(最判昭和41年5月19日)。

2023年4月1日施行の改正民法では、共有物を使っている共有者がいても、持分の過半数で使い方を決め直せるようになりました(民法252条1項)。

そのため、共有者間で取り決めをしないまま住んでいる場合は、過半数を持つ業者が使い方を決めたうえで明渡しを求めてくる可能性があります。

ただし、共有者間の取り決めにもとづいて住んでいる共有者に特別の影響がある場合は、住んでいる共有者本人の承諾が必要です(民法252条3項)。

いずれの場合も、業者が自分で鍵を替えたり荷物を運び出したりして追い出すことは認められず、退去を求めるには裁判所の手続きが必要です。

3. 使用料の請求は原則として認められる

共有物を使っている共有者は、別段の合意がない限り、自分の持分を超える使用の対価をほかの共有者に支払う義務があります(民法249条2項)。

使用の対価のルールは2023年4月1日施行の改正民法で明文化されたもので、新たに共有者になった業者も請求できます。

たとえば、近隣の家賃相場が月10万円の家で業者の持分が2分の1なら、月5万円程度が請求の目安になります。

10万円×2分の1=5万円という計算です。

もっとも、家賃相場の評価や、いつからの分を払うかには争う余地があり、最終的には交渉か裁判で金額が決まります。

使用料の請求権は、請求できることを知った時から5年で時効により消滅するのが原則です(民法166条1項)。

4. 共有物分割請求の裁判になっても必ず競売になるわけではない

共有物分割の裁判では、裁判所が「現物分割」「賠償分割」「競売」の中から分け方を決めます(民法258条2項・3項)。

分け方 内容
現物分割 土地を分筆するなど、不動産そのものを分ける
賠償分割 共有者の1人が持分を取得し、ほかの共有者にお金を払う
競売 上の2つができない、または価値が大きく下がる場合に競売で売って代金を分ける

住み続けたい場合は、自分が業者の持分を買い取る賠償分割を主張するのが基本です。

賠償分割が認められるには、持分を買い取るお金を支払える能力があることを示す必要があります。

不動産の価格に争いがあると、裁判所が選んだ不動産鑑定士の鑑定が行われ、鑑定費用として数十万円程度かかることもあります。

共有持分の買取業者から連絡が来たときの対処法

共有持分の買取業者から連絡が来たときの対処法

業者から連絡が来たら、その場で答えを出さず、事実の確認から相談までを順番に進めます。

  • 登記事項証明書で業者が本当に共有者になったかを確認する
  • 国土交通省の検索システムで宅建業の免許を確認する
  • 要求の内容・金額・根拠を書面で出してもらう
  • 「断る・買い取る・売る・一緒に売る」の4つを比べる
  • 訴状が届いたら答弁書の期限までに弁護士へ相談する

順番に解説します。

1. 登記事項証明書で業者が本当に共有者になったかを確認する

まずは、不動産の登記事項証明書を取り寄せ、業者が本当に持分を取得したかを確認しましょう。

登記事項証明書は、法務局の窓口のほか、オンラインでも請求できます。

権利部(甲区)に「持分全部移転」などの記載があれば、移転した日付と取得した会社名がわかります。

登記がまだ業者に移っていない場合は、業者がまだ持分を取得していない可能性があるため、要求に答える前に確認することが重要です。

2. 国土交通省の検索システムで宅建業の免許を確認する

次に、国土交通省の「宅地建物取引業者検索」で、業者の免許の有無と内容を確認します。

商号や免許番号を入力すると、免許の有効期間や代表者名、事務所の所在地などを調べられます。

不動産の売買を事業として繰り返すには宅地建物取引業の免許が必要で、免許のない営業は禁止されています(宅地建物取引業法12条)。

検索で見つからない業者であれば、やり取りを続ける前に消費生活センターや弁護士に相談しておくと安心です。

3. 要求の内容・金額・根拠を書面で出してもらう

電話や訪問で要求を受けたら、提示額・使用料の金額・その算定根拠・回答期限を書面で出してもらいましょう。

書面があれば、弁護士に相談するときにも状況を正確に伝えられるためです。

電話の日時や担当者名、話した内容もメモに残しておくと、後で争いになったときの証拠として役立ちます。

業者が回答期限を区切ってきても、期限までに答える義務はないため、確認が済むまで返事を保留して構いません。

4. 「断る・買い取る・売る・一緒に売る」の4つを比べる

事実を確認したら、「住み続けたいか」「業者の持分を買い取るお金があるか」を軸に、4つの選択肢を比べます。

選択肢 向いているケース 注意点
断る(共有のまま) 当面は現状を維持したい 使用料の請求や共有物分割請求を受ける可能性がある
業者の持分を買い取る 住み続けたい・資金がある 提示額が高すぎないか確認する
自分の持分を業者に売る 共有関係から早く抜けたい 持分の価格は安くなりやすい
一緒に全体を売る 誰も住む予定がない 売却額の分け方と諸費用の負担を決めておく

価格が妥当かどうかは、不動産会社の査定や不動産鑑定士の評価で、不動産全体の価格を確認してから判断しましょう。

使用料の請求を受けている場合は、持分の買取価格や売却代金との精算をまとめて話し合う方法もあります。

5. 訴状が届いたら答弁書の期限までに弁護士へ相談する

裁判所から訴状が届いたら、同封の呼出状に書かれた第1回の期日と答弁書の提出期限を確認し、期限までに弁護士へ相談しましょう。

答弁書は、業者の主張に対する自分の言い分をまとめた書面です。

弁護士に依頼すれば、賠償分割を求める主張や、不動産の評価額をめぐる反論を任せられます。

自分のケースでどの分け方を主張できるかは事情によって変わるため、早い段階で見通しを聞いておくことをおすすめします。

自分の共有持分を買取業者に売るときに起こりやすいトラブル

自分の持分を業者に売る側でも、契約の進め方をめぐるトラブルが起こりやすくなります。

宅地建物取引業法のクーリング・オフや手付・違約金の上限は、業者が自ら売主になる取引が対象です(宅地建物取引業法37条の2・38条・39条)。

そのため、個人が業者に持分を売る取引では、これらの保護は働きません。

訪問による買取りのクーリング・オフを定めた特定商取引法の規定も、不動産の売却には使えません。

業者に売る側で起こりやすいトラブルは、次の3つです。

  • 「今日決めないと損」と契約を急かされる
  • 契約後にやめたいと伝えたら違約金を求められる
  • 売った後にほかの共有者から責められる

契約前に、複数の不動産会社に査定を依頼して相場を確かめ、契約書の解除条項を読んでおくことが大切です。

1. 「今日決めないと損」と契約を急かされる

契約するかどうかを考える時間を与えない勧誘や、断った後も続く勧誘は、宅地建物取引業法で禁止されています。

禁止されている主な勧誘は、次のとおりです(宅地建物取引業法施行規則16条の11)。

  • 正当な理由なく、判断に必要な時間を与えない
  • 断った後も勧誘を続ける
  • 迷惑な時間に電話や訪問をする
  • 深夜や長時間の勧誘で困惑させる

また、個人が業者と結んだ契約は消費者契約にあたります。

事実と異なる説明を信じて契約した場合や、帰ってほしいと伝えても業者が居座ったために契約した場合は、契約を取り消せることがあります(消費者契約法4条)。

消費者契約法による取消権は、誤解に気づいた時など取り消せる状態になった時から1年、契約から5年で消滅します(消費者契約法7条)。

2. 契約後にやめたいと伝えたら違約金を求められる

売買契約を結んだ後でも、業者から手付を受け取っていれば、受け取った手付の倍額を返すことで契約を解除できます(民法557条)。

業者が残代金を用意して引渡しを求めるなど、契約で約束したことの実行に取りかかった後は、手付による解除はできません。

手付による解除以外の理由で解除すると、契約書の違約金条項にもとづいて違約金を請求されることがあります。

違約金のうち、同じ種類の契約の解除で業者に通常生じる平均的な損害を超える部分は無効です(消費者契約法9条1項1号)。

署名する前に契約書を持ち帰り、解除の条件と違約金の額を確認しておきましょう。

3. 売った後にほかの共有者から責められる

持分の売却は法律上自由ですが、売った後に業者の交渉がほかの共有者へ向かうため、親族との関係がこじれやすくなります。

たとえば、「勝手に業者に売ったせいで、使用料を請求されるようになった」と責められるケースです。

持分を売ったこと自体で、ほかの共有者に対して法的な責任を負うことは原則としてありません。

それでも関係の悪化を避けたい場合は、業者に売る前に、ほかの共有者へ持分の買取を打診しておく方法があります。

【関連記事】不動産売却トラブルの原因と対処法を解説|共有名義・契約・金銭のケースまで紹介

共有持分の買取業者とのトラブルでやってはいけない3つの対応

業者とのトラブルで特に避けたいのは、その場での署名、請求の無視、訴状の放置の3つです。

  • 電話や訪問の場で合意書や委任状に署名する
  • 使用料の請求を無視し続ける
  • 共有物分割請求の訴状を放置する

いずれも、後から取り返すのが難しい不利益につながります。

1. 電話や訪問の場で合意書や委任状に署名する

業者が訪問してきた場で、合意書・念書・委任状などに署名するのは避けましょう。

いったん署名した合意は原則として有効で、後から取り消せるのは、事実と異なる説明を受けた場合などに限られます。

特に、高齢の親が一人で対応すると、内容を理解しないまま署名してしまうおそれがあります。

「家族と相談してから返事をします」と伝え、書類を持ち帰ることが大切です。

2. 使用料の請求を無視し続ける

使用料の請求を放置すると、業者から訴訟を起こされ、判決で支払いを命じられる可能性があります。

判決で請求が認められた場合は、未払いの使用料に法定利率による遅延損害金も加わるのが通常です。

判決が確定しても支払わなければ、預金や給料などを差し押さえられることもあります。

金額に納得できない場合は、無視するのではなく、家賃相場の根拠を示して減額を求める回答をしておきましょう。

3. 共有物分割請求の訴状を放置する

答弁書を出さずに第1回の期日を欠席すると、業者の主張した事実を認めたものとみなされることがあります(民事訴訟法159条3項)。

その結果、自分の言い分を伝えないまま、競売など望まない分け方が命じられるおそれがあります。

訴状が届いたら、期限までに答弁書を出すか、弁護士に相談してください。

共有持分の買取業者とのトラブルを相談できる窓口

勧誘や契約の問題は消費生活センターや都道府県の担当課、権利関係の争いは弁護士に相談するのが基本です。

窓口 相談できること 向いているケース
消費生活センター(188) 勧誘・契約の困りごと 強引な勧誘を受けた・契約を取り消したい
都道府県の宅建業担当課 業者の法令違反の申出 迷惑な勧誘や事実と異なる説明が続く
法テラス・自治体の法律相談 無料の法律相談 まず費用をかけずに見通しを知りたい
弁護士・司法書士 交渉・訴訟の代理、登記 使用料や共有物分割で争いになっている

窓口ごとの特徴を見ていきましょう。

1. 消費生活センター|強引な勧誘や契約の取消しを相談できる

消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターなどにつながります。

強引な勧誘や契約の取消しについて、相談員から助言を受けることが可能です。

必要に応じて、業者との間に入って話し合いを手伝う「あっせん」をしてもらえることもあります。

一方で、使用料の額や共有物分割の方法といった権利関係の争いを代理してもらうことはできません。

2. 都道府県の宅建業担当課|業者の法令違反を申し出られる

業者の勧誘や説明に法令違反の疑いがある場合は、業者に免許を与えた都道府県の担当課(国土交通大臣免許なら地方整備局)に申し出られます。

どこが窓口になるかは、免許番号の「◯◯県知事」「国土交通大臣」の表示で確認しましょう。

申出の内容によっては、業者への指導や処分が検討されることになります。

ただし、個別の金銭トラブルを解決したり、損害を回復したりする窓口ではありません。

3. 法テラス・自治体の法律相談|費用をかけずに見通しを聞ける

費用が心配な場合は、法テラスや自治体が開く無料の法律相談を利用できます。

法テラスでは、収入や資産が一定の基準以下であれば、弁護士などによる無料の法律相談を受けることが可能です。

市区町村の法律相談も無料のことが多い一方で、1回の時間が短く、継続して対応してもらうことはできません。

4. 弁護士・司法書士|交渉や裁判の代理を任せられる

業者との交渉や裁判の代理を任せられるのは弁護士です。

司法書士は登記手続きを担う国家資格者で、法務大臣の認定を受けた司法書士であれば、訴訟の目的の価額が140万円以下の簡易裁判所の事件も代理できます。

共有物分割請求や、高額な使用料をめぐる争いは、司法書士が代理できる範囲を超えることが多いため、迷ったら弁護士に相談すると安心です。

共有持分の買取業者とのトラブルで弁護士に相談した方がよいケース

次のような状況にある場合は、早めに弁護士へ相談することで、とれる選択肢を残しやすくなります。

  • 共有物分割請求の予告や訴状が届いた
  • 使用料の請求額や、さかのぼる期間に納得できない
  • 今の家に住み続けたいが、業者の持分を買い取る資金に不安がある
  • 遺産分割が済んでいない相続不動産の持分を業者が取得した
  • 高齢の親が業者と書類を交わしてしまった
  • 業者から繰り返し電話や訪問を受け、生活に支障が出ている

裁判に進んでからでは、主張できる分け方や証拠の集め方が限られることもあるためです。

話し合いの段階で弁護士の意見を聞いておくと、業者との交渉で不利な条件を受け入れてしまうリスクを減らせます。

共有持分の買取業者とのトラブルに関する悩みは「ベンナビ法律相談Q&A」で解決しよう

共有持分の買取業者とのトラブルは、使用料の金額や不動産の評価額、裁判での分け方によって、手元に残るお金や住み続けられるかが大きく左右される問題です。

早い段階で弁護士に相談することで、業者の提示額が妥当か、どの分け方を主張できるかまで、具体的な選択肢を把握することが可能です。

とはいえ、「これって弁護士に相談すべきレベルの話なのか」判断がつかない方も多くいます。

ベンナビ法律相談Q&Aでは、自分の質問を投稿すると、不動産トラブルなどの分野を得意とする弁護士が無料で回答してくれるため、解決に向けた具体的な対処方法がわかります。

まずは無料相談を活用し、自分の状況で何ができるのかを確認してみましょう。

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共有持分の買取業者とのトラブルに関するよくある質問

さいごに、共有持分の買取業者とのトラブルについてよく寄せられる質問を紹介します。

持分を売る前にほかの共有者へ知らせる義務はある?

ありません。

自分の持分は単独で売れるため、ほかの共有者への事前の連絡や同意は法律上不要です。

業者からの連絡や登記を見て、初めて売却を知るケースが多くあります。

買取業者が勝手に家に入ったり鍵を替えたりしたらどうすればいい?

業者が共有者であっても、住んでいる共有者を実力で締め出すことは認められません。

立ち入りや鍵の交換をされた場合は、日時や状況を記録したうえで、警察相談専用電話「#9110」や弁護士に相談してください。

身の危険を感じるときは110番に通報しましょう。

固定資産税は買取業者にも負担してもらえる?

はい、共有者は持分に応じて共有物の負担を負うため(民法253条1項)、業者にも持分に応じた負担を求められます。

固定資産税は共有者全員が連帯して納める義務があり(地方税法10条の2)、代表者として納めた共有者は、ほかの共有者に負担分を請求できます。

業者と共有のまま持ち続けるとどうなる?

共有のままでも違法ではありませんが、住んでいれば使用料の請求が続き、いずれ共有物分割請求を起こされる可能性があります。

さらに共有者が亡くなると持分が相続人に引き継がれ、話し合う相手が増えてまとまりにくくなります。

持ち続けるか解消するかは、使用料の負担と住み続けたい期間を比べて決めましょう。

共有物分割請求の裁判はどのくらいかかる?

争いの内容によりますが、数か月から1年以上かかることもあります。

鑑定が必要になると期間が延び、鑑定費用も別に必要です。

裁判の途中で和解し、賠償分割や任意の売却で解決するケースも少なくありません。

まとめ

共有持分の買取業者から持分の買取や売却を持ちかけられても、応じる義務はなく、業者が住んでいる共有者を一方的に追い出すこともできません。

一方で、使用料の請求と共有物分割請求は法律上の権利のため、無視せずに根拠を確認して対応することが大切です。

連絡が来たら、登記と免許を確かめ、要求を書面で受け取り、自分にとって損の少ない選択肢を比べましょう。

訴状が届いた場合や、使用料の額に納得できない場合は、早めに弁護士へ相談することが、住まいと財産を守る近道です。

一人で判断に迷ったときは、ベンナビ法律相談Q&Aを活用してみてください。

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