契約不適合責任とは?買主ができる4つの請求と期間をわかりやすく解説
購入した家に住み始めてから雨漏りが見つかり、売主に何を求められるのか迷っていませんか。
物件が契約の内容と違っていれば、買主は売主に修理や代金の減額などを請求する権利があります。
ただし、不具合を知ってから1年以内に売主へ通知するといった期限があり、契約書の特約で期間がさらに短く定められているケースも少なくないため、早めの確認が欠かせません。
本記事で買主の立場を中心にわかりやすく解説するのは、次の4点です。
- 契約不適合責任の意味と、不動産で問題になる具体例
- 買主ができる4つの請求
- 請求できる期間
- 免責特約が無効になるケースと、不具合を見つけたときの対処法
読み終えるころには、自分の不具合が売主の責任になるのか、いつまでに何をすればよいのかを判断できるようになっています。
契約不適合責任とは?
契約不適合責任とは、引き渡された物件が種類・品質・数量・権利の点で契約の内容に合わないときに、売主が買主に対して負う責任です。
民法562条以下に定められており、売買であれば土地・建物にかぎらず、車や家電なども対象です。
不動産では、次の4つの点で契約の内容と違いがあると問題になります。
| 対象 | 意味 | 不動産での例 |
|---|---|---|
| 種類 | 約束した種類の物と違う | 指定した仕様と違う設備が付いている |
| 品質 | 約束した品質・性能を欠いている | 雨漏り、シロアリ被害、給排水管の故障 |
| 数量 | 約束した数量が足りない | 実際の土地面積が契約で示した面積より狭い |
| 権利 | 移転した権利に制限や不足がある | 抵当権が抹消されていない、土地の一部が他人の所有 |
以下で、判断の基準・旧制度との関係・責任を負う人を順に確認しましょう。
1. 「契約の内容」は契約書・重要事項説明書・告知書で決まる
契約に合っているかどうかは、新品同様かどうかではなく、売買契約で何を約束したかで判断します。
約束の中身を示すのは、売買契約書のほか、重要事項説明書、売主が記入する告知書(物件状況報告書)、付帯設備表などの書類です。
たとえば、告知書に「浴室の天井から雨漏りあり」と書かれ、雨漏りを前提に価格が決まっていた場合は、雨漏りがあっても原則として契約不適合にはなりません。
反対に、告知書に「雨漏りなし」と書かれていたのに引き渡し後に雨漏りが見つかれば、契約不適合にあたる可能性が高いといえます。
中古住宅の経年劣化も同じ考え方です。
築年数相応の傷みは、契約書や価格に織り込まれていれば不適合とされにくく、書類に書かれていない重大な不具合かどうかが分かれ目になります。
不具合を見つけたら、まず手元の書類に何と書かれているかを確認することが先決です。
2. 2020年4月の民法改正で「瑕疵担保責任」から変わった
契約不適合責任は、2020年4月1日施行の改正民法で、従来の「瑕疵担保責任」に代わって導入された制度です。
瑕疵(かし)とは、不具合や欠陥のことを指します。
2020年4月1日より前に結ばれた売買契約には、改正前の瑕疵担保責任のルールが引き続き適用されます。
主な違いは次の3点です。
- 責任の対象:「隠れた瑕疵」に限られていたものが、契約の内容に合わないもの全般に広がった
- 買主の請求:損害賠償と解除に、追完請求と代金減額請求が加わった
- 期間:「知ってから1年以内に権利を行使」から「知ってから1年以内に通知」に緩和された
契約書に「瑕疵担保責任」と書かれたままでも、2020年4月1日以降の契約であれば契約不適合責任のルールで考えるのが基本です。
【関連記事】瑕疵担保責任とは?契約不適合責任との違いと売主が負う期間を解説
3. 責任を負うのは売主|個人の売主も不動産会社の売主も対象
契約不適合責任を負うのは、個人か不動産会社かを問わず、物件を売った売主です。
請求の相手は、買主と売買契約を結んだ売主本人です。
仲介した不動産会社は売主ではないため、契約不適合責任そのものは負いません。
ただし、仲介会社が不具合を知りながら説明しなかった場合は、宅地建物取引業法上の説明義務違反などとして、別に責任を問える場合がある点も覚えておいてください。
なお、不動産会社が自ら売主になる場合は、買主に不利な特約が法律で制限されています。
不動産会社が売主の場合の制限は、「契約不適合責任の免責特約が無効になる4つのケース」で解説します。
契約不適合責任の具体例
不動産で最も多いのは、雨漏りやシロアリ被害など建物そのものの不具合です。
ほかにも、土地の面積不足や、抹消されていない抵当権のような権利の問題も契約不適合責任の対象になります。
| 類型 | 具体例 | 対象 |
|---|---|---|
| 建物の不具合 | 雨漏り、シロアリ被害、基礎のひび割れ、建物の傾き | 品質 |
| 設備の故障 | 給湯器・給排水管の故障、付帯設備表と違う設備 | 品質・種類 |
| 土地の問題 | 地中の埋設物、土壌汚染、地盤沈下 | 品質 |
| 面積の不足 | 面積を基準に代金を決めたのに実測面積が足りない | 数量 |
| 法令上の制限 | 説明のなかった再建築不可や建築制限 | 品質・権利 |
| 権利の問題 | 抵当権が残っている、隣地からの越境 | 権利 |
過去の事件・事故などの心理的な事情や、騒音・悪臭といった周辺環境の問題も、契約で前提とした内容によっては対象になる場合があります。
どの不具合が対象になるかは契約ごとに異なるため、「書類に書かれていたか」「価格に反映されていたか」の2点を軸に整理してみてください。
契約不適合責任で買主ができる4つの請求

契約不適合があるとき、買主は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除の4つを売主に求められます。
| 請求 | 内容 | 使える条件 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 追完請求 | 修理や不足分の引き渡しを求める | 契約不適合があること | 民法562条 |
| 代金減額請求 | 不適合の程度に応じて代金を減らす | 追完を催告しても直らないなど | 民法563条 |
| 損害賠償請求 | 不適合で生じた損害を払ってもらう | 売主に落ち度があること | 民法564条・415条 |
| 契約解除 | 契約をやめて代金を返してもらう | 催告しても直らない、または契約の目的を達成できない | 民法564条・541条・542条 |
実務では、まず修理などの追完を求め、応じてもらえなければ減額や解除を検討するという順番が一般的です。
損害賠償請求は、追完請求や減額請求とあわせて行うこともできます。
ただし、不適合の原因が買主自身にある場合は、追完請求・代金減額請求・解除はできません。
それぞれの請求の中身を見ていきましょう。
1. 追完請求|修理や不足分の引き渡しを求める
追完請求とは、物件の修理(修補)や代わりの物・不足分の引き渡しを売主に求めることです。
不動産の場合は、雨漏り箇所の補修工事や、壊れた給湯器の交換などが典型的な追完になります。
修理の方法を最初に指定するのは買主です。
ただし、買主に不相当な負担をかけないかぎり、売主は買主が求めた方法と異なる方法で直すことも認められています。
たとえば、買主が屋根全体の葺き替えを求めても、売主が部分補修で雨漏りを確実に止められるなら、部分補修による追完が認められる場合があります。
2. 代金減額請求|直してもらえないときに代金を減らす
代金減額請求とは、売主が修理などに応じないときに、不適合の程度に応じて代金を減らしてもらう請求です。
原則として、買主が「〇月〇日までに直してください」と相当の期間を定めて催告(期限を示して対応を求めること)し、期限までに追完がない場合に請求できます。
修理が物理的に不可能な場合や、売主が修理を拒む意思をはっきり示した場合などは、催告なしですぐに減額を求めることも可能です。
減額の幅に決まった計算式はありません。
実際の交渉では、補修にかかる費用や、不具合によって下がった物件価値をもとに金額を詰めていくのが一般的です。
代金を減額してもらった場合は、同じ不具合を理由に契約を解除することは基本的にできません。
3. 損害賠償請求|売主に落ち度がある場合に損害を請求する
損害賠償請求とは、契約不適合によって買主に生じた損害を、売主にお金で払ってもらう請求です。
追完請求や代金減額請求と違い、売主に落ち度(帰責事由)があることが必要になります。
具体的には、不具合の調査費用、修理期間中の仮住まいの費用、壊れた家財の損害などが請求の対象として考えられます。
瑕疵担保責任の時代と比べ、転売できていれば得られた利益(履行利益)まで対象になり得る点も特徴です。
売主の側で「自分に落ち度はない」と証明できなければ賠償責任を負うため、買主にとっては請求しやすい構造になっています。
4. 契約解除|契約の目的を達成できない重大な不適合なら契約をやめられる
契約解除とは、売買契約をなかったことにして、支払った代金を返してもらうことです。
相当の期間を定めて修理を催告しても直らない場合は、催告による解除ができます。
建物が大きく傾いていて住めないなど、契約の目的を達成できない不適合であれば、催告をせずに解除することも可能です。
一方で、不適合が契約や取引の常識に照らして軽微な場合は、解除は認められません。
解除すると、買主は物件を返し、売主は受け取った代金を返すことになります。
登記の抹消や引っ越しも必要になるため、減額や修理で解決できないかとあわせて検討しましょう。
契約不適合責任の期間は「知ってから1年以内の通知」が基本
契約不適合責任を追及するには、種類・品質の不適合なら、不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。
| 不適合の種類 | 民法上の期限 |
|---|---|
| 種類・品質:雨漏り、シロアリなど | 知った時から1年以内に通知 |
| 数量・権利:面積不足、抵当権など | 通知の期限なし |
| 通知後・期限のない請求 | 消滅時効:知った時から5年、または請求できる時から10年が目安 |
売主への通知は、裁判を起こすことまでは求められていないので安心してください。
ただし、多くの不動産売買契約では、特約によってこの期間が短く定められています。
1. 種類・品質の不適合は「知ってから1年以内」に通知する
雨漏りやシロアリ被害のような種類・品質の不適合は、買主が不適合を知った時から1年以内に、不適合があることを売主に通知しなければなりません。
通知をしないまま1年が過ぎると、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除のいずれもできなくなります。
期限の起点は、引き渡しの日ではなく、買主が不具合に気づいた日です。
通知には、どこにどのような不具合があるかを伝えれば足り、損害額まで正確に示す必要はありません。
例外として、売主が引き渡しの時点で不適合を知っていた場合や、重大な過失で知らなかった場合は、1年の通知期限が適用されない点も押さえておきましょう。
通知した後の請求は、消滅時効(一定の期間権利を使わないと権利が消える制度)のルールに従います。
修理や損害賠償を求める権利は、権利を行使できると知った時から5年、または行使できる時から10年のどちらか早いほうで時効にかかります。
2. 数量・権利の不適合には通知期限がない
土地の面積不足のような数量の不適合や、抵当権が残っているといった権利の不適合には、1年以内の通知という期限がありません。
数量や権利の不適合は売主も気づきやすく、売主を保護する必要性が低いことが理由です。
ただし、消滅時効(知った時から5年、または請求できる時から10年)にかかる点は、種類・品質の場合と変わらないので注意しましょう。
なお、土地の面積不足を理由に請求できるのは、契約で面積を約束し、約束した面積を基準に代金を決めていた場合が中心です。
登記簿の面積を参考に示しただけの契約では、面積の不足が契約不適合にあたらないこともあります。
3. 契約書で期間が短くなっていることが多い
民法の期間は当事者の合意で変えられるため、実際の売買契約では、特約で期間が短く定められていることがよくあります。
売主の種類ごとの目安は次のとおりです。
| 売主・物件 | 期間の目安 | ルール |
|---|---|---|
| 個人が売主の中古住宅 | 引き渡しから2〜3か月程度とすることが多い | 特約で自由に定められ、全部免責も可能 |
| 不動産会社が売主 | 引き渡しから2年以上 | 宅地建物取引業法40条で、これより不利な特約は無効 |
| 新築住宅の構造・雨漏り | 引き渡しから10年 | 住宅の品質確保の促進等に関する法律95条で、短縮は無効 |
よく耳にする「契約不適合責任は3か月」という言葉は、多くの場合、個人売主との売買で使われる短縮特約を指しています。
期間は契約ごとに違うため、売買契約書の「契約不適合責任」の条項で、期間と起算日(いつから数えるか)を確認しましょう。
契約不適合責任の免責特約が無効になる4つのケース
売主の責任をなくす免責特約は原則として有効ですが、売主が知りながら告げなかった不具合や、不動産会社が売主の場合など4つのケースでは無効・制限されます。
| ケース | 効果 | 根拠 |
|---|---|---|
| 売主が知りながら告げなかった不具合 | 免責特約があっても責任を免れない | 民法572条 |
| 不動産会社が売主 | 引き渡しから2年以上とする特約以外の不利な特約は無効 | 宅地建物取引業法40条 |
| 新築住宅の構造・雨漏り | 引き渡しから10年は責任を負い、不利な特約は無効 | 住宅の品質確保の促進等に関する法律95条 |
| 事業者が売主で消費者が買主 | 損害賠償責任を全部免除する条項などは原則無効 | 消費者契約法8条 |
「契約不適合責任免責」の物件は、築年数の古い家を個人から買う場面でよく見られます。
免責の物件を買う場合は、購入前にインスペクション(建物状況調査)で建物の状態を確認し、不具合のリスクを価格に反映させて交渉することが大切です。
1. 売主が知りながら告げなかった不具合
免責特約があっても、売主が不具合を知りながら買主に告げなかった場合は、告げなかった不具合について責任を免れません。
たとえば、売主が雨漏りの修理歴を知っていたのに、告知書に「雨漏りなし」と書いていたケースが典型例です。
雨漏りを隠していた売主に対し、買主は免責特約があっても追完や減額、損害賠償などを求められます。
ただし、売主が知っていたことは買主の側で示す必要があります。
過去の修理業者の記録や、近隣住民の話、管理組合の議事録などが手がかりになることも覚えておいてください。
2. 不動産会社が売主の場合
不動産会社(宅地建物取引業者)が自ら売主となる場合、通知期間を引き渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効です。
「一切責任を負わない」「引き渡しから3か月まで」といった特約は、宅地建物取引業法40条に反するため効力がない扱いです。
無効になった部分は、民法の原則(知ってから1年以内の通知)に戻って判断されます。
宅地建物取引業法40条の規制は不動産会社が売主の場合に限られ、不動産会社が仲介しただけの個人間の売買や、買主も不動産会社である取引には適用されません。
3. 新築住宅の構造・雨漏り
新築住宅の売主は、柱や基礎などの構造耐力上主要な部分と、屋根や外壁などの雨水の浸入を防止する部分について、引き渡しから10年間責任を負います。
10年より短くする特約や、買主に不利な特約は無効です。
住宅の品質確保の促進等に関する法律の対象となる新築住宅とは、まだ人が住んだことがなく、工事の完了から1年以内の住宅を指します。
新築住宅を販売する不動産会社には、住宅瑕疵担保履行法にもとづき、保険への加入か保証金の供託(法務局に預けること)が義務づけられています。
売主が倒産した場合でも、保険金や保証金から補修費用の支払いを受けられる仕組みです。
4. 事業者と消費者の契約(消費者契約法8条)
事業者が売主で、個人の消費者が買主となる契約では、事業者の損害賠償責任をすべて免除する条項は原則として無効になります。
ただし、事業者が修理や代金減額には応じると定めている場合などは、例外的に損害賠償の免除が認められることがあります。
不動産会社が売主の場合は、先ほどの宅地建物取引業法40条とあわせて判断する点に注意してください。
契約不適合を見つけたときの対処法|4つのステップで売主に請求する

引き渡し後に不具合を見つけたら、自分で直す前に、書類の確認→記録→書面での通知→相談の順で進めます。
- 契約書・重要事項説明書・告知書を確認する
- 写真や専門家の調査で不具合を記録する
- 売主に書面で通知する
- 話し合いで解決しなければ相談窓口や弁護士に相談する
4つのステップを順に進めれば、通知の期限を守りながら、請求の根拠となる証拠も残せます。
ステップ1:契約書・重要事項説明書・告知書を確認する
最初に、売買契約書・重要事項説明書・告知書・付帯設備表で、不具合が記載されていたかを確認します。
あわせて、契約書の契約不適合責任の条項で、次の3点を確認してください。
- 免責特約があるか
- 責任を負う期間と、その起算日
- 請求の方法(修補に限るなど)の定めがあるか
告知書に記載済みの不具合であれば、原則として請求は難しくなります。
ステップ2:写真や専門家の調査で不具合を記録する
次に、不具合の場所と状態を、日付のわかる写真や動画で記録します。
雨漏りであれば、雨の日の染みの広がりや、天井裏の状況も撮影しておくと証拠として役立ちます。
原因や範囲がわからない場合は、建築士などの専門家に調査を依頼し、調査報告書を作成してもらう方法もおすすめです。
国土交通省は、既存住宅状況調査(インスペクション)の制度や、講習を修了した建築士を探す方法を公表しています。
ステップ3:売主に書面で通知する|内容証明郵便が確実
不具合を確認したら、売主に書面で通知しましょう。
書面には、不具合の場所と内容、気づいた日、求める対応(修理、減額など)を記載します。
送付方法は、送った内容と日付を郵便局が証明する内容証明郵便に、配達証明を付けると確実です。
仲介会社を通じてやり取りする場合も、メールや書面で記録を残し、売主本人に通知が届いたことを確認してください。
ステップ4:話し合いで解決しなければ相談窓口や弁護士に相談する
売主との話し合いで解決しない場合は、状況に合った相談窓口や弁護士に相談します。
話し合いでまとまらない場合は、裁判所の民事調停や、住宅紛争審査会のADR(裁判外の紛争解決手続)、訴訟で解決を図ることになります。
どの請求をどの順で求めるかで結果が変わることもあるため、早い段階で弁護士に見通しを確認しておくと安心です。
【関連記事】不動産トラブルは弁護士に相談できる?種類・費用・選び方を解説
契約不適合責任を追及するときにやってはいけない3つの対応
不具合を見つけたときに避けたいのは、売主に知らせずに修理する・免責特約を理由にすぐ諦める・ネットで名指しで批判する、の3つです。
1. 売主に知らせずに修理してしまう
売主に連絡する前に自分で修理すると、不具合の証拠が失われ、修理費用の請求が難しくなるおそれがあります。
売主に追完の機会を与えないまま工事をすると、「修理は必要なかった」「もっと安く直せた」と争われやすくなるためです。
雨漏りなど被害が広がる不具合は、写真で記録してから最小限の応急処置にとどめ、本格的な修理は売主と話し合ってから進めましょう。
2. 「免責特約があるから」とすぐに諦める
売主から「免責の物件なので対応できない」と言われても、すぐに請求を諦める必要はありません。
売主が不具合を知りながら告げなかった場合や、不動産会社が売主の場合は、免責特約が無効になる可能性があります。
契約書の文言と売主の立場を確認し、判断に迷う場合は弁護士に確認してもらってください。
3. ネットやSNSで売主や不動産会社を名指しで批判する
不満が大きくても、インターネットやSNSで売主や不動産会社を名指しで批判することは避けるべきです。
書き込みの内容によっては名誉毀損にあたり、反対に損害賠償を請求されるおそれがあります。
相手の態度が硬くなり、話し合いでの解決が遠のくことにもつながります。
経緯は公開せず、日付入りのメモや書面で記録しておきましょう。
売主の立場で契約不適合責任を問われたら
売主の側で買主から通知を受けた場合は、無視もすぐに認めることもせず、契約書・告知書・免責特約の範囲で事実を整理することが先決です。
連絡を放置すると、買主が調停や訴訟を起こすなど、話し合いで解決する機会を失うおそれがあります。
反対に、事実関係を確認する前に補修や返金を約束すると、本来は負わなくてよい負担を引き受けてしまうこともあります。
指摘された不具合が告知書に記載済みか、免責特約の対象か、期間内の通知かを確認したうえで対応を決めましょう。
【関連記事】瑕疵担保責任とは?契約不適合責任との違いと売主が負う期間を解説
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まずは以下から、自分の状況に近いQ&Aを探すところから始めてみましょう。
契約不適合責任に関するよくある質問
さいごに、契約不適合責任についてよく寄せられる質問を紹介します。
契約不適合責任が免責の物件は買わない方がいい?
免責の物件を買うこと自体が悪いわけではなく、リスクを理解して価格に反映できるかが判断の分かれ目です。
免責の物件は、引き渡し後に不具合が見つかっても原則として売主に請求できないため、修理費用を自分で負担する前提で検討することになります。
購入前にインスペクションで建物の状態を確認し、想定される修理費用を踏まえて価格を交渉すると安心です。
雨漏りは契約不適合責任の対象になる?
告知書などに雨漏りの記載がなく、引き渡し後に見つかった雨漏りは、契約不適合責任の対象になるのが一般的です。
売主が雨漏りに気づいていなかった場合でも、修理や代金の減額は求められます。
雨漏りは被害が広がりやすいため、気づいたらすぐに写真を残し、期限内に売主へ通知しておきましょう。
契約不適合責任の期間が「3か月」とされるのはなぜ?
個人の売主は不動産のプロではなく、引き渡し後に長く責任を負い続けると負担が大きいため、短い期間で区切る特約が広く使われています。
民法の期間は特約で変えられるため、「引き渡しから3か月以内に通知されたものに限り責任を負う」といった定めも、個人間の売買では有効です。
3か月を過ぎてから不具合に気づいた場合でも、売主が不具合を知りながら告げていなかったときは、責任を追及できる可能性があります。
売主が不具合を知らなかった場合も責任を負う?
はい、追完請求・代金減額請求・解除は、売主が不具合を知らなかったとしても求められます。
損害賠償請求については売主の落ち度が必要になるため、売主に落ち度がないと認められれば請求できません。
築30年以上の古い家は契約不適合責任が免責になる?
築年数だけを理由に、自動的に契約不適合責任が免責になるわけではありません。
免責になるかどうかを決めるのは、売買契約書に免責特約が定められているかどうかです。
ただし、古い家では経年劣化が価格に織り込まれていることが多く、築年数相応の傷みは契約不適合とされにくい傾向があります。
リフォームや注文住宅の工事にも契約不適合責任はある?
はい、リフォームや注文住宅の建築工事のような請負契約にも、売買と同じように契約不適合責任のルールが適用されます。
注文者(工事を頼んだ人)は、不適合を知った時から1年以内に工事業者へ通知する必要があります。
新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分については、引き渡しから10年間の責任が法律で定められている点も確認しておきましょう。
まとめ
契約不適合責任とは、引き渡された物件が契約の内容と違うときに、売主が買主に対して負う責任です。
買主は、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除の4つを求められますが、種類・品質の不適合は知ってから1年以内に通知する必要があり、契約書の特約で期間がさらに短くなっていることもあります。
不具合を見つけたら、自分で直す前に書類の確認と記録を済ませ、書面で売主に通知しましょう。
免責特約がある場合や売主が対応に応じない場合は、一人で判断せず、早めに専門家へ相談することが解決への近道です。
自分のケースで何を請求できるか迷ったら、ベンナビ法律相談Q&Aをご活用ください。
