サブリース解約は弁護士に相談すべき?解約できる4つの方法と費用を解説
サブリース会社に解約を申し出たところ「オーナー側からは解約できません」と断られ、どう動けばよいか迷っていませんか。
サブリース会社は法律上「借主」にあたるため、オーナーからの解約には正当事由などの条件があり、自己判断で進めると話がこじれがちです。
一方で、契約の種類や過去の経緯によっては、オーナーから契約を終わらせる方法も残されています。
本記事では、オーナーからの解約が難しい理由と契約を終わらせる4つの方法、弁護士に相談すべきケースと費用の目安を解説します。
- 【結論】サブリースの解約で迷ったら弁護士への相談がおすすめ
- サブリース契約を終わらせる4つの方法|解約・解除・合意・期間満了
- サブリース解約で正当事由が認められやすいケース・認められにくいケース
- サブリース解約を弁護士に相談した方がよいケース
- サブリース解約で弁護士に依頼できること
- サブリース解約の進め方|相談から契約終了までの5ステップ
- サブリース解約でやってはいけない3つの対応
- サブリース解約にかかる費用|弁護士費用のほかに違約金・立退料がかかることも
- サブリース解約は弁護士以外にどこに相談できる?
- サブリース解約を弁護士に相談する前に準備すべきもの
- サブリース解約に関する悩みは「ベンナビ法律相談Q&A」で解決しよう
- サブリース解約に関するよくある質問
- まとめ
【結論】サブリースの解約で迷ったら弁護士への相談がおすすめ
オーナーからのサブリース解約は借地借家法の制限を受けるため、終了の方法を誤らないよう、早めに弁護士へ相談するのがおすすめです。
弁護士に相談すると、主に次の点を確認できます。
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契約が「定期借家」か「普通借家」か
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自分のケースで使える終了の方法
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更新を拒絶するための通知期限
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交渉や裁判になった場合の見通しと費用
相談と正式な依頼は別です。
まず相談だけ利用して、自分で交渉できそうか、弁護士に任せるべき段階かを確かめる方法もあります。
オーナーからの解約が難しいといわれる理由は、次の2つです。
1. サブリース会社は「借主」として借地借家法で守られている
サブリース契約は、オーナーが建物をサブリース会社に貸し、サブリース会社が入居者に又貸しする仕組みです。
オーナーとの関係では、サブリース会社は「借主」として借地借家法の保護を受けます。
オーナーとサブリース会社の契約は「マスターリース契約」や「特定賃貸借契約」とも呼ばれます。
最高裁判所は、平成15年10月21日の判決で、サブリース契約も建物の賃貸借であり、借地借家法32条(賃料の増減請求)が適用されると判断しました。
そのため、貸主であるオーナーが契約の更新を拒んだり解約を申し入れたりするには、借地借家法28条の「正当事由」が必要になります。
借主を守るための法律が、サブリースでは会社側を守る方向に働くことが、解約を難しくしている大きな理由です。
【参考】最高裁判所第三小法廷 平成15年10月21日判決|裁判所
2. 契約書の解約条項どおりに終われるとは限らない
契約書に「オーナーは6か月前に通知すれば解約できる」と書かれていても、条項どおりに契約が終わるとは限りません。
借地借家法30条は、契約の更新や解約に関する同法の規定に反する特約で、借主に不利なものを無効としているためです。
正当事由がないまま解約を申し入れると、解約の効果が否定されることも考えられます。
反対に、サブリース会社からの中途解約条項や賃料見直し条項が、オーナーに不利に働く場面もあります。
たとえば、契約書に「10年間賃料固定」とあっても、借地借家法32条にもとづく賃料減額請求が認められる可能性がある点に注意しましょう。
解約の通知を送る前に、特約・覚書・更新合意書を含めた契約書一式を確認することが重要です。
サブリース契約を終わらせる4つの方法|解約・解除・合意・期間満了
サブリース契約を終わらせる方法は、以下の4つがあります。
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定期借家の期間満了
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正当事由のある更新拒絶・解約申入れ
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契約違反による解除
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合意解約
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方法 |
使える場面 |
ポイント |
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①期間満了 |
定期借家契約の場合 |
更新がないため期間が終われば終了する |
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②更新拒絶・解約申入れ |
普通借家契約の場合 |
通知期限と正当事由が必要 |
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③契約違反による解除 |
保証賃料の未払いなど重大な違反がある場合 |
信頼関係が壊れたといえる程度の違反が必要 |
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④合意解約 |
サブリース会社が応じる場合 |
解決金や引継ぎ条件を合意書にまとめる |
「解約」は将来に向けて契約を終わらせる申入れ、「解除」は相手の契約違反を理由に契約を終わらせる手続きを指し、使える条件が異なります。
実務では、1つの方法に決め打ちせず、複数の方法を並行して検討するのが一般的です。
①定期借家契約なら期間満了で終わる
契約が定期建物賃貸借(定期借家)であれば、更新がないため期間満了で契約が終わります。
定期借家は、公正証書などの書面で「契約の更新がない」と定めた賃貸借です。
さらに、契約前にオーナー側が「更新がなく期間満了で終わる」ことを書面で説明していなければ、更新がないとする定めは無効になります。
契約書の「定期建物賃貸借」「更新がない」といった記載と、事前説明の書面の有無を確認しましょう。
また、期間が1年以上の定期借家では、期間満了の1年前から6か月前までにサブリース会社へ「期間満了で終了する」と通知しなければ、終了を主張できません。
ただし、多くのサブリース契約は普通借家契約です。
普通借家なのに「期間が来れば終わる」と考えて何もしないでいると、契約は自動的に更新されてしまいます。
②正当事由がある更新拒絶・解約申入れ
普通借家契約では、期間満了の1年前から6か月前までに「更新しない」と通知し、正当事由が認められれば契約を終わらせられます。
更新拒絶の通知期間は、借地借家法26条で定められています。
期間の定めがない契約では、解約を申し入れてから6か月が経つと契約が終わります。
通知期間を過ぎると、従前と同じ条件で契約を更新したものとみなされてしまいます。
期限内に通知していても、期間満了後に入居者が住み続けている状態で、オーナーが遅滞なく異議を述べなければ、同じく更新したものとみなされます。
③賃料未払いなど契約違反を理由に解除する
サブリース会社が保証賃料を支払わない、無断で減額して送金するといった重大な契約違反があれば、契約の解除を検討できます。
裁判所が賃貸借契約の解除を認めるのは、当事者間の信頼関係が壊れたといえる程度の違反があるときです。
そのため、少額の振込遅れが一度あっただけでは、解除は認められにくい傾向にあります。
送金明細や、支払いを求めた書面・メールの記録を残しておきましょう。
④話し合いで合意解約する
サブリース会社が応じれば、話し合いによる合意解約で契約を終わらせられます。
実務では、オーナーが解決金を支払う条件で合意に至るケースが多く見られます。
合意の際に取り決める主な項目は、終了日、解決金や違約金の額、入居者との契約の引継ぎ、敷金の扱いです。
口約束で済ませず、取り決めた内容は必ず合意書にまとめておきましょう。
サブリース解約で正当事由が認められやすいケース・認められにくいケース
正当事由は、オーナーとサブリース会社(入居者を含む)がそれぞれ建物を必要とする事情を中心に、従前の経過、建物の利用状況と現況、立退料の申出を合わせて判断されます。
借地借家法28条が挙げる判断要素は次のとおりです。
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判断要素 |
具体例 |
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建物の使用を必要とする事情 |
オーナーや家族が住む必要、サブリース会社の事業上の必要、入居者の生活 |
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賃貸借に関する従前の経過 |
契約時の説明内容、賃料減額の経緯、契約違反の有無 |
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建物の利用状況・現況 |
空室の状況、老朽化や耐震性の問題 |
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財産上の給付の申出 |
立退料・解決金の提示 |
正当事由が認められやすいのは、たとえば次のようなケースです。
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オーナーや家族が自分で住む具体的な必要がある
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建物の老朽化が進み、建替えや大規模な改修が必要になっている
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サブリース会社が長期間にわたり義務を果たしていない
反対に、「管理会社を変えたい」「もっと高い賃料で貸したい」といった理由だけでは、正当事由は認められにくいといえます。
条文上、借主の側には転借人(入居者)も含まれるため、入居者の生活への影響も考慮される点に注意しましょう。
立退料は正当事由を補う要素であり、いくら払えば足りるかは事案ごとに判断されます。
自分の事情が正当事由としてどこまで評価されそうかは、契約書や資料をもとに弁護士に見通しを確認してもらうと判断しやすくなります。
サブリース解約を弁護士に相談した方がよいケース
次のいずれかに当てはまるなら、早めに弁護士へ相談するのがおすすめです。
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サブリース会社から「解約できない」と言われた
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契約の更新日まで半年を切っている
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保証賃料の未払いや、無断での減額送金がある
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一方的に賃料の減額を求められている
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自宅として使う・売却するなど、解約したい具体的な事情がある
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違約金や高額な解決金を請求されている
更新拒絶の通知期限を過ぎると、契約はそのまま更新されてしまいます。
交渉方針が決まっていなくても、通知期限の確認だけは早めに済ませておくと安心です。
区分マンションの1室だけをサブリースに出している場合でも、相談は可能です。
サブリース解約で弁護士に依頼できること
弁護士には、契約書の確認から通知書の作成、サブリース会社との交渉、調停・訴訟、入居者や管理の引継ぎまで依頼できます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1. 契約書を確認し、使える終了方法と期限を整理する
弁護士は契約の種類や更新日、通知期限、特約の内容を確認し、どの方法をいつ使えるかを整理します。
確認の対象は契約書だけでなく、覚書や重要事項説明書、過去にやり取りした通知書も含みます。
特約や覚書で、契約書本体の条件が変更されていることも珍しくないためです。
期限を時系列で整理しておくことで、更新拒絶の通知を出し忘れるリスクを減らせます。
2. 解約通知書を作成し、サブリース会社と交渉する
弁護士は、法的な根拠を示した解約通知書を内容証明郵便で送り、終了日や解決金、引継ぎ条件をサブリース会社と交渉します。
内容証明郵便は、いつ・どのような内容を通知したかを証明できる郵便です。
サブリース会社の不当な引き止めには、賃貸住宅管理業法による規制もあります。
同法29条は、契約の解除を妨げる目的で、重要な事項について故意に事実を告げなかったり、事実と異なることを告げたりする行為を禁じています。
サブリースに関する規制部分は、2020年12月15日に施行されました。
交渉がまとまった場合は、合意書の作成まで任せられます。
3. 調停・訴訟に対応する
交渉がまとまらない場合、弁護士は民事調停や訴訟の手続きを代理します。
調停は裁判所で話し合いによる解決を目指す手続きで、訴訟は判決によって結論を出す手続きです。
賃料の増減をめぐる争いは、訴訟の前にまず調停を申し立てる決まりになっています。
訴訟になると解決まで1年以上かかることもあるため、費用と期間の見通しを事前に確認しておきましょう。
4. 入居者との契約や管理の引継ぎを整える
サブリース契約が終わっても入居者は住み続けることが多いため、オーナーが貸主の立場を引き継ぐ形で契約や敷金を整理します。
借地借家法34条により、転貸借がある場合のオーナーは、入居者へ契約終了を通知しなければ、終了を入居者に主張できません。
通知から6か月が経つと入居者との転貸借も終わる仕組みですが、実務では入居者に住み続けてもらうため、オーナーが入居者と新たに契約し直したり、貸主の立場を引き継いだりする形で整理するのが一般的です。
引継ぎでは、主に次の項目を確認します。
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入居者との契約書と敷金
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賃料の振込先と保証会社
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鍵と修繕の履歴
解約後の管理を自分で行うのか、新しい管理会社に任せるのかも並行して決めておくと移行がスムーズです。
サブリース解約の進め方|相談から契約終了までの5ステップ

サブリース解約は、契約書の確認から始めて、弁護士への相談、通知書の送付、交渉、合意書の作成という5つのステップで進めます。
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手元の契約書で更新日と通知期限を書き出す
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解約したい理由と資料を整理して弁護士に相談する
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内容証明郵便で解約通知書を送る
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終了日・解決金・引継ぎ条件を交渉する
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合意書を交わして契約を終える
売却や建替えの予定がある場合は、予定時期から逆算してスケジュールを組みましょう。
ステップ1:手元の契約書で更新日と通知期限を書き出す
まずは契約書で、契約の種類、更新日、通知期限、違約金の定めを確認します。
普通借家契約なら、更新日の1年前から6か月前までが更新拒絶の通知期間です。
契約書が手元にない場合は、サブリース会社に写しの交付を求めましょう。
ステップ2:解約したい理由と資料を整理して弁護士に相談する
次に、解約したい理由と裏づけとなる資料をそろえて、弁護士に相談します。
たとえば、自宅として使う予定、売却の計画、建物の老朽化、保証賃料の未払いなどが解約理由にあたります。
相談では、解約できる見通しと、依頼した場合の費用を確認しましょう。
ステップ3:内容証明郵便で解約通知書を送る
方針が決まったら、通知期限内に内容証明郵便で解約通知書(更新拒絶の通知書)を送ります。
通知書には、対象となる契約、契約を終わらせる日、解約の理由を記載します。
インターネット上の雛形をそのまま使うと、自分の契約に合わない内容になるおそれがあるため避けましょう。
ステップ4:終了日・解決金・引継ぎ条件を交渉する
通知を送ったら、終了日、解決金や違約金の額、入居者・敷金の引継ぎ条件をまとめて交渉します。
交渉の途中で賃料減額の話を持ち出されることもありますが、解約の交渉とは分けて考えましょう。
やり取りはメールや書面で行い、記録を残しておくと後の手続きで役立ちます。
ステップ5:合意書を交わして契約を終える
条件がまとまったら合意書を交わし、入居者への通知や管理の切替えを実行して契約を終えます。
合意書に明記すべきなのは、終了日、金銭の精算方法、入居者との契約の引継ぎ、敷金の扱いです。
交渉で合意できなければ、調停や訴訟による解決を検討します。
サブリース解約でやってはいけない3つの対応
解約を急ぐあまり、入居者へ直接連絡する、保証賃料の受け取りを拒む、示された合意書にその場で署名するといった対応をすると、かえって解決が遠のきます。
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入居者に直接退去や振込先の変更を求める
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保証賃料の受け取りを一方的に拒む
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サブリース会社が示した合意書にその場で署名する
それぞれのリスクを見ていきましょう。
1. 入居者に直接退去や振込先の変更を求める
サブリース契約が続いている間は、入居者の貸主はサブリース会社であるため、オーナーが直接連絡すると混乱やトラブルの原因になります。
たとえば、オーナーが「来月から家賃は私の口座に振り込んでください」と伝えると、入居者は誰に支払えばよいか分からなくなります。
賃料の二重請求や管理会社への苦情に発展すれば、解約交渉そのものにも悪影響です。
入居者への連絡は、サブリース会社との合意や法律上の通知の手順を踏んでから行いましょう。
2. 保証賃料の受け取りを一方的に拒む
解約の意思を示すつもりで保証賃料の受け取りを拒んでも、受領拒否だけで契約は終わりません。
受け取りを拒まれたサブリース会社は、賃料を法務局に預ける「供託」によって支払義務を果たせます(民法494条)。
結果として、オーナーは賃料を受け取るために、法務局で供託金の還付手続きをとらなければなりません。
賃料は受け取りつつ、解約の意思や異議は書面で伝えるのが基本です。
3. サブリース会社が示した合意書にその場で署名する
解約に応じる条件として合意書を示されても、その場で署名せず、内容を確認してから回答しましょう。
合意書には、高額な違約金、修繕費の負担、敷金を返還しない取り決めなど、オーナーに不利な条項が含まれていることがあります。
一度署名した合意書は、原則として後から覆すことが難しくなります。
書面を持ち帰り、弁護士に内容を確認してもらってから回答すると安心です。
サブリース解約にかかる費用|弁護士費用のほかに違約金・立退料がかかることも
サブリース解約では、弁護士費用のほかに、契約書で定めた違約金や、サブリース会社に支払う立退料(解決金)がかかることがあります。
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費用 |
支払う相手 |
金額の決まり方 |
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弁護士費用 |
依頼した弁護士 |
事務所の報酬基準と、交渉・訴訟の別 |
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違約金 |
サブリース会社 |
契約書の定め |
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立退料・解決金 |
サブリース会社 |
交渉や裁判所の判断 |
費用をかけても、解約後の賃料収入の改善や、売却条件の改善で見合うかを事前に試算しておきましょう。
1. 弁護士費用の目安
弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金・実費で構成され、交渉で終わるか訴訟まで進むかによって変わります。
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費用項目 |
内容 |
目安 |
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相談料 |
法律相談の費用。初回無料の事務所もある |
30分5,000円〜1万円程度 |
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着手金 |
依頼時に支払う費用 |
20万〜50万円程度 |
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報酬金 |
解決時に結果に応じて支払う費用 |
経済的利益の10〜20%程度、または定額 |
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実費 |
郵便代・印紙代・交通費など |
実際にかかった額 |
上記は、旧日本弁護士連合会報酬基準や公開されている事務所の料金をもとにした目安です。
交渉から訴訟に移行すると、追加の着手金がかかる事務所もあります。
依頼前に、訴訟へ移行した場合の費用や報酬金の計算方法まで見積もりで確認しておきましょう。
収入や資産が一定以下の場合は、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できることがあります。
【関連記事】不動産トラブルは弁護士に相談できる?種類・費用・選び方を解説
2. 違約金
オーナーから解約する場合の違約金は契約書の定めによって決まり、一律の相場はありません。
違約金条項の典型例は、「オーナーから解約する場合は賃料の◯か月分を支払う」といった定めです。
金額が過大であれば、条項の有効性や減額を争える余地もあります。
交渉によって違約金が減額されたり、免除されたりすることもあるため、請求額をそのまま受け入れる必要はありません。
3. 立退料(解決金)
立退料は、正当事由を補う要素としてオーナーがサブリース会社に提示する金銭で、金額は事案ごとに決まります。
金額を考える際には、サブリース会社が契約終了によって失う転貸の利益などが考慮されることがあります。
裁判ではなく、合意解約の解決金として支払う形も一般的です。
【関連記事】立ち退き交渉の進め方は?6つのステップや立ち退き料の相場を解説
サブリース解約は弁護士以外にどこに相談できる?
費用をかけずに方向性を知りたい場合は、法テラス、弁護士会や自治体の法律相談、国土交通省の窓口も利用できます。
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相談先 |
できること |
向いているケース |
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法テラス |
収入などの条件を満たせば無料法律相談、弁護士費用の立替 |
費用面に不安がある |
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弁護士会の法律相談センター |
弁護士による有料・一部無料の相談 |
まず一度弁護士の意見を聞きたい |
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自治体の法律相談 |
住民向けの短時間の無料相談 |
大まかな方向性を知りたい |
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国土交通省・地方整備局 |
賃貸住宅管理業法違反の情報提供の受付 |
勧誘時の説明に問題があった |
国土交通省は個別の紛争を解決する機関ではありませんが、賃貸住宅管理業法にもとづき、サブリース会社の不当な勧誘などについて情報提供を受け付けています。
サブリース会社との交渉の代理や訴訟を任せられるのは弁護士です。
司法書士は、法務大臣の認定を受けていれば、簡易裁判所で扱う140万円以下の一定の民事事件に限って代理できます。
サブリース解約を弁護士に相談する前に準備すべきもの
相談前に、契約書一式、サブリース会社とのやり取り、送金明細、物件と入居状況の資料をそろえておくと、相談がスムーズに進みます。
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サブリース契約書(特約・覚書・更新合意書を含む)
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契約時の重要事項説明書
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サブリース会社から届いた通知書・メール
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保証賃料の送金明細や収支表
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物件の登記事項証明書と入居状況の資料
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解約したい理由を示す資料(売却の査定書、建物の診断結果など)
あわせて、「いつ・誰が・何をしたか」を1枚の時系列メモにまとめておくと、経緯を説明しやすくなります。
資料がすべてそろっていなくても相談はできるため、期限が迫っている場合は先に予約を入れましょう。
サブリース解約に関する悩みは「ベンナビ法律相談Q&A」で解決しよう
サブリースの解約は、契約が定期借家か普通借家か、通知期限が残っているか、正当事由として何を示せるかによって、取れる手段が大きく変わります。
早い段階で弁護士に相談することで、通知書の作成や解決金の交渉、入居者の引継ぎまで、具体的な選択肢が見えてきます。
とはいえ、「弁護士に相談すべきレベルの話なのか」判断がつかない、という方も多いでしょう。
ベンナビ法律相談Q&Aでは、質問を投稿すると、不動産トラブルなどの分野を得意とする弁護士が無料で回答してくれるため、解決に向けた具体的な対処方法がわかります。
まずは自分の契約で解約できそうか、質問を投稿して確認してみましょう。
サブリース解約に関するよくある質問
さいごに、サブリース解約についてよく寄せられる質問を紹介します。
サブリースは解約できないというのは本当?
いいえ、条件を満たせばオーナーからも契約を終わらせられます。オーナーからの解約には正当事由などの条件がありますが、定期借家の期間満了、契約違反による解除、合意解約といった方法もあります。
サブリース会社からは自由に解約できるの?
契約書に借主からの中途解約条項があれば、サブリース会社は条項に従って解約できるのが原則です。借主からの解約には正当事由が求められないため、オーナーからの解約より条件は緩やかです。
自分で住むためならサブリースを解約できる?
自分や家族が住む必要は、正当事由を判断する重要な要素です。ただし、入居者の生活やサブリース会社の事情とも比べて判断されるため、立退料の提示が必要になることもあります。
解約したら入居者は退去しないといけない?
多くの場合、退去の必要はありません。オーナーが入居者との契約を引き継ぐなどして、入居者にそのまま住み続けてもらう形で整理するのが一般的です。建替えなどで退去が必要な場合は、入居者との間で別途の手続きや交渉が必要になります。
区分マンション1室でも弁護士に依頼できる?
はい、1室でも相談・依頼はできます。依頼する際は、弁護士費用や解決金を払っても見合うかを、売却条件や今後の収支と比べて判断しましょう。
解約までどのくらいの期間がかかる?
合意解約なら数か月で終わることもありますが、訴訟になると1年以上かかることもあります。更新拒絶の通知期間(期間満了の1年前から6か月前)もあるため、早めに準備を始めておくと安心です。
まとめ
サブリース会社は借地借家法上の借主にあたるため、オーナーからの解約には正当事由などの条件があります。
それでも、定期借家の期間満了、正当事由のある更新拒絶、契約違反による解除、合意解約という4つの方法があり、契約の種類や事情によって選べる手段は変わります。
通知期限を過ぎると契約は自動的に更新されてしまうため、解約を考え始めた段階で契約書を確認し、弁護士へ相談することが大切です。
自分のケースで解約できそうか迷ったら、ベンナビ法律相談Q&Aで弁護士に質問してみてください。
