慰謝料請求については,難しいと言わざるを得ません。
もちろん,彼が自らの責任を認めて,支払いに応じるのであれば問題はないですが,おそらくそんなことはないでしょう。
慰謝料請求は,民法709条の不法行為を原因として行うのですが,不法行為の要件は,①権利侵害行為②違法性③故意,過失④行為と結果との間の因果関係です。
あなたが精神的に傷ついたことや鬱病発症は,病院が作成する診断書などで立証可能と思います。
しかし,その原因となる①彼の行為と,彼の行為とあなたの精神的苦痛との④因果関係を立証することが困難でしょう。要は,彼のモラハラ発言等の証拠があまりないのではないか,仮にモラハラにつき証拠があったとしても,それとあなたの精神的苦痛,鬱病発症との因果関係を証拠で示すのは困難ではないか,ということです。
お金の問題ではない,彼を苦しめたい,という思いであれば,なるべく証拠を集めて請求することになるでしょうね。但し,裁判等になれば,彼の反論などにより,あなたがより苦しむかもしれません。そういうリスクがあることは覚えておいてください。
次に,慰謝料以外で「罪を償う」方法があるか,についてですが,罪を償う,という言葉からすると,刑事事件の問題となります。あり得るのは,傷害罪で被害届を出す,ということですが,これは,慰謝料請求よりハードルが高いです。殴る蹴るの暴行でできた傷であれば,因果関係が割と明確なので傷害の被害届を出すのは簡単ですが,モラハラで鬱病になったというのは証明が困難ですので,警察が受理しないのではないかと思います。
悲観的なことばかり申し上げて心苦しいのですが,私の見解は上記のとおりです。
余計なお世話かと存じますが,別れた後も元カレに精神的に縛られるより,運悪くクズ男に引っかかってしまったと思って,記憶から消したほうがよいと思います。再スタートを切れば,きっといい出会いがあります。
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