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共有持分の放棄とは?手続きの流れ・費用・贈与税と登記を拒否されたときの対処法

共有持分の放棄とは?手続きの流れ・費用・贈与税と登記を拒否されたときの対処法

 

相続などで取得した不動産の共有持分を手放したいものの、他の共有者が応じてくれるか迷っていませんか。

共有持分の放棄は、他の共有者の同意がなくても自分の意思だけで行える手続きです。

ただし、名義を移す登記は他の共有者と共同で申請するのが原則で、持分を取得した共有者には贈与税がかかることもあるため、事前の準備が欠かせません。

本記事では、共有持分の放棄の仕組みと注意点、手続きの流れと費用、他の共有者が登記に協力しないときの対処法を解説します。

読み終えるころには、放棄が自分に合った手段かどうかを判断し、登記まで進める段取りを立てられるようになるのが本記事のゴールです。

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目次

共有持分の放棄とは|他の共有者の同意なく持分を手放せる制度

共有持分の放棄とは、自分の持分を一方的に手放し、他の共有者に移すことです。

民法255条は、共有者の1人が持分を放棄したときは、放棄された持分が他の共有者に移ると定めています。

放棄は相手の承諾を必要としない単独行為のため、意思表示が他の共有者に届いた時点で効力が生じるのが特徴です。

自分だけが所有する不動産には放棄の規定がなく、所有権を一方的に手放すことはできません。

「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」という民法239条2項は、もともと所有者がいない不動産の扱いを定めたもので、所有権の放棄を認める規定ではありません。

放棄した持分は他の共有者に持分割合に応じて帰属する

放棄した持分は、残る共有者の持分割合に応じて分けられます。

民法255条自体に割合の定めはありませんが、各共有者の持分割合に応じて帰属するという扱いが実務の一般的な考え方です。

たとえば、3人が3分の1ずつ共有している土地でAさんが放棄すると、BさんとCさんが6分の1ずつ取得し、それぞれ2分の1の持分になります。

持分割合が異なる場合も考え方は同じです。

Aさんが4分の1を放棄し、Bさんが2分の1、Cさんが4分の1を持っていたとすると、BさんとCさんが取得する割合は2対1です。

結果として、Bさんは3分の2、Cさんは3分の1の持分になります。

特定の共有者だけに持分を渡したい場合は、放棄ではなく贈与や売却を選ぶ必要があります。

相続放棄・持分の贈与との違い

共有持分の放棄は、相手を選べず、期限もない単独行為である点で、相続放棄や持分の贈与と異なります。

項目 共有持分の放棄 相続放棄 持分の贈与
対象 すでに持っている自分の持分 相続財産すべて(預貯金・借金も含む) 自分の持分
期限 なし 自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内 なし
相手の同意 不要 不要 必要(契約)
持分の行き先 他の共有者全員に割合で帰属 他の相続人 自分が選んだ相手
手続き先 他の共有者への意思表示+法務局での登記 家庭裁判所への申述 当事者間の契約+法務局での登記

相続放棄は家庭裁判所に申述する手続きで、不動産だけでなく預貯金や借金を含む相続財産すべてを引き継がないことになります(民法915条・938条)。

一方、遺産分割が済んで共有名義になった後の持分は、相続放棄では手放せません。

相続が始まったばかりで遺産分割がまだの場合は、持分の放棄より先に、遺産分割協議や相続放棄で整理できないかを確認しておきましょう。

共有持分を放棄する3つのメリット

共有持分の放棄には、買い手探しが要らず、単独で始められ、将来の負担から外れられるという3つのメリットがあります。

1. 買い手を探さずに手放せる

放棄は、買い手や価格の交渉をしなくても持分を手放せる方法です。

共有持分だけを買いたいという人は一般には少なく、持分のみの売却は相手が限られます。

不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要になるため(民法251条)、1人でも反対すると進められないのが難点です。

放棄であれば、やり取りする相手は他の共有者だけで済みます。

2. 他の共有者の同意がなくても手続きを始められる

共有持分の放棄は、他の共有者が反対していても法律上は行えます。

「共有になってから何年以内」といった期限もないため、自分の都合に合わせて始められるのも特徴です。

ただし、名義を移す登記には他の共有者の協力が要ります。

3. 将来の固定資産税・管理費・相続の負担から外れられる

登記まで済ませれば、翌年度以降の固定資産税や管理費の負担から外れられます。

共有者は持分に応じて管理費用や税金を負担する義務を負っています(民法253条)。

さらに、共有のまま亡くなると自分の相続人に持分が引き継がれ、子どもや孫の代で共有者が増えていく原因にもなります。

放棄によって、管理費や税金の負担、共有関係の引き継ぎを自分の代で断ち切れるのが大きな利点です。

共有持分を放棄する前に知っておきたい5つの注意点

共有持分の放棄は単独でできる一方、登記・税金・固定資産税・対価・権利の濫用の5点で負担や争いが生じることがあります。

注意点 内容 影響を受ける人
登記の共同申請 名義を移すには他の共有者の協力が必要 放棄する人
贈与税・不動産取得税 持分を取得した側に課税される 他の共有者
固定資産税 登記が残る限り請求が届く 放棄する人
対価 放棄では代金を受け取れない 放棄する人
権利の濫用 負担の押し付けとして認められないことがある 放棄する人

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1. 登記は他の共有者との共同申請になる

放棄の効力は意思表示で生じますが、名義を移す持分移転登記は、他の共有者と共同で申請するのが原則です。

不動産登記法60条は、権利に関する登記を登記権利者(持分を取得する人)と登記義務者(放棄する人)が共同で申請すると定めています。

他の共有者が協力しなければ登記簿上は自分の名義が残り、第三者に対して放棄したことを主張しにくいのが問題です。

協力が得られない場合の対処法は、後の「他の共有者が登記に協力しないときの対処法」で紹介しています。

2. 持分を取得した共有者に贈与税・不動産取得税がかかる

放棄された持分を取得した共有者には、贈与を受けたものとして贈与税がかかることがあります。

相続税法基本通達9-12は、共有者が持分を放棄したとき、他の共有者が持分に応じて贈与により取得したものとして扱うと定めています。

贈与税の基礎控除は年110万円のため、取得した持分の評価額が110万円を超えると課税の対象です。

たとえば、評価額600万円の持分を放棄し、2人の共有者が300万円分ずつ取得したとします。

1人あたりの贈与税は、(300万円−110万円)×10%=19万円です。

取得した側が贈与税を納めないと、放棄した人も連帯して納付を求められる可能性があります(相続税法34条4項)。

取得した側には、贈与税とは別に不動産取得税もかかります。

税額は原則として固定資産税評価額の4%で、2027年3月31日までの取得であれば土地と住宅は3%に軽減され、宅地は評価額の2分の1が課税標準になります。

3. 登記を移すまで固定資産税の請求は届き続ける

固定資産税は、毎年1月1日時点で登記簿に所有者として記録されている人に課税されます(地方税法343条・359条)。

放棄の意思表示をしても登記が移っていなければ、翌年以降も自分あてに納税通知書が届きます。

年内に登記を終えられれば、翌年度からは課税の対象外です。

放棄した年度の固定資産税は、1月1日時点の所有者が納める必要があります。

放棄した日までの分を日割りで精算するかどうかは、他の共有者と話し合って決めておくことが大切です。

4. 放棄では対価を受け取れない

放棄は持分を無償で手放す手続きで、代金や補償を受け取ることはできません。

駅に近い土地や賃料収入のある建物など、持分にある程度の価値があるなら、他の共有者に買い取ってもらう交渉を先に検討する余地があります。

5. 負担を押し付ける目的の放棄は権利の濫用として認められないことがある

放棄は法律上認められた権利ですが、他の共有者に一方的に負担を押し付ける目的の放棄は、権利の濫用(民法1条3項)として認められないことがあります。

東京地方裁判所令和3年7月14日判決は、崖地の共有持分の放棄が争われた事案です。

裁判所は、他の共有者が管理・保全を行う態勢が整っていない段階での放棄は著しく相当性を欠くとして、権利の濫用にあたると判断しました。

管理に手間や費用がかかる土地ほど、放棄の前に他の共有者と管理の引き継ぎを話し合っておくことが重要です。

共有持分の放棄が「早い者勝ち」といわれる理由

共有持分の放棄が「早い者勝ち」といわれるのは、最後に残った1人は単独所有になり、放棄の規定を使えなくなるためです。

たとえば、3人で共有する山林のうち2人が先に放棄すると、残った1人が山林全体を単独で所有することになります。

単独所有の不動産は放棄できず、固定資産税や管理の負担は1人に集中します。

単独所有になった後に手放す方法の1つが、相続で取得した土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」です。

ただし、建物がある土地や境界に争いがある土地は対象外です。

利用する人は、審査手数料(1筆1万4,000円)と、10年分の管理費相当額の負担金(原則20万円)を納める必要があります。

一方で、誰もが手放したい不動産を駆け込むように放棄すると、権利の濫用を主張されたり、登記への協力を拒まれたりしやすくなります。

急いで放棄するより、共有者全員で処分の方針を話し合うことが先決です。

共有持分を放棄する手続きの流れ|4つのステップ

共有持分を放棄する手続きの流れ|4つのステップ

共有持分の放棄は、事前の相談→内容証明での意思表示→書類の準備→持分移転登記の申請の順で進めます。

  1. 他の共有者に放棄の意向と税金の負担を伝える
  2. 内容証明郵便で放棄の意思表示をする
  3. 持分移転登記の必要書類をそろえる
  4. 法務局に持分移転登記を共同で申請する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ステップ1:他の共有者に放棄の意向と税金の負担を伝える

最初に、放棄を考えていることと、取得する側に贈与税がかかる可能性を他の共有者に伝えます。

いきなり書面を送ると、相手が身構えて登記への協力を拒むきっかけになりかねません。

あわせて、登記費用をどちらが負担するか、登記をいつ申請するかも話し合っておきましょう。

合意できた内容は、メモや合意書に残しておくと後のトラブルを防ぎやすくなります。

ステップ2:内容証明郵便で放棄の意思表示をする

話し合いがまとまったら、内容証明郵便で放棄の意思表示を他の共有者全員に送ります。

法律上は口頭でも意思表示はできますが、内容証明郵便なら「いつ、どのような内容の文書を送ったか」を日本郵便が証明してくれます。

配達証明を付けておけば、相手に届いた日も記録に残せるのが利点です。

放棄の効力が生じた日や、意思表示をした事実を後から争われたときの証拠として役立ちます。

ステップ3:持分移転登記の必要書類をそろえる

持分移転登記には、放棄する人と取得する人それぞれが用意する書類があります。

書類 用意する人 取得先・作成方法
登記申請書 双方(共同で作成) 法務局のウェブサイトの様式を参考に作成
登記原因証明情報 双方 放棄の意思表示の内容を記載した書面を作成
登記識別情報(または登記済証) 放棄する人 持分を取得したときに法務局から通知された12桁の符号(古い登記では権利証)
印鑑証明書(発行から3か月以内) 放棄する人 市区町村役場・コンビニ
住民票 取得する人 市区町村役場・コンビニ
固定資産評価証明書 双方(どちらか) 不動産所在地の市区町村役場

登記識別情報を紛失している場合は、司法書士による本人確認情報の作成など別の手続きが必要になります。

書類に不備があると補正(書き直し)を求められるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

ステップ4:法務局に持分移転登記を共同で申請する

書類がそろったら、不動産の所在地を管轄する法務局に、登記原因を「持分放棄」として持分移転登記を申請します。

申請は窓口のほか、郵送やオンラインでの申請も可能です。

司法書士に依頼すれば、他の共有者分も含めて委任状で代理申請してもらえるため、全員が法務局に出向く必要はありません。

登記が完了すると、取得した共有者に新しい登記識別情報が通知されます。

共有持分の放棄にかかる費用|誰が何を負担するか

共有持分の放棄では、放棄する側に登記費用、取得する側に贈与税や不動産取得税がかかるのが一般的です。

費用 負担する人の目安 金額の目安
登録免許税 話し合いで決める(放棄する側が負担することが多い) 固定資産税評価額×持分×2%
司法書士報酬 話し合いで決める 事務所ごとに異なるため見積もりで確認
書類の取得費用 それぞれ 数百円~数千円程度
内容証明郵便の費用 放棄する人 郵便料金・書留料金に内容証明の加算料金(1枚目480円)がかかる
贈与税 取得する人 取得した持分の評価額−110万円に税率をかけた額
不動産取得税 取得する人 固定資産税評価額×3~4%

登録免許税は、持分放棄による移転登記の場合、不動産の価額(固定資産税評価額)に持分割合をかけた額の2%です。

たとえば、評価額1,500万円の土地で3分の1の持分を放棄すると、500万円×2%=10万円になります。

他の共有者が登記に協力せず訴訟になった場合は、裁判所に納める手数料や弁護士費用が別にかかります。

他の共有者が登記に協力しないときの対処法

他の共有者が登記に協力しないときの対処法

他の共有者が登記に協力しない場合は、話し合い、弁護士を通じた交渉、登記引取請求訴訟の順に検討します。

対処法 向いているケース
話し合い 費用や税金への不満が理由で協力を渋っている
弁護士を通じた交渉 感情的な対立が強く、当事者同士では話が進まない
登記引取請求訴訟 交渉しても協力が得られない、連絡を無視される

1. 費用の負担や登記の時期を話し合う

協力を渋る理由が費用や税金であれば、登記費用を自分が負担するなどの条件を示すことで、協力を得られることがあります。

取得する側から見ると、望んでもいない持分のために贈与税や不動産取得税を払うことになるため、不満を持つのは自然なことです。

相手の事情を聞いたうえで、費用の分担や登記の時期を提案してみましょう。

2. 弁護士を代理人にして交渉する

当事者同士では感情的になって話が進まない場合は、弁護士に代理人として交渉してもらう方法があります。

弁護士から法的な根拠を示して協力を求めることで、相手が冷静に対応しやすくなります。

交渉で協力が得られなかった場合も、そのまま訴訟の準備に移れる点がメリットです。

3. 登記引取請求訴訟を起こす

交渉しても協力が得られない場合は、他の共有者を相手に、登記を引き取るよう求める登記引取請求訴訟を起こします。

登記を引き取らせる請求は、最高裁判所昭和36年11月24日判決で認められた権利です。

勝訴判決が確定すれば、不動産登記法63条1項にもとづき、放棄した人が単独で持分移転登記を申請できます。

内容証明郵便で意思表示した記録や、話し合いの経過を残しておくと、訴訟で放棄の事実を示しやすくなります。

訴訟は判決まで数か月以上かかることが多いため、早い段階で弁護士に相談しておくと安心です。

共有持分の放棄でやってはいけない3つの対応

共有持分の放棄では、ローンや抵当権の確認漏れ、見せかけの放棄、登記前の固定資産税の不払いの3つは避けてください。

1. 住宅ローンや抵当権を確認しないまま放棄する

持分に抵当権が設定されている場合、放棄しても抵当権は消えず、ローンの返済義務も残ります。

放棄によって持分が他の共有者に移っても、抵当権は持分に付いたまま移るため、取得した共有者との間で新たなトラブルになりかねません。

ローンが残っている場合は、放棄の前に金融機関へ扱いを確認しておきましょう。

2. 他の共有者と示し合わせて見せかけの放棄をする

借金の差し押さえを逃れるためなどに、他の共有者と示し合わせて形だけ放棄することは無効です。

相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効とされているためです(民法94条1項)。

債権者から放棄の取り消しを求められたり、税務上の問題を指摘されたりする原因にもなります。

3. 登記が終わる前に固定資産税の納付をやめる

放棄の意思表示をしても、登記が残っている間は自分あてに届いた固定資産税を納める必要があります。

「もう自分のものではない」と納付をやめると、督促を受け、最終的には預貯金などの財産を差し押さえられることがあります。

登記が遅れて納めた分は、他の共有者と精算できるよう話し合っておきましょう。

放棄の通知を受けた共有者は拒否できる?

他の共有者から放棄の通知を受けた場合、放棄そのものを拒否することはできません。

意思表示が届いた時点で放棄の効力が生じ、持分は自分たちに移るためです。

登記への協力を拒み続けると、登記引取請求訴訟を起こされ、判決にもとづいて登記されるのが通常の流れです。

持分を取得した年に受けた贈与の合計が110万円を超える場合は、翌年2月1日から3月15日までに贈与税を申告して納める必要があります。

一方で、管理が難しい土地の負担を押し付けるための放棄など、権利の濫用にあたる事情があれば、放棄の効力を争える可能性があります。

負担の押し付けではないかと感じたら、登記に応じる前に弁護士へ相談してください。

共有持分の放棄以外で共有状態を解消する方法

共有状態を解消する方法には、放棄のほかに持分の売却・贈与、共有者全員での売却、共有物分割請求があります。

方法 対価 他の共有者の同意 向いているケース
持分の売却 あり 不要(他の共有者への売却なら相手の合意が必要) 持分に価値があり、現金化したい
持分の贈与 なし 受け取る相手の合意が必要 特定の共有者に渡したい
共有者全員での売却 あり(持分に応じて分配) 全員の同意が必要 全員が手放したいと考えている
共有物分割請求 方法により異なる 不要(裁判所に請求できる) 話し合いがまとまらない

共有物分割請求は、共有者間で協議が調わないときに、裁判所に分割を求める手続きです(民法258条)。

裁判所は、土地を分ける現物分割、誰かが代金を払って持分を取得する方法、競売による分割の中から判断します。

どの方法が合うかは、持分の価値や共有者との関係によって変わります。

共有持分の放棄を弁護士に相談した方がよいケース

次のような場合は、早めに弁護士への相談を検討してください。

  • 他の共有者が登記に協力してくれない、連絡を無視される
  • 他の共有者から権利の濫用だと主張されている
  • 共有者が多く、一部の人と連絡が取れない
  • 贈与税や固定資産税の負担をめぐって共有者ともめている
  • 放棄と売却・共有物分割請求のどれを選ぶべきか判断できない

弁護士の相談料は、旧日本弁護士連合会報酬等基準をもとに30分5,000円程度とする事務所が多く、初回相談を無料にしている事務所もあります。

登記手続きだけであれば司法書士、贈与税の試算であれば税理士と、内容に応じて相談先を使い分けるとスムーズです。

共有持分の放棄に関する悩みは「ベンナビ法律相談Q&A」で解決しよう

共有持分の放棄は、自分ひとりで意思表示ができる一方で、登記の協力や贈与税の負担をめぐって共有者との対立に発展しやすいテーマです。

早い段階で弁護士に相談することで、話し合いの進め方から登記引取請求訴訟の見通しまで、具体的な選択肢を確認できます。

とはいえ、弁護士に相談すべき段階なのかどうか、自分では判断がつかないという声も少なくありません。

ベンナビ法律相談Q&Aは、質問を投稿すると、共有不動産のトラブルを得意とする弁護士が無料で回答してくれるサービスです。

回答を読めば、解決に向けた具体的な対処方法がわかります。

まずは自分の状況を質問として投稿し、何ができるのかを確認してみましょう。

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共有持分の放棄に関するよくある質問

さいごに、共有持分の放棄についてよく寄せられる質問を紹介します。

共有持分の放棄は撤回できる?

放棄の意思表示が他の共有者に届いた後は、一方的に撤回することはできないのが原則です。

届いた時点で持分は他の共有者に移っているためです。

迷いがある段階なら、内容証明郵便を送る前に弁護士へ相談しましょう。

他の共有者が行方不明でも放棄できる?

放棄すること自体はできますが、登記に協力してもらえないため手続きが難しくなります。

所在がわからない相手には、公示送達(裁判所の掲示によって書類を届いたものとみなす手続き)を使って登記引取請求訴訟を起こす方法があります。

2023年4月1日施行の改正民法で、所在等不明共有者の持分を取得・譲渡できる裁判の制度(民法262条の2・262条の3)も設けられました。

農地の共有持分も放棄できる?

農地の共有持分も放棄できます。

持分放棄による取得は、原則として農地法3条の許可を受ける必要はないとされています。

ただし、取得した共有者は農業委員会に届け出なければならない場合があるため、市区町村の農業委員会に事前に確認してください。

共有持分の放棄の登記は自分でできる?

他の共有者と共同で申請すれば、司法書士に依頼せず自分たちで申請することもできます。

法務局の登記手続案内(予約制)で相談することも可能です。

ただし、書類の作成に慣れていないと補正を求められることが多いため、手間を減らしたい場合は司法書士への依頼を検討しましょう。

共有持分を放棄した人に税金はかかる?

他の共有者が個人であれば、放棄した人に所得税がかかることは原則としてありません。

対価を受け取っていないためです。

ただし、持分を取得する共有者が法人の場合は、時価で譲渡したものとみなされ、放棄した人に所得税がかかることがあります(所得税法59条1項)。

共有者に会社が含まれるときは、事前に税理士へ相談してください。

まとめ

共有持分の放棄は、他の共有者の同意がなくても行える一方、名義を移す登記は共同申請が原則で、取得した共有者には贈与税や不動産取得税がかかります。

放棄を進めるときは、事前に他の共有者へ税金や費用の負担を伝え、内容証明郵便で意思表示をしたうえで登記まで終えることが大切です。

他の共有者が登記に協力しない場合や、権利の濫用を主張されている場合は、登記引取請求訴訟も視野に入れて対応を考える必要があります。

一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することが、共有関係を円満に解消する近道です。

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