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不動産の差し押さえとは?競売までの流れと解除する方法を解説

不動産の差し押さえとは?競売までの流れと解除する方法を解説

 

裁判所から「担保不動産競売開始決定」が届いたり、税務署から差押書が送られてきたりして、自宅がどうなるのか不安になっていませんか。

不動産を差し押さえられても、直ちに家を出なければならないわけではありません。

競売や公売で買い手が決まるまでには時間があり、その間に差し押さえを解除したり、競売を避けたりする手段が残されている状態です。

本記事では、差し押さえを受けた所有者の立場を中心に、仕組みと原因、競売までの流れ、解除する方法、やってはいけない対応を解説します。

自分がどの段階にいて、次に何をすべきかを判断する材料として参考にしてください。

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目次

不動産の差し押さえとは|所有者が自由に売却・処分できなくなる手続き

不動産の差し押さえとは、滞納した借金や税金を回収するために、裁判所や税務署などが不動産の売却・贈与などの処分を禁止する手続きです。

裁判所の手続きの場合、差し押さえの効力は、競売開始決定が所有者に届いた時か、差押登記がされた時のうち早いほうで生じます。

差押登記がされると、不動産の登記簿に「差押」と記録され、買主や金融機関など第三者にも差し押さえの事実がわかる状態です。

一方で、差し押さえを受けても、今までどおり家に住み続けることはできます。

民事執行法46条2項で、差し押さえは所有者が通常の用法に従って不動産を使用・収益することを妨げないと定められています。

家を失うのは、差し押さえの後に競売(税金の場合は公売)で売却され、買い手が代金を納めたときです。

差し押さえは「家を失うまでのカウントダウンが始まった状態」と考え、残された時間で何ができるかを確認しておくことが重要です。

不動産が差し押さえられる3つの原因

不動産が差し押さえられる原因は、住宅ローンの滞納、借金・未払金の滞納、税金・社会保険料の滞納の3つです。

原因によって手続きの種類と、売却の方法が異なります。

原因

手続き

申立てに必要なもの

売却の方法

住宅ローンの滞納

担保不動産競売(担保権の実行)

抵当権の登記事項証明書など

裁判所の競売

借金・未払金の滞納

強制競売(強制執行)

確定判決・公正証書などの債務名義

裁判所の競売

税金・社会保険料の滞納

滞納処分

裁判所の手続きは不要

税務署・自治体などの公売

借金や税金の回収では、現金化しやすい給与や預貯金が先に差し押さえられることが多く、不動産の差し押さえは住宅ローンの滞納によるものが大半です。

どの手続きかは、届いた書面の名称で見分けられます。

「担保不動産競売開始決定」なら住宅ローン、「強制競売開始決定」なら判決などによる強制執行、「差押書」なら税金の滞納処分です。

1. 住宅ローンの滞納

住宅ローンを滞納すると、銀行や保証会社は裁判を起こさなくても、抵当権にもとづいて競売を申し立てられます。

住宅ローンを組んで購入した家には、ほとんどの場合、返済が滞ったときに家を売って回収できる「抵当権(ていとうけん)」が設定されているのが一般的です。

抵当権を持つ債権者は、登記事項証明書などを裁判所に提出するだけで競売を申し立てられるため、手続きが早く進みます。

保証会社が銀行に代わってローンを一括返済した(代位弁済)後は、保証会社が申立人になるのが一般的です。

2. 借金・未払金の滞納

カードローンや事業の借入れ、未払いの代金なども、裁判で支払いを命じられた後に放置すると、抵当権がない自宅でも強制競売で差し押さえられます。

強制競売を申し立てるには、確定判決、公正証書(強制執行を受け入れる旨の記載があるもの)、和解調書などの「債務名義」が必要です。

債務名義とは、強制執行をしてよいことを公的に証明する文書のことです。

訴状や支払督促が届いた段階で対応しなければ、債務名義ができてしまい、給与や預金とあわせて不動産も差し押さえの対象になります。

3. 税金・社会保険料の滞納

固定資産税や住民税、所得税などの滞納は、裁判所を通さずに税務署や自治体が直接差し押さえる「滞納処分」の対象です。

国税の場合、督促状を発した日から10日を経過した日までに完納しないと、財産を差し押さえなければならないというのが国税徴収法47条のルールです。

不動産の差し押さえは差押書の送達でおこなわれ、あわせて差押登記が嘱託されます。

地方税や国民健康保険料なども、同様の仕組みです。

差し押さえた不動産は、裁判所の競売ではなく、税務署や自治体がおこなう「公売」で売却されます。

不動産の差し押さえから競売までの流れ

住宅ローン滞納から競売までの流れ

住宅ローンを滞納してから家を明け渡すまでは、次の6つのステップで進み、競売の申立てから開札までは半年〜1年程度が目安です。

  1. 督促を受けて期限の利益を失う

  2. 保証会社が代位弁済する

  3. 競売開始決定が届き、差し押さえられる

  4. 執行官の現況調査と評価人の評価を受ける

  5. 期間入札と開札で買受人が決まる

  6. 代金納付で所有権が移り、明渡しを求められる

税金の滞納による差し押さえは、差押書の送達後に税務署や自治体が公売を実施するため、裁判所の手続きは関係しません。

ステップ1:督促を受けて期限の利益を失う

住宅ローンの返済が遅れると、電話や督促状による催促が続き、数か月の滞納で「期限の利益」を失います。

期限の利益とは、決められた返済日までは支払いを待ってもらえる権利のことです。

期限の利益を失うと、毎月の分割払いができなくなり、ローンの残額を一括で返すよう求められます。

一括請求に切り替わる時期は契約によって異なりますが、一般的には3〜6か月程度の滞納が目安です。

期限の利益を失う前であれば、銀行と返済条件の変更を話し合える余地が比較的残っています。

ステップ2:保証会社が代位弁済する

期限の利益を失うと、保証会社が銀行に残額を一括で支払う「代位弁済」がおこなわれ、以後は保証会社が債権者になります。

代位弁済がされると、保証会社から「代位弁済通知」が届き、立て替えた全額の支払いを求められるのが通常です。

保証会社は分割払いにはほとんど応じないため、多くのケースでそのまま競売の申立てへ進みます。

代位弁済の日は、家を残すための個人再生(住宅ローン特則)を利用できる期限(6か月)の起点にもなるため、通知の日付は必ず控えておきましょう。

ステップ3:競売開始決定が届き、差し押さえられる

保証会社などが裁判所に競売を申し立てると、裁判所から「担保不動産競売開始決定」が特別送達で届き、届いた時点で差し押さえの効力が生じます。

開始決定に記載されているのは、債権者のために不動産を差し押さえる旨です。

裁判所の書記官の嘱託で差押登記もおこなわれ、以後は不動産を売却したり、名義を変えたりしても差し押さえた債権者に対抗できません。

ただし、債権者の同意を得て売却する任意売却であれば、開札の前まで検討することが可能です。

ステップ4:執行官の現況調査と評価人の評価を受ける

競売開始決定から1〜2か月ほどで、裁判所の執行官が自宅を訪れて室内を調査し、評価人が不動産の価値を評価します。

執行官は事前に日程を通知してきますが、不在の場合でも解錠して立ち入ることが法律上認められているのが現況調査の特徴です。

調査結果と評価をもとに、裁判所は入札の基準となる「売却基準価額」を決めます。

物件の写真や間取り、評価額などをまとめた「3点セット」は、裁判所の不動産競売物件情報サイト(BIT)で誰でも閲覧できる状態です。

ステップ5:期間入札と開札で買受人が決まる

売却基準価額が決まると、入札期間が公告され、売却基準価額の8割(買受可能価額)以上で最も高い金額を入札した人が買受人になります。

開札の後、裁判所が売却許可決定を出した時点で、買受人が正式に決まる仕組みです。

競売の落札価格は、内覧ができないなどの事情から市場価格より低くなりやすいといわれています。

ステップ6:代金納付で所有権が移り、明渡しを求められる

買受人が裁判所に代金を納付すると、納付の時点で所有権が買受人に移り、所有者だった人は家を明け渡さなければなりません。

退去に応じない場合、買受人は代金納付から6か月以内であれば裁判所に「引渡命令」を申し立てられ、最終的には強制執行で退去させられる流れです。

納付された代金は、抵当権を持つ債権者などに法律で決められた順序で配当されます。

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不動産を差し押さえられたらどうなる?知っておきたい4つの影響

不動産を差し押さえられたときの影響は、住み続けられる期間、借金の残り方、家族への影響、共有名義の扱いの4点に整理できます。

  1. 競売で売れるまでは住み続けられる

  2. 売却代金で返しきれない借金は残る

  3. 家族名義の財産は原則として差し押さえられない

  4. 共有名義の不動産は自分の持分だけが差し押さえられる

1. 競売で売れるまでは住み続けられる

差し押さえを受けても、買受人が代金を納付するまでは、今までどおり自宅に住み続けられます。

競売の申立てから代金納付までは、半年〜1年程度かかります。

ただし、住み続けられることと、差し押さえが止まっていることは別の話です。

何もしなければ手続きは確実に進むため、早めに対処法を検討しておきましょう。

2. 売却代金で返しきれない借金は残る

競売で家が売れても、売却代金でローンを完済できなければ、残った借金は引き続き支払わなければなりません。

競売の代金は、手続きの費用を差し引いたうえで、抵当権を持つ債権者から順に配当されます。

たとえば、ローン残高が2,500万円で落札価格が1,800万円なら、費用を除いて約700万円以上の借金が残る計算です。

住宅の価値がローン残高を下回るオーバーローンの状態では、競売後も債権者から請求が続くことを前提に、返済方法を考えておく必要があります。

残った借金の支払いが難しい場合は、自己破産などの債務整理を検討することになります。

3. 家族名義の財産は原則として差し押さえられない

差し押さえの対象になるのは、借金や税金を滞納している本人名義の財産だけです。

配偶者や子ども名義の預金・不動産は、原則として差し押さえられません。

ただし、家族が住宅ローンの連帯保証人や連帯債務者になっている場合は、家族の財産も差し押さえの対象です。

また、本人名義の家が競売にかけられれば、同居している家族も一緒に退去しなければなりません。

転居や生活費の見直しを一緒に考えるためにも、家族には早めに状況を共有しておきましょう。

4. 共有名義の不動産は自分の持分だけが差し押さえられる

夫婦や兄弟で共有している不動産の場合、差し押さえられるのは滞納している本人の持分だけです。

たとえば、夫と妻が2分の1ずつ共有している家で夫の税金が滞納された場合、差し押さえの対象は夫の持分2分の1に限られます。

ただし、持分が競売や公売で売却されると、見知らぬ第三者が新たな共有者として加わるのが一般的です。

新たな共有者から持分の買取りを求められたり、共有物分割請求で家全体の売却を求められたりする可能性もあります。

不動産の差し押さえを解除する5つの方法

差し押さえを解除する基本は、滞納額を支払って債権者に競売の申立てを取り下げてもらうことです。

一括での支払いが難しい場合は、次の方法を組み合わせて検討します。

方法

向いているケース

期限の目安

滞納額を支払い取り下げてもらう

親族の援助や借換えで資金を用意できる

買受けの申出(入札)があるまで

返済条件の変更を交渉する

期限の利益を失う前で、収入が回復する見込みがある

一括請求を受ける前

任意売却をする

家を手放してもよく、少しでも高く売りたい

開札の前まで

個人再生の住宅資金特別条項を使う

家を残したい、住宅ローン以外の借金もある

代位弁済から6か月以内

換価の猶予・納税の猶予を申請する

税金の滞納で、分割なら納付できる

換価の猶予は納期限から6か月以内

なお、差し押さえそのものに誤りがある場合は、執行異議の申立てや、自分の財産が誤って差し押さえられた第三者による第三者異議の訴えで争えます。

1. 滞納額を支払い、競売の申立てを取り下げてもらう

滞納額を支払えば、債権者が競売の申立てを取り下げ、差押登記も抹消されるのが通常です。

期限の利益を失った後は、滞納分だけでなくローン残額の一括返済を求められるのが一般的です。

親族からの援助や、別の金融機関での借換えなどで資金を用意できるかを検討してみましょう。

注意したいのは、入札(買受けの申出)があった後に申立てを取り下げるには、最高価で入札した人などの同意が必要になる点です。

資金を用意するめどが立ったら、開札を待たずに早めに債権者へ伝えることが欠かせません。

2. 債権者と返済条件の変更を交渉する

返済が苦しくなり始めた段階なら、銀行に相談して返済期間の延長や一時的な減額などの条件変更に応じてもらえる可能性があります。

銀行にとっても、競売で安く売るより、返済を続けてもらうほうが回収額が大きくなるためです。

一方、代位弁済の後は債権者が保証会社に替わり、分割払いへの変更に応じてもらうのは難しくなります。

交渉の内容は、メールや書面など記録が残る方法でやり取りしておきましょう。

3. 任意売却で競売より高い価格での売却をめざす

任意売却とは、債権者の同意を得て、競売ではなく通常の不動産市場で家を売却する方法です。

売却代金で返済することを条件に、債権者に抵当権や差押登記を抹消してもらいます。

市場で買主を探すため、競売よりも高い価格で売れやすく、残る借金を減らしやすい点が利点です。

ただし、任意売却をするには債権者全員の同意が必要で、開札の前までに売買をまとめなければなりません。

売却しても返しきれない借金が残る場合は、その後の返済方法も債権者と話し合う必要があります。

4. 個人再生の住宅資金特別条項で家を残す

家を手放したくない場合は、個人再生の「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を使えば、家を残したまま他の借金を減らせる可能性があります。

住宅ローンはこれまでどおり支払い続け、カードローンなど他の借金は裁判所の認可を受けた再生計画にもとづいて減額して返済する手続きです。

保証会社が代位弁済した後でも、代位弁済の日から6か月以内に個人再生を申し立てれば、住宅資金特別条項を利用できる可能性があります。

再生手続の開始を申し立てると、裁判所に抵当権の実行(競売)を中止する命令を出してもらえる場合もあります。

継続した収入があることなどの条件があるため、利用できるかどうかは弁護士に確認してもらうと安心です。

5. 税金の滞納は換価の猶予・納税の猶予を申請する

税金を一度に納めると生活や事業の継続が難しい場合は、換価の猶予を申請すれば、原則1年以内の期間、差し押さえた財産の公売を待ってもらえる可能性があります。

換価とは、差し押さえた財産を売って現金に換えることです。

国税の換価の猶予は、納税について誠実な意思があることなどが条件で、納期限から6か月以内に申請しなければなりません。

6か月を過ぎている場合でも、税務署長の職権による換価の猶予を受けられることがあります。

災害や病気、事業の廃止などで納税が難しくなった場合は、納税の猶予という別の制度を利用できる場合もあるので確認してみてください。

猶予は差し押さえそのものの解除ではありませんが、猶予期間中に分割で完納すれば、差し押さえも解除されます。

固定資産税や住民税などの地方税にも同様の制度があるため、まずは税務署や市区町村の担当窓口に相談してみましょう。

不動産の差し押さえでやってはいけない3つの対応

差し押さえを受けたときに避けたいのは、書類の放置、差し押さえ逃れの名義変更、執行官の調査拒否や明渡し後の居座りの3つです。

  1. 裁判所や税務署からの書類を放置する

  2. 差し押さえを避けるために家族へ名義を移す

  3. 執行官の調査を拒んだり、明渡し後も居座ったりする

1. 裁判所や税務署からの書類を放置する

裁判所や税務署からの書類を放置すると、知らないうちに手続きが進み、使えたはずの解決策の期限が過ぎてしまいます。

たとえば、裁判所から届いた支払督促は、受け取ってから2週間以内に督促異議を申し立てないと、仮執行宣言が付いて強制執行ができる状態です。

競売開始決定の後に放置すれば、任意売却の期限(開札前)や、個人再生の住宅ローン特則の期限(代位弁済から6か月)を過ぎてしまうおそれがあります。

特別送達で届く書類は必ず受け取り、内容を確認しましょう。

2. 差し押さえを避けるために家族へ名義を移す

差し押さえを逃れる目的で家族などに名義を移すのは、法的に認められないうえ、刑事罰の対象にもなりえます。

差し押さえの後に名義を変えても、差し押さえた債権者には対抗できず、競売はそのまま進むのが原則です。

差し押さえの前であっても、債権者を害すると知りながらおこなった贈与や安値での売却は、詐害行為取消請求(民法424条)によって取り消される可能性があります。

さらに、強制執行を妨げる目的で財産を仮装譲渡すると、強制執行妨害目的財産損壊等罪(刑法96条の2)に問われるおそれもあるため、絶対に避けてください。

法定刑は、3年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金(または併科)です。

3. 執行官の調査を拒んだり、明渡し後も居座ったりする

執行官の現況調査は拒否できず、代金納付後に居座ると強制的に退去させられます。

執行官には、必要があれば鍵を開けて室内に立ち入る権限があり、拒んでも調査は止まりません。

買受人が代金を納付した後に退去しないと、引渡命令にもとづく強制執行がおこなわれ、家財道具を運び出す費用も請求されるのが一般的です。

調査には立ち会い、明渡しの時期は買受人と話し合うほうが、引っ越しの準備を進めやすくなります。

不動産の差し押さえはどこに相談する?5つの相談先

不動産の差し押さえは、返済条件なら債権者、税金なら税務署や自治体、費用が心配なら法テラス、債務整理や競売への対応全般なら弁護士に相談するのが基本です。

相談先

相談できること

向いているケース

債権者(銀行・保証会社)

返済条件の変更、任意売却の同意

期限の利益を失う前、任意売却を考えている

税務署・市区町村の窓口

分割納付、換価の猶予・納税の猶予

税金・社会保険料の滞納

法テラス

無料法律相談、弁護士費用の立替え

収入や資産が一定以下で費用が心配

司法書士

140万円以下の民事事件の代理、裁判所に出す書類の作成

借金の額が比較的少ない

弁護士

債権者との交渉、個人再生・自己破産、競売への対応全般

家を残したい、借金全体を整理したい

 

法テラスは、収入や資産が一定の基準以下であれば、同じ問題について3回まで無料で法律相談を受けられ、弁護士費用の立替えも利用できます。

弁護士に依頼すれば、債権者との交渉から個人再生・自己破産の申立て、競売手続きへの対応までまとめて任せられます。

相談先に迷う場合は、以下の記事も参考にしてください。

【関連記事】不動産トラブルの無料相談窓口

債権者側が不動産を差し押さえる方法

お金を回収したい債権者が不動産を差し押さえるには、判決などの債務名義をそろえ、不動産の所在地を管轄する地方裁判所に競売を申し立てます。

抵当権を持っている場合に必要なのは、債務名義の代わりに担保権を証明する登記事項証明書などです。

申立てには、裁判所への予納金、申立手数料、差押登記の登録免許税がかかります。

費用

目安

予納金

東京地方裁判所の場合、請求債権額2,000万円未満で80万円

申立手数料

4,000円(収入印紙)

登録免許税

請求債権額の1,000分の4

 

まだ判決を得ていない段階で、相手が不動産を売却してしまうおそれがある場合は、民事保全法にもとづく仮差押えで先に処分を禁止しておく方法が有効です。

相手の財産がわからない場合は、財産開示手続や、登記所から不動産の情報を取得する手続を利用できます。

財産開示手続は2020年4月施行の改正民事執行法で強化され、登記所からの情報取得は2021年5月に始まりました。

不動産の差し押さえに関する悩みは「ベンナビ法律相談Q&A」で解決しよう

不動産の差し押さえは、住宅ローン、借金、税金のどれが原因かによって取れる手段が異なり、しかも任意売却や個人再生には期限があります。

早い段階で弁護士に相談することで、家を残す方法があるのか、任意売却や債務整理で負担を減らせるのかまで、具体的な選択肢が見えてきます。

とはいえ、「弁護士に相談すべきレベルの話なのか」判断がつかない、という方も多いでしょう。

ベンナビ法律相談Q&Aでは、質問を投稿すると、不動産トラブルや借金問題などの分野を得意とする弁護士が無料で回答してくれるため、解決に向けた具体的な対処方法がわかります。

まずは自分の状況に近いQ&Aを探し、何ができるのかを確認してみましょう。

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不動産の差し押さえに関するよくある質問

さいごに、不動産の差し押さえについてよく寄せられる質問を紹介します。

何か月滞納すると不動産を差し押さえられる?

住宅ローンの場合、3〜6か月程度の滞納で期限の利益を失い、その後の代位弁済を経て競売を申し立てられるのが一般的な流れです。

税金の場合は、督促状の発送から10日を経過すると差し押さえができる状態になります。

実際の時期は債権者や自治体によって異なるため、滞納が始まった時点で相談しておきましょう。

差し押さえられた不動産は売却できる?

債権者の同意を得て任意売却をすれば、差し押さえ後でも売却できます。

債権者の同意なく売却しても、差し押さえた債権者には対抗できません。

仮差押えと差し押さえの違いは?

仮差押えは、判決が出る前に相手が財産を処分しないよう一時的に押さえておく手続きです。

差し押さえは、判決などの債務名義を得た後に、実際に財産を売却して回収するための手続きという違いがあります。

差し押さえの解除にはどれくらいの日数がかかる?

滞納額を完済した後、申立ての取下げや差し押さえの解除がされ、登記の抹消まで数日〜数週間程度かかるのが目安です。

差押登記は自然に消える?

差押登記は、時間が経っても自然に消えることはありません。

競売の取下げや差し押さえの解除があった後に、裁判所や税務署などからの嘱託によって抹消されます。

競売で売れなかったらどうなる?

買い手がつかなかった場合は、売却基準価額を下げて再び競売にかけられるのが一般的です。

それでも売れる見込みがないときは、競売手続きが取り消されることもありますが、借金そのものはなくなりません。

まとめ

不動産を差し押さえられても、すぐに家を失うわけではありません。

競売で買受人が代金を納めるまでは住み続けられ、その間に滞納額の支払いによる取下げ、任意売却、個人再生、換価の猶予などの手段を検討することが可能です。

一方で、任意売却は開札前まで、個人再生の住宅ローン特則は代位弁済から6か月以内と、それぞれに期限があります。

書類を放置したり、名義を家族に移したりするのは、かえって状況を悪化させるため避けましょう。

自分のケースでどの方法が使えるのか迷う場合は、一人で抱え込まず、早めに弁護士へ相談することが、家と生活を守る近道です。

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