強制退去になった場合どうなる?流れ・費用・荷物の扱いと今すぐできる対処法を解説
家賃の滞納が続き、大家や保証会社から「このままだと強制退去になる」と言われて不安になっていませんか。
強制退去は、裁判所の判決と執行官による手続きを経なければ行えないため、ある日突然、何の手続きもなく追い出されるわけではありません。
ただし、手続きが進むほど打てる手は少なくなるため、今どの段階にいるのかを把握して早めに動くことが大切です。
本記事では、強制退去になった場合に起こること、退去までの流れと期間、段階別の対処法、住む場所に困ったときの公的支援を解説します。
読み終えるころには、自分の状況で次に何をすればよいかを判断できるようになります。
強制退去とは|「建物明渡しの強制執行」のこと
強制退去とは、判決などにもとづいて、裁判所の執行官が借主を物件から退去させる手続きのことです。
法律上は「建物明渡しの強制執行」と呼ばれ、民事執行法168条に定められています。
強制執行を行うには、明渡しを命じる判決や和解調書など、強制執行の根拠となる「債務名義(さいむめいぎ)」が必要です。
そのため、大家や管理会社が判決を得ないまま、自分の判断で借主を追い出すことはできません。
また、家賃を1回滞納しただけで、すぐに賃貸借契約を解除できるわけではないのが原則です。
賃貸借契約の解除が認められるには、大家と借主の信頼関係が壊れたといえる程度の契約違反が必要とされており、家賃滞納では3か月前後が一つの目安とされています。
強制退去になる主な理由|家賃滞納・用法違反・無断転貸など
強制退去につながる理由でもっとも多いのは家賃の滞納で、ほかに用法違反や無断転貸などの重大な契約違反があります。
| 理由 | 具体例 | 契約解除が認められやすい目安 |
| 家賃の滞納 | 家賃を数か月にわたって支払っていない | 3か月前後の滞納が続き、支払いの見通しも示せない |
| 用法違反 | 深夜の騒音、ゴミの放置、禁止されているペットの飼育 | 注意や警告を重ねても改善しない |
| 無断転貸・無断譲渡 | 大家の承諾なく第三者に又貸しした | 大家の承諾がなく、背信的な事情がある |
| その他の契約違反 | 契約で禁止された事業利用、無断の改造 | 違反の程度が重く、是正の求めにも応じない |
家賃の滞納では、滞納の期間だけでなく、金額や滞納に至った経緯、支払う意思があるかどうかも判断材料です。
たとえば、2か月分を滞納していても、分割での支払いを続けている場合は、直ちに契約解除が認められるとは限りません。
強制退去になった場合に起こる4つのこと

強制退去になった場合、荷物・費用・滞納家賃・次の住まい探しの4つに影響が出ます。
- 荷物は執行官が運び出し、期限内に引き取らないと処分される
- 強制執行にかかった費用は原則として借主に請求される
- 滞納家賃や遅延損害金の支払い義務は残る
- 次の賃貸住宅の入居審査に通りにくくなる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1. 荷物は執行官が運び出し、期限内に引き取らないと処分される
強制退去の当日に部屋に残っている家具や家電などの荷物は、執行官の指示で作業員が運び出し、一定期間保管されたあとに売却または廃棄されます。
民事執行法では、明渡しの対象ではない荷物(目的外動産)は借主に引き渡すのが原則で、引き渡せない場合は執行官が売却できると定められています。
保管される期間は事案によって異なりますが、1か月程度が目安です。
保管期間中に荷物を引き取りたい場合は、強制執行を担当する執行官に連絡して引取りの日時を調整します。
ただし、保管場所は倉庫などになることが多く、引取りの際に運搬費用が自己負担になる場合もあります。
現金・通帳・印鑑・身分証・常用している薬などは、強制執行の日より前に忘れずに持ち出しておきましょう。
2. 強制執行にかかった費用は原則として借主に請求される
強制執行の費用は、原則として債務者である借主が負担します。
民事執行法42条で、強制執行にかかった費用は債務者の負担とされているためです。
実際には大家がいったん費用を立て替え、強制執行の後に借主へ請求する流れが一般的です。
| 費用の項目 | 内容 | 目安 |
| 執行官への予納金 | 強制執行の申立て時に裁判所へ納める費用 | 物件1件あたり6万円前後(裁判所によって異なる) |
| 荷物の搬出・運搬費 | 作業員が荷物を運び出し、倉庫へ運ぶ費用 | 荷物の量や間取りにより数十万円になることもある |
| 保管費・処分費 | 搬出した荷物の保管や廃棄にかかる費用 | 保管期間や量によって変わる |
| 鍵の交換費用 | 断行の当日に鍵を交換する費用 | 数万円程度 |
※上記はあくまで目安で、物件の広さや荷物の量、裁判所によって変わります。
訴訟にかかった印紙代などの訴訟費用も、判決で借主の負担とされることが一般的です。
3. 滞納家賃や遅延損害金の支払い義務は残る
強制退去で部屋を出ても、滞納していた家賃や遅延損害金(支払いが遅れたことに対する損害金)を支払う義務は消えません。
契約が解除された後も部屋に住み続けていた期間については、家賃に相当する金額を損害金として請求されます。
保証会社が大家に家賃を立て替えて支払っている場合、請求してくるのは保証会社です。
判決などの債務名義がある場合、支払わないままでいると、給与や預金口座を差し押さえられる可能性があります。
給与の差押えは、手取り額の原則4分の1までが対象です。
返済が難しいときは、放置せずに分割払いの相談や、弁護士への債務整理の相談を検討しましょう。
4. 次の賃貸住宅の入居審査に通りにくくなる
強制退去になると、次の賃貸住宅を借りるときの入居審査に通りにくくなる傾向があります。
過去の滞納や代位弁済(保証会社が借主に代わって家賃を支払うこと)の情報を、家賃保証会社が社内や業界内で共有していることがあるためです。
特に、強制退去のきっかけとなった保証会社と同じ会社や、同じ系列の保証会社を使う物件は、審査が厳しくなりやすい点に注意してください。
ただし、借りられなくなるわけではありません。
保証会社を使わない物件や公営住宅、住まい探しを支援する自治体の窓口を利用すれば、住まいを確保できる場合もあります。
住む場所の確保に使える公的支援は、後の見出し「強制退去で住む場所がないときに使える公的支援」で紹介するので、あわせて確認してください。
強制退去になるまでの流れ|家賃滞納から断行までの6つの段階

家賃滞納から強制退去までは、督促から断行までの6つの段階を順に進みます。
| 段階 | 主な出来事 | 期間の目安 |
| 督促 | 電話・督促状での支払い請求、保証人や保証会社への連絡 | 滞納直後〜1か月 |
| 契約解除の通知 | 内容証明郵便による支払いの催告と契約解除の通知 | 滞納から2〜3か月 |
| 訴訟の提起 | 裁判所から訴状が届く | 解除から1か月前後 |
| 判決・和解 | 明渡しを命じる判決や和解の成立 | 提訴から2〜6か月 |
| 明渡しの催告 | 執行官が物件を訪れ、退去の期限を告げる | 申立てから2週間前後 |
| 断行 | 執行官による強制的な退去 | 催告から原則1か月後 |
※期間はあくまで目安で、裁判所の混み具合や借主の対応によって変わります。
滞納が始まってから強制退去までの期間は、半年から1年程度が目安です。
1. 督促・連帯保証人や保証会社への連絡
家賃を滞納すると、まず大家や管理会社、保証会社から電話や督促状で支払いを求められます。
連帯保証人がいる契約では、連帯保証人にも支払いの請求がいきます。
保証会社と契約している場合は、保証会社が大家に家賃を立て替えて支払い、その後は保証会社から借主へ請求が届くのが一般的です。
督促の段階では契約は解除されておらず、退去する義務もまだ生じていません。
2. 内容証明郵便による催告と契約解除の通知
滞納が数か月続くと、期限を区切った支払いの催告と、期限までに支払わなければ契約を解除する旨の通知が内容証明郵便で届きます。
民法541条にもとづき、相当の期間を定めて支払いを求め、期間内に支払いがなければ契約を解除するという手順です。
契約が解除されると、借主は部屋に住み続ける権利を失い、大家から退去を求められます。
受け取りを拒否しても契約解除の効果を避けられるとは限らないため、内容証明郵便は受け取って中身を確認しましょう。
3. 建物明渡請求訴訟の提起
借主が自分から退去しない場合、大家は部屋の明渡しと滞納家賃の支払いを求めて、裁判所に訴訟を起こします。
訴訟が起こされると、裁判所から訴状と、裁判の日時を知らせる呼出状が届きます。
訴状には答弁書(訴えに対する自分の言い分を書いた書面)の提出期限が書かれているため、期限内に提出することが重要です。
訴訟の中で、分割払いや退去の時期について話し合い、和解が成立するケースもあります。
4. 判決・和解による債務名義の確定
裁判所が明渡しを命じる判決を出すか、和解が成立すると、強制執行の根拠となる債務名義ができあがります。
裁判所が判決に「仮執行宣言(確定前でも強制執行できるとする宣言)」を付けた場合、大家は判決が確定する前でも強制執行の手続きに進めます。
和解で退去の期限を決めた場合は、期限までに退去しないと、和解調書にもとづく強制執行の対象です。
5. 強制執行の申立てと「明渡しの催告」
大家が強制執行を申し立てると、執行官が物件を訪れ、いつまでに退去しなければならないかを告げる「明渡しの催告」を行います。
明渡しの催告の際には、退去の期限などを書いた公示書が室内に貼られます。
引渡し期限は、民事執行法168条の2により、原則として催告の日から1か月を経過する日です。
借主が不在の場合でも、執行官は鍵を開けて室内に入り、催告できます。
明渡しの催告から引渡し期限までの約1か月が、自分の意思で退去できる最後の期間です。
6. 断行|執行官による強制的な退去
引渡し期限までに退去しなかった場合、断行(だんこう)と呼ばれる最終手続きの日に執行官と作業員が室内の荷物を運び出し、鍵を交換します。
借主が不在でも手続きは進められ、断行が終わった後は部屋に入ることができません。
運び出された荷物は、前の見出しで説明したとおり、一定期間保管されたあとに売却または廃棄される流れです。
強制退去の段階別に今すぐできる対処法
強制退去への対処法は、今どの段階にいるかによって優先すべきことが変わります。
| 今の段階 | 優先してやること |
| 督促・内容証明が届いた | 支払い計画を示して大家と交渉する |
| 訴状が届いた | 答弁書を出して期日に出席する |
| 明渡しの催告を受けた | 引渡し期限までに転居先を確保して自分で退去する |
| すでに退去させられた | 荷物の引取りと残った支払いの整理を進める |
早い段階ほど選べる対処法が多いため、自分の段階を確認したうえで動きましょう。
1. 督促・内容証明の段階|支払い計画を示して大家と交渉する
督促や内容証明郵便が届いた段階なら、滞納分の一部でも支払い、残りの支払い計画を示すことで、契約解除を思いとどまってもらえる可能性があります。
大家にとっても、訴訟や強制執行には時間と費用がかかるため、確実に支払ってもらえるなら住み続けてもらうほうがよいと考えるケースは少なくありません。
支払い計画は、毎月いくら・いつまでに払うかを具体的に書き、書面やメールなど記録が残る形で伝えましょう。
収入が減って家賃を払えない場合は、後の見出しで紹介する住居確保給付金などの公的支援を利用できないかも確認しておくと安心です。
2. 訴状が届いた段階|答弁書を出して期日に出席する
訴状が届いたら、期限までに答弁書を提出し、指定された期日に裁判所へ出席しましょう。
期日に出席すれば、分割払いや退去の猶予を条件にした和解を話し合う機会が得られます。
たとえば、「滞納分を毎月3万円ずつ支払い、遅れたら退去する」という条件で和解し、住み続けられるケースもあります。
答弁書の書き方がわからない場合は、裁判所の窓口で書式の案内を受けたり、弁護士に相談したりしましょう。
収入が少なく弁護士費用の支払いが難しい場合は、法テラスの民事法律扶助(弁護士費用の立替え制度)を利用できることもあるので、確認しておきましょう。
【参考】法テラス(日本司法支援センター)
3. 明渡しの催告を受けた段階|引渡し期限までに転居先を確保して自分で退去する
明渡しの催告を受けたら、引渡し期限までに転居先を確保し、自分で退去することを優先しましょう。
断行の前に自分で退去すれば、荷物の搬出や保管にかかる費用を抑えやすくなり、家財も手元に残せます。
退去する日が決まったら、大家や執行官に連絡して、鍵の返却の方法を確認しておくとスムーズです。
転居先が見つからない場合は、すぐに自治体の自立相談支援機関に相談しましょう。
4. すでに退去させられた段階|荷物の引取りと残った支払いの整理を進める
すでに強制退去になった場合は、保管期限内に荷物を引き取り、残った滞納家賃や強制執行の費用の支払い方法を整理します。
荷物の引取りは、強制執行の際に渡された書面や、執行官からの連絡に記載された期限と連絡先を確認して進めます。
滞納家賃や強制執行の費用は、大家や保証会社と話し合って分割払いにできないか相談しましょう。
返済が難しい場合は、弁護士に相談して、任意整理や自己破産などの債務整理を検討する方法もあります。
強制退去で住む場所がないときに使える公的支援
強制退去で住む場所や生活費に困ったときは、自治体の自立相談支援機関に相談し、住居確保給付金や生活保護などの公的支援を利用できる場合があります。
| 制度・窓口 | 内容 | 相談先 |
| 自立相談支援機関 | 住まいや仕事、家計の困りごとを総合的に相談でき、利用できる制度を案内してもらえる | 市区町村の担当窓口 |
| 住居確保給付金 | 離職や収入減少で家賃を払えない人に、家賃相当額を原則3か月(最長9か月)支給する | 自立相談支援機関 |
| 一時生活支援事業 | 住む場所がない人に、一定期間、宿泊場所や食事を提供する | 自立相談支援機関 |
| 生活保護 | 生活に困窮する人に、生活費や住宅費などを支給する | 福祉事務所 |
住居確保給付金は、2025年4月1日施行の改正生活困窮者自立支援法により、家賃の安い住宅へ転居する場合の転居費用も支給の対象になりました。
いずれの制度も、収入や資産などの条件を満たす必要があるため、まずは窓口で自分が対象になるかを確認しましょう。
強制退去の前に相談するほど、利用できる選択肢は広がります。
住む場所がなくなりそうだとわかった段階で、早めに窓口へ相談しましょう。
強制退去を前にやってはいけない3つの対応
強制退去を前にした対応のうち、執行の妨害や居座り、荷物を残したままの夜逃げ、高金利の借入れでの穴埋めの3つは避けましょう。
いずれも、問題を先送りするだけでなく、状況をさらに悪くするおそれがあります。
1. 執行官の作業を妨害する・居座り続ける
断行を暴力や脅迫で妨害すると、公務執行妨害罪や強制執行行為妨害等罪に問われるおそれがあります。
執行官は、抵抗を受けたときに警察の援助を求めることができるため、居座っても退去そのものを避けることはできません。
断行の日を迎える前に、自分で退去するか、大家と退去日の調整をしておきましょう。
2. 荷物を残したまま行方をくらます
荷物を残したまま連絡を絶っても、滞納家賃の支払い義務は消えず、遅延損害金も増え続けます。
借主の居場所がわからない場合、裁判所の掲示板に書類を掲示する「公示送達」という方法で訴訟が進められ、知らないうちに判決が出ることもあります。
部屋に残した荷物は強制執行の手続きで処分され、処分にかかった費用も後から請求の対象です。
3. ヤミ金や高金利の借入れで滞納分を穴埋めする
退去を避けたい一心で、登録のない貸金業者(ヤミ金)や高金利の借入れに頼ると、返済が滞って生活の立て直しがさらに難しくなります。
お金を借りる場合は、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、相手が正規に登録された業者かどうかを確認しましょう。
返済のあてがないまま借入れを重ねるより、先に公的支援や債務整理の相談を検討するほうが、結果として負担を抑えられます。
判決なしの強制退去は違法|鍵の交換や荷物の撤去を受けたときの対応
判決などの手続きを経ずに、大家や保証会社が鍵を交換したり、荷物を運び出したりすることは「自力救済」にあたり、原則として違法です。
自力救済とは、裁判所の手続きによらずに自分の力で権利を実現しようとすることです。
判例上、自力救済は原則として禁止されています。
たとえば、家賃を滞納している間に、無断で鍵を交換されて部屋に入れなくなったり、留守中に家財を処分されたりするケースが該当します。
2022年12月12日の最高裁判決は、家賃保証会社の契約条項について、消費者契約法10条に該当するとして使用の差止めを認めました。
問題とされたのは、借主と連絡が取れないなどの条件を満たせば、部屋の明渡しがあったものとみなせるとする条項です。
違法な追い出しを受けた場合は、鍵を替えられた扉や処分された荷物を写真で記録し、いつ誰から何をされたかをメモしておきましょう。
そのうえで、緊急の場合は110番、相談したい場合は警察相談専用電話「#9110」や消費者ホットライン「188」に連絡できます。
違法な追い出しで損害を受けた場合は、大家や保証会社に損害賠償を請求できる可能性があるため、弁護士に相談しておくと安心です。
強制退去の問題で弁護士に相談した方がよいケース
訴状が届いたときや違法な追い出しを受けたときなどは、弁護士への相談がおすすめです。
具体的には、次のようなケースが当てはまります。
- 裁判所から訴状が届き、答弁書の書き方がわからない
- 分割払いの和解で、今の部屋に住み続けたい
- 退去までの猶予を求めて大家と交渉したい
- 判決がないのに鍵を交換された、荷物を処分された
- 強制退去後に残った滞納家賃や費用の返済が難しい
弁護士に依頼すれば、大家や保証会社との交渉、答弁書の作成、裁判所への出席などを任せることも可能です。
弁護士費用は相談料・着手金・報酬金に分かれ、相談料は旧日弁連報酬基準で30分5,000円が目安とされていますが、初回相談を無料としている事務所もあります。
着手金や報酬金は事務所によって異なるため、依頼前に見積もりを確認しておきましょう。
収入や資産が一定の基準以下であれば、法テラスで弁護士費用の立替えを受けられる場合もあります。
強制退去に関する悩みは「ベンナビ法律相談Q&A」で解決しよう
強制退去は、今どの段階にいるかによって取れる手段が変わり、支払い計画の示し方や和解の条件によって、住み続けられるかどうかが大きく変わります。
早い段階で弁護士に相談すれば、大家との交渉の進め方から退去後の支払いの整理まで、具体的な選択肢が見えてきます。
とはいえ、「これって弁護士に相談すべきレベルの話なのか」判断がつかない、という方も多いでしょう。
ベンナビ法律相談Q&Aでは、質問を投稿すると、賃貸トラブルを得意とする弁護士が無料で回答してくれます。
回答を読めば、解決に向けた具体的な対処方法がわかります。
まずは無料相談を活用し、自分の状況で何ができるのかを確認してみましょう。
強制退去になった場合に関するよくある質問
さいごに、強制退去についてよく寄せられる質問を紹介します。
家賃を1か月滞納しただけで強制退去になる?
1か月の滞納だけで、すぐに強制退去になることは通常ありません。
賃貸借契約の解除には、大家と借主の信頼関係が壊れたといえる程度の滞納が必要とされ、3か月前後が一つの目安です。
ただし、滞納を繰り返している場合などは、早い段階で解除が認められることもあります。
強制退去を無視するとどうなる?
訴状や明渡しの催告を無視しても、手続きは止まりません。
答弁書を出さずに裁判を欠席すると大家の主張どおりの判決が出る可能性が高く、引渡し期限を過ぎれば断行で荷物を運び出されます。
騒音トラブルでも強制退去になる?
騒音トラブルでも、強制退去になる可能性はあります。
ただし、1回の苦情で直ちに契約を解除されることは通常なく、注意や警告を受けても改善しない場合に、信頼関係が壊れたとして契約解除が認められることがあります。
連帯保証人がいれば強制退去にならない?
連帯保証人がいても、強制退去になる可能性はあります。
連帯保証人が滞納分を支払えば契約解除を避けられる場合もありますが、借主本人の滞納が続けば、契約を解除されて強制退去になる可能性があります。
県営住宅や市営住宅でも強制退去になる?
県営住宅や市営住宅などの公営住宅でも、強制退去になることがあります。
公営住宅法32条では、家賃を3か月以上滞納したときなどに、事業主体である自治体が明渡しを請求できると定められています。
家賃の支払いが難しい場合は、減免や分割払いの制度がないか、早めに住宅を管理する窓口へ相談しましょう。
まとめ
強制退去は、裁判所の判決と執行官の手続きを経て行われるもので、大家が判決なしに借主を追い出すことはできません。
強制退去になった場合は、荷物を処分されたり、強制執行の費用や滞納家賃を請求されたりするうえ、次の住まい探しにも影響が出ます。
ただし、督促の段階なら支払い計画の提示、訴訟の段階なら和解など、段階ごとに取れる手段がある点は押さえておきましょう。
住む場所に困ったときは、自治体の自立相談支援機関で公的支援を相談できます。
一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することが、負担を軽くする近道です。
