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マンション管理組合のトラブル事例と対処法|相談先と区分所有法のルールも解説

マンション管理組合のトラブル事例と対処法|相談先と区分所有法のルールも解説

 

上階からの騒音や管理費を払わない住人、理事長の独断的な運営などに悩み、管理組合に何をどう求めればよいのか迷っていませんか。

分譲マンションでは、建物の管理や住民同士のルールを、区分所有者(各部屋の所有者)全員でつくる管理組合が担っています。

そのため、トラブルの多くは「管理規約を確認し、管理組合の仕組みを通じて解決を求める」のが基本の進め方です。

本記事では、区分所有者の立場を中心に、管理組合でよくあるトラブル事例と区分所有法のルール、相談の順番、法的手段を解説します。

役員として対応に困っている方にも参考になるよう、理事会側の視点も取り上げます。

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目次

マンション管理組合のトラブルとは|よくある4つの類型

マンション管理組合のトラブルは、「住民間のマナー」「建物・設備」「お金」「組合の運営」の4つの類型に分けられます。

管理組合とは、区分所有者が全員で構成する、建物や敷地を管理するための団体のことです。

区分所有法3条により、分譲マンションを購入すると自動的に構成員となり、建物の管理をめぐる問題は管理組合で話し合って決めることになります。

類型 具体例
住民間のマナー 生活音、ペット、違法駐車、ゴミ出し、共用部分への私物の放置
建物・設備 上階からの水漏れ、設備の故障、修繕工事の不具合
お金 管理費・修繕積立金の滞納、修繕積立金の値上げ
組合の運営 役員のなり手不足、理事会の独断、会計の不透明さ

国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、居住者間のマナーをめぐるトラブルが60.5%と最も多い結果でした。

次いで、建物の不具合をめぐるトラブルが31.7%、費用負担をめぐるトラブルが24.2%と続きます。

一方、特にトラブルがないと答えたマンションは16.0%にとどまります。

多くのマンションが何らかのトラブルを抱えているため、自分のマンションだけが特別というわけではないのです。

【参考】令和5年度マンション総合調査結果|国土交通省

マンション管理組合でよくあるトラブル事例6つ

管理組合のトラブルで典型的なのは、次の6つの事例です。

  1. 騒音・ペット・駐車など住民間のマナー違反
  2. 上階からの水漏れ
  3. 管理費・修繕積立金の滞納
  4. 修繕積立金の値上げ・大規模修繕をめぐる対立
  5. 役員のなり手不足・役員を断りたい
  6. 理事会・理事長の独断や会計の不透明さ

事例ごとに争点が違うため、自分の状況に近いものから確認しておきましょう。

1. 騒音・ペット・駐車など住民間のマナー違反

住民間のマナー違反は、管理規約や使用細則に違反していれば、理事会が注意や勧告をできるトラブルです。

たとえば、ペット飼育禁止のマンションで犬を飼っている、決められた区画以外に駐車している、といったケースが典型です。

規約違反があるときは、個人で直接抗議するより、理事会や管理会社から書面で注意してもらうほうが角が立ちにくくなります。

一方、足音などの生活音は規約で一律に線を引きにくく、個人間の話し合いが中心です。

【関連記事】隣人トラブルの対処法と相談先

2. 上階からの水漏れ

水漏れの責任は、原因が専有部分にあるか、共用部分にあるかで変わります。

上階の住戸の洗濯機のホースや給水管など、専有部分が原因であれば、上階の区分所有者が損害を賠償するのが原則です。

一方、共用部分の配管が原因であれば、管理組合が対応することになります。

原因がどちらか特定できないときは、区分所有法9条により、共用部分の設置や保存に瑕疵(かし・欠陥のこと)があるものと推定されます。

まずは管理会社に連絡して原因を調べてもらい、写真で被害状況を残しておくことが大切です。

3. 管理費・修繕積立金の滞納

管理費や修繕積立金の滞納は、滞納者だけでなく区分所有者全員の問題になります。

滞納分は清掃や設備点検、将来の大規模修繕に回るはずのお金で、不足すれば他の区分所有者の負担が増えるためです。

同じ調査でも、3か月以上の滞納が発生していないマンションは62.1%にとどまり、長期の滞納は珍しい問題ではありません。

滞納を放置すると時効で回収できなくなるおそれもあるため、理事会が早めに督促することが欠かせません。

4. 修繕積立金の値上げ・大規模修繕をめぐる対立

大規模修繕では、工事内容・施工会社の選び方・費用負担の3点で意見が割れやすくなります。

たとえば、修繕積立金が足りず一時金の徴収や積立金の値上げが提案されると、年金暮らしの世帯と子育て世帯とで受け止め方が大きく異なります。

施工会社の選定過程が見えないと、「特定の業者と癒着しているのでは」という不信を招く原因です。

見積もりの比較資料や長期修繕計画を総会で示し、根拠を共有することが合意への近道です。

5. 役員のなり手不足・役員を断りたい

役員を引き受けるかどうかは、区分所有法ではなく、各マンションの管理規約や細則の定めで決まります。

区分所有法には役員就任を義務づける規定がなく、輪番制の定めや、高齢・病気などの辞退理由を規約でどう扱っているかがポイントです。

一方で、役員の負担が一部の人に集中すると、「理事になってから住みづらくなった」という悩みも生まれます。

断りたいときは、まず規約の辞退の条件を確認し、理事会に事情を説明して相談するのが現実的な対応です。

6. 理事会・理事長の独断や会計の不透明さ

理事会の独断や会計に疑問を感じたら、議事録や会計帳簿を確認して事実を確かめることが出発点です。

国土交通省のマンション標準管理規約では、組合員は理由を付した書面で請求すれば、会計帳簿などの閲覧ができる形が示されています。

閲覧した資料に使途不明の支出や、総会の決議を経ていない契約があれば、総会での説明を求めることになります。

疑いだけで「使い込みだ」と言いふらすと、逆に名誉毀損で訴えられるおそれがあるため、まずは資料で事実を確かめましょう。

マンション管理組合のトラブルは区分所有法と管理規約で判断する

管理組合のトラブルを判断する基準は、区分所有法と、各マンションの管理規約・使用細則の2つです。

区分所有法が全国共通の最低限のルールを定め、各マンションが管理規約で細かなルールを上乗せする関係にあります。

管理規約・使用細則が最初の判断基準になる

ペットの飼育や楽器の演奏時間、リフォームの手続き、駐車場の使い方といった日常のルールは、管理規約や使用細則に書かれています。

規約は管理者(多くのマンションでは理事長)が保管し、利害関係人から請求があれば、正当な理由がない限り閲覧を拒めません(区分所有法33条)。

手元に規約がない場合は、まず管理会社や理事長に閲覧を求めましょう。

区分所有者は「共同の利益に反する行為」をしてはならない

区分所有法6条1項は、建物の保存に有害な行為や、区分所有者の共同の利益に反する行為を禁止しています。

たとえば、共用廊下に私物を置き続ける、深夜に大音量の音楽を流し続ける、といった行為が典型例です。

共同の利益に反する行為をしない義務は、部屋を借りて住んでいる賃借人などの占有者にも及びます。

違反が続くときは、区分所有法57条以下の法的手段を検討しましょう。

2026年4月1日施行の改正区分所有法

2026年4月1日に施行された改正区分所有法により、建替えなどを除く総会の決議は、出席した区分所有者の多数決で決められるようになりました。

改正前は区分所有者全員を母数とする多数決だったため、総会に無関心な人や所在がわからない人が多いと、必要な決議が成立しないことがありました。

改正後の普通決議は、出席者とその議決権の各過半数で決まり、書面や代理人で議決権を行使した人も出席者に数えます(区分所有法39条)。

規約の変更などの特別決議では、区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者とその議決権の各4分の3以上が賛成しなければなりません。

また、裁判所の決定を受ければ、所在等が不明な区分所有者を決議の母数から除外できる制度も設けられました(区分所有法38条の2)。

総会の決め方に疑問があるときは、自分のマンションの規約と改正後の法律の両方を確認しておきましょう。

【参考】区分所有法・被災区分所有法の改正について|法務省民事局

マンション管理組合のトラブルが起きたときの対処法|相談の順番

マンション管理組合のトラブルが起きたときの対処法|相談の順番

管理組合のトラブルは、規約と記録の確認から始め、身近な相談先から順に広げていくのが基本です。

  1. 管理規約と総会議事録を確認し、記録を残す
  2. 理事会・管理会社に書面で申し入れる
  3. 総会の議題にする
  4. マンション管理センター・自治体の相談窓口・マンション管理士に相談する
  5. 解決しないときは弁護士に相談する

段階を踏むことで、費用や住民同士の関係悪化を抑えながら解決を目指せます。

1. 管理規約と総会議事録を確認し、記録を残す

最初にやるべきことは、問題になっている行為が規約のどの条文に関わるかを特定し、事実を記録することです。

騒音であれば日時と音の種類、水漏れであれば被害箇所の写真、理事会の運営であれば議事録や通知文を保管しておきます。

記録は、理事会や専門家に相談するときの根拠になります。

2. 理事会・管理会社に書面で申し入れる

規約違反や運営への疑問は、口頭ではなく書面やメールで理事会に申し入れるのが確実です。

申入れの書面には、問題の内容と規約の該当条文、求める対応(注意文書の配布や総会での説明など)を具体的に書きます。

管理会社は管理組合から業務を委託されている立場で、理事会の指示がなければ動けないことが多い点も押さえておきましょう。

3. 総会の議題にする

理事会が動かないときは、区分所有者と議決権の各5分の1以上の賛同を集めれば、総会(集会)の招集を請求できます(区分所有法34条3項)。

5分の1以上という人数要件は、規約で引き下げられている場合もあります。

請求から2週間以内に、4週間以内の日を会日とする招集通知が出されなければ、請求した区分所有者が自ら総会を招集できます。

理事会の判断を区分所有者全員の判断に持ち込めるため、運営をめぐるトラブルでは有力な手段です。

4. マンション管理センター・自治体の相談窓口・マンション管理士に相談する

管理組合の中だけで解決が難しいときは、中立的な立場で助言をもらえる公的な窓口を利用できます。

公益財団法人マンション管理センターは、国の指定を受けた相談窓口です。

電話相談は平日9時30分~17時で、管理組合の運営や規約の相談は03-3222-1517、建物・設備の相談は03-3222-1519が窓口です。

ただし、当事者の間に入る仲裁や、弁護士の紹介は行っていません。

多くの自治体もマンション管理の相談窓口を設けているほか、国家資格を持つマンション管理士に、規約の見直しや総会運営の助言を依頼する方法もあります。

5. 解決しないときは弁護士に相談する

話し合いや公的窓口の助言で解決しないときは、弁護士に相談して法的手段の見通しを確認する段階です。

弁護士に依頼すれば、内容証明郵便による請求、相手方との代理交渉、訴訟の提起まで任せられます。

弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金に分かれ、相談料は30分5,000円程度が目安とされています(旧日本弁護士連合会報酬等基準)。

初回相談を無料にしている事務所もあるため、早めに相談して、自分のケースで何ができるかを確認しておくと安心です。

マンション管理組合のトラブルで使える法的手段

話し合いで解決しないときの法的手段は、トラブルの種類ごとに使い分けます。

トラブル 主な法的手段 根拠
管理費・修繕積立金の滞納 支払督促、少額訴訟、通常訴訟、強制執行 区分所有法7条・8条
迷惑行為・規約違反 行為の停止請求、専有部分の使用禁止、競売請求、占有者への引渡し請求 区分所有法57条~60条
理事長の不正 総会での解任、裁判所への解任請求 区分所有法25条


迷惑行為を理由とする訴訟には総会の決議が必要です。

滞納管理費の請求は、理事会の決議で理事長が法的措置を取れると定めている規約も多くあります。

1. 管理費の滞納は支払督促・少額訴訟で回収する

管理費の滞納は、督促状や内容証明郵便で支払いを求め、それでも払われなければ支払督促や少額訴訟などの裁判手続きで回収します。

支払督促は、書類審査だけで簡易裁判所の書記官が支払いを命じる手続きで、相手が異議を出すと通常の訴訟に移ります。

少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に使え、原則1回の審理で判決が出る手続きです。

滞納管理費には、一般の債権者より優先して回収できる先取特権が認められています(区分所有法7条)。

また、滞納者から部屋を買った人(特定承継人)にも請求できます(区分所有法8条)。

管理費の請求権は原則5年で時効にかかるため、長期間放置せず、早めに法的手続きを検討することが重要です。

2. 迷惑行為は行為の停止や専有部分の使用禁止を求める

共同の利益に反する行為が続くときは、区分所有法57条から60条までの段階的な請求ができます。

最初の段階は57条の停止請求で、行為をやめることや、行為の結果を取り除くことを求める手続きです。

停止請求でも改善しない場合は、訴えによって次の3つを求めることになります。

  • 相当の期間、部屋を使わせない使用禁止(58条)
  • 区分所有権の競売(59条)
  • 賃借人など占有者への契約解除と部屋の引渡し(60条)

57条の訴訟は総会の普通決議で提起できますが、58条以降は出席者の4分の3以上による特別決議と、相手に弁明の機会を与えることが必要です。

使用禁止や競売は「他の方法では解決が難しい」場合に限られるため、弁護士と見通しを確認しながら進めましょう。

3. 理事長の不正は総会の決議や裁判所への請求で解任する

理事長の不正や独断が疑われるときは、総会の決議で解任するか、裁判所に解任を請求する方法があります。

標準管理規約では理事長を区分所有法上の「管理者」とする形がとられており、管理者は規約に別段の定めがない限り総会の決議で解任できます(区分所有法25条1項)。

理事長を理事の互選で選ぶマンションでは、理事の過半数の一致で理事長の職を解けるとした最高裁判決(最判平成29年12月18日)もあります。

管理者に不正な行為など職務に適さない事情があるときは、各区分所有者が単独で裁判所に解任を請求することも可能です(区分所有法25条2項)。

不正の証拠となる会計帳簿や議事録を確保してから動くと、手続きを進めやすくなります。

【参考】最高裁判所第一小法廷 平成29年12月18日判決|裁判所

マンション管理組合のトラブルでやってはいけない3つの対応

管理組合への不満が強いときほど、自分の立場を不利にする行動は避けなければなりません。

1. 抗議のつもりで管理費の支払いを止める

管理組合の運営に不満があっても、不満を理由に管理費の支払いを拒むことはできません。

支払いを止めれば、規約で定められた遅延損害金や、支払督促などの法的手続きの対象になります。

不満は総会や書面での申入れで伝え、管理費は払い続けることが前提です。

2. 掲示板やSNSで特定の住民・役員を名指しで非難する

掲示板への貼り紙やSNSで特定の住民や役員を名指しで非難すると、名誉毀損として損害賠償を請求されるおそれがあります。

内容が事実であっても、社会的評価を下げる書き込みは責任を問われる場合があります。

3. 相手の住戸に押しかけて直接抗議する

相手の部屋に押しかけて抗議すると、感情的な対立が深まり、話し合いでの解決が遠のきます。

言い争いがエスカレートすると、自分のほうが迷惑行為の当事者として扱われるおそれもあります。

マンション管理組合のトラブルを未然に防ぐための対策

管理組合のトラブルは、ルールと情報を整え、役員の負担を分散することで減らせます。

管理規約を改正区分所有法と標準管理規約に合わせて見直す

国土交通省は、改正区分所有法の施行に合わせて、2025年10月17日にマンション標準管理規約を改正しています。

規約が古いままだと、総会の定足数(決議に必要な出席者の数)や決議要件が改正後の法律とずれ、決議の有効性をめぐる争いにつながりかねません。

規約の見直しを総会の議題に提案することも、区分所有者ができる予防策の1つです。

議事録・会計資料を全区分所有者に共有する

理事会の議事録や会計資料を全戸に配布・掲示すると、「理事会が密室で決めている」という不信を防ぎやすくなります。

修繕工事の見積もりや業者選定の経緯も共有しておけば、費用負担をめぐる対立も起きにくくなります。

役員の輪番制や外部専門家の活用で負担を分散する

役員を輪番制にしたり、マンション管理士などの外部専門家の力を借りたりすると、特定の人に負担が集中するのを防ぎやすくなります。

令和5年度マンション総合調査でも、外部専門家を選任する理由として、大規模修繕等の実施や知識・ノウハウの不足、管理費の滞納等への法的措置が上位に挙がっています。

マンション管理組合のトラブルで弁護士に相談した方がよいケース

次のようなケースは、管理組合の中だけで解決するのが難しく、弁護士への相談を検討したい段階です。

  • 管理費の滞納が長期化・高額化し、督促に応じない
  • 管理組合や他の住民から、内容証明郵便や訴状が届いた
  • 理事長や理事会による会計の不正が疑われる
  • 迷惑行為が続き、使用禁止や競売の請求を検討している
  • 水漏れの損害賠償の金額や負担者で揉めている
  • 管理規約の解釈をめぐって、理事会と意見が対立している

相手方との交渉や裁判手続きが見えてきたら、早めに弁護士に相談しておくと、取れる手段の選択肢を広く残せます。

マンション管理組合のトラブルに関する悩みは「ベンナビ法律相談Q&A」で解決しよう

マンション管理組合のトラブルは、毎日顔を合わせる住民同士の問題のため、感情的なしこりが残りやすいものです。

規約の読み方や総会の手続きしだいで、解決までの道のりも大きく変わります。

早い段階で弁護士に相談すれば、規約や区分所有法にもとづく主張の組み立てから、総会決議や訴訟の進め方まで、具体的な選択肢が見えてきます。

とはいえ、「管理組合のことで弁護士に相談するほどなのか」判断がつかない、という方も多いのが実際のところです。

ベンナビ法律相談Q&Aでは、質問を投稿すると、マンションのトラブルを得意とする弁護士が無料で回答してくれるため、具体的な対処方法がわかります。

まずは気軽に質問を投稿し、自分の状況で何ができるのかを確認してみましょう。

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マンション管理組合のトラブルに関するよくある質問

さいごに、マンション管理組合のトラブルについてよく寄せられる質問を紹介します。

マンションの三大トラブルは何?

国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、居住者間のマナーが60.5%、建物の不具合が31.7%、費用負担が24.2%と、3つの類型が上位を占めます。

自分のトラブルがどの類型かを把握すると、相談先を選びやすくなります。

管理組合を退会することはできる?

できません。

区分所有法3条により、区分所有者は全員で管理組合を構成するため、部屋を所有している限り構成員のままです。

管理組合から抜ける方法は、部屋を売却して区分所有者でなくなることだけです。

管理組合の役員を断ることはできる?

区分所有法には役員就任を義務づける規定はなく、断れるかどうかは管理規約や細則の定め次第です。

輪番制を定めている規約でも、高齢や病気などの辞退理由を認めている例があります。

規約を確認したうえで、理事会に事情を説明して相談しましょう。

中古マンションを買ったら前の所有者の滞納管理費を払う必要がある?

はい、買主も支払う義務を負います。

区分所有法8条により、滞納管理費は部屋を買った人(特定承継人)にも請求できるためです。

購入前に、重要事項説明で滞納の有無を確認しておくことが大切です。

管理会社を変更することはできる?

はい、変更できます。

管理会社の変更は、総会の決議を経て現在の管理委託契約を解約し、新しい会社と契約するのが一般的な流れです。

解約の予告期間は管理委託契約書で確認してください。

管理組合の活動に参加しないとどうなる?

総会を欠席しても罰則はありませんが、自分の意見を反映できないまま修繕積立金の値上げなどが決まることがあります。

2026年4月1日施行の改正区分所有法で、総会の決議は出席者の多数決で決まるようになりました。

参加できないときも、議決権行使書や委任状で意思を示しておくと安心です。

まとめ

マンション管理組合のトラブルは「住民間のマナー」「建物・設備」「お金」「組合の運営」の4つに分かれ、判断の基準は区分所有法と管理規約です。

対処の基本は、規約と記録を確認したうえで、理事会への書面の申入れ→総会→公的な相談窓口→弁護士の順に相談を広げていくことです。

滞納や迷惑行為、理事長の不正が改善しないときは、支払督促や区分所有法57条以下の請求、管理者の解任といった法的手段も取れます。

一人で抱え込まず、対応に迷ったら早めに専門家へ相談することが、住み慣れたマンションで暮らし続けるための近道です。

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