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立ち退きを拒否した末路は?強制執行までの流れと拒否できないケースを解説

立ち退きを拒否した末路は?強制執行までの流れと拒否できないケースを解説

大家さんや管理会社から「建て替えるので退去してほしい」と求められ、拒否したらどうなるのか不安を感じていませんか。

貸主に正当事由がなければ、借主は立ち退きを拒否して住み続けることが可能です。

一方で、拒否を続けた結果、訴訟を経て強制執行で退去となるケースもあり、末路は貸主側の事情と借主の対応で分かれます。

本記事では、立ち退きを拒否した場合の末路3パターンと拒否できないケース、強制執行までの流れ、後悔しないための対処法を解説します。

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目次

【結論】立ち退きは拒否できるが、拒否し続けた末路は「正当事由」で分かれる

普通借家契約であれば、正当事由のない立ち退きの要求は拒否でき、そのまま住み続けられます。

普通借家契約とは、更新のある通常の賃貸借契約のことです。

借地借家法28条は、貸主が更新を拒絶したり解約を申し入れたりするには「正当事由」が必要だと定めています。

正当事由がないまま期間が満了すると、契約は従前と同じ条件で更新されたものとみなされます(法定更新)。

ただし、貸主側に正当事由が認められれば、最終的に裁判所から明渡しを命じられます。

状況

拒否を続けた場合の見通し

正当事由がない

契約が法定更新され、住み続けられる

正当事由が弱く、立ち退き料で補える

立ち退き料を受け取って退去する形で決着しやすい

正当事由が強い、または家賃滞納などの契約違反がある

明渡しを命じる判決が出て、従わなければ強制執行となる

なお、立ち退きを拒否すること自体は違法ではありません。

拒否している間も家賃は払い続けることが前提です。

立ち退きを拒否した場合の末路3パターン

立ち退きを拒否した後の結末は、「住み続けられる」「立ち退き料を受け取って退去する」「強制執行で退去させられる」の3つに分かれます。

  1. 貸主があきらめ、住み続けられる

  2. 立ち退き料を受け取って合意退去する

  3. 明渡し訴訟で敗訴し、強制執行で退去させられる

どの結末になるかは、貸主側の正当事由の強さと、交渉の進め方によって決まります。

1. 貸主があきらめ、住み続けられる|正当事由が弱いケース

貸主の事情が「売却したい」「建て替えて収益を上げたい」程度にとどまる場合、正当事由は認められにくく、住み続けられます。

期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知がなかった場合も、契約は法定更新の対象です。

法定更新後の契約は、期間の定めのない契約として続きます。

たとえば、築30年でも耐震性に問題がなく、修繕で使い続けられる建物であれば、老朽化を理由とした立ち退き要求は通りにくいと判断されやすいです。

貸主が訴訟まで起こさず、そのまま更新が続くことは珍しくありません。

2. 立ち退き料を受け取って合意退去する|最も多い決着

実際には、立ち退き料を受け取り、話し合いで退去する形で決着するケースが多くみられます。

借地借家法28条は、正当事由を判断する要素の一つとして「財産上の給付」、つまり立ち退き料の申出を挙げています。

貸主の事情だけでは正当事由が足りない場合でも、立ち退き料の上乗せで補われることがあるためです。

拒否の意思を示していることは、立ち退き料や退去時期を交渉する材料にもなります。

訴訟に進んだ後も、裁判所の勧めで和解し、立ち退き料を受け取って退去する例は少なくありません。

3. 明渡し訴訟で敗訴し、強制執行で退去させられる

正当事由が認められて明渡しを命じる判決が確定し、それでも退去しなければ、強制執行で退去させられます。

判決の形としては、貸主が一定額の立ち退き料を支払うのと引換えに明渡しを命じる「引換給付判決」も一般的です。

立ち退き料の額は貸主が訴訟で申し出た額を基準に裁判所が判断するため、交渉で求めていた額に届かないこともあります。

契約が終了した後も住み続けた期間については、家賃に相当する額を損害金として支払う義務も生じます。

訴訟費用や強制執行の費用も、最終的には借主の負担として求められるのが一般的です。

「拒否し続ければ何とかなる」と考えて対応を先送りすると、住まいと金銭の両面で不利になりかねません。

立ち退きを拒否できないケース|4つの例外

借主は手厚く守られていますが、次の4つに当たる場合は、拒否しても最終的に退去を求められる可能性が高くなります。

ケース

理由

拒否した場合の見通し

貸主に正当事由がある

借地借家法28条の要件を満たす

立ち退き料と引換えの明渡し判決が出ることがある

家賃滞納などの契約違反がある

債務不履行による契約解除

立ち退き料なしで明渡しを命じられやすい

定期借家契約の期間が満了した

契約上、更新がない

期間満了で契約が終わる

借地借家法が適用されない契約

一時使用・使用貸借

正当事由がなくても終了しうる

自分の契約がどれに当たるかを確認しておくと、拒否を続けるべきか判断しやすくなります。

1. 貸主に正当事由がある|老朽化・自己使用の必要性

正当事由は、貸主と借主それぞれの建物を使う必要性を中心に、5つの事情を総合して判断されます。

  • 貸主・借主それぞれが建物の使用を必要とする事情

  • 賃貸借に関する従前の経過(契約期間、家賃の支払い状況など)

  • 建物の利用状況

  • 建物の現況(老朽化の程度など)

  • 立ち退き料の申出

たとえば、倒壊の危険があり耐震補強に多額の費用がかかる場合や、貸主が親の介護のために住む必要がある場合は、正当事由が認められやすくなります。

築年数が古いという理由だけでは、正当事由として足りないのが一般的です。

2. 家賃滞納など信頼関係を壊す契約違反がある

家賃の滞納や無断の又貸しなど、信頼関係を壊すほどの契約違反があれば、契約を解除されて退去を求められます。

契約違反による解除は、正当事由とは別のルートで、借主の債務不履行を理由とするものです。

1か月程度の滞納ではすぐに解除が認められないことが多いものの、数か月分がたまると、信頼関係が壊れたと判断されやすくなります。

貸主の承諾なく部屋を第三者に貸す無断転貸も、民法612条で解除の理由になります。

契約違反による退去では、立ち退き料が支払われないのが原則です。

3. 定期借家契約の期間が満了した

定期借家契約は更新のない契約なので、期間が満了すれば正当事由がなくても契約は終わります。

定期借家契約は、書面(または電磁的記録)で契約し、契約前に「更新がなく期間満了で終了する」ことを書面で説明することが要件です。

契約期間が1年以上の場合、貸主は期間満了の1年前から6か月前までに、契約が終わる旨を通知しなければなりません。

事前の説明がなかった場合、更新がない旨の定めは無効となり、普通借家契約と同じ扱いです。

契約書に「定期建物賃貸借」と書かれていても、手続きが守られていたかを確認する価値があります。

4. 借地借家法が適用されない契約|一時使用・使用貸借

一時使用のための賃貸借や、家賃を払わない使用貸借には、正当事由のルールがありません。

一時使用とは、建て替え工事中の仮住まいなど、短期間だけ使うことが明らかな賃貸借のことです。

使用貸借とは、親族の家に無償で住んでいる場合のように、対価を払わずに借りる契約を指します。

使用貸借は、定めた期間の満了や、目的に従った使用を終えた時点で終了し、民法のルールで貸主から解除できる場合もあります。

立ち退きを拒否し続けた場合の流れ

立ち退きを拒否し続けた場合の流れ

立ち退きを拒否した場合、通知→交渉→調停→明渡請求訴訟→強制執行の順に進み、どの段階でも合意すれば終わります。

ステップ

内容

期間の目安

1. 通知

更新拒絶または解約申入れの通知が届く

期間満了の1年前〜6か月前/申入れから6か月

2. 交渉

立ち退き料や退去時期を話し合う

数か月

3. 調停

簡易裁判所で調停委員を交えて話し合う

数か月

4. 訴訟

建物明渡請求訴訟で正当事由が審理される

半年〜1年以上

5. 強制執行

明渡しの催告の後、断行される

申立てから1〜2か月程度

期間はあくまで目安で、事案によって大きく変わります。

ステップ1:更新拒絶・解約申入れの通知が届く

立ち退きの出発点は、貸主からの更新拒絶の通知か、解約の申入れです。

期間の定めがある契約では、期間満了の1年前から6か月前までに更新しない旨を通知する必要があります。

期間の定めがない契約では、解約を申し入れた日から6か月を経過すると終了するのが原則です。

いずれも正当事由が必要で、通知が届いたからといって直ちに退去しなければならないわけではありません。

ステップ2:貸主と立ち退き交渉をする

通知の後は、立ち退き料の額や退去時期をめぐる交渉に入り、多くはこの段階で決着します。

管理会社や、貸主が依頼した弁護士が窓口になることもあります。

やり取りは電話だけで済ませず、メールや書面で記録に残しましょう。

貸主側の代理人として弁護士が付いた場合は、訴訟も視野に入れている可能性があるため、借主側も早い段階で相談先を確保しておきましょう。

ステップ3:民事調停で話し合う

当事者同士でまとまらなければ、簡易裁判所の民事調停で話し合う方法があります。

調停は、裁判官と調停委員が間に入り、双方の言い分を聞きながら合意を目指す手続きです。

建物の明渡しは、調停を経ずにいきなり訴訟を起こすこともできます。

調停で合意した内容は調書に記載され、裁判上の和解と同じ効力があるのが特徴です。

貸主との直接のやり取りに疲れた場合は、借主の側から調停を申し立てて話し合いの場を移すこともできます。

ステップ4:建物明渡請求訴訟を起こされる

交渉や調停で決着しなければ、貸主は建物の明渡しを求める訴訟を起こします。

訴訟では、正当事由があるか、立ち退き料をいくらにすれば補えるかが審理されます。

訴状が届いたら、指定された期限までに答弁書を提出し、自分の言い分を主張することが重要です。

判決まで進むと、半年から1年以上かかることも少なくありません。

審理の途中で裁判所から和解を勧められ、立ち退き料と退去時期を決めて和解する例も多くあります。

ステップ5:明渡しの催告を経て強制執行(断行)される

判決が確定しても退去しない場合、貸主の申立てにより、執行官が強制的に明け渡させます。

まず執行官が物件を訪れ、引渡しの期限を定めて「明渡しの催告」を行います。

期限は、催告の日から原則1か月を経過する日です。

期限までに退去しなければ、断行日(実際に明渡しを実行する日)に執行官と作業員が家財を運び出し、鍵を交換して明渡しが完了します。

運び出された家財は執行官が保管し、引き取られなければ売却などの手続きがとられます。

立ち退きを拒否するときにやってはいけない3つの対応

立ち退きを拒否する場合でも、次の3つの対応をとると、拒否が通るはずの場面でも末路を悪くしてしまいます。

  1. 家賃の支払いを止める

  2. 通知や裁判所からの書類を放置する

  3. 内容を確認しないまま合意書や退去届に署名する

1. 家賃の支払いを止める

立ち退きでもめている間も、家賃は必ず払い続けてください。

支払いを止めると滞納となり、正当事由の有無とは関係なく、契約違反を理由とする解除の原因になってしまうからです。

貸主が「立ち退く約束をするまで受け取らない」と家賃の受け取りを拒む場合は、法務局に家賃を供託(法務局に預けて支払いに代える制度)できます。

支払おうとしたのに受け取りを拒まれたうえで供託すれば、家賃を払ったのと同じ扱いになり、滞納を理由に責められることはありません。

【関連記事】賃料の値上げは拒否できる?

2. 通知や裁判所からの書類を放置する

裁判所から届いた訴状を放置すると、言い分を述べないまま貸主の主張どおりの判決が出るおそれがあります。

答弁書を出さずに第1回の期日を欠席すると、相手の主張を認めたものとみなされる場合があるためです。

訴状は「特別送達」という方法で届き、受け取りを拒んでも送達の効力が生じることがあります。

書類が届いたら中身を確認し、期限を把握したうえで早めに弁護士へ相談しましょう。

3. 内容を確認しないまま合意書や退去届に署名する

いったん合意書や退去届に署名すると、後から撤回したり立ち退き料の増額を求めたりするのは難しくなります。

貸主や管理会社から「今日中にサインを」と急かされても、その場で応じる必要はありません。

書類は持ち帰り、退去日・立ち退き料の額・敷金の扱いなどを確認してから判断しましょう。

口頭で「わかりました」と答えただけでも、合意があったと主張される材料になりえます。

貸主から追い出し行為を受けたときの対応

判決などの法的手続きを経ずに、貸主が鍵を交換したり荷物を運び出したりする行為は違法です。

法律上、権利を実現するには裁判所の手続きを使う必要があり、自分の力で強制する「自力救済」は認められていません。

こうした行為は損害賠償の対象になるほか、無断で部屋に入れば住居侵入罪に問われる可能性もあります。

追い出し行為を受けたら、まず日時や状況を写真・メモで記録しておきましょう。

身の危険を感じる緊急時は110番に通報し、緊急性はないものの警察に相談したい場合は警察相談専用電話「#9110」を利用できます。

生活の拠点を失わないよう、早めに弁護士へ相談して原状回復や損害賠償を求めることも検討してください。

後悔しない末路にするための対処法5ステップ

立ち退きを求められたら、契約の確認から合意書の作成まで、次の5ステップで進めると判断を誤りにくくなります。

  1. 契約書で契約の種類と期間を確認する

  2. 立ち退きを求める理由と根拠を書面で確認する

  3. 住み続けたいのか、条件次第で応じるのかを決める

  4. 立ち退き料の内訳を示して交渉する

  5. 合意内容を合意書に残す

ステップ1:契約書で契約の種類と期間を確認する

まず、自分の契約が普通借家契約か定期借家契約かを確認します。

契約書の表題に「定期建物賃貸借契約」とあるか、「更新がない」旨の条項があるかを見ましょう。

定期借家契約であれば、契約前に受け取った説明書面があるかも確認しておきます。

契約書が手元にない場合は、管理会社や貸主に写しの交付を依頼できます。

ステップ2:立ち退きを求める理由と根拠を書面で確認する

立ち退きを求める理由と、理由を裏付ける資料を書面で示してもらいます。

老朽化が理由なら耐震診断の結果、自己使用が理由なら貸主が住む必要性など、根拠の中身で正当事由の強さが変わるためです。

「古くなったから」といった抽象的な説明だけなら、正当事由は弱いと判断できる材料になります。

ステップ3:住み続けたいのか、条件次第で応じるのかを決める

住み続けたい事情と、応じる場合の条件を整理し、自分の落としどころを決めておきます。

子どもの通学や家族の通院、店舗の営業など、今の物件に住み続ける必要性は、正当事由の判断でも重視される要素です。

一方で、条件が合えば転居してもよいと考えるなら、拒否の意思を交渉の材料として使う考え方もあります。

ステップ4:立ち退き料の内訳を示して交渉する

立ち退き料は、転居にかかる費用を積み上げて根拠を示すと、交渉を進めやすくなります。

引っ越し業者の見積もり、新居の敷金・礼金・仲介手数料、家賃が上がる場合の差額などを具体的な金額で示しましょう。

提示額の妥当性は、次の「立ち退き料の相場は?」と照らし合わせて確認できます。

ステップ5:合意内容を合意書に残す

条件がまとまったら、口約束で済ませず、必ず合意書を作成します。

合意書には、次の項目を明記しておくと安心です。

  • 退去日

  • 立ち退き料の額と支払時期(退去時払い・一部先払いなど)

  • 敷金の返還と原状回復の扱い

  • 退去日までの家賃の扱い

署名する前に、内容を弁護士に確認してもらう方法もあります。

立ち退き料の相場は?|拒否したときの交渉材料

立ち退き料は法律で金額が決められておらず、住宅の場合は家賃6か月分程度に引っ越し費用を加えた額が一つの目安とされています。

内訳

内容

引っ越し費用

引っ越し業者の費用、荷造り・処分費用

新居の初期費用

敷金・礼金・仲介手数料など

家賃差額

新居の家賃が上がる場合の差額の一定期間分

営業補償

店舗の場合の休業損失・内装費用など

たとえば家賃10万円の住宅なら、家賃6か月分の60万円に引っ越し費用を加えた額が、交渉の出発点の一つです。

実際の金額は、正当事由の強さや、借主が今の物件を使う必要性に応じて上下するのが通常です。

家賃滞納などの契約違反で退去する場合は、立ち退き料は原則として支払われません。

【関連記事】立ち退き交渉の進め方は?

立ち退き拒否を弁護士に相談した方がよいケース

以下のようなケースでは、賃貸借トラブルに詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。

  • 訴状や調停の申立書が届いた

  • 契約が定期借家契約かどうか判断できない

  • 提示された立ち退き料が妥当か判断できない

  • 貸主側に弁護士が付いた

  • 鍵の交換や荷物の撤去など、追い出し行為を受けた

  • 高齢や病気などで転居が難しい事情がある

弁護士に相談すれば、貸主側の正当事由の強さを見極めたうえで、拒否を続けるか条件交渉に切り替えるかの方針を一緒に整理できます。

交渉や訴訟の代理を依頼することも可能です。

訴訟に進む前の段階で相談しておくと、不利な条件で合意したり、判決で想定外の負担を負ったりする事態を避けやすくなります。

立ち退き拒否に関する悩みは「ベンナビ法律相談Q&A」で解決しよう

立ち退きの拒否は、貸主との感情的な対立に発展しやすく、正当事由の強さや交渉の進め方によって、住み続けられるか退去になるかが大きく変わります。

早い段階で弁護士に相談することで、拒否を続けるべきか、どの程度の立ち退き料を求められるかまで、具体的な選択肢が見えてきます。

とはいえ、「弁護士に相談すべきレベルの話なのか」判断がつかない、という方も多いはずです。

ベンナビ法律相談Q&Aでは、質問を投稿すると、立ち退き問題などの分野を得意とする弁護士が無料で回答してくれるため、解決に向けた具体的な対処方法がわかります。

まずは自分の状況に近いQ&Aを探し、何ができるのかを確認してみましょう。

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立ち退き拒否に関するよくある質問

さいごに、立ち退き拒否についてよく寄せられる質問を紹介します。

一軒家でも立ち退きは拒否できる?

はい、借りている一軒家であれば、アパートやマンションと同じく借地借家法で守られます。

正当事由のない立ち退き要求は拒否でき、契約は法定更新されます。

借地からの立ち退きも拒否できる?

借地上に建物がある場合、地主が更新を拒むには正当事由が必要で、借地人は立ち退きを拒否できます。

借地人が更新を請求したり土地の使用を続けたりすれば、建物がある限り契約は更新されたものとみなされるのが原則です。

ただし、正当事由の判断要素は借家とは一部異なるため、契約内容を確認しましょう。

【参考】借地借家法第5条・第6条|e-Gov法令検索

立ち退きを拒否するのは違法?

契約が続いている間に立ち退きを拒否することは違法ではありません。

一方、明渡しを命じる判決が確定したり、定期借家契約が期間満了で終わったりした後も住み続けると、権利のない占有という扱いです。

住み続けた期間の家賃相当額を損害金として請求され、最終的には強制執行の対象になります。

居座り続ければ立ち退き料は増える?

拒否の意思を示すことで交渉の余地が生まれ、結果として立ち退き料が上がることはあります。

ただし、正当事由が強い場合は、判決で認められる立ち退き料が交渉で求めていた額に届かないこともあります。

居座れば必ず得をするわけではないため、提示額と見通しを比べて判断することが重要です。

競売で落札された家の立ち退きも拒否できる?

抵当権の登記より後に借りた借主は、競売で買い受けた人に賃借権を主張できず、原則として立ち退きを拒否できません。

ただし、競売手続きの開始前から住んでいた場合は、買受けの時から6か月間は明渡しが猶予されます。

猶予期間中も家賃に相当する額の支払いは必要で、買受人からの催告に応じないと猶予を受けられなくなる点に気をつけてください。

【参考】民法第395条|e-Gov法令検索

道路拡張など公共事業による立ち退きも拒否できる?

公共事業の場合は、土地収用法にもとづく手続きで、補償と引換えに最終的に明渡しを求められる可能性があります。

賃貸借の正当事由とは別の制度で、補償額の交渉や不服申立ての方法も異なります。

通知を受けたら、事業者からの説明内容を確認したうえで、補償額に納得できなければ弁護士への相談を検討してください。

まとめ

普通借家契約であれば、正当事由のない立ち退きの要求は拒否でき、住み続けられます。

ただし、拒否を続けた末路は、住み続けられる・立ち退き料を受け取って退去する・強制執行で退去させられるの3つに分かれます。

分かれ目になるのは、貸主側の正当事由の強さと、家賃の支払いや書類への対応など借主自身の行動です。

家賃を払い続け、理由と根拠を書面で確認しながら、自分にとって納得できる結末を選びましょう。

対応に迷ったら、早めに弁護士へ相談してください。

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