相続放棄の無料相談は誰にすべき?無料相談先や相談におけるポイントについて解説
相続放棄をするには期間が設けられており、手続きする期間を考えると早い段階で相続放棄を決めなければなりません。
しかし、相続放棄を決める前には知識のある人に相談したいと考え、以下のようにお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
- 相続放棄を誰に相談すべきか悩んでいる
- 相続放棄について無料相談したい
相続問題について相談できる相談窓口は弁護士や市役所などさまざまな窓口がありますが、相談先ごとに特徴が異なります。
そのため、それぞれの相談窓口の特徴を知って相談先を決めるべきだといえます。
ここでは、相続放棄の無料相談先について紹介します。 相談におけるポイントについても解説しているので、併せて参考にしてください。
相続放棄の無料相談先7つ|どこに相談すべき?
相続放棄を無料相談できる相談先は、主にこれからご紹介する7つの相談先が挙げられます。
それぞれの相談先の特徴を知り、ご自身の状況や希望に応じた相談先へ相談しましょう。
法律事務所(弁護士事務所)弁護士|法的な観点で相談したい方に
【相続放棄を弁護士に相談すべきケース】
- 相続放棄すべきか悩んでいる
- 他の相続人とトラブルになりそう/トラブルになっている
- 相続放棄の申告期限が過ぎてしまった
弁護士は相続放棄を含め、相続全般に関する相談を行えます。
そして、法的な観点からのアドバイスやサポートを得られるというメリットがあります。
弁護士に財産状況を伝えれば、相続放棄すべきかどうか適切な判断を下せるように導いてもらえるでしょう。
相談だけではなく依頼をすれば、法的な手続きや交渉、訴訟など全てを任せられます。
相続放棄を無料相談できる弁護士なら「ベンナビ相続」
ベンナビ相続は、相続問題を取り扱う弁護士事務所を検索できるポータルサイトです。
地域や相談内容ごとに弁護士を探すことができ、住まいの近くで希望の条件に合う弁護士を手軽に探せます。
初回は無料相談可能な弁護士事務所も多いため、まずは気軽に相談することから始めてみてください。
法テラス|弁護士費用が心配な方に
【相続放棄を法テラスに相談すべきケース】
- 弁護士に依頼したいが費用が心配
- 相談する弁護士が見つけられない
法テラスは国によって設立された法律の総合案内所です。
収入や資産などの条件を満たせば無料で法律相談することができ、弁護士費用の立替制度も利用できるようになります。
ただし、相談できる弁護士を自由に選択できないため、経験の浅い弁護士などに任せることになる可能性があります。
また、審査に時間がかかるため、早急な対応が必要な問題の場合には不向きだといえます。
司法書士|書類作成のサポートが必要な方に
【相続放棄を司法書士に相談すべきケース】
- 相続に関する書類作成のアドバイスを受けたい
- 不動産の相続に関して相談したい
司法書士は、裁判所に提出する書類や、不動産登記の手続きに関する相談ができる専門家です。
司法書士は弁護士とは異なり、法律に関する相談には対応していません。 そのため、相談できる範囲が限定されています。
相続放棄の書類に関することで相談があるという場合であれば、司法書士でもアドバイスを得られるでしょう。
不動産の相続放棄について詳しくは不動産は相続放棄できる?全員が相続放棄するとどうなるかも解説をご覧ください。
相続放棄相談センター|相続放棄に特化した司法書士に相談したい方に
【相続放棄を相続放棄相談センターに相談すべきケース】
- 相続放棄に特化している司法書士に相談したい
- 裁判所に提出する書類作成の相談をしたい
相続放棄相談センターは、司法書士法人が運営するサイトです。 全国からの問い合わせに対応しており、相続放棄に特化しています。
ただし、司法書士の対応になるため、相談・依頼できる内容は範囲が限られている点は注意しましょう。
家庭裁判所|自分で相続放棄の手続きをしたい方に
【相続放棄を家庭裁判所に相談すべきケース】
- 相続放棄の書類の書き方でわからない部分がある
- 相続放棄する際の必要書類を知りたい
相続放棄の手続きに関しては、家庭裁判所で相談することも可能です。
相談できる内容は、具体的な申述書の書き方や必要書類など手続きに関する相談が中心になります。
相続放棄の申立ては相続人が亡くなった最後の住所地を管轄する家庭裁判所になるため、相談も管轄の家庭裁判所へ行いましょう。
相続放棄を自分で進めるデメリットについて相続放棄を自分でやるのは大変?弁護士に依頼するメリットと注意点を知ろうをご覧ください。
税理士|相続税など税金で悩んでいる方に
【相続放棄を税理士に相談すべきケース】
- 相続税が多額になるので相続放棄を検討している
- 遺産に滞納税金がある
税理士は税務関係の専門家なので、相続における税金関係の相談ができます。
相続によって発生する税金が不安で相続放棄を検討しているような場合や、相続税が多額になる場合は税理士に相談するとよいでしょう。
ただし、税理士の中でもそれぞれ専門分野が異なるため、相続を専門とする税理士を選ぶことをおすすめします。
市役所・区役所などの法律相談|地域密着の専門家へ相談したい方に
【相続放棄を市役所・区役所に相談すべきケース】
- 住まいの近くで弁護士が見つからない
- 役所に足を運んで相談したい
市役所によっては弁護士などの専門家による無料相談を設けていることがあります。
定期的に開催されているわけではないため、早急ではないものの相続の準備をしたいという方であれば気軽に話を聞きやすいでしょう。
相続放棄を弁護士に相談するメリット
相続放棄に関して相談するのであれば、法的な観点から幅広い内容の相談ができる弁護士がおすすめだといえます。
相続放棄を弁護士に相談するメリットには、次のようなものが挙げられます。
相続放棄が適切か判断してもらえる
弁護士に財産状況や相続関係について説明をすれば、相続放棄が適切かどうか判断してもらうことができます。
相続放棄を検討している人の中には、「マイナスの相続が多すぎる」「相続人同士でトラブルになっている」など相続問題を解決するために放棄することを考えている方もいらっしゃるでしょう。
弁護士に相談すれば、相続放棄以外の解決方法を提案してもらえる可能性があります。
自己判断で相続放棄を決めてしまう前に、まずは専門家である弁護士に相談してみましょう。
必要書類の準備などの助言が得られる
相続放棄では必要書類が多く、準備に時間を要します。
弁護士に相談すれば、必要書類など事前準備に関するアドバイスも得られます。
相続放棄の期限は、「相続開始を知ってから3カ月」という制限が設けられています。
弁護士に相談して必要書類などの準備を進めていけば、スムーズに相続放棄の手続きを進められるでしょう。
依頼して相続放棄の手続きを任せられる
弁護士に相談してから依頼をすれば、相続放棄の手続きを全て任せられます。
相続放棄の手続きは自力で行うには複雑な部分も多いです。
記入漏れや必要書類の不足といったミスによる再提出などにより、手続きに時間を要してしまう恐れがあります。
専門家である弁護士に依頼すれば、知識を持って迅速に手続きを進められるので、あらゆるミスやトラブルも事前に避けやすくなるでしょう。
その他メリットについて詳しくは相続放棄を弁護士に依頼するべき5つのメリット|選び方のポイントも解説をご覧ください。
相続放棄を無料相談する弁護士選びの注意点
弁護士に無料相談したいと考えても、弁護士事務所は非常に多く、どこに相談しようか迷いがちです。
相続放棄を無料相談する際には、次の点に注意して弁護士を選ぶようにしましょう。
相続問題に強い弁護士を選ぶべき
弁護士と一言でいっても、それぞれ専門分野や得意な分野は異なります。
専門分野外の弁護士に相談しても、的確なアドバイスは得られない可能性があります。
相続放棄について無料相談するのであれば、相続問題に強い弁護士を選ぶべきです。
ホームページなどから取り扱い分野や解決実績などを確認し、相続問題に強い弁護士かどうか調べてから相談予約を行いましょう。
連絡や回答の早さも大切
弁護士からの連絡や回答の早さも注目すべきポイントです。 連絡や回答の遅い弁護士は、依頼しても対応が遅い可能性があります。
相続放棄の申告には期限もあるため、早急な対応が必要な時に弁護士からの連絡や回答が遅ければ不安になってしまいます。
相談の連絡や回答などへのレスポンスが早い弁護士ならば、依頼した後の対応も迅速であることが期待できます。
相続放棄を無料相談する前に知っておくべき注意点
相続放棄について無料相談をする前に、相続放棄に関して知っておくべき注意点があります。
相続放棄には期限がある
相続放棄をするには裁判所へ申述しなければなりませんが、その期限は「相続の開始を知ってから3カ月以内」です。
この期限内に相続をするのかしないのか決める必要があり、3カ月以内に申述しなければ、相続することを承認したと扱われてしまいます。
ただし、相当な理由がある場合は3カ月の申述期限を過ぎても申立てをすることで期限延長が認められるケースがありますので、まずは弁護士に相談しましょう。
相続放棄の期限について詳しくは相続放棄の期限は3ヵ月 | 期間延長の方法と期限が過ぎてしまったときの対処法をご覧ください。
相続放棄の前に遺産を処分してはいけない
相続放棄の申述前に遺産を勝手に処分や消費、損壊してしまえば、相続放棄が認められなくなる恐れがあります。
なぜなら遺産を処分や消費するといことは、単純承認したこととして扱われるからです。
不動産名義の変更も同様です。相続放棄を検討する場合は、遺産を勝手に処分しないようにしましょう。
相続放棄の取り消しは認められない
相続放棄の申立てによって裁判所より相続放棄が認められれば、原則として撤回することはできません。
そのため、相続放棄をするかどうかは慎重に検討すべきだといえます。
ただし、裁判所に相続放棄が認められる前であれば申立ての取り下げができるため、早めに申し出る必要があります。
また、脅迫などによって相続放棄をしなければならなかった等の特殊な事情がある場合にも取り消しが認められるので弁護士に相談しましょう。
財産管理義務は継続される
相続放棄をすれば被相続人の財産を相続する必要はなくなりますが、相続財産と無関係になるわけではありません。
相続放棄をしても被相続人の財産がある場合、財産管理の義務が残ります。
例えば、相続財産に不動産があれば、次に管理する人が選任されるまでは相続放棄をした人が管理しなければなりません。
そのため、相続財産の管理人を選任した上で引き渡しを行い、相続放棄をすべきだといえます。
相続放棄について無料相談前に準備すべきこと
弁護士への無料相談では時間が限られているため、相談前に事前準備をしていくことをおすすめします。
そうすれば、時間内で疑問点や不安点へのアドバイスを得られるはずです。
無料相談前に、次のような準備を行っておくことをおすすめします。
自分の状況についてまとめる
無料相談では限られた時間内で相談しなければなりません。
そして、相談するには自分の状況を弁護士に説明し、把握してもらう必要があります。
わかりやすく的確に説明するためにも、相談前に自分の状況についてまとめておきましょう。
被相続人との関係性や、他の相続人の数や意見、相続放棄したい理由など相続放棄に関係する説明が必要です。
メモなどで要点をまとめておけば、弁護士へスムーズに説明しやすくなります。
被相続人の財産一覧表を用意する
相続放棄の相談をするのであれば、被相続人の財産をある程度把握しておく必要があります。
財産状況を伝えられるように財産一覧表を準備しておくと相談がスムーズになります。
おおよその内容や金額をメモに書き出したものでもよいので、事前に財産を調べておきましょう。
疑問点・不安点をまとめておく
初回の相談は無料であっても、2回目からは料金が発生するケースが多いです。
無料相談を終えたあとに「もっと聞きたいことがあった」「質問漏れがあった」などということが起こらないように、疑問点や不安に思っていることはメモにまとめておきましょう。
そうすれば、無料相談時間内で相談したい内容をしっかり話せるはずです。
まとめ|相続放棄に関する悩みは弁護士に相談
相続放棄の無料相談は司法書士や税理士などさまざまな専門家に相談できますが、相続におけるトラブルから書類作成まで幅広い内容を相談できるのは弁護士です。
相続放棄をすべきなのか、それとも他の解決策で対応すべきなのかという点も相談できます。
相続放棄の問題や手続きは複雑ですし、時間や手間がかかります。
そのため、一人で抱え込まずに弁護士に無料相談することから始めてみてください。
相談だけではなく依頼をすれば、手続きやトラブル解決に向けて速やかに対応してもらうこともできます。