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弁護士に無料相談するときの注意点7つ!相談の流れや無料相談の活用法

弁護士監修記事
法律相談
2024年05月14日
2024年05月14日
弁護士に無料相談するときの注意点7つ!相談の流れや無料相談の活用法
この記事を監修した弁護士
(アシロ 社内弁護士)
この記事は、株式会社アシロの『ベンナビ編集部』が執筆、社内弁護士が監修しました。

何か事件やトラブルに遭ってしまい弁護士の力を借りたいときは、無料相談の利用がおすすめです。

しかし、失敗しないようどのような点に注意すればよいのか、気になる方は少なくないでしょう。

実際、無料相談で問題を解決できることは期待できるものの、一方で解決しないばかりか余計に費用がかかってしまうことも考えられます。

そこで本記事では、弁護士の無料相談を受ける際の注意点などを解説します。また、相談の流れや無料相談の活用法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

弁護士への無料相談の前に知っておくべき注意点7つ

弁護士の無料相談は費用負担がないため便利ですが、より有意義なものにするためにいくつかの注意点を把握しておきましょう。

弁護士の無料相談を利用する前に押さえておきたい注意点は次のとおりです。

1. 無料相談には、時間・回数の制限がある

弁護士が実施する無料相談は、基本的に時間や回数に制限があります

一般的な無料相談は30分から1時間程度ですが、各自治体が実施しているものは15分や20分など短いケースも珍しくありません。

また、「同じ内容の相談であれば3回まで」など、回数制限を設けているケースも少なくないです。また、同一人物の無料相談は「半年に1回まで」「1年に1回まで」といった場合もあります。

なお、全ての弁護士が無料相談に対応しているわけではないため、詳細は法律事務所の公式サイトなどで事前に確認しておきましょう。

2. 無料相談の段階では書類作成や訴訟の対応などはしてもらえない

弁護士の無料相談はあくまでも「相談」です。アドバイスが基本となり、具体的な作業は対応してもらえないケースが少なくありません。

たとえば、無料相談の段階では必要書類を作成してもらえませんが、書き方や作成方法がわからないときはアドバイスをもらえます。

ほかにも、訴訟の手続きや相手方との交渉といった業務もおこないません。

最適な解決策の提案や問題解決に向けた方向性を教えてもらえるため、その内容から正式に依頼するかを判断しましょう。

3. 相談できる内容が限られる場合がある

法律事務所や窓口によっては相談できる内容に制限を設けているケースがあります。事前に対応している相談の条件や範囲を確認しておきましょう。

たとえば、全国に設置されている法テラスの場合、相談者の収入などが一定額以下でなければ無料相談を受け付けていないため注意してください。

ほかにも、日弁連交通事故相談センターは交通事故を専門としていることから、「自動車による交通事故の民事上の法律問題」以外には対応していません。

無料で相談できる窓口は複数あるため、解決したい問題に適した先を探しましょう

【参考】法テラスで無料相談できる内容について詳しく知る

4. 基本的に本人以外が弁護士に無料相談することはできない

弁護士の無料相談は、基本的に相談者本人以外には対応していません

たとえば、自分ではなく親・子・兄弟に関する問題で諸事情により本人に代わり相談したい場合でも、受け付けてもらえないことが少なくないのです。

これは、相談者が本人以外では情報が不正確であったり希望が伝わらなかったりすることで、トラブルに発展する可能性があるからです。

ほかにも、プライバシー・個人情報保護の観点からも、第三者による相談は断られるケースがあります。

ただし、問題が刑事事件によるもので相談者本人が逮捕され勾留されている場合は除きます。仮に代理で相談したい場合は、事前に法律事務所に確認しましょう。

5. 無料相談を利用するには予約が必要なケースもある

弁護士の無料相談を利用する際には、基本的に事前予約が必要です。

予約せずに対応してもらえるケースもゼロではありませんが、飛び込みで訪問すると担当弁護士が不在であったり、別の相談者の対応中であったりする可能性があります。

また、評判がよく人気がある弁護士の場合は空き時間が少ないため、予約なしでは対応してもらえないケースがあり得るのです。

法律事務所の公式サイトなどには予約方法や問い合わせ先が記載されているため、案内に沿って事前予約を取りましょう

なお、各自治体が実施している無料相談の場合は1日の定員が決まっている、あるいはすぐに枠が埋まるケースが少なくないため、余裕をもって予約をしてください

6.無料相談で全ての悩みが解決されるわけではない

弁護士の無料相談では相談できる内容が限定されていたり回数制限があったりします。そのため、全ての悩みが解決されるとは限りません

もし無料相談で悩みが解決できてしまった場合、弁護士や法律事務所は何も収益を上げてない状態です。

基本的に無料相談は、正式な依頼に繋げるための前段階として用意されています。

7.弁護士によっては得意な分野と不得意な分野がある

弁護士が対応できる法律上の問題は多種多様なため、一人の弁護士が全てを網羅しているケースは多くありません。弁護士によって、得意分野と不得意分野があるのが一般的です。

そのため、弁護士に無料相談をする際は自身が抱えている問題を得意としている法律事務所を選びましょう

基本的には各法律事務所の公式サイトに対応している問題・得意分野・実績などが掲載されているので、予約前に確認してください。

弁護士へ無料相談から依頼するまでの流れ

弁護士の無料相談を利用し問題がなければ正式に依頼となりますが、その際の流れはある程度決まっています。

ここからは、弁護士へ無料相談から依頼するまでの流れを紹介します。

  1. 無料相談できる弁護士を探す
  2. 無料相談の予約をする
  3. 予定日時に弁護士に無料相談をする
  4. 無料相談後に依頼するかどうかを決める

1. 無料相談できる弁護士を探す

まずは、無料相談に対応している弁護士を探します。

知り合いに弁護士がいる、あるいは近所に法律事務所がある場合は、基本的にインターネットやポータルサイトを利用して検索します。

インターネットで検索する

インターネットで居住エリアと弁護士を検索すると最寄りの法律事務所がヒットします。

その中から無料相談の対応有無をはじめ、得意分野や口コミ・評判、料金体系などを確認してください。

ほかにも、自宅や勤務地からアクセスしやすいかを確認しておくと依頼後も便利です。

ポータルサイトを利用して検索する

弁護士を検索する際は、法律事務所の情報を集めた「ベンナビ」などポータルサイトの利用がおすすめです。

なかでも、ベンナビは地域や分野など検索条件を選択するだけで、簡単に近くの弁護士・法律事務所を探せます

そして、相談したい弁護士が見つかったあとは電話・メールなどで問い合わせるとスムーズに予約を取れます。

登録している多くの法律事務所から依頼先を探し、解決実績が豊富な弁護士に相談できる点も魅力です。

【参考】ベンナビについて詳しく知る

2. 無料相談の予約をする

自分に適した弁護士・法律事務所が見つかったあとは、電話・メール・LINEなどで問い合わせをして無料相談の予約を取りましょう。

なお、予約の際には解決したい問題の概要を端的に説明できるよう整理しておくとスムーズにやり取りできます。

3. 予定日時に弁護士に無料相談をする

予定日時に法律事務所を訪問し、実際に弁護士に相談しましょう。

相談時間は30分ほどと短く設定されているケースが多く、事前に相談内容をまとめ簡潔にわかりやすく説明する必要があります。

また、相談内容により関係書類や証拠を持参するのもおすすめです。相談時の内容から弁護士が最適なアドバイスをするので、具体的で役立つ情報が多いほうがよいでしょう。

4. 無料相談後に依頼するかどうかを決める

弁護士への無料相談の結果、実際に依頼するかを決めます。

相談内容によっては正式な依頼時に着手金が必要になるケースがあるため、慎重に判断してください。

なお、必要な費用について気になる方は相談時に料金体系も質問しましょう。

依頼先を決める際は、複数の弁護士・法律事務所の無料相談を受けることも有効です。正式に依頼する前に連絡方法や頻度、詳細な費用について確認しておきましょう。

弁護士との無料相談を有効に活用する方法6つ

弁護士との無料相談は時間や回数に制限があるケースがほとんどであるため、限られた機会を有意義にする必要があります。

ここからは、無料相談を有効に活用する方法を紹介します。

1. 可能な限り早い段階で無料相談を利用する

何か弁護士の手を借りたい問題・トラブルが発生したとき、可能な限り早い段階で無料相談を利用するのがおすすめです。

法律の問題は放置している事態が悪化するケースが多いです。そのため、早期に弁護士へ相談してアドバイスを受けることにより、問題を解決しやすくなります。

2. 事件の経緯を時系列順にまとめておく

無料相談を利用する際は、現在の問題について具体的で明確に説明する必要があります。

そのため、事件の経緯を時系列順にまとめておくと、弁護士が状況を把握しやすいです。

口頭で伝えてもよいですが、時系列や発生した問題を紙にメモしておけばよわかりやすいでしょう。また、弁護士への相談が初めてで緊張している場合でも、落ち着いて状況を伝えられます。

3. 事件やトラブルに関する資料は整理しておく

事件の時系列をまとめるだけでなく、関係する資料や証拠を整理し持参することも有効です。

客観的に事実を証明できる資料が多くあれば、弁護士も適切に判断しアドバイスできます。

たとえば、パワハラなどの労働トラブルの場合は、該当する相手の言動を録音・録画したものがあればわかりやすいでしょう。場合によっては日記なども証拠として認められることもあります。

このように事件に関するメモなどの資料を整理し、情報を正確で効率的に伝えられるよう準備しましょう

4. 自分に不利な事実であっても嘘はつかず正直に伝える

弁護士に相談する際は、実際に発生したことを全て伝える必要があります。そのため、自分にとって不利な事実があっても隠さず、正直に伝えましょう

不利な事実を隠して相談しそのまま交渉や訴訟に進むと、あとから自分にとって望まない結果になる可能性があるからです。

弁護士へ正式に依頼することになれば、仮に不利な事実があったとしても適切に状況を把握し、最適な解決策を提案してもらえるでしょう。

5. 最終的な希望を明確にしておく

発生しているトラブルや事件によって、解決方法や結果は違ってきます。

たとえば、何か事件が発生した際に刑事告訴して刑事罰を与えたいのか、あるいは慰謝料や損害賠償を請求したいかなどの違いがあります。

和解など穏便に解決したいのかも含め、相談時に最終的な結果を明確にして弁護士へ伝えることで、希望が実現しやすくなります

6. 弁護士の話を忘れないようメモを取る

弁護士に相談する際は専門用語が多く理解が難しい可能性は否めないことから、メモを取ることをおすすめします。

また、自分で行動を起こさなければならないとき、何をすべきかわからず事態が悪化する可能性はゼロではありまません。そういった観点からも、メモを取ることはリスク回避に繋がります。

なお、基本的に弁護士への相談前にメモを取ることを伝えると協力してもらえますが、ボイスレコーダーなどによる録音は認めていないケースがあるため必ず事前に確認してください

無料相談でいい弁護士を見分けるためのコツ6つ

問題を解決できるか否かは相談する弁護士にかかっているといっても過言ではないため、自分に合った弁護士を選べるかは極めて重要です。

ここからは、無料相談でいい弁護士を見分けるうえで知っておくべき6つのコツを紹介します。

【参考】弁護士の選び方のポイントについて詳しく知る

1. 話がわかりやすくて丁寧か

弁護士への相談内容によっては、法律の専門用語などが多く登場することがあります。

その際に、知識が乏しい方でも理解できるよう丁寧に説明してくれるかをチェックしましょう。

正式に依頼をすることになればそのあともやり取りは続くことから、難しい言葉を使ったりわかにくかったりすると余計なストレスを感じかねません。

また、説明がわかりやすく丁寧であれば信頼感にも繋がるため、安心して依頼できるでしょう。

2. 話しやすいか

当然ですが弁護士によって性格に違いがあります。弁護士と自分と性格の相性がよいかどうかも弁護士を選ぶ際には重要な判断ポイントです。

たとえば、実績があり、話がわかりやすい弁護士でも、相談者の希望を無視して自分の提案を強引に進めるケースはゼロではありません。

無料相談ではプロフィールからはわからない弁護士の雰囲気や人柄を判断できるため、しっかりとチェックしておきましょう。

3. 質問に対して明確に答えてくれているか

同じトラブルや事件でも、弁護士によって説明の方法や提案は異なります。

たとえば、質問をした際に端的で明確に答えてくれる弁護士もいれば、回り道をして説明がくどいケースもあります。

そのような弁護士に依頼をすると質問や疑問が出てくる可能性が大きいでしょう。

投げかけた不明点に対して明確に答えてくれているかという点は、今後の付き合いを考えると極めて重要です。

4. 弁護士の話に納得できたか

弁護士に依頼するか決める際は、相手の説明に納得できたかが大きなポイントになります。そのため、弁護士の説明がわかりやすく、説得力・納得感があるかをチェックしましょう。

依頼する弁護士に迷った場合は、複数の無料相談を受けて最も適切、かつ納得できる解決策を提示した相手を選びましょう。

5. 折り返しの連絡にスピード感があったか

弁護士の対応スピードによって事件解決までの早さが変わってきます。そのスピード感を見極めるため、質問などへの折り返しの対応が迅速であるかが重要になってきます。

同時期に複数の案件を抱えている弁護士の場合、質問しても返信に時間がかかることがあります。

ほかにも、連絡が遅い性格の弁護士もいるでしょう。迅速に対応してくれる弁護士であれば、安心して相談や依頼ができます

6. 提示された費用が相場と比べて適正か

弁護士や法律事務所によって、設定されている報酬は異なります。

そのため、依頼先によっては費用・報酬が高額になることは珍しくありません。

依頼先を失敗しないためには、提示された金額と相場を比較し適正範囲か否かを確認してください。

弁護士との無料相談に関する6つの質問Q&A

最後に、弁護士との無料相談に関するよくある質問を紹介します。

Q1. 無料相談を利用したら必ず依頼しなければならないの?

無料相談を利用しても、必ず依頼しなければならないことはありません

なかには無料相談の段階で問題が解決する、あるいは自分で手続きできることもあります。

正式に依頼をせずに済むことから、弁護士に対して不安を感じた場合は検索しなおした方がよいでしょう。

相談後の依頼については本人に意思を任されているため、安心し活用してください。

Q2. 無料相談をして弁護士に依頼を強要されることはある?

無料相談後に、弁護士から依頼を強要されることはありません

基本的に弁護士は相談者に対して誠実に対応する必要があり、意思を尊重します。仮に依頼を強要されたと感じた場合は、ほかの弁護士の無料相談を受けましょう。

Q3. 無料相談で話したことが第三者に知られたりする?

原則、弁護士は職務上で知り得た秘密・情報について守秘義務があります。

そのため、相談内容が第三者に知られることはありません。これは無料相談も含まれており、相談内容は厳格に管理されます。

Q4. 弁護士との対面での無料相談にはどんな服装でいけばいい?

弁護士と対面で相談するにあたり服装に決まりはありませんが、落ち着いて相談できるものが好ましいです。

スーツのようなフォーマルな服装である必要はありませんが、仕事の前後に相談する場合はそのままの服装でも問題ありません。

Q5. 無料相談と有料相談の違いはなに?

基本的に、無料相談でも有料相談より内容や品質が劣ることはありません

弁護士は法律の専門家として最適なアドバイスを提供する責任があります。ただし、無料相談は時間や回数に制限があり、対応できる相談内容にも制約があります

その点においては、有料相談のほうが有意義なものになりやすいでしょう。

Q6. 無料といっても本当はあとで費用を請求されたりしない?

法律事務所にて「無料相談」と明記されている場合、相談に対して費用が発生することはありません

しかし、無料相談の時間を超過した場合や、相談中に実務を依頼するケースは費用が発生する可能性があります

相談前に無料相談の時間や、依頼した際の費用をよく確認しておきましょう。

まとめ

本記事では、弁護士の無料相談を受ける際の注意点などについて解説しました。

弁護士の無料相談は費用負担がないため気軽に利用できますが、時間や回数制限が設けられていることから、アドバイス程度に留まることが一般的です。

また、弁護士によって得意分野が異なるため、相談先によっては問題が解決しないことも考えられます。

そのため、抱えている問題やトラブルを解決できるよう、弁護士の得意分野や実績は事前に確認しておきましょう。

なお、ベンナビでは地域や対応している分野などで絞り込み自分に合った弁護士を探せるので、ぜひ活用してみてください。

編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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