外国での判決を日本で執行する場合、外国判決の確認手続を日本の裁判所で行う必要があります。具体的には、民事訴訟法118条に基づき申立を行うことになりますが、同条には以下のような要件があります。
①法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。
②敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。
③判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと。
④相互の保証があること。
弊所は、外国判決の日本国内の執行に関する経験値は多い方だと思いますが、上記のうち、②の送達、④の相互保証については、案件によっては立証に苦労する場合があります。
上記により裁判所が外国の判決を日本で適用できると認定すると、次に強制執行の手続きに進むことになります。
強制執行は日本の法律に基づいて執行します。これには、収入の差し押さえも含まれます。収入の差し押さえについては、法律上、債務者の生活費等を確保するための差し押さえ禁止額が設けられており、それを超えた部分が差し押さえの対象となります。その範囲等も日本の法律に従うことになりますが、ご参考までに、以下に該当する債権、動産等は、法律上、差押えが禁止されております。
差押禁止債権:
・手取り給与(給与額面額から税金等を控除した額。賞与、退職金、退職年金を含む)の4分の3、又は、33万円を超えない金額
・国民年金、厚生年金、生活保護給付金、児童手当などの受給債権 など
差押禁止動産:
・債務者の生活に不可欠な物資や道具
・債務者に思い入れがあり、売値がつかないと判断されるもの
・宗教的な信仰対象 など
以上の通り、外国判決の日本での執行は一定の手続きを経なければならず、強制執行も日本の法律の枠内で行われます。相談者様の具体的な事情により、手続きや結果は異なる場合がありますので、専門家に相談することをお勧めします。
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