建築業許可が無い事だけでは、以下のとおり解除、取り消しは困難と考えます。
建設業法第3条は、建設業の許可を受ける必要を規定しています。例外事項として「軽微な工事」は扱ってよいという特例的な措置があるものの、軽微な工事の範囲は広くありません。本件の970万円のリフォーム工事のように「軽微な工事」を超える請負工事を行った場合は、建設業法3条違反となり、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」(47条)の刑事罰と、営業停止処分の他の行政罰が生じます。
ご質問は、そのような建設業法違反して建設業を営んだ者と建設工事の請負契約をした場合に、工事請負契約の効力は有効か否かです。
建設業不許可の被控訴人との間の本件工事請負契約は建設業法の諸規定の禁止に違反して無効であるとする控訴人の主張に対し、東京高判昭和51年5月27日は、3年以下の懲役又は30万円以下の刑事罰と行政罰に処せられるが、同違反行為の私法上の両者間の私法上の行為(契約)までを否定する趣旨ではなく別個なものとして、無効とする控訴人の主張を退けて有効であるとしています。このように、基本的には、建設工事の請負契約の効力は原則として有効です。
他方、建設業法ではなく、重大な建築基準法に違反した事例について、最高裁は、建築が「著しく反社会性の強い行為」であり、建物の建築を目的とする請負契約が「公序良俗に反し,無効であるというべきである」と述べています(平成23年12月16日判決)。
以上より、建設業法の場合であっても、当事者間の契約の締結からの経過など全般において、契約建設業法の違反行為の程度や事情次第によっては、民法の規定に違反することになって、建設工事の請負契約が無効とされたり、取り消される場合もありうるわけです。その点の主張と立証方法につきご検討ください。
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