族狩りに対する質問。

　質問文中の「族車」とは暴走族風の外観に改造されたオートバイや自動車と、そして「（暴走）族狩り」は暴走族（風の人も含む。）を捕えて暴力を加えることを意味するものと理解します。
　「族狩りは何の罪になるのか」というご質問ですが、「族狩りだから」と言っても、「族狩り」行為の定めはありませんので、罪刑法定主義の原則からそれだけでは刑事責任を問えません。
　しかし、その行為によっては、また被害を生じたかによって、犯罪が成立することもあります。
　例えば、暴走行為に対して、サーチライトなどの強力な明かりを向けてドライバーの視界を塞ぐ。結果、相手方が転倒したり運転を誤り他の車などにぶつかってひかれたり…する。そうなれば、器物破損罪（刑法261条）になり、暴行罪（同208条）・傷害罪（同204条）などに問われます。またその行為により、相手方に損害が生じれば、民事上の責任も負います（民法709条）。

お問い合わせありがとうございます。

一般的には、暴走族を狩ることを族狩りということが多いように思いますが、本欄では、「族狩り」＝「暴走族に狩られる」という定義を前提にお答えします。

族狩りの内容にもよると思いますが、車体を故意にぶつけられるなどした場合は、道交法違反や妨害運転罪等、それにより車両が損壊すれば器物損壊罪、怪我をするようなことがあれば傷害罪、その他恐喝、脅迫、凶器準備集合等、あてはまりそうな犯罪行為は枚挙に暇がありません。

失礼ながら貴方がどのような属性の方なのか存じあげませんが、日本国は法治国家ゆえ、暴走族が暴走族を襲ったから犯罪にならない等ということはありません。その過程で犯罪行為があれば法に従って処罰されるのが原則です。したがって、同じような者同士、自業自得だから泣き寝入りしなきゃいけないということは法律論としてはありません。

もっとも、そのような車両に乗りながら警察を頼るのも格好良くないということもあるでしょう。

残念ながらコルク半は昔から狩られるものです。もし貴方が暴走族ではなく、無用のトラブルを避けたいとお考えなのであれば、排気量に応じた適切なヘルメットを着用し、あまり派手な構造変更等を施した車両を運転されないことをお勧めいたします。

よろしくご検討ください。