交通事故弁護士の費用相場と選び方|メリット・デメリットと解決の流れも解説
交通事故の被害に巻き込まれてしまうと、加害者や加害者側の保険会社との示談交渉を進めることになります。
日本では年間におよそ3万件の人身事故が発生していますが、ほとんどの方が事故やトラブルとは無縁の方であり、示談交渉の経験もない方ばかりでしょう。
そういった法的トラブルに巻き込まれた方をサポートできるのが弁護士です。
しかし、弁護士に相談・依頼すると弁護士費用が発生するため、利用をためらってしまうのも当然かもしれません。
依頼のメリット・デメリットを比較して納得したうえで慎重に判断したいと考える方もいるはずです。
この記事では、交通事故トラブルの解決を依頼した場合の弁護士費用の相場や依頼のメリット・デメリットを解説します。
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交通事故にあった際に弁護士へ依頼するメリット5つ
弁護士にサポートを依頼すれば、交通事故の被害者にとってさまざまなメリットをもたらしてくれます。
慰謝料を増額できる可能性が高い
交通事故の被害者は、死傷や後遺障害に対する精神的苦痛の賠償を補償する『慰謝料』の請求が可能です。
そして、慰謝料を算定する基準には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあります。
これら3つの基準は『弁護士基準>任意保険基準>自賠責基準』の順で高額になるので、弁護士に示談交渉を依頼することで慰謝料の増額が期待できます。
たとえば、むちうちで6か月の治療を要し、実際に60日にわたって通院した場合の慰謝料相場は次のとおりです。
適用する基準 | 慰謝料額の相場 |
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自賠責基準 | 516,000円 ※実通院日数×2または通院期間の日数の少ない方に4,300円を乗じて算定 |
任意保険基準 | 自賠責基準とほぼ同等が少し増額した程度 |
弁護士基準 | 890,000円 |
任意保険基準は各保険会社が独自に設定しており、情報は公開されていません。
おおむね自賠責基準と同等か、あるいは1~2割ほど高額になるといわれています。
ご覧のとおり、弁護士基準を適用しただけで自賠責基準・任意保険基準の2倍に近い慰謝料を獲得できる可能性があるので、絶大なメリットとなるでしょう。
適正な後遺障害等級を獲得できる
後遺症とは、交通事故によるけががこれ以上は治療を継続しても回復しない状態になることをいいます。
後遺症を負った場合は後遺障害慰謝料の請求が可能ですが、そのためには後遺障害等級の認定を受けなければなりません。
後遺障害等級認定の申請にあたっては、加害者側の保険会社に任せる『事前認定』が一般的です。
ただし、加害者側の保険会社は「できるだけ慰謝料額を抑えたい」と考える立場なので、適正な認定を得るために全力を尽くしてくれる可能性は決して高くありません。
そのため、そもそも後遺障害が認定されなかったり、認定されても本来よりも低い等級が認められてしまったりする可能性があるのです。
適正な後遺障害等級を得るためには、弁護士に対応を任せて被害者側で申請する『被害者請求』を利用するのが最善です。
交渉を弁護士に一任できる
交通事故の示談交渉は、事故の当事者同士が話し合うのが原則です。
お互いに過失のある事故では保険会社に任せることも可能ですが、相手に100%の過失がある事故では被害者自身が交渉しなければなりません。
弁護士は、どのような状況でも被害者の代理人を務めることができる唯一の存在です。
加害者や加害者側の保険会社とのわずらわしい交渉を弁護士に一任すれば、交渉のストレスから解放されて治療やリハビリに専念できるでしょう。
通院や治療に関するアドバイスがもらえる
適切な慰謝料の獲得を実現するには、正しく通院・治療が欠かせません。
交通事故トラブルの解決実績が豊富な弁護士に相談すれば、どのような方針で通院・治療を継続すればよいのかのアドバイスが得られます。
万が一裁判になってもそのまま対応を依頼できる
加害者や加害者側の保険会社との示談交渉で和解に至らなかった場合は、最終的に民事裁判を起こして裁判官の判断を仰ぐことになります。
裁判ではさまざまな証拠を用意して裁判官に示し、法廷において合理的な主張をする必要がありますが、交通事故トラブルや法的トラブルの経験に乏しい一般の個人が対応するのは難しいでしょう。
民事裁判の対応は、準備を含めて弁護士に一任するのが安全です。
事故の発生直後から弁護士に相談して対応を任せていれば、裁判に発展した場合でもそのまま継続した対応を依頼できます。
交通事故にあった際に弁護士へ依頼するデメリット3つ
弁護士への依頼がかならずメリットを生むとは限りません。
一定のデメリットも存在することをしっかりと理解しておきましょう。
必ずしも慰謝料を増額できるとは限らない
弁護士に対応を任せればかならず慰謝料が増額できるかといえば、そうともいいきれません。
適切な慰謝料が提示されており、増額できる要素がない場合は、慰謝料の増額は不可能です。
もっとも、裏を返せば、適切な慰謝料が提示されていない状況では慰謝料の増額が大いに期待できます。
費用倒れになってしまう可能性がある
弁護士に交通事故トラブルの解決を依頼すると弁護士費用の負担が発生します。
慰謝料の獲得が期待できない状況で弁護士に依頼すると、弁護士費用の負担だけが発生する『費用倒れ』になることがあるので注意しておきましょう。
一般的な人身事故では、自賠責保険や任意の自動車保険による賠償が得られるため費用倒れが起きる危険は高くありません。
注意すべきは、自分自身に100%の過失が割り当てられている事故です。
たとえば、自分が信号無視で交差点に進入してほかの車に接触してけがを負った、駐車中の車に追突して自分が後遺障害を負ったといったケースでは、弁護士に依頼しても費用倒れになってしまうおそれがあります。
進捗状況がわからずやきもきすることがある
弁護士との正式契約を交わすと「すぐに解決してくれる」と期待する方も少なくありません。
しかし、法律事務所の約60%が弁護士1名だけの『一人事務所』です。
弁護士が5人以下の事務所を含めると全体の約90%になるため、一人の弁護士が複数の案件を抱えて対応を並行している状況であることがわかります。
しかし、依頼主にとってそんな実情は関係ありません。
「もう1か月も経つのに何も進展しない」「まったく連絡をくれない」といった不満を感じる方も多いはずです。
弁護士からの報告もなく進捗状況がわからないとしても、弁護士は着実に解決を目指して対応しています。
しかし、後遺障害等級認定の申請結果を待っている、相手側の保険会社の回答を待っているといった状況では「なにもしてくれていないのではないか?」とやきもきした気持ちになるかもしれません。
デメリットの詳細については【解消策あり】交通事故の解決を弁護士に依頼するデメリット|費用の抑え方も解説をご覧ください。
交通事故で弁護士に依頼したほうがよいケース
交通事故の示談交渉は、事故の当事者がみずから進めるのが基本です。
かならず弁護士に依頼しないといけないといったことはありません。
ただし、ここで挙げるようなケースでは、対応を弁護士に任せたほうが賢明です。
弁護士費用特約に加入している
弁護士費用特約に加入している場合は、弁護士費用の負担を一定の範囲で保険がカバーしてくれます。
費用面の不安があって依頼をためらう方も少なくありませんが、保険でカバーできるなら遠慮なく依頼することをおすすめします。
通院途中で治療費の支払いが打ち切られた
まだ治療のために通院を続けている段階でも、相手側の保険会社から「治療費の支払いを打ち切る」といわれてしまうこともあります。
治療費の負担が発生すると、安心して治療に取り組めないでしょう。
しかし、治療費をはじめとした損害は、その全てを相手方に請求するのが通常です。
つまり、治療費の打ち切りを打診してきたとしても、それに応じる必要はありません。
一定の期間があってもまだ症状が回復していいなければ治療は続けるべきですし、その際の治療費は相手方に請求可能です。
治療費の負担を続けてもらうためには交渉が必要です。
あなた自身で交渉しても問題はありませんが、弁護士に依頼して代わりにおこなってもらうとスムーズでしょう。
示談交渉がまとまらない
慰謝料額や過失割合などで双方が合意せず、示談交渉が難航するケースもめずらしくありません。
そういった場合であっても、弁護士が交渉をすることで、相手の態度が軟化し、交渉がまとまるということも少なくありません。
また、示談で交渉がまとまらない場合には、裁判をしなければなりません。
裁判では交通事故で発生した損害について証拠を提示し、法的にただしい主張・立証をしなければなりません。
裁判の手続きをあなた自身で対応するのは現実的ではありません。示談交渉がまとまらないときにはできるだけ早く弁護士に相談するようにしてください。
示談交渉についての詳細は交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき6つの理由|交渉の流れも解説をご覧ください。
事故の後遺症が残っている
後遺症が残ってしまうと、事故後の生活に大きな支障をきたしてしまいます。
適切な後遺障害等級の認定を受けて慰謝料を獲得し、生活の支えとするべきです。
すでに少し触れましたが、後遺障害の認定方法は、相手方保険会社に申請してもらう「事前認定」とあなた自身で申請する「被害者請求」の2種類があります。
そして、適切な等級を獲得したいなら被害者請求をするほうがベターであることはお伝えしたとおりです。
後遺障害等級の認定とその等級内容については、主に書面で判断されますが、適切な等級を獲得するためには、しっかりと証拠を集めなければなりません。
後遺障害等級認定の申請に必要な資料の用意や手続きは煩雑なので、弁護士に一任すると安心です。
後遺障害に強い弁護士については後遺障害に強い弁護士の特徴とは?探すための4つの方法も解説をご覧ください。
忙しくて対応に時間が割けない
交通事故はある日突然襲いかかってきます。
手間を掛けて充実した賠償を得たいと望んでいても、通院・リハビリ、仕事、家事、介護などで忙しくて対応に時間を割けない方もいるでしょう。
弁護士を代理人に選任すれば、加害者や保険会社との連絡・交渉など、面倒な手続きはすべて弁護士が対応してくれます。
治療に集中できますし、保険会社と交渉するストレスも省けます。
交通事故弁護士の選び方|相談時にチェックするポイント3つ
交通事故トラブルで満足できる解決を得られるかどうかは、弁護士選びの段階で決まるといっても過言ではありません。
弁護士の選び方で注目すべきポイントを挙げていきましょう。
交通事故に注力しているか
弁護士には、借金問題の解決が得意、刑事弁護を専門にしている、離婚案件を中心に実績を積んでいるなど、それぞれに得意分野があります。
交通事故トラブルの解決を専門外の弁護士に依頼しても満足できる結果が得られるとは限りません。
かならず交通事故トラブルの解決に力を入れており、解決実績を豊富にもっている弁護士を選びましょう。
法律事務所のホームページにアクセスしたり、インターネットの広告サイトをみたりすれば、交通事故トラブルの解決に注力している弁護士が見つかります。
まずはインターネットで「交通事故 弁護士」などのキーワードで検索してみましょう。
説明がわかりやすいか
弁護士に相談した際には「説明がわかりやすいか?」という点にも注目してください。
はじめて弁護士を利用する方にとって、弁護士は敷居の高い存在です。
法律問題の経験がなければ、難しい専門用語で説明を受けても意味がわからないことばかりでしょう。
できるだけ平易な表現で、わかりやすい説明を尽くしてくれる弁護士なら、法律問題に不慣れな一般の個人に寄り添う姿勢があると評価できます。
人柄が信頼できるか
弁護士選びでもっとも重視すべきは『相性』だといわれています。
話し方や態度ひとつを取っても「どこか信頼できない」と感じれば、弁護士との二人三脚で解決を目指すのは難しくなるでしょう。
実際に相談して信頼できる人柄であるのかを肌で感じてみることが大切です。
交通事故で弁護士に相談した際の流れと解決までの期間
交通事故トラブルの解決を目指して弁護士に相談・依頼した場合は、次のような流れで進みます。
- 事故発生
- 入通院による治療
- 完治または症状固定
- 後遺障害等級の認定
- 示談交渉
- 示談成立
実際に弁護士が表立って活躍するのは⑤の示談交渉が始まってからです。
ただし、示談交渉の段階になってはじめて弁護士に相談・依頼するのではメリットを最大限に活かすことができません。
適切な治療に取り組むためのアドバイスが得られる、症状固定に納得できない場合のサポートが得られる、適切な後遺障害等級認定の申請をサポートしてもらえるというメリットがあるので、早めの相談・依頼が肝心です。
軽傷の事故で後遺症がなければ、治療が終わり示談交渉を開始した時から、1~3か月程度で示談成立に至ります。
治療期間によっても解決までの時間は変わってきますが、治療終了後1〜3か月で保険金がもらえると考えて良いでしょう。
一方で、後遺症が生じてしまったケースでは、③の症状固定の診断を受けて治療期間が終了した後に④の後遺障害等級の申請をおこないます。
後遺障害等級認定の結果が得られるまでに申請から2か月程度の時間がかかるので、示談交渉はさらにその後から開始されます。
示談交渉の期間や後遺障害等級申請の手続きを考えると、治療終了から解決までに数か月程度はかかると心得ておきましょう。
交通事故の問題を弁護士に依頼した際の費用相場
弁護士に交通事故トラブルの解決を依頼すると弁護士費用が発生します。
弁護士費用の料金体系は一般的に『着手金』と『報酬金』の二本立てで構成されているという点が特徴的です。
着手金は、弁護士にトラブル解決を依頼した際に支払う頭金的なものです。
一方の報酬金は、トラブル解決に対する成功報酬としての性格をもっています。
着手金や報酬金は各法律事務所が自由に設定できますが、以前は日弁連による基準が存在していました。
現在も旧基準を踏襲している事務所が多いため、おおむね旧基準に近い金額に落ち着くでしょう。
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
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300万円以下 | 経済的利益の8%(最低10万円) | 経済的利益の16% |
300万円超~3,000万円以下 | 経済的利益の5%+9万円 | 経済的利益の10%+18万円 |
3,000万円超~3億円以下 | 経済的利益の3%+69万円 | 経済的利益の6%+138万円 |
3億円超 | 経済的利益の2%+369万円 | 経済的利益の4%+738万円 |
また、相談の際は30~60分あたり5,000円程度の法律相談料が発生するほか、事務所外で弁護士が活動した際の日当や交通費、裁判所に支払う手数料などの実費も別途発生します。
「最初に大きなお金を用意する必要があるの?」と不安になる方が多いかもしれませんが、近年では着手金を無料としてその分を報酬金に割り増す『完全成功報酬制』の事務所も増えてきました。
報酬金は獲得した慰謝料などから支払うので、自己負担が発生することはほとんどありません。
弁護士費用特約に加入していれば着手金の負担もカバーできるので、気兼ねなく弁護士を利用できるはずです。
相談・依頼した弁護士に不満や不安があったら
交通事故トラブルの解決を相談・依頼したあとで「別の弁護士に変更したい」と希望するケースは決してめずらしくありません。
対応が極端に遅い、相性が悪い、希望を聞いてくれない、以前話していた内容と違うなどの状況があれば、弁護士の変更を望むのも当然です。
まずはセカンドオピニオンとして別の弁護士に相談し、事情を説明して変更先の弁護士を解任すれば、弁護士を変更できます。
ただし、すでに支払った着手金は返金されません。また、そこまでに発生した実費は清算する必要があるので、増額が見込めない場合は慎重な判断が必要です。
弁護士費用特約があれば着手金の負担が補償されるので、費用面の不安を感じることなく変更できるでしょう。
もし、ほかの弁護士への相談を望んでいるものの、どの弁護士に相談すればよいのか見当もつかないといった状況なら、交通事故紛争処理センターへの相談もおすすめです。
センターの担当弁護士が無料で法律相談を受け付けてくれるので、弁護士を変更するべきかどうかといった悩みへのアドバイスが期待できます。
また交通事故の相談は交通事故の相談先は7つ!保険会社や日弁連交通事故相談センター等ケース別相談先をご覧ください。
【参考記事】ご利用について|公益財団法人交通事故紛争処理センター
最後に
交通事故に巻き込まれて怪我や後遺障害を負ってしまった場合は慰謝料の請求が可能です。
慰謝料額の算定基準には3つの種類がありますが、もっとも高額となる弁護士基準を適用するには弁護士への依頼が欠かせません。
費用面の不安を感じずに気兼ねなく弁護士を利用するためにも、ぜひベンナビ弁護士保険にご加入ください。
交通事故について弁護士に相談する 電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬 の事務所も多数掲載! |
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