撮影の具体的な状況や、その後の警察の動きが把握できていないため、確実なことは申し上げられませんが、いただいた情報を前提にお伝えできる範囲で回答いたします。
取り得る対応は、大きく「自首(出頭)する」か「静観する」かの二つかと思います。それぞれのメリット・デメリットは次のとおりです。
【自首(出頭)する場合】
メリットは、逮捕されるリスクが下がりやすいことです。自ら出頭した経緯があると、身柄を拘束されないまま手続が進む例も多く見られます。
一方で、自首をすると事実を認めた事件として進むことになり、ご自身の供述が主要な証拠になります。撮影をした時点で犯罪自体は成立しており、動画を削除してもその点は変わりません(削除したデータが解析で復元されることもあります)。データが復元されず客観的な証拠が乏しい場合でも、撮影罪は未遂も処罰の対象のため、処罰を受けるおそれは残ります。
また、被害者が誰か分からないまま終わることも考えられます。その場合は示談ができないため、弁護活動として打てる手は、専門クリニックへの通院といった再犯防止の取組、贖罪寄付といったものに限られてきます。
過去に、自首をしたうえでクリニックの受診と贖罪寄付を行い、被害者が特定されないまま不起訴となった例を経験しています。ただ、これは証拠が乏しかったことによるものと思われ、同じ結果になるかは怪しいです。
【静観する場合】
静観していて警察が動くのは、被害者から被害申告が出ているケースが大半です(たまに、目撃者の通報から発覚し、被害者の特定が捜査の終盤まで行われなかった例もあります)。被害者がいる事件として進むのであれば、示談ができれば不起訴となる可能性があります。
デメリットは、逮捕のリスクです。事案類型として高くはありませんが、たまに逮捕されている例もあります。
【どちらの場合でも】
警察から連絡が来たときは、その時点で、すぐに弁護士を入れることをお勧めします。
また、警察介入後に事実を認めて進む場合でも、自首する場合でも、今のうちから性依存の専門クリニックのカウンセリングにつながっておくとよいと思われます。この種の専門機関は初診まで1か月程度かかることが多いです。予約の申込みだけでも早めに送っておくと、申込みを送った記録自体が、検察官が処分を決める際の資料になります。
(参照条文)
・性的姿態撮影等処罰法(令和5年法律第67号)2条1項=3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金。同条2項=未遂も処罰の対象
・刑法42条1項=捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる(必ず減軽されるわけではありません)
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