当該建物はおそらくお父様の所有だと思われ、そのことを前提として回答させていただきます。
借地人であるお父様がお亡くなりになりますと、相続人であるお母様とお子様3名が建物と借地権を相続することになります。借地ですので、最終的には建物を壊して土地を明け渡す義務が相続人の方に生じます。
解体費用の捻出が難しいとのことであれば、やはり相続放棄を考えられたほうが良いかと思います。
ただ、注意すべき点は、以下の点です。
⑴ お父様が亡くなられた後、お母さまがその建物に住みたいということでしたらお母様がとりあえずその建物を単独で相続により取得するという選択肢もあります。その場合には、借地人がお母様になりますと、建物所有者もお母様になりますので、お子様は相続放棄をしなくても借地料の負担や解体費用の負担を負うことはありません。
⑵ お父様がお亡くなりになった後にお母様が亡くなられた場合には、お子様たちは相続放棄をすれば解体費用の負担はなくなります。
⑶ 相続放棄をした場合には、放棄のときにその建物を「現に占有しているときは」、その者は管理責任を負担するところとなり、老朽化して崩れて隣家などに損害を与えた場合にその責任を負うことになります(民法940条)。
⑷ 相続放棄をする場合には、相続が開始し相続人になったことを知ったときから3か月以内に申立てをしなければいけませんが、その間に借地料を払ったり、被相続人の財産を処分したりなどしますと相続を承認したものとみなされ、放棄をすることができなくなりますので、ご注意ください。
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