相談された弁護士の意見は,どれも相当と思われます。
「以前より無条件に母親が強いわけではなくなった」のも「裁判所は結局は母親という固定観念が未だにすごい強固」なのも実情に沿うものです。
なぜ各弁護士の意見がバラバラになるかといえば,事件を担当する裁判官それぞれの価値観がバラバラだから,ということではないかと思います。
身も蓋もない話ですが,ギリギリの事案になると,担当する裁判官により結論が変わり得るというのが私個人の感覚です。大半の事案は,どの裁判官が判断しても同じ結論になると思いますが。
さて,あなたのケースで問題となるのは,⑴主たる監護者といえるのか,という点と,⑵妻の抵抗を受けずに子を連れて別居可能か,ということではないかと思いました。「明らかな負け戦」とは思いませんが,少なくとも有利とはいえない状況だと思います。
⑴については,「育児はとても積極的にしていた」ということをどのように立証するかがポイントでしょう。
夫婦それぞれの仕事内容や家にいる時間の長短,1日のスケジュール,具体的にどのような育児をしてきたか,それを証明する資料があるか,母子健康手帳やこども園との連絡ノートは誰が記入していたか,配偶者の看護に問題はなかったか,ということを検討すべきでしょう。
⑵については,妻の同意なく子を連れて別居に踏み切った場合,妻から監護者指定,引渡しを求められることになるというのは,相談した弁護士が指摘するとおりです。そしてその場合,やはり「主たる監護者」がどちらだったかも争点となりますが,仮に,妻だと認定された場合は,子の連れ去り方法の「手段が不相当」との判断により,妻の主張が認められると思われます。そのため,子を連れて別居するのであれば,妻の抵抗を受けない方法が望ましいです。実際のところは難しいですが。
頑張ってください。