1 不動産の評価について
不動産の遺産分割の場合、遺産の評価としては、売却のための諸費用を差し引くということはあまりありません。
基本的には、不動産の査定価格(場合によっては、固定資産税評価額や路線価によることもあります)に基づいて評価することが多いです。
なお、不動産の評価というテーマからは外れますが、当該不動産を売却してそのお金を相続人間で分割するという場合(いわゆる換価分割)には、実務上諸費用を売却代金から控除して、残金を分割するということはあります。
2 鑑定について
遺産分割調停においては、遺産の不動産の評価に関する資料(不動産会社の査定書や固定資産税評価証明書等)が当事者から提出され、不動産の評価をどのように定めるか協議がなされます。
その際に、相続人間で不動産の評価について合意ができない場合には、裁判所より不動産鑑定士に鑑定を嘱託し、不動産の評価を客観的に評価するという手続きに進みます。
この場合の不動産鑑定士の鑑定費用は相続分に応じて負担となるのが原則です。調停に相続人全員が出席している状況で、一部の相続人のみが鑑定費用を負担するということは稀であると思います。
なお、遺産の中に預貯金がある場合には、相続人間の合意でその預貯金から鑑定費用を支出するということも可能です。
不動産の相続では、評価や分割方法を含めて複雑な点が多いですので、専門家へのご相談もご検討ください。
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