破綻しているとは、夫婦には同居義務やお互いの扶養義務(民法752条)がありますが、こうした協力関係が維持できなくなっており、かつ回復の見込みがないような状態を指します。
破綻しているかは、個別判断であり、これがあれば確実に破綻という物差しがあるわけではありません。ただ、実務上、一定期間の別居があると破綻が認められやすいと考えられています。そこでよくあるご質問は何年別居すれば破綻が認められるのかというものですが、これもケースバイケースであり、同居期間や従前の夫婦関係、別居後の事情等、様々な事情により判断されるところです。よほど婚姻期間が短い場合を除いては5年程度の別居期間は必要となるでしょう(繰り返しですが事情次第なので一概にはいえませんが)。
破綻後に配偶者以外の者と性的関係を持った場合、確かに慰謝料請求は認められない、となります。
ただし、上記のとおり破綻しているか自体の判断が難しいですし、最終的には裁判の中で破綻の有無が争われ結果的に破綻していたから請求が棄却されるという流れをたどるものなので、実際にその時点で破綻していると安易に判断できるものではありません。