>相手にDNA鑑定を依頼し元夫の子であるとなったら双方から慰謝料は請求出来ますか?
まず相手がDNA鑑定に応じてもらえるかどうかが問題です。その結果の如何によっては慰謝料が請求されることになると見込まれるのであれば、DNA鑑定に応ずるはずはないからです。
何も材料がないままにDNA鑑定を受けさせることはできないと考えた方がよろしいかと思います。
まずは、元ご主人の現在の戸籍の状態を確認するようにしてみてはいかがでしょうか。
その結果の如何によっては、慰謝料請求を依頼すると約束した上であれば、弁護士に元ご主人の現在の戸籍の状態を確認して貰うことができます。逆に言うと、その結果の如何によっては、別途、相手にDNA鑑定を受けさせる必要もなくなります。元ご主人が離婚の直後に再婚をしていたとか、子供を認知していたことになっているなどが確認できるかも知れないからです。
ですが、元ご主人が婚姻期間中に、他の女性と性的な交際までもしていたことが分かったとしても、それだけで直ちに慰謝料請求できるとは限らないことにも注意が必要です。
なぜなら、正式に離婚をしていなくても、既に婚姻関係が破綻しており、戸籍上の夫婦であるというだけで、婚姻関係が形骸化しているようなときには、配偶者以外の異性と性的な交際をしたとしても、それは違法な不貞行為ではないと考えられているからです。離婚に先立ち、離婚することを前提に既に別居状態であったというようなときには慰謝料の請求ができません。
また、相手方に対して慰謝料請求ができるのは、相手方が、元ご主人のことについて既婚者であることを認識していた(少なくとも、もともとの両者の関係からして容易に認識し得たはずであるといえること)が必要です。例えば出会い系サイトやマッチングアプリで知り合ったので、元ご主人のことについて独身であると思っていたなどというときには相手方には慰謝料を請求できません。
また更に、慰謝料が請求できるのだとしても、既に別の理由で離婚しているわけですから、離婚後に改めて婚姻生活中に元ご主人が不貞をしていたことを知ったことによる精神的苦痛は、それほど大きいものではないのではないかと考えられがちで、通常よりも認められる慰謝料が低額になるということを覚悟した方がよいかと思います。