元ご主人及びその代理人弁護士の先生の意見とは異なりますが、私は実際に慰謝料を支払ったというようには認められず、従って求償権の行使もできないのではないかと思います。
同意書には「慰謝料を免除する」と書いてあるからです。
またもとご主人側に同意書の解釈について補足説明をして貰えたとして、裁判官に求償権の行使を認めて貰えるかというのも難しいかと思います。
裁判官は納得できたとしても、あくまでも補足説明があって初めて理解できること那訳ですから、その同意書を示された相手の方にとって、その説明を受け入れることができるはずはないからです。相手方にとっては求償される金額も全く分からないわけで、結局、言ったもん勝ちということになってしまいます。裁判官もそのようなことは認めないものと思います。
もし、元ご主人の側の協力が得られるのであれば、今ある裁判所を相手方や裁判官に提示する前に合意書の第三を書き直してもらうべきです。
例えば次のようにです。
(1)「乙は、甲に対し、離婚に伴う財産分与として、金350万円の支払義務があることを認める。」
(2)「甲は、乙に対し、第2項に記載する不貞行為の慰謝料として、金350万円の井原い義務があることを認める。」
(3)乙の甲に対する(1)記載の財産分与の支払義務と、甲の乙に対する(2)記載の慰謝料の支払義務とを、本合意書において、対当額にて相殺する。
但し、既に合意書を相手に対して提示してしまっていた後には、このようなことはできません。
書き直した合意書の効力が認められなくなるからです。