
ご相談内容からうかがわれる状況を踏まえれば、離婚に乗り出すの1択であるといっても差し支えないかと思います。しかし、それは家族の幸福、お母様の幸福を優先して考えた場合のことです。離婚せずに無理にお父様との家庭生活を維持していこうとすると、幸福な生活を営むことができないことが明らかだと思われます。
ですが、あなた自身の問題ではなくお母様の問題である以上、あなたが軽々に離婚を勧めればよいというものではないと思います。
というのは、あなた自身が大学等に進学して無事に卒業するまでの間、それから弟たちが社会人に育つまでの間、お母様が自分自身含めて4人の生活を維持していけるかどうかという現実の問題にも直面することになるからです(未だに女性の側の方が男性よりも収入が少ない、所得が少なくなりがちであるという現実があるからです。)。
もちろん、ご両親が離婚しても親子関係には何らの変わりもないのですから、あなたや弟さんが社会人になるまで養育費をお父様に支払ってもらうことはできますし、大学の授業料も応分の負担をしてもらうことは可能です。しかしそれはしばしば建前だけのものになってしまって、現実にはなかなか支払って貰えないことも少なくないのです。また慰謝料の請求も可能ですが、それで数年にわたって生活していけるだけの水準の金額を受け取れるというわけでもありません。
お母様は、そういう現実がある中で、敢えて離婚をしないという選択をしているのかもしれず、その選択も尊重するべきだと思います。
しかしお母様が、その現実問題のために本当なら離婚したい気持ちが山々であるのに、それを無理して我慢しているということなのかも知れません。
ですので、現時点においては、離婚を勧めるということではなく、お母様との良き相談相手になって差し上げるというスタンスで対応するのがよろしいかと思います。そしてもし「本当なら離婚をしたいのだけれど・・・」というような話が出てきたら、その背中を押して差し上げるということで充分なのだと思います。
なお、お父様の日常の言動について記録に残しておくというのは大切なことです。本当に離婚をするということになったとき、慰謝料の支払が認められるための貴重な証拠となります。