財産分与は,個別の財産を一つずつ分けていくのではなく,全体を計算し,トータルがプラスであれば等分する,という方法を採ります。
具体的には,あなた名義のプラスの財産(不動産,預金など)と奥様名義のプラスの財産を合算し,そこからあなた名義のマイナスの財産(住宅ローンなどの債務)と奥様名義のマイナスの財産を引いて,プラスが残るようなら,プラスの分を2分の1で分けるように財産が多い方から預金などで調整する,トータルがマイナスであれば,財産分与はしない,ということになります。
トータルがプラスの場合を前提に話をすると,自宅不動産のうち,奥様の特有財産(共有財産に該当しない。奥様のお母様からの贈与)部分をどのように評価するのかが問題となるでしょう。
考え方ですが,不動産取得費用のうち,奥様の特有財産部分の割合を算出したうえで,現在の自宅不動産の価値(又は売却額)から残ローン額を控除した残金に,上記特有財産割合を乗じたものが奥様の特有財産となります。
例えば,4000万円で自宅を取得し,そのうち1000万円を奥様のお母様の贈与金で賄った場合,特有財産割合は25%となります。現在の自宅の査定額または売却額が3000万円で,住宅ローンが1000万円残っているのであれば,自宅の価値は2000万円となりますので,奥様の特有財産部分は500万円分と算出できます。
より具体的な相談をされたい場合はご連絡ください。